軟体怪獣レヴィーラ

登録日:2023/08/07 Mon 21:36:00
更新日:2024/12/05 Thu 08:26:32
所要時間:約 5 分で読めます






レヴィーラとは、円谷プロダクション制作の特撮テレビドラマ『ウルトラマンブレーザー』に登場する怪獣である。



【データ】

別名:軟体怪獣
身長:0~55m
体重:0~3万t
スーツアクター:梶川賢司


【概要】

第4話「エミ、かく戦えり」に登場。
その姿は一言で表すならば巨大なクリオネとも言うべきもので、全体的にやや黄ばんだ半透明の体を持ち、四足歩行で移動する。
その先端には魚卵を思わせる紫色の球体が寄り集まっており、横から小さな触手が伸びている。
頭部には目や口といった顔のパーツが一切なく、普段は太く皮のような形の触手によって覆い隠されており、側頭部から赤い小さな触手が伸びている。


【生態・特殊能力】

主な武器は頭部の触手を開いてその顔から放つ黄色い光線で、直撃すればウルトラマンブレーザーすらも大きく吹き飛ばす威力を誇る。

だが、真に恐ろしいのは液状化と自己再生能力
自分の体を液体に変えることであらゆる物理攻撃を無効化し、その状態から実体のある姿に戻る事でダメージを回復させることが可能。
また、液状化によって土の中などを自由に行き来可能で、神出鬼没に現れてはSKaRDや地球防衛隊を翻弄した。

そんな尋常ではない生命力を持つレヴィーラだが、大手化学企業「ノヴァイオ」が発明した殺菌剤「FK1」に対しては拒否反応を示しており、浴びると途端に液状化してその場から逃げていく。
しかし、あくまでも嫌っているだけであり、これで死滅させるには至っていない上、その使用を繰り返す度に耐性を得始めている。


【劇中での動向】

エピソード開始の3ヶ月前に突如出現し、町中で暴れている最中にFK1が収納されていたノヴァイオのコンテナを襲ったことでその弱点が地球防衛隊に知られ、その撃退にFK1が使われることとなった。

劇中でも2度出現し、1度目はノヴァイオのセキュリティドローンによって直接散布された物を浴びて退散し、2度目はアースガロンによってFK1を詰めた新型アンプル弾を数発撃ち込まれて地下へ逃げて行った。
しかし、既にその出現の度にFK1を浴び続けた事で耐性が付きつつあり、当初は1トンで撤退させられたものの、今となってはその倍の量が必要になっていた。
また、こうしたレヴィーラ出現の裏では、ナグラ テルアキが「ノヴァイオの孫会社が生み出した害魚駆除用の人工クリオネとレヴィーラの姿が酷似している」「レヴィーラのDNAが一部人工クリオネのそれと一致している」というなんともきな臭い情報を掴んでおり、
ノヴァイオ社長・曽根崎浩の下へ新人秘書として潜入していたアオベ エミによって捜査が進められる中、ある事実が明らかに……




































以下、ネタバレ注意!!























≪正体≫

レヴィーラの正体は野生の怪獣ではなく、ノヴァイオによって生み出された人工生命体。

ノヴァイオの創立以前は地球防衛隊の化学部隊の責任者を務めていた曽根崎だったが、2001年に地球へ1つの隕石が落下したことが全ての始まり。
その隕石には地球の生命体を大きく凌駕する生命力を持った不定形生物が付着しており、曽根崎はその生命体の細胞を解析し、孫会社の人工クリオネにそれを合成することでレヴィーラを生み出していたのだ。
FK1を嫌っていたのも、曽根崎が意図的に遺伝子を操作して備え付けた習性であり、初めて出現した際にFK1の入ったコンテナを襲ったのも偶然ではなく曽根崎がそう仕向けたが故のもの。
実際、その場で逃げていったかに見えたレヴィーラは、帰巣本能によって地下にある格納庫に還ってきていただけに過ぎなかった。
しかも、FK1への耐性が付きつつある事態すらも曽根崎の予測通りであり、最終的には日本を捨てて海外で新たに同じ所業を繰り返さんとレヴィーラのクローンを量産していた。

最終的にエミやSKaRDの活躍によって曽根崎の企みが明らかになるが、彼らとノヴァイオとの戦いの最中に曽根崎が格納庫の配電盤を誤射した事で驚いたレヴィーラは暴走。
格納庫を破壊して夜の街に現れて暴れ出し、そこでブレーザーと対峙する。
ビームや液状化能力を駆使して翻弄し、頭部の触手を開いてそのまま捕食しようとするが、そこへアースガロンも駆け付けて阻止される。
さらにはエミの策によって、アースガロンが投げたノヴァイオのコンテナにあった液体窒素のカプセルによって凍結し、最期は身動きできなくなったところをスパイラルバレードで体を貫かれて粉砕された。

他方、クローン達がどうなったかは描かれなかったが、その格納庫もレヴィーラの暴走時に破壊されたことから、恐らく全て死滅したと思われる。


【曽根崎浩】

演:辻本一樹

ノヴァイオの社長。
一見するとユーモアがありつつも理知的な人物だが、その実態は常軌を逸した承認欲求と自己顕示欲の持ち主。
レヴィーラにまつわる一連の事件を起こしたのも、「世界中から救世主として尊敬されたい」という自分勝手極まりない動機が元であり、
普段の業務でもわざわざ多忙の合間に自分を賛美・称賛する謎の歌を聞きながら瞑想する時間を設けている辺りにその強欲さが垣間見える*1

元々は地球防衛隊の化学部隊の責任者であり、隕石に付着していた生物に利用価値を見出すと、
防衛隊全体のデジタル化に伴う書類の一斉廃棄に乗じてその生物に関する機密資料を盗み出し、18年前に自分の経歴の一切を消去した上で防衛隊を退職、ノヴァイオを創設するに至った。

巨大な願望に反して根っこは小物そのものであり、自分のミスでレヴィーラが暴れ出した際にはほとんど何もできずに終始怯えたままエミの腕にしがみつき、レヴィーラが倒された後には呆然自失で抜け殻のようになっていた。
会社、地位、名誉すべてが消え去った彼の傍らでは自分を賛美する歌が虚しく流れ続けていた……

劇中では描かれなかったが、 公式X(旧Twitter)にて公開されている「潮流新聞」 によると今回の騒動で悪事が明るみとなり、逮捕されたとのこと。

所業そのものは到底許しがたい蛮行でしかないが、前歴や劇中での動向からも分かる通り、技術者としては確たる才覚を持っていたことは確かであり、事件後にエミからは「どうしてそっちに行っちゃうかな~」と呆れられていた。
また、今回は過去の防衛軍の情報漏洩とその元隊員によって起きた大事件であるため、しばらく事件の責任を巡って揉めることがヒルマ ゲントの口から語られている。


【余談】

  • その異様な姿から、どのような扱いになるのか登場前からネットで様々な憶測が立てられてきたが、その最終的な立ち位置は「身勝手な人間の野望の為に生み出された哀しき人造生物」というものだった。

  • 総じて、『ウルトラマンネクサス』のスペースビーストを思わせるクリーチャーじみた外見で元が宇宙生物である事から、本当にスペースビーストに関わりがある怪獣なのかもしれない。というか曽根崎のインタビュー記事の文脈で主題歌の「英雄」がそのまま使われていた。

  • 劇中で本格的に登場する以前から、OPのサビパートでも他の怪獣のようにメディアに取り上げられる形で登場しており、その時には暴れる姿が各種動画配信サイトに流れる体裁となった。



追記・修正は、マッチポンプで救世主になってから……ではなく、真っ当に尊敬される人になってからお願いします。

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最終更新:2024年12月05日 08:26

*1 ちなみにその歌は「すごいぞオレオレ、やばいぞオレオレ」を延々と繰り返すもの。