Sim Settlements 2 (Fallout4)

登録日:2022/02/04 Fri 12:50:56
更新日:2025/04/28 Mon 09:16:55
所要時間:約 9 分で読めます


タグ一覧
Fallout4 MOD


「居住地の再建を手伝うことに理由があったとしたら?」

Sim Settlements 2は、あなたにそんな提案をするMODです。

Sim Settlements 2は、ゲームFallout4」で利用することができるMODである。

+ Fallout4?MOD?何よそれ?という人向けの折りたたみ
  • Fallout4
詳しくはアニヲタwiki内の当該記事(Fallout4)を参照のこと。
ものすごく簡潔に言うと、
「210年間の冷凍睡眠から目を覚ましたら、そこは核戦争後の世界だった!」
「一緒に冷凍睡眠していたが誘拐されてしまった息子、ショーンを探さなくちゃ!」
…という筋立てで始まるオープンワールドRPGである。

  • MOD
ここでは「ゲーム内容に変更を加える、ユーザーが作成したプログラム」のこと。
Fallout4は公式がMODの利用を認めているゲームである。
当該項目のものも含めてゲーム内でMODのDLが可能だったりするのだ。
(ゲーム内容に改編を加えるプログラムであるため、利用は自己責任で行うのが原則)

「ゲーム内容に変更を加える」と聞くと、「え、チート(ズル)できるってこと?」と思うかもしれない。
もちろん、そういうMODもある…のだが、それだけではない

本記事で紹介するような、「ほとんど新作ゲームも同然じゃん」というようなMODも複数存在したりする。
フルボイスのクエスト、特殊なシステムなど何でもござれである。…いやほんとなんでそんなことできるの。

概要

Fallout4というゲームには「居住地」というシステムが存在する。
ビーコンで人を集め、ベッドや畑を用意し、襲ってくる悪漢から身を守るための防備を整えることで、各地に点在する居住地に人が集まり、にぎやかな街ができていくのだ。

…ただ、街をそれらしく作り込むには手間暇がかかる。何しろ小物1つ置くのも全て自分の手で行わなければならないのだ。おかげで野ざらしのベッドが置かれているだけの居住地がどれだけできたことか。

そんな面倒なことをゲーム側でやってくれたら素敵やん?という発想の下で作られたのが、Sim Settlements(初代)である。
詳しくは後述するが、居住地に「区画(Plot)」を作成し、そこに住民を配置すると、あとは勝手に小物付きの家が建っていき、条件を満たすと建物がより豪華になっていく…というシステムになっている。

で、本記事で紹介するのはSim Settlements 「2」である。1の成功の後、MOD製作者は本記事冒頭に掲げたコンセプト…「居住地の再建を手伝うことに理由があったとしたら?」の下に、今度は初代のシステムに、ゲーム本編並みのフルボイスのクエストをくっつけた、新作MODを開発したのである。

その結果出来たのは、
  • 初代から引き継がれた拠点建築システム
  • フルボイスのメインクエスト・サブクエスト
  • 地域の復興や新勢力の追加
といった、内容盛りだくさんのMODだった。
チャプター形式での配信となっており、現在はチャプター2まで配信中。

ちなみに、「クエストはゲーム本編並み」という表現に一切の誇張はない。いや、マジで。
時間で言うと、チャプター1だけでも10時間程度かかる(ロケーション間の移動等込みだが)。
…まぁバグもあるが、そこはご愛嬌である。Fallout4だし…。

システム

区画(Plot)

住居・農業・工業・商業・防衛・公共・余暇の7種類に分かれた区画を居住地に設定することで、対応する建物が勝手にその場所に建っていく。区画の指定にはASAMセンサーというアイテムが1つ必要(色々と入手手段がある)。

Fallout4の入植地にはベッド、水、食料、防衛力、幸福といったステータスが設定されているが、上述の区画を上手く割り振ることで、初期投資以外に何も手を下すことなく、これらのステータスを完璧に満たした居住地を作ることも(多分)可能だ。

バーチャル・ストレージ

上記の「区画」に物を建設するためには物資がいる。それも大量に。
大量の物資をいちいち用意するのは手間がかかる。なら住人に用意させよう!

というわけで、上記の区画のうち「工業区画」で生産された建設物資などは、バーチャル・ストレージと呼ばれるものに収納される。
このバーチャル・ストレージ内の物資はプレイヤーは利用できないが、区画の建設は基本的にこちらの物資を消費して行われるため、十分な工業区画を用意すれば、プレイヤーは居住地の発展のために物資を融通する必要すら無くなるのだ。

都市計画

もう区画の配置すら面倒くさい、という人もご安心。それさえ自動でやってくれるシステムがある。
居住地に「市長(Mayor)」を設定することで、都市計画(City Plan)を利用することができる。
これを使うことで、居住地内の余計なオブジェクトの解体から区画の配置まで、全て自動で行ってくれるのだ。…ただ、環境によっては電線の架線が行われないとか色々バグもあるようなので、やはり多少は自分でも面倒を見ることをオススメする。

ユニーク住人

全ての住人にはステータスが設定されている。で、このステータスは名無しの住人は低く、名有りの「ユニーク住人」は高い傾向にある。
ステータスが高いと各区画の生産効率が上がったりする。なので、ユニーク住人を大量に居住地に招き入れると居住地が発展しやすくなるのだ。

ユニーク住人はゲーム本編にいる者たちはもちろん、本MODで追加された者たちも大量に存在する。
本MODで追加された者たちは大抵の場合、サブクエストをこなすことで勧誘できるのだが、このサブクエストもフルボイスである。…どんだけ手間かけているんだ。

その他

他にも色々な要素があるが、全部紹介しているときりがないので割愛する。詳しくは本MODの導入方法も合わせて 本家ウェブサイト を参照すること。

ただ1つだけ。本MODにはいくつかの難易度設定があるのだが、最高難易度の「Hard core」は相当手間暇がかかるのであまりオススメできない。難易度をサバイバルで始めるとデフォルトでこの設定になるようなので、さっさとCity Planner's Deskで難易度を変更しておこう。

メインクエスト

本MODのメインクエストは本編にも登場した傭兵集団「ガンナー」との戦いが主軸となる。
原作と違い、何らかの目的をもって各地の居住地を制圧しようとしているガンナーたち。
「ASAMセンサー」を使った居住地開発を続けていくうちに、主人公たちは否応無しに彼らと対決することになっていく。

ストーリー

チャプター1

居住地の作成を始めようと募集ビーコンを建てたあなたの元にやってきたのは、ベストを着た謎の男(ストレンジャー)。
彼は居住地を作成するのにうってつけのものがあると、「ASAMセンサー」という機械を提供してくれる。
区画の配置から建て方の指導までやってくれる優れもののツールであり、おかげで居住地はみるみるうちに発展していった。

しかし、居住地のさらなる発展を目指して「コム・ハブ」という機械を手にし出したあたりから、傭兵集団「ガンナー」の影がチラつき始め…。

チャプター2

コム・ハブを奪われ、とうとうガンナーと全面的に事を構える羽目になってしまったあなたとジェイク。
身内に犠牲者まで出る中、これまでに出会ってきた仲間たちを集め、ガンナーの本拠地「ガンナープラザ」に攻め入ることになる。

そしてついにガンナープラザを陥落させ、コム・ハブを奪い返した2人が下した決断とは?

チャプター3

ガンナーが戻ってきた。傭兵集団ではなく、本格的な装備を備えた軍隊として。
ASAMセンサーの力で居住地を軍事拠点に変えて対抗するジェイクたちだが、核爆弾搭載型ベルチバードの撃墜に向かった主人公が事故で数週間の昏睡状態に陥った隙に、あちこちを占拠されてしまう。

本格的な軍隊を編成して立ち向かうことを決意するジェイクたち。一方で、彼らに味方する謎の協力者も表れ...?

登場人物等

ストレンジャー(ジェイク・エヴァンス)

これはASAMセンサーっていうんだ。居住地を作り上げるならうってつけさ。

本MODの準主役。割とハンサムで明るい30半ばぐらいの男。
元々はカンザスあたりに住んでいたようなのだが、ある事情でコモンウェルスにやってきた後、自由博物館前の「コンコード・ハードウェアストア」に拠点を構えた。そこで大量のASAMセンサー(区画を設定するためのアイテム)を発見し、以降は行商的なことをやりつつ、各地にASAMセンサーを配ってまわるボランティア活動をしているようだ。

実はバツイチであり、愛娘を嫁に取られている。しかし娘とは無線で毎日のようにやり取りを行っていた。
が、ある時別れた嫁が娘を連れて失踪してしまい、それを追ってコモンウェルスまでたどり着いたようだ。

そういう過去があるため、状況は色々と異なるものの、息子が行方不明となった主人公に対しても同情的。
また、ASAMセンサーに深い興味を示してくれたのは主人公が初めてらしく、その後の経緯もあって主人公に深い親愛を示すようになる。

主人公(唯一の生存者)

OK...Care to elaborate?

毎度おなじみ111パパ(ママ)。ASAMセンサーの機能を解禁しようと動くうちに、いつの間にか傭兵集団「ガンナー」と事を構えることになってしまう。

上記のように、このMODのクエストは全編フルボイスである。が、さすがに本編の声優を雇って音声を新録することはできなかったようだ。
そこで、主人公の音声は本編中で使われたボイスを切り貼りしたものが使用されている。違和感はほとんどないが、そういった経緯なので頻繁に聞くことになるフレーズも割とある(上記のものはその1つ)。

(ちなみに全くの余談だが、本MODとは別のFallout4の二次創作の中には、わざわざ本編の声優を雇ってボイスを新録したものまで存在する。)

ASAMセンサー

他社の多目的センサーと違い、ロブコ社のASAMセンサーはお客様の必要とする汎用性と通信能力を備えています!

キャラクターではないが、重要アイテムであるためここで紹介する。
上記の通り、ロブコ社が製造・販売を行っていた多目的センサーで、これの指示通りに作業をこなすだけで住居を作ったり、農作物を育てたりといったことができる優れもの。
戦前の段階では住居・農業・工業の機能しか実装されていなかったが、残りの4つの機能についても開発は完了していた模様。

コム・ハブ

ASAMセンサーの通信を可能にする大型の装置。いわゆる通信ハブであり、各地に設置されたASAMセンサー同士の通信を仲介したり、ソフトウェアのアップデートを一気に行ったりできる。
ポストアポカリプス世界では類を見ないほどに高度な通信技術の塊であり、主人公たちがガンナーと戦うことになったのも実質こいつのせいといって過言ではない。

これも上記のASAMセンサー同様、ロブコ社の製品なのだが、なぜか発見されたのは米軍の通信基地である「オリビア通信基地」だった。

+ そんなことになった経緯
ロブコ社はASAMセンサーの展開にあたってVault-Tec社と手を組んでいたのだが、そのVault-Tec社はASAMセンサーのコピー商品を作ろうと画策しており、ボストンにあるVault-Tec支部で研究を行っていた。
そのプロジェクトの中心にいたのが、元ロブコ社の社員であり、このプロジェクトのためにわざわざ雇われたマグヌソンという人物だった。彼はVault-Tec社の期待通りASAMセンサーに関する資料を提供したのだが、そんな彼には更に裏があった。

というのも、マグヌソンは米軍で優秀な業績を収めた退役軍人でもあったのだ。
そしてVault-Tec社がロブコ社から期限付きでコム・ハブを借り受けた(そして研究しようとした)際、マグヌソンはそれを米軍に横流しするべく、無理やりオリビアに送りつけてしまったのである(そしてそこで210年間放置される羽目となった)。

困ったのはコム・ハブの研究ができなくなってしまったVault-Tec社の社員たちである。
そこで彼らは自分たちの手持ちの情報を元に、ありあわせの部品を使って無理やり模造品を拵えてしまった。軍用回路に真空管がぶっ刺さり、即席バッテリーで電力供給を行うような不細工な代物だったが、こちらも210年後、主人公たちによって活用されることになるのであった。

オールド・ポール

よし、このオールド・ポールがお役に立とう!

募集ビーコンを聞きつけて居住地にやってきた老人。始めのうちはASAMセンサーを懐疑的な目で見ていたが、やがてすっかり使いこなすようになり、後進の面倒を買って出るようにまでなる。

元はダイヤモンド・シティに住んでいたガンスミスだったが、「壊れた仮面事件」で使用された銃が自分のものだったこともあり、街を出奔。以降は放浪の生活を送っていた。
居住地での生活を続けるうち、ガンスミスとしての稼業を再開することを考えるようになるが…?

ザ・ロン

コモンウェルスで一番クールな男、ザ・ロンだ!

ダイヤモンド・シティに店を構える情報屋。店は電飾で派手に飾られ、自身も気障ったらしく振る舞う。
「活力テスター(住人のステータスを見ることができる)」の情報を提供してもらう際に初邂逅することになり、以降もガンナーとの因縁に巻き込まれることになる。

なお、当人の振る舞いは演技であり、リーゼントっぽい髪型も実はズラ(ポンパドール・ウィッグ)である。
ちなみに演技の参考にしていると思われるものだが…フィールドを歩いている時、看板に気をつけれていればわかるかもしれない。

セドリック・マンスフィールド

私はセドリック・マンスフィールド。Vault81の副監督官だ。

上記の通り、Vault81の副監督官を務める人物。監督官がVaultの運営方針等を定める一方で、彼は外部との折衝といった雑事を担当しているとのこと。

主人公が活力テスターを手に入れるためにVault81を訪れた際に初邂逅することとなり、その際に受ける依頼の過程で妹がガンナーの手に掛かったことを知ることになる。そして、彼もまたガンナーとの戦いに参加することになるのであった。

エイデン

俺はエイデン。ガンナーを狩っている。

眼帯を付けた戦士。スネークではない…このデザイン、みんな好きね。
自己紹介の通りガンナーを狩っており、ガンナーの妨害さえできればあとは何でも良いというスタンス。

初邂逅時にジェイクに対し、「お前が考えなしにASAMセンサーを配ったからガンナーによる被害が広がったのだ」と非難したため、両者の仲は割と険悪である。

ガンナー

ゲーム本編にも登場する傭兵集団。本MODでの主要な敵役。

やはりゲーム本編にも登場する「キャプテン・ウェス」の代になって以降、謎の協力者の助力もあって勢力を拡大しており、現在は各地の居住地を自分の傘下に収めるために躍起になっている。
そのための作戦展開力を強化するためには強力な通信設備が必要であり、それに打ってつけのコム・ハブを狙うようになる。

なお、現在の拡張方針を嫌っている団員もそれなりに居るようで、主人公たちは場合によっては彼らとも協力していくことになる。

拠点開発・メインクエスト以外の新要素

コンコード復興

Fallout4で多くの人が2番目に訪れる街、コンコード。
あの街には「公共プルトニウム炉」なる原子力発電システムが備えられているという設定をご存知だろうか?(本MOD独自設定ではなく、元々存在する設定。)

このMODでは実際にそのプルトニウム炉を動かすことになるのだが、それに伴ってかコンコードの街が街として復興する。大通りも裏通りも、人で溢れかえらんばかりとなるのだ。
さらに、街の住民たちからは様々なサブクエストを引き受けることができる。教会のコミュニティ掲示板を見てみよう。

新勢力「ナイチンゲール」「コモンウェルス警察署」

無償で医療行為を行うボランティア団体「ナイチンゲール」、コモンウェルスの治安を守らんとする「コモンウェルス警察署」。

彼らはそれぞれダイヤモンドシティ前、サウスボストン警察署に拠点を構えている。豊富なサブクエストが引き受けられる他、手伝うことで拠点に新たな施設を建設できるようになる場合もある。


追記・修正はチャプター2までクリアした方にお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

タグ:

Fallout4 MOD
+ タグ編集
  • タグ:
  • Fallout4
  • MOD
最終更新:2025年04月28日 09:16