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レッツゴー怪奇組

登録日:2023/08/14 Mon 12:44:14
更新日:2026/10/09 Fri 17:03:32NEW!
所要時間:「約 8 分で読めるんですって」「なんだと!?」




『レッツゴー怪奇組(かいきぐみ)』は、ビューによる漫画作品。オモコロにて不定期連載されていた。
2024年7月12日に完結し、現在は続編『レッツゴー怪奇組おかわり』が連載中。一部のエピソードは現在もオモコロで読むことが出来る。
単行本は無印から通しで既刊6巻。単行本では『無印』を「青春篇」、『おかわり』を「蘇生篇」として収録しており、話数はリセットされている。


概要

男子高校生の「主人公」と、幽霊や妖怪を束ねる「怪奇組」の組長・メチャ子を中心に、日常で巻き起こる怪奇現象を描いた1話完結型のギャグ漫画。
チャーハンの霊から中空軽量プロペラシャフト(ミニ四駆の部品)の霊まで、多種多様かつ奇妙な怪異が次々と現れ、主人公とメチャ子がその対処に奔走する。
1970年代から1980年代までの少年漫画のような濃いタッチと癖の強いキャラクターデザイン、そして登場人物達の古風な言い回しが特徴。
同作者によるインターネット漫画『関東怪奇組(かんとうかいきぐみ)』をリメイクした作品で、旧作から作画の描き込みが大幅に増えた一方、登場人物達は全体的にポンコツ化。怪異の不気味さと、それに巻き込まれる側の頼りなさが同居する作風へと変化した。

基本的にはギャグ漫画だが、
  • 『呪いのマンホール』
  • 『七不思議』
  • 『ぬいぐるみ』
  • 『遠まわり』
以上の回のオチは本格的な恐怖描写があり、印象に残るものとなっている。
このうち、テレビアニメ版で映像化されたのは『呪いのマンホール』(第5話)と『七不思議』(第6話)のみ。

2026年7月5日から9月27日まで、TBS系列の夕方放送枠にてテレビアニメ版が放送された。ナレーションは千葉繁が担当。
原作には下ネタも少なからず含まれているが、アニメ版では放送時間帯に配慮して表現がマイルドに調整されている。
それ以外は概ね原作に忠実で、異なるエピソードを自然に繋ぎ合わせる構成や、声優陣による個性的な演技も評価されている。

あらすじ

ある日の夕暮れ、俺は人間を脅かす幽霊や妖怪の元締め組織「怪奇組」の組長メチャ子と出会った。
常人の六倍はお化けに弱い俺なのに、なぜか怪奇組復活の手伝いをするハメに……。

そんな俺の周りで、恐ろしいような恐ろしくないような怪奇が次々と巻き起こる!

「ハーーーッ!!」

ギャグギャグホラー、ギャグホラー。
独特過ぎる怪奇ギャグドラマが今、始まる──!

(公式より引用)

登場人物

本作では、レギュラーキャラクターを含む大半の登場人物の本名が明かされていない。
ただし、本名そのものが存在しない訳ではないようで、作中では「主人公」が「復讐者」に学生証を見せる場面もある。
また、1話完結型という性質上、一度きりの登場で出番を終えるモブキャラも非常に多い。

アニメ版エンディングのキャスト欄では、主要キャラクターは顔のアイコンで名前を代用し、それ以外のキャラクターは役名を記載せず、担当声優の名前だけを並べる形式が採用されている。

以下のキャラクター名は「【総勢81名】レッツゴー怪奇組・第一回キャラクター人気投票!」に基づく。
この人気投票の対象はどれもちゃんとキャラが立った面子だが、エントリー一覧には一見して何者なのか判らない名前も多数混じっており、作品を知らない人が見れば、モブを片っ端から集めたかのような異様な光景となっていた。

レギュラー

  • 主人公
声:畠中祐
体格の良い男子高校生。本名は不詳(「復讐者」との初対面のエピソードから、少なくとも「荊一郎」ではない)。
幼少期から筋金入りのお化け嫌いで、幽霊や妖怪に遭遇すると、たちまち悲鳴を上げてしまう。その怖がりぶりは常人の比ではなく、作中でもたびたび強調されている。
それなのに、よりにもよってお化けの元締めである怪奇組の組長・メチャ子と知り合い、組の再建のために人間側の協力者としての位置に収まってしまった。
怪異に好かれやすい体質なのか、単に騒動に巻き込まれやすいだけなのかは定かではない。
霊感の有無もはっきりしておらず、霊の存在を知らされたにも拘らず、姿が見えないこともある。
基本的にメチャ子に一方的にやられている印象が強いものの、体格相応の腕力は備えており、喧嘩も素人としてはそれなりに熟す。
性格は激情家で、臆病な上に狼狽しやすい。そのため、恐怖や怒りに駆られると論理が飛躍し、突拍子もない行動に走ることもしばしば。
お化けと日常的に関わるようになる以前から、周囲には「にいちゃん自身ヘン」と思われていたほどの奇行常習者である。
恐怖のあまりあっさり小便を漏らす程の怖がりだが、単なる臆病者という訳ではなく、相手が無害だったりそこまで度を越した存在でなかったりすれば、比較的友好的に接することもある。
自分の立場に悩むやかんに助言を送るなど、怪異に対して意外なほど親身になる場面も見られる。
「道理の通らないこと」を何より嫌い、相手が人間だろうとお化けだろうと、筋の通らない振る舞いには容赦なく食って掛かる。
そのため、相手が元人間であったり、何らかの事情によって怪物へと変貌していたりしても、そもそもの原因が本人の行いにある場合は手を貸さず、反省の色がまったく見られなければ見捨てることも。
相手が人間か怪異かを問わず、叱るべき時には叱れるという意味では公平な精神の持ち主。そして、文句を言いながらも相手の相談に乗り、困っていれば放っておけず、何だかんだで他人を思いやってしまう。
この矛盾した性質こそが、彼が怪異たちから好かれる理由なのかもしれない。
メチャ子曰く「怖がりだけど臆病じゃあない」。
思春期の男子らしく、性的な話題に対してツッコミを入れることはあるものの、自分から積極的に乗ることは少ない。そういう意味では昔気質の硬派な少年。
どえらいべっぴんさんへと成長した持ち主のパンティ(しかも成長前の物)と不本意ながら散々触れ合ったことを知り、興奮するどころかむしろ思い悩んでしまうなど、歳の割に妙なところで生真面目である。
メチャ子と関わるようになってからは周囲が怪異だらけになっているが、普通の人間の友人もおり、隣人とも親しい。
怪奇現象に囲まれた生活を送っているとはいえ、完全に人間社会から切り離されているわけではない。
実家は二階建ての賃貸一軒家。自室には不自然な程物が少なく、メチャ子やパンティからは「独房みたい」と評されている。
私物や押し付けられた物は押し入れにしまっており、家具を置かない理由については、本人曰く「死角が増えるから」とのこと。
家族としては、変な物を買っては息子に押し付ける父親と、弁当を作ってくれる母親*1がいる。
父親の購入品には「アグネス・チャン(アニメでは「昭和アイドル」)の親知らず」「週刊日本の教頭」など、用途も存在意義もよく分からない品々が含まれる。
両親は作中で存在を語られることこそあるものの、姿を見せる機会はない。夜中に大騒ぎが起きようが、窓ガラスが割れようが、少なくともその最中に現れることはないため、一部の読者からは実在そのものを疑われている。
怪奇現象のたびに部屋の修繕費が発生しているはずなのだが、主人公がそれをどう説明しているのかは謎。

「ハーッ!」

彼を象徴する最大の特徴が、この独特な悲鳴である。
読者からのあだ名にも使われるほど印象的で、主にお化けに遭遇した際に発する。ただし、恐怖よりも理不尽への怒りが勝った場合など、どんな状況でも必ず悲鳴を上げるわけではない。
「ハーッ!」が初めて登場したのは第2話。第1話で突然振り向いたメチャ子の姿を見た際には下半身丸出しで「おわーっ」と叫んだ。
アニメ版では、この第1話の悲鳴も「ハーッ!」に統一されている。

担当声優の畠中祐によると、最終選考の際には監督から「うんこ漏らす感じで台詞を言ってください」という演技指導があったという。
本編の収録でも、毎回「うんこを漏らしてやるぞ!」という気持ちで演じているとのことで、主人公の悲鳴に込められた並々ならぬ熱意が窺える。

その昔、お化けが怖すぎるあまり全身にお札を貼り付けて登校していた。
その異様な姿から周囲には「悪霊くん」と噂されていたが、陸上部の午後練で怪我をしたことをきっかけに退部し、お札を貼るのもやめた。
尤も、自分が「悪霊くん」と呼ばれていたことは本人の耳にも届いており、当時は必死だったとはいえ、その呼び名をかなり気にしていたようである。

  • メチャ子
声:青木瑠璃子
怪奇組の現組長。本名は不詳。
パーマのかかった白髪に大きく見開かれた四白眼、そしてセーラー服という、ただ立っているだけでも相手を威圧するような風貌が特徴。
主人公からはよく「おっかない顔」と評されている。
彼だけでなく怪異からも恐れられており、怪異を束ねる組長としての威圧感は相当なもの。
ところが、本人は「恐怖」という感情そのものを理解出来ておらず、怪奇組を衰退させてしまった。
そこで、極度のお化け嫌いである主人公を協力者に迎え、他者を恐怖させること、そして恐怖とは何かを知ろうとする。
性格は基本的に冷静で、感情を露わにすることは少ないが、自分の容姿や能力を馬鹿にされると途端に暴力的になるなど、意外と短気な一面もある。
先代組長の妻である母親は口裂け女の要素を持っており、メチャ子もその血を受け継いでいる。
呪いの人形からは、口裂け女が「綺麗じゃない」と言われると襲いかかることを引き合いに、メチャ子も同様の理由で暴力的になるのではないかと推測された。
主人公から「綺麗です。」と返された際には普通に笑顔を見せたが、マフラーで口元が隠れていたため、口が裂けているかどうかは確認できなかった。
その後、ドッペルゲンガーからも「綺麗」と言われたことがあるが、やはり口元を隠してしまったため、真相は分からずじまいである。
品の無い振る舞いを嫌っており、とりわけ下ネタや性的な話題には明確な拒絶反応を示す。
主人公にパンティが取り憑いた事件でも、当初は関わることを避けようとしていた。
さらに「この男がその場で一番パンティのことを考えていた」と聞かされた際にも、感情を読み取りにくい微妙な反応を見せ、結局は事件に介入しなかった。
普段は主人公の部屋に入り浸り、トランプで遊んだり、一緒に飲み食いしたりと、変わった雰囲気を除けば普通の学生のような生活を送っており、むしろ主人公よりも地に足のついた日常を過ごしているように見えることすらある。
しかし、住んでいる地域に除霊の札を貼られると調子を崩すなど、純粋な人間ではないことを窺わせる描写も多い。
そのためか、神出鬼没なところもあり、いつの間にか主人公のそばに現れては驚かせることもある。
霊感や霊力は非常に高く、小さな霊なら半ば無条件で使役できる他、通常の霊視では見えない霊を察知して捕まえたり、霊感の薄い人間にも霊を見えるようにしたりできる。
さらに「無念」に「その辺の霊」を混ぜて実体化させる、人間を別の物体に変えるなど、その能力は多岐にわたる。
また、一度入った押し入れから別の場所へ出入りできる能力を持ち、主人公の部屋の押し入れを開けて現れるのがお約束。初めて押し入れに入った経緯は、オモコロ掲載版では「友達だと言って家に入れてもらった」、単行本版では「夜中のうちに忍び込んだ」。
物理的な戦闘力も作中屈指で、襲いかかってきた幽霊や妖怪を涼しい顔で返り討ちにすることなど、彼女にとっては日常茶飯事である。
組長という立場もあってか、基本的には人間よりもお化け側の事情に理解を示し、同情的に振る舞うことが多い。主人公が拒絶した相手に対しても、何とかしてやろうとすることがある。
しかし、相手の身勝手さや素行の悪さが度を越している場合には「立場上、手を貸せない」と突き放すこともある。お化けの味方ではあっても、何をしても許すというわけではないのだ。
主人公より冷静に立ち回ることが多い一方、頭の回転が特別に速いという訳ではなく、察しが悪かったり、妙に鈍かったりする場面もある。

「メチャ子」という名前は、主人公が彼女のことを「メチャクチャするから」と名付けた渾名。主人公とかしまし女子を除けば、大半のキャラクターは彼女を「組長」と呼んでいる。

セーラー服のデザインは主人公の学校の制服とは異なり、主人公の友人からも別の学校の女子生徒だと思われている。そもそも学校に通っているのかどうかも定かではなく、私生活については主人公の近所に住んでいるらしいことが示唆される程度である。

考えてみれば、年頃の男女が半ば同居しているような状況であり、押し入れが繋がっていることを利用してメチャ子側の持ち物や生活空間まで一方的に共有しているのだが、二人の間で繰り広げられるのはごく健全な遊びや会話ばかりである。

彼女が身につけているマフラーは、主人公と出会う前の時期に、旧校舎の地縛霊である少女から譲り受けたもの。
元々はその少女が思いを寄せていた男性に渡すために作った品だったが、長い年月を霊として過ごすうちに、相手の男性が既に老人になっていることを知る。
人間と幽霊では流れる時間が違うことを悟った少女は、それまで制作を見守ってきたメチャ子に、マフラーを「友人」として譲り渡した。
怪奇組には珍しい普通に良い話である。

準レギュラー

  • 呪いの人形
声:新谷真弓
捨てられていたところを先代組長に拾われ、動けるようにしてもらった人形。毒舌家で、先代とは気が合っていたらしい。
対象の髪を伸ばす能力がある。
「『人形の髪がいつの間にか伸びているのではないか』という疑念が、やがて『呪われているに違いない』という確信へ変わっていく過程こそが恐怖を生む」という怪談の理論を知らなかったらしく、そのことを指摘された際には、思わず「え?そうなの?」と素で反応していた。
本人は「そんな受け身な呪いは好かない」とのことで、姿勢を改めるつもりはない様子。確かに「相手に観察され、しかも髪が伸びていることに気付かれなければ成立しない呪い」はかなり受動的である。
人間への恨みから悪戯を繰り返し、着合わせを逆にされたことで封印された過去を持つ。
事情を知らない主人公が着合わせを直したことで復活。かつて自分を捨てた人間へのやり場のない怒りに突き動かされていたが、メチャ子から「私だったら絶対に見捨てない」と説得されたことで考えを改め、友人となる。
メチャ子に対しては親身に接し、主人公に対しては小言を言いながらも何かと助言を与えてくれる存在。
思春期特有の機微に疎い二人を見かねて、あれこれ世話を焼いている節もある。
ドッペルゲンガーによる復讐騒動では、組長と自分に危害を加えたシュラ子、そして個人的に嫌っているドッペルゲンガーの双方がどうなろうと面白いと考え、腹黒い野次馬根性を発揮していた。
人形であるため非力だが、空を飛ぶことは出来る。
幼児化したシュラ子にバラバラにされても首だけで動き続けるなど、人形ならではの渋とさも持ち合わせている。

アニメ版では人形という設定を反映してか、基本的に喋っても口が動かない。

  • シュラ子
声:青山吉能
メチャ子の従姉妹。「人呼んでシュラ子」と自称しているため、本名ではないらしい。
スタイルが良く、怪奇組の活動にも意欲的だが、がさつで自己中心的な性格。
怪奇組の組長の座を狙っており、メチャ子を失脚させるため、あの手この手で襲撃を繰り返す。
公式曰く「エセ関西弁」で話す。
何処に住んでいるのかは不明だが、ドッペルゲンガーから「家すんごい遠くなかったっけ?」と言われていることから、少なくともメチャ子たちの生活圏からは離れた場所に住んでいるようだ。
恐怖そのものは理解しているものの、粗暴で横柄な振る舞いが災いし、周囲からの人望は皆無に等しい。
メチャ子に協力していたというだけで、ただの人間である主人公まで始末しようとするなど、怪奇組の基本方針からも逸脱した乱暴者である。
周囲の人間関係も散々なもので、一時的に従っていたドッペルゲンガーには傷ついた心をさらに踏み躙ったことで復讐の対象にされてしまう。
ゆきんこも最初から退屈凌ぎに絡んでいただけで忠誠心は皆無である。いつ死んでも構わないと考えている節すらある。
実質的な味方は殆どおらず、居たとしても利害が一致している間だけという有様である。
一方で「恐怖というものを何も理解してない奴がお化けのトップに立つことの危うさ」を危惧したり、お化け側の立場から彼らなりの道理を説いたりする場面もあり、彼女なりに真剣に怪奇組の将来を考えてはいるようだが、それだけに組織の長としての資質の無さが余計に際立つ。
身体能力と霊的能力は共に高く、猫に変身して偵察したり、井戸を通路として遠距離を移動したりでき、半身を吹き飛ばされても条件付きで平然としていられるほどの生命力も持つ。戦闘では主に斧を振り回す。
それでも、メチャ子には及ばないようで、ドッペルゲンガーたちを頼ったり、霊媒師の札を使って不意打ちを仕掛けたりしても圧倒されてしまう。
メチャ子を襲撃した際には、さまざまな偶然が重なり、悪質なロリコン(アニメ版では「子供のままでいたい中年」)の魂が内包された玉を踏んで幼女化してしまった。
その後も懲りずにメチャ子にちょっかいを出し続けていたが、最終的に外見だけでなく中身まで幼児化する。
普通の人間であれば単に何も出来ない子供になってしまうところだが、強力な血筋を持つシュラ子は分別を失ったことで力の制御もままならなくなり「かくれんぼ」と称して人々を連れ去るという騒動を引き起こす。
この事態に責任を感じたメチャ子からお尻を叩かれたことで、その魂が抜け出し、元の姿に戻った。
最後は捨て台詞を吐いて去っていったものの、服装は子供と化した際のままだったため、メチャ子からは「なんであんなピチピチの格好なのにそんな気取ったことが言えるのか」と不思議がられてしまう。

後に行われたキャラクター人気投票では、通常版と幼女版が別枠扱いされていたのだが、なんと幼女版が3位(850票)に対して通常版が7位(595票)と大差をつけ、通常版はメチャ子(2位、1640票)どころかゆきんこ(6位、599票)にも敗北。しかも通常版と幼女版の票数を足してもメチャ子に195票も差をつけられるという、シュラ子にとってはこれでもかというほど屈辱的な結果が出てしまった。

声:榊原優希
泥のような姿をした妖怪で、どんなものにでも変身できる。ただし、彼が変身した姿を見た者は死ぬ。
この能力は妖怪にも有効らしく、幼児化したシュラ子に化けようとした際には、本人から「化けとるとこ本人が見たら死ぬねんぞ!」と一喝された。
変身能力と即死効果を組み合わせた戦術は、怪異の中でも相当に強力な部類。
シュラ子から「能力は一級品」と評されており、先代組長の時代にはメチャ子の護衛を任されていたという。
しかし、直接的な戦闘力はそれほど高くないようで、主人公の同級生に殴られる場面もある。
調子が万全なら屈強な大男などに変身することも出来るのかもしれないが、作中ではその実力を十分に発揮出来ていない。
メチャ子のことが大好きで、告白したが振られたという過去を持つ。
本人は自分を繊細だと思っているが、周囲からは陰湿で陰険な性格だと見なされている。
特に繊細な部分を平気で揶揄い、粗雑に扱ってくるシュラ子とは相性最悪。
メチャ子に再び告白して振られた際にも、自分の問題を省みるより相手に傷つけられたという思いを募らせた挙句、とうとう彼女を殺そうとし、その振る舞いを批判したシュラ子にも執拗な殺意を向けるようになった。
メチャ子からは「性格が嫌い」「見た目より中身入れ替えて出直しなさい」とはっきり言われており、彼がその言葉にうだうだと嘆き八つ当たりのように恨みを募らせるたびにメチャ子から「そういうところよ」と繰り返し指摘される。
だが、ドッペルゲンガー自身は「歪みこそがお化けの本質」という信念を持っており、人間の倫理観を基準に自分を変えることにはそもそも積極的でない。
一方で、主人公から親身になって説教された際には、素直に受け入れこそしなかったものの、その内容をきちんと考えていた。
何度か対話を重ねる内に、何故お化け達が主人公を気に入り、メチャ子も彼と一緒にいるのか、その根本的な理由を理解していく。
神隠し事件の後、散々こき使われた上にメチャ子への告白のことまでからかわれたのをきっかけにシュラ子への復讐を誓って離反。
メチャ子に蹴られて以来、変身能力は殆ど使えなくなっていたが、時間の経過とともに徐々に回復、やがて変身自体は可能になる。
復讐のためにシュラ子の姿を取るものの、まだ本調子ではないため、肌の色が黒いなど、見た目からして再現度は低い。能力が正常に発動するかどうかも不明なためか、終盤まで実際に復讐を実行することはなかった。
現在も自由自在に変身できる状態には戻っていないようである。
そもそも彼がメチャ子に惹かれた理由は、単に好みの外見だったからではない。
「何にでもなれるが、誰でもない」ドッペルゲンガーにとって、メチャ子は代わりの利かない、唯一無二の姿だったのである。

  • 霊媒師のおっさん
声:楠大典
坊主頭の中年男性。自称・天才霊媒師で、いかにも胡散臭い雰囲気を漂わせているが、霊能力そのものは本物。シュラ子とは協力関係にある。
初登場時には、通りかかった主人公に柄の悪い態度で絡み、霊を操って負荷をかけるなど、かなり素行が悪かった。
一般人相手に霊能力を悪用している時点で十分に問題行動なのだが、最終的に霊能力とは無関係の現行犯として警察官に逮捕されてしまう。
さらに、悪質な商売などの余罪が次々と発覚、シュラ子の想定を超える長期間、刑務所で過ごすことになった。
ところが、本人にとっては刑務所の食事より普段食べている食事の方がもっと臭かったらしく、その事実にショックを受けたことが一応の改心に繋がった。
釈放後は除霊などの依頼に仕事を絞り、以前よりも穏便に生活している。
仕事の邪魔をされた上に、警察に通報した主人公に対しても、意外に気さくに接している。
無報酬で協力してくれたこともあり、初登場時の悪印象に反して、必ずしも根っからの悪人という訳ではないようだ。

  • ゆきんこ
声:花澤香菜
傘を被った水着姿の雪女。一見すると露出度の高い可憐な少女だが、その中身は下品で不誠実なお調子者。
口を開けば下劣な言葉が飛び出し、初登場時には、彼女の存在を忘れていたメチャ子でさえ、その下品さを目の当たりにした途端、露骨に引きながら思い出した程である。
性格は腹黒く、シュラ子とドッペルゲンガーの対立を面白がって眺めている。基本的には享楽主義者であり、どちらか一方を積極的に支持しているわけではない。
だが、いざ自分が窮地に立たされると途端に自分に有利な側へ寝返り、立場を守るためなら平然と態度を変えるというねずみ男に近い日和見主義者な一面もある。
物理的な吹雪を発生させる強力な力を持つが、本人の自堕落な性格が災いし、長時間に渡って能力を使い続けることが出来ない。
メチャ子に畳一枚で吹雪を凌がれて、漸く自分の能力の問題点を自覚する始末である。
また、燃やされるなどして身体を損なっても、一部が残っていれば、寒い場所へ移動することで再生できる。

アニメ版では台詞が大幅に調整されているが、逆にその変更を宣伝材料として「BDでは原作通りのセリフが聞ける」とアピールされている。
また、飛行中の効果音は『うる星やつら』のラムを思わせるものとなっている。

  • 坊主
声:白石兼斗
  • 眼鏡
声:間宮康弘
どちらも主人公の友人。怪異に振り回されて奇行を繰り返す彼に引きながらも、変わらず登下校を共にしている。

坊主は呑気で軽いノリの持ち主だが、本を返し忘れたことを悔やんだり、ミミズのことを気遣って助けたりするなど、懐の深い人物。
その人懐っこい性格のおかげなのか、事故物件に住んでいるにもかかわらず、幽霊に遭遇したことがない。

一方の眼鏡は、オカルト研究会の部長。坊主とは中学時代からの友人で、部長を務めるだけあってオカルト関係の知識が豊富である。
怖がりな主人公にとっては、その豊富な知識が却って余計な恐怖を煽ることもあるが、それでも友人としては優しく、真っ当に良い人。

  • かしまし女子
声:釘宮理恵
主人公のクラスメイトで、レギュラーキャラクターの中では数少ない人間の女性。
人面疽に取り憑かれたところをメチャ子たちに救われた。
少女漫画の登場人物を思わせる思い込みの激しさと、何事も勢い任せの行動力が特徴。
よく燥ぎ、他人の事情を十分に確かめないまま決めつけ、自分の都合で相手に馴れ馴れしく話しかける。
神隠し事件では、初対面の他校の女子生徒にまるで昔からの友人であるかのように接して引かれていた。
一言で表せば、騒がしく、距離感が近く、周囲を振り回すタイプ。作中では、周囲から腫れ物扱いされていることもうかがえる。
幼少期から霊感が強かったらしく、普通の人には見えないものを見たり、怪異に触れたりする機会が多かったらしい。
そのため、他人との距離感が独特で、テンションの高さも幼い頃から人間ならざるものに接し続けた結果として形成された可能性がある。
お化けと現実の区別もあまり付いていないようだが、図太く騒がしい一方で、暗くならずに明るく振る舞えるのは、ある意味で幸運なのかもしれない。
霊感体質のためか、その後も度々怪異に遭遇し、主人公にやたらと絡んでくるようになる。
同性であり、あまり邪険にしないこともあってか、メチャ子に対しては特に親しい友人のような距離感で接しているが、それはお化けだと指摘された上に、自分でも「ヘンタイ」と呼んだものを平然と飲み干した際には、流石のメチャ子も口をあんぐりと開けて驚いていた。
常識から外れているものの、主人公やメチャ子を彼女なりに気遣うこともあり、怪異に囲まれた主人公の新たな日常を象徴する存在といえるだろう。

ちなみに、「かしまし女子」という呼び名は、キャラクター人気投票で初めて設定されたもの。
それ以前は、初登場回で本人が名乗った「パンツの女」という、あまりにも身も蓋もない呼称で読者から認識されていた。

アニメ版では「少女A」名義となっている。

  • お隣さん
声:小林大紀
主人公の家の隣に住む小学生。
幼いながらも常識的で、いわゆる普通の一般市民。主人公を「兄ちゃん」と呼んでおり、血縁関係はないものの、近所の年上の少年としてそれなりに親しく接している。
しかし、隣人が隣人だけに、足の生えたやかんを目撃したり、日頃から奇声や奇行に巻き込まれたりと、何かと災難が絶えない。不審者そのものの主人公に向ける、露骨に引いた怪訝な表情が定番になりつつある。
それでも彼を避けたりせず、普通に接してくれるあたり、かなり懐の深い子供。
ツインテールで一人称が「僕」であることから、ボクっ娘だと思われる。

アニメ版での名義は「隣の家の子」。
担当声優が鬼火と同じ小林大紀であることから一時は男の娘説も浮上しかけたが、公式のキャラクター人気トーナメントでは「作品を彩った女性キャラクターたち」に分類されていたため、少なくとも公式の扱いとしては女の子であるようだ。

ゲスト

  • マンホールの蓋
声:奈良徹
「人が落ちたマンホールを踏むと不幸が訪れる」という噂によって怪異化した、普通のマンホール。
噂の所為で迷惑しているような態度を取る一方、誰にも気に留められないとそれはそれで泣き出すという面倒な性格をしている。
なお、実際に人が落ちたのは彼ではない別のマンホールだった。

アニメ版では、誤って落ちないようにするためか、該当するマンホールの周囲に警戒色の柵が設置されていた。

  • オカルト研究会部長
声:日笠陽子
主人公が学校の七不思議について聞こうとした際に、オカルト研究会に居座っていた女子生徒。
女子トイレの怪異を見に行こうと主人公を誘うが、彼はあくまで話を聞きに来ただけだった故に断られてしまう。
しかし、その正体は女子トイレで亡くなった生徒の霊だった。彼をトイレへ誘い込んで引きずり込もうとしていたのである。

原作では、主人公が訪れる以前にも犠牲者が出ていたことを示唆するように、和式トイレの中に人骨の山が積み上がっていた。

単行本第4巻のおまけ漫画にも登場。メチャ子の恐怖を一階の階段裏へ案内し、犠牲にしようとするが、逆に取り込まれてしまった。

  • 復讐者
声:梅原裕一郎
主人公の教室に潜入してきた男子生徒。元来は別の学校に通っていた。
メチャ子に似た襟巻きの女の霊に取り憑かれており、その女を殺した「荊一郎」という人物を捜している。
性格はかなり大雑把で、何らかの理由で有名になっている男性を見かけると、すぐさま荊一郎だと決めつけて強引に絡んでいく。
得物として鉄パイプを振り回す。
襟巻きの女の霊は復讐者にしか見えない。彼に対して「荊一郎を捜せ」「殺せ」と念を送り続けているのだが、その割に肝心の自分を殺した相手の顔は覚えていないという、何とも困った霊である。
彼の彼女によれば、取り憑かれて以降は以前にも増して他人と関わらなくなり、誰もいない場所でぶつぶつと独り言を呟くようになったという。

  • その他の怪異
本作では、幽霊や妖怪だけでなく、やかんやチャーハンなど、様々な物体が意思を持って騒動を引き起こす。
初期にはその異様さ自体がツッコミどころになっていたものの、彼らも次第に慣れてしまったのか、話が進むにつれて特に驚かれなくなっていく。

用語

  • 怪奇組
幽霊や妖怪によって構成される組合。人間を驚かせることを生業としている。
先代組長の死後、その娘であるメチャ子が跡を継いだものの、恐怖を理解出来ない彼女の下では組織の運営が上手くいかず、大半の構成員が離脱してしまった。
その結果、現在の怪奇組は事実上の休眠状態に陥っている。

作中で明確に怪奇組の一員として活動していることが確認できるのは、現時点では呪いの人形のみである。シャワー頭(のっぺらぼう)については、所属しているかどうかは明らかになっていない。




追記・修正お願いします。

この項目が面白かったなら……\ハーッ!!!!/

最終更新:2026年10月09日 17:03

*1 主人公を起こしに来た「怪盗マザー」なる怪盗が出てきたが、これは母親本人ではない。