ナイトスクリーム(スーパーリンク)

登録日:2023/04/26 Wed 19:03:07
更新日:2025/04/21 Mon 10:09:25
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そして完全な身体を取り戻すため、私はグランドコンボイを倒すのだ!




ナイトスクリームとは、『トランスフォーマースーパーリンク』に登場するデストロンの航空戦闘兵。
英語版『Energon』ではStarscream(スタースクリーム)と呼ばれている。

CV:飛田展男(英語版:マイケル・ドブソン)

●目次


△概要

F-22風のSF戦闘機にトランスフォームが可能であり、かつてデストロンに所属していた故人のスタースクリームに似た姿を持つデストロンのトランスフォーマー(TF)。
アルファQによってユニクロン内部に漂っていたTFのスパークから誕生しており、生前の記憶などは有していない状態でアルファQの私兵へと仕立て上げられた。
復活後はグランドコンボイガルバトロンの暗殺を狙っていたが、ガルバトロンに捕まった末に洗脳を施されてデストロンの兵士及びガルバトロンの側近として戦った。

復活の際にエネルゴンが不足していた事情で身体の完全な具現化が出来ず、半透明な姿になるという不具合が発生した。
ところが逆にこちらの性質の方が役立つとアルファQは判断しており、実際に光学迷彩能力として作中で活かされた。
元々高い戦闘力と迷彩能力で不意打ちなどの戦法を得意とする優れた兵士である一方、透明化を活かした戦い方はワンパターンになりやすいことから見破られてしまうという描写もあった。

性格はアルファQに復活させられた直後は自身の過去に拘らず、任務の遂行を果たそうと暗躍する仕事人気質だった。
ガルバトロンによる洗脳後はデストロンで一番主君に忠実な人物となり、ガルバトロンのために提言や他者に頭を下げることも出来る上司思いの部下として描かれた。
洗脳に関してはナイトスクリーム曰く「ガルバトロン様という主君を得て生きる道を見出した」「己のためだけに生きても意味はない」と解釈している模様。
デストロン勢力が前世よりも一層性格が悪くなったリーダーのガルバトロンを初めとして、どいつもこいつも性格や経歴に問題がありすぎる連中ばかりだったので、洗脳された身分でありながら唯一の常識人枠で組織を回していたとも言える。一方でセイバートロン星を襲撃した際、ガルバトロンの呼びかけに気づかず「しつこいぜ!」と荒っぽい口調を見せた。「ガルバトロン様のために!」という台詞を連呼し、その後に「今日で何回目だこの台詞ー!」とセルフツッコミを入れたこともあった。

作中では地獄の一丁目という表現を使うシーンもあった(ただし、「そんなものがトランスフォーマーにあるかは知らんがな」とも述べている)。

△来歴

第7話のラストにおいて一瞬だけ姿を見せ、第8話から本格的に登場。
第8話ではアルファQによって復活させられる経緯が描かれ、サイバトロン達への奇襲やグランドコンボイに不意打ちでダメージを与えるなどの活躍を見せた。

第11話ではメガザラックの誘導を受けてガルバトロンの暗殺を試みるが、ユニクロンの力を得て様々な能力を使いこなすガルバトロンには叶わず敗北。
撤退にも失敗して精神的に攻撃を加えられた挙句、記憶などを弄られて洗脳を加えられたことでアルファQの手元から離れ、以後は忠実なガルバトロンの部下として活躍。
第32話ではエネルゴンの太陽へのインフェルノの特攻に巻き添えにされる形で危機を迎えるが、メガザラックによるインフェルノへの攻撃によって間一髪助かった。

第41話では忠誠の証としてスーパーエネルゴンを浴びてナイトスクリームR*1と呼ばれる姿にパワーアップする。

最終話では新たな太陽と化すスーパーエネルゴンへの特攻を決めたガルバトロンの元に駆け付け、自分も道連れになることを志願。
その許可を得たナイトスクリームは、ガルバトロンと共に太陽へと身を投げて姿を消すのだった…。

△スタースクリームとの関係性

ナイトスクリームと前作に登場したスタースクリーム(アルマダスタースクリーム)との関連性はよく議論のネタとなる。

英語版の『Energon』では明確に同一人物と明言されており、そもそもあちらでのナイトスクリームの名称はスタースクリームのままである(声優も続投)。
また、『Energon』の続編である『Cybertron』(日本版『トランスフォーマー ギャラクシーフォース(GF)』)に登場するスタースクリームとも同一人物とされている。
ただし、日本版である『GF』は『スーパーリンク』とは直接的な関連性は持たないパラレルワールドとなっており、日本版に海外版での設定を素直に反映させることは出来ない。

日本版の『スーパーリンク』では、ナイトスクリームはスタースクリームとの関連性は作中で示唆するような描写こそあれど明確にはされていない。
前作との関連性を連想させながらも作中で明言されなかったTFは『スーパーリンク』においては他にもいるが、それらは本編外の公式媒体で同一人物であることが明言されている。
しかし、ナイトスクリームのみは本編外の媒体でも何故かスタースクリームと同一存在なのかは説明されていないというのが現状である。

『スーパーリンク』ではスタースクリームにとってのヒロインとも言えるアレクサが前作から続投しており、放送当時は彼女とナイトスクリームが対面することを期待する声もあった。
ところがアレクサはフェードアウトしてしまい、ナイトスクリームも最終的に消えたことで結局互いに認識することはないまま終わった。
まあナイトスクリームがスタースクリームと同一存在と仮定した場合、状況などを考えると対面しない方がある意味幸せとも言えるが…。

一説には、『スーパーリンク』の物語の導入がTFを一つにまとめようとしたスタースクリームの願いが崩壊する形で始まるとも解釈できるため、その辺りの事情を配慮してあえて濁されたと見る意見もある。
その見方は邪推の域を出ないが、海外で『Energon』の評価においてスタースクリームとの同一設定について批判されることがある状況を見ると、事実ならばあながち間違ってはいない判断なのかもしれない。

同一人物であることを示唆する描写

そもそも外観や武装などを見れば、疑うまでもなくスタースクリームと酷似している。
また、人格こそ激変したが前作の記憶を持つガルバトロンが初めてナイトスクリームの容姿を見た際に大きく動揺し、必死に追いかけるという描写がある。
その後のガルバトロンの発言などからも、少なくともナイトスクリームの元になったTFがガルバトロンがメガトロンの頃から認識している人物である可能性は極めて高い。

メタ的に見れば、透明化設定は『スーパーリンク』と同様に続編作品として作られた『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー2010』におけるスタースクリームのオマージュとも考えられる。
つまり、ナイトスクリームが「続編におけるスタースクリーム」として描かれたとも読み取れる。

疑問点

ナイトスクリームはユニクロン内部に漂っていたデストロン兵のスパークが利用されて誕生したことになっている。
ところが『マイクロン伝説』の描写ではスタースクリームはセイバートロン星にてユニクロンに攻撃されたことで死を迎えており、ユニクロンとの最終決戦に参加していないどころかそもそもユニクロンの付近に近寄ったことすらない。
この点が同一人物という説に否定的なファンからの根拠の一つとしてよく挙げられており、『マイクロン伝説』の終盤においてユニクロンに接近しながらも死亡したモブのデストロン兵がルーツと解釈できるようにもなっている。

仮にこの点を踏まえて同一人物だと仮定した場合でも、何故ユニクロン内部にスパークが入り込んでいたのかということには疑問が残る。
一部ではスタースクリームが全スパークの力を込めたナル光線キャノンがユニクロン本体に接近しながらも届かなかったため、それがユニクロン内部にスパークが漂った原因ではないかと見る推測もある。

また、『スーパーリンク』自体が『マイクロン伝説』と少なからず齟齬が発生している描写が見られる作品である。
そのため、『スーパーリンク』の世界観では「スタースクリームは10年前にスパークがユニクロン内部に漂うことになる形で死亡した」という前提なのかもしれない。

△玩具

「SD-01 ナイトスクリーム」として発売。玩具の変形パターンはスタースクリーム(ビーストウォーズⅡ)をモチーフ。ナル光線砲を展開し、二つの武器を装着しハイパーモードに変形できる。

ナイトスクリームRは「SD-19 ナイトスクリームR(リバース)」はリカラーとして発売。エナジートルネード、エネルゴンスターが付属している。

△余談

  • ナイトスクリームの名を持つTFは『Beast Machines』(日本版:『ビーストウォーズリターンズ』)で初登場した。
    ところが、日本では諸事情で放送順が入れ替わったことでナイトスクリームの名前のデビュー作は『スーパーリンク』になったという事情がある。

  • 上述したように透明化などの設定は『2010』のスタースクリームのオマージュと思われるが、作中の性格やポジション的にはむしろサイクロナスに近いと分析する声も。

  • 前作のスタースクリームは裏切りキャラとして定番だった歴代のスタースクリームのイメージを「裏切った」存在と言われているが、ナイトスクリームもスタースクリームの系譜と見れば(洗脳という状態のままではあるが)最後まで上司に忠実だった部下の鑑というキャラ像はスタースクリームのイメージを「裏切った」異色の存在と言える。





私もアニヲタWiki(仮)というサイトを得て、追記・修正する道を見出しました。

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最終更新:2025年04月21日 10:09

*1 本編では呼ばれず。