スタースクリーム(マイクロン伝説)

登録日:2012/02/09 Thu 20:30:40
更新日:2025/04/21 Mon 10:03:15
所要時間:約 4 分で読めます






三度でも四度でも私は裏切ることにした…私の信念の下に。




超ロボット生命体 トランスフォーマー マイクロン伝説』の登場人物。
他作品のスタースクリームと区別するため、ここでは『マイクロン伝説』でのスタースクリームを紹介する。
なお他作品のスタースクリームと区別する際に「アルマダスタースクリーム」と呼ばれることもある。
これは『マイクロン伝説』の海外でのタイトルである『Transformers: Armada』を由来としている。

CV:山野井仁

●目次

概要

デストロンの航空参謀であり(アルマダ)メガトロン(通称:クワガタンク)の右腕*1

プライドは高く野心家であるものの初代シリーズ(G1)に登場する同名キャラとは異なり若々しい武人家であり、正々堂々とした闘いを好む勇敢な性格。
メガトロンの選抜メンバーを「とんだお笑い集団」と評した歴戦の傭兵デバスターからも「根性はメガトロン様より遥かにありそうだ」と高評価だった。

武器としては左翼に変形させたウィングブレードで出力を上げればスターセイバーとも切り合う事が出来る。
また元々剣士の為かスターセイバ―を使う頻度が比較的多い。
他にも、機首からバルカン、肩のキャノンからビームも撃て、近距離戦が得意だが、遠距離戦も可能。
パートナーマイクロンはグリッド。
エヴォリュ―ションすると、ナル光線キャノンが使える。
更なる力を引き出すマイクロンを欲していただけに、グリッドの出現はスタースクリームに「私のマイクロンだ!!」と大いに喜ばせた。

スーパーモード

第43話にてホットロッド、ラチェット、メガトロン、アイアンハイド共々ワームホールに吸い込まれ、その先にいたユニクロンの眷属スカージの猛攻により瀕死の重傷を負った際、マイクロンの力により、スーパーモードへとパワーアップ。
青を基調とした姿へとなった

リペイント商品をそのまま流用した関係か、その姿は初代G1のサンダークラッカーを思わせる色になった。
英語版の「アルマダ」では「まるでサンダークラッカーのようだ」と言い、これを意識したようなセリフがある。

来歴

さて、旧作のスタースクリームと同様に、彼もまた裏切るものの…彼の場合は違った。

一度目は、グリッドと出会うまでマイクロンを与えてくれないなど、メガトロンからぞんざいな扱いを受け不満を蓄積していた時にダブルフェイスにメガトロン同様焚きつけられて激突、この時はメガトロンに叩きのめされトドメを刺すように言うもののメガトロンは彼を叱咤し、トドメを刺さなかった。


二度目にはメガトロンとスラストの立てた作戦により、戦場に取り残され見捨てられた。



「ウソだ…ウソだ、ウソだ、ウソだ、ウソだぁぁぁぁっ!!」


「ワープだ!ワープしろ!どうした!なぜワープしない!?なぜワープゲートを閉じるんだぁぁぁぁぁ!!?」


その時の怒りと、その後かろうじて帰還した後にスラストの自分を潰そうとする思惑と、
それを笑って受け取るメガトロンの会話を聞いたことで、メガトロンへの憎しみが爆発。
メガトロンへの復讐の為にサイバトロンに寝返る。

多くのサイバトロンから疑われる中、地球人の少女・アレクサだけが自分のことを信じてくれた。
そんな彼女に対して、スタースクリームは次第に心を開くようになる。
ライバルのホットロッドとも友情を育み、交流を深めていく。着実に彼には、正義の戦士としての心が芽生えていた。

また、アレクサに火星で拾った綺麗な原石をプレゼントしたこともある(アレクサはそれをペンダントにしている)。


三度目は、アレクサやサイバトロンに対して裏切る(正確にはデストロンに復帰)。
これも、スラストが憎しみやプライドを指摘した為であり葛藤の果てともいえる。

けれど、この後のスタースクリームは何かが違い、メガトロンに倒されかかるサイバトロンを理由付けて助けたり、地球を破壊できる衛星兵器を破壊されて心から安堵の表情を浮かべている。

「地球は無事か…!!」
「…良かった…!」

まったく旧作のスタスクとは大違いである。

ユニクロンの脅威に対して、サイバトロンとデストロンが争っている場合ではないことを悟ったスタースクリームはメガトロンにサイバトロンとの同盟を進言するが、コンボイとの決着に拘るメガトロンには聞き入られなかった。1人残されたスタースクリームの脳裏をアレクサとの思い出が過っていく。



そして、彼の最後の裏切りである四度目が始まる…


コンボイとメガトロンの戦いに乱入したスタースクリームは「メガトロンを倒して、デストロンの新たなリーダーとなり、サイバトロンと共にユニクロンを倒す」と宣言。ウイングブレードを手にスパークの力を込めてメガトロンに戦いを挑む。

勝負はほぼ互角で、メガトロンもその実力を認めていた。

そして、決着の時、スタースクリームはウィングブレードのエネルギーを切り甘んじてスターセイバーを胸に受ける。

「あなたには…まだまだ、敵いません…」

「何故だ…何故ウイングブレードのパワーを切ったのだ…?何故、ワシにわざと斬られおった!?」

「あなたは…私にとって、最高の戦士…。あなたを倒すことなど…」

「最初からそのつもりだったのか…!?」

「あなたに…認めてもらいたかった…。それだけかもしれません」

「もういい…喋るな…!」

「いいえ…命を懸けなければ、こうして話などしていただけなかった…やっとその時が来たのですから……!」

決闘の場に合体を解除したコンボイが歩み寄る。

「コンボイは…信頼に値する、司令官です…」

「愚か者…!まだそんなことを…!」

「お願いです…。どうか、トランスフォーマーを…、ひ、ひとつに…!二人の力で、ひとつに…纏めてください…!!

彼は、渾身の力で立ち上がる。


思い出すのは、今まで過ごしてきた日々。

そして、アレクサの笑顔。




「いろいろ、あったな……」


天を仰いだスタースクリームは意を決し、コンボイの静止を振り切り胸に刺さったスターセイバ―を抜き放り叫ぶ。



我が魂なるスパークよ、すべての力を解き放て…!!


ナル光線キャノンッ!!



そして、すべての力を込めたナル光線キャノンを、ユニクロンに対して放つのだった。


だが、同時に放たれたユニクロンの雷撃が直撃し絶命(この直前に自身のマイクロンであるグリッドと合体を解除し、逃がしている)。
しかも放ったナル光線キャノンもユニクロンには届かないまま、天に消えていった…。



その同じ頃、アレクサのペンダントの石にヒビが入った。

まるでスタースクリームの死を伝えるかのように…。




スタースクリームは死んだが、彼の遺志はメガトロンの心を動かし、サイバトロンとデストロンを結びつけるのだった。
その命を賭けた行動がなければユニクロンを退けることは出来なかったかもしれない。

四回目の裏切り時の闘いは燃える展開であることには間違いない。

スタースクリームが消滅した跡をグリッドが捜す様子は視聴者の涙を誘った…。

玩具

  • 放映当時版
通常版(MD-02)とスーパーモード(MD-09)が発売。
他のマイクロン伝説玩具にもれずギミックが豊富。
付属のグリッドをサウンドを鳴らしながら投下、翼の一部がウィングブレードに変形、そしてエボリューションギミックとして、スプリングによるナル光線キャノンの展開が両モードで可能、といったところ。

上記の通り、海外ではスーパーモードは「サンダークラッカー」名義で発売されている。
これを意識した台詞があるのはそのため。

またスタースクリームもといジェットロンの宿命(?)なのか、海外限定で玩具オリジナルのリデコアイテムとしてスカイワープが販売されている。顔は完全に違ったり、マイクロンは完全新規だったりと差異はある。
パワーアップ前、後のスタースクリームと並べると初代ジェットロンを再現できる。

  • ジェネレーションズ/レジェンズ
その後『ジェネレーションズ』にて初リメイク。厳密にはマイ伝版と同じ姿に強化したアメコミ版スタースクリームの商品化だったり。
デラックスクラスと小型化しており、マイ伝版のギミックや付属マイクロンは削除されているが、可動性がアップしたり、背中のナル光線キャノンが畳めたり、ミサイルギミックが追加されたりと進化している部分も少なくない。

国内版(TG-33)では加えて塗装が追加され、マイ伝スタースクリームを彷彿させるカラーリングとなっている。
だが、組み立て工程にミスがあったのか、首が上を向き可動に支障をきたす不具合が起きてしまっている。
とはいえ、頭部のネジを外して分解し組み直せば済む簡単なものであり対処は容易。

『レジェンズ』にて『アルマダスタースクリーム スーパーモード』(LG18)としてリカラー。リカラーアイテムと侮るなかれ、パッケージアートは最期のナル光線キャノンを放つシーンをイメージしたものとなっており、本シリーズの特徴でもある説明書のコミックにおいては、レジェンズ世界で玩具のために暴走するアルマダメガトロンを止めるためにスーパーモードで登場*2

騒動の原因を止めるために、またしてもナル光線キャノンをフルパワーで放つが、アルファートリンに召喚されたアレクサ*3の言葉で、霊体として元の世界に戻る。
今回、彼もスタースクリームというキャラクターのお家芸である幽霊としての登場であったが、G1スタースクリームとは異なり、物語の結末を知ることが出来なかった彼の救いとなるような内容となっている(日本では続編『スーパーリンク』に登場するナイトスクリーム及び『ギャラクシーフォース』に登場するスタースクリームは、いずれも彼とは別人として扱われているが、英語版の「エネルゴン」及び「サイバートロン」では3者とも同一人物として扱われている)。

  • トランスフォーマー レガシー
様々な世界線のTFがリメイクされる『レガシー』ではアルマダユニバース(マイ伝世界)の第1弾としてリメイク(TL-19)。
ボイジャークラスであり、ナル光線キャノンの展開ギミックが手動とはいえ復活、可動域などはさらに進化している。
付属武器としては、翼とは独立したため持たせると若干違和感があるウィングブレード、さらになんと三種の神器であるスターセイバー(本来はマイクロン3体合体だが今回は非変形)が付属する。

また2024年9月に開催された「40周年記念トランスフォーマー博2024」でのイベント会場新商品として『レガシー』のリカラーでスーパーモード(TL-EX)が登場。
価格が税込7000円にまで上がっている一方で箱絵がアニメ放送時を意識したものになっている他、ウィングブレードやスターセイバーに加え最期のシーンを再現できるナル光線キャノンのエフェクトが付属。
ここにきてようやく顔がアニメ準拠の桃色になったり腕の関節も補強されているなどレジェンズやレガシーから改善された点も多い。

余談

  • 後期エンディングテーマ「Don't Give up!!」の歌詞は本編におけるスタースクリームの信念・苦悩とリンクしており、ファンからは「神曲」と評価が高い。
    退場回となった第48話では、視聴者の涙腺にトドメを刺した…。

  • 中の人が同じである『アニメイテッド』の自称イケメンとは無関係であるこっちと違ってヘタレな上に卑怯な手段取りまくる上に最期もマヌケだし

  • 同じ世界線の「サイバートロン(英語版ギャラクシーフォース)」*4にはスタースクリームとは別にサンダークラッカーも登場しているが、色は青こそ入っているものの、全体的には黒主体であまり似ていない。

  • 『トランスフォーマークラウド』のストーリー中にも登場。まだ完全なデストロンであり、初めはクラウド版スタースクリームと疑念を抱きつつも「スタースクリーム同盟」を結ぶが、クラウドスタスクがクラウド版オプティマスとブローンを追い詰めるために人質を取ったことで、信念のため彼を裏切り、オプティマス達と共闘しクラウドスタスクを撃破する、という非常に熱い活躍をする。


追記・修正は私欲のためではなく、自分の信念のために裏切れる方にお願いします。

画像出典:超ロボット生命体トランスフォーマーマイクロン伝説第48話『決死-しんねん-』より
2003年1月10日から12月26日までテレビ東京系で放送/全52話
© 2002 TAKARA・テレビ東京・NAS・トランスフォーマー制作委員会

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最終更新:2025年04月21日 10:03

*1 No.2ではない、No.2はスラスト

*2 元々通常状態では登場していた

*3 上述のペンダントにヒビが入っているため、彼の死後の世界から来たものと考えられる

*4 日本版では前作までとは別の世界線