金魚草

登録日:2023/05/14 Sun 21:51:28
更新日:2025/03/22 Sat 20:04:10
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金魚草(学名:Antirrhinum majus)とは、草花の一種である。
オオバコ科キンギョソウ属に属する宿根草で、日本では一年草として扱われる。

本項目では『鬼灯の冷徹』における同名の生物と合わせて、
の両方を解説する。


①オオバコ科キンギョソウ属の植物


花言葉はおしゃべりでしゃばりおせっかい清純な心

主な産地は南ヨーロッパと北アフリカの地中海沿岸部。
愛知県弥富市の市の花でもある。

名は体を表す』の言葉通り、金魚の尾鰭によく似たふっくらとした花を咲かせるのが特徴。
その花も多彩な色合いで、黄色などの単色から、混合色まで存在する。
花は甘く香り、開花時期が4~6月と長いのもあって多くの花々と同じく春を感じさせる。
草丈は20cmの矮性種から1mまでの高性種までと幅広く、用途も高性種は切り花用だが中高種はガーデニングに用いられる事が多い。

原産地の南ヨーロッパでは多年草という扱いなのだが、日本では一年草という扱いになっている。
これは原産地が地中海沿岸という乾燥した地域なのに対し、日本は多湿環境なので夏場を越す事が難しいというのが影響している。
だが耐寒性が高く越冬が可能という利点があるため、秋ごろに種蒔きをして育てれば翌年の春には綺麗な花を咲かせてくれる。
日本ではF1種という一年雑種が手に入りやすく、特別な手入れを必要としないため育成難度が低く初心者でも育てやすい。


英語圏ではSnapdragon(スナップドラゴン)と呼ばれている。厨二臭とか言ってはいけない…
意訳すると、「噛みつく竜」「竜の口」「竜の(あぎと)などになるであろうか。


なお、金魚に似た花が枯れた後は種が生るのだが、種が落ちた後の種鞘はどっかの髑髏樹 怪魚、ないしは髑髏にも似たおどろおどろしい様相を呈する。
花言葉や英名が「口」にやたら注目しているのもむべなるかな。


②鬼灯の冷徹に登場する生物





おぎゃ…おぎゃあ!!おぎゃあ!!おぎゃ!おぎゃあ!!



きんぎょそう【金魚草】(名)
地獄に生息する動植物。植物の性質を多く持つが、花冠が金魚で、鳴いたりもするため、生物学上の分類が難しく便宜上、動植物と言われる。
「―を育てるのが趣味だなんて君も変わり者だな」
KCコミックス「鬼灯の冷徹 紅い金魚草セレクション」より

作中に登場する生物の名前。
その容姿は、ヒマワリのような太くて丈夫な茎の先に金魚(ランチュウ又はオランダシシガシラが近い)を直にくっつけたような感じ。
基本的に色はだが、赤紫の個体も存在し、赤紫の個体は別名「ざわめくトルコ石」と呼ばれ、高値で取引されている。

分類は不明で、鬼灯によると、「動植物ですかね」「そこ(分類)がわかったらあの世学会で表彰モノ」との事*1
その為、地獄の水族館には植物園が併設されており、水族館の出口と植物園の出口の間の部屋に展示されている。
各々の個体に意思があるようで、鬼灯が育てた個体らは酒好きな一面があるらしく、鬼灯が水の代わりに酒を与えたところ、彼ら*2はほろ酔い気分で有頂天になった模様(この光景を見た鬼灯は「結構いける口なんですね」と呟いていた)。

基本的には、凄まじい顔芸「おぎゃあ」と鳴(泣?)いて*3いる。
が、お酒にまつわる回で一言だけ、「へべれけですよおー」と喋った事がある。
ちなみにアニメ版で「へべれけですよおー」の声を担当したのは第1シーズンでナレーションを担当した稲川淳二氏である。余談だが、稲川淳二氏は盂蘭盆地獄祭の回で夜店のおじさんの声も担当している。

他にも「立って歩いた」「人の姿になった」といった証言が後を絶たないらしく、外国語を話す個体も存在するらしい。
座敷童子の一子と二子は彼らと意思疎通ができるようで、彼らと普通に会話をしたり、彼らに釣られて「おぎゃあ」と鳴いた事がある。
金魚草の鳴き声が何を訴えているのかはあの世学会ではまだ解明されていない為、座敷童子達は表彰モノの偉業を成した事になるが、当の金魚草から口止めされている為、結局真相は闇の中。

秋になると紅葉する事が判明している。
また、その時期になると金魚草が主役のイベント『金魚草コンテスト』が開催される。
ただし金魚草にもしもの事があると困るので、猫は参加できないらしい。
ピーチ・マキを撮る為、金魚草コンテストの会場を訪れた小判は「猫かたくお断り」の看板(猫除けのペットボトル付き)を見てショックを受けていた。

調理して食べると美味しいらしい(原作者によると、「白身魚みたいで美味しい」との事)。
鬼灯はサタンが閻魔庁を訪問した際に金魚草寿司をサタンに振る舞い、サタンを驚愕させている。
そして、金魚草エキスを濃縮したサプリは健康に良いらしい(茄子曰く「面白い味」)。
白澤がオーナーを務める『うさぎ漢方 極楽満月』には干からびた金魚草が送られてくるようで、白澤は干からびた金魚草からエキスを抽出して、サプリを製造している。
桃太郎はこの光景を冷ややかな目で見ていた。

猫好好ねうねうと並ぶ、本作のマスコットかもしれない。
アニメ版第1シーズンの記念すべき第1話のEDは、この生き物を題材にした歌を流している*4



追記・修正は、いずれの金魚草も愛でられる方がお願いします。

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最終更新:2025年03月22日 20:04

*1 なお、品種改良して世に広めたのが件の鬼灯。ただし、品種改良と言っても三途の川のほとりから閻魔庁の中庭に数匹(数株?)を植え替えただけで、あとは土壌や生育環境がここまで進化を齎したという、ほぼほぼ成り行きみたいなものであると作中で語られている。余談だが、彼は後述のコンテストで殿堂入りし、以降は審査員を務めている。

*2 彼女達も含まれるもしれないが、便宜上、以下では「彼ら」と呼称。

*3 便宜上、以下では「鳴く」と統一。

*4 しかしキッズステーションやアニマックスで放送された際は大人の事情により、桃太郎ブラザーズが歌う「鬼の子見ていた地獄絵図~輪廻っていいな~」に差し替えられた。