登録日:2023/09/13 Wed 20:23:03
更新日:2025/05/03 Sat 00:57:36
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ゴードン・クランシーは格闘技漫画の神
タフシリーズのキャラクター。
モデルはほぼ確実にヒクソン・グレイシー。
概要
TDKに参加した格闘家の一人で、クランシー柔術史上最強と謳われるファイター。
外見はスキンヘッドと太い眉毛が特徴的な壮年男性。
驚異的な柔術の技を持ち、その腕前は達人の域を超えて神の域と言われ「柔術の神」・「柔術界の最高権力者」などと呼ばれている。
格闘技一族のクランシー家に生まれ、父レミリオから幼い頃から才能を見抜かれてクランシー柔術の次期正当継承者として鍛えられてきた。
だが、柔術だけの世界だけでは狭く感じたため、より制約の少ない戦いをすることを目標としていた。
その意思の元に柔術大会のみならず、何でもあり形式のバーリ・トゥードを筆頭に数々の格闘大会に出場、現在では500戦無敗の記録を樹立した。
圧倒的な記録から「バーリ・トゥードの王」とも呼ばれ、一試合で1億稼ぐとも噂されるファイトマネーが彼の抜きん出た実力とカリスマ性を示している。
戦闘力
クランシー柔術一族に生まれ、柔術の技能は達人を超えた達人で神の領域に達しているとされている。かけられた相手が肉体を破壊されていると気づかないほど一瞬にして鮮やかな寝技や組技を仕掛けられる。
だいたい柔術だけで片が付くのでほとんど使うことはないが、一応打撃の攻撃を使うこともある。
体術だけでなく言葉巧みに心理戦を展開したり、突然ノーガードで目を瞑るなど意表を突く振る舞いで敵の動揺を誘ったり、ダメージを受けたふりをして油断させるなど搦め手も用いる。相手の心理状態を読むのも得意で相手のペースを崩して試合の流れを引き込む能力もよく見せる。
柔術と精神攻撃を組み合わせて縦横無尽に立ち回り、相手を翻弄しつつ制圧する。
これらの搦め手の方は、
静虎レベルの実力者ともなればただの手品やパフォーマンスにすぎないが、普通の人から見れば神業じみた不可思議な能力に見えるため、その戦いぶりにある者は神と称え、またある者はペテン師と冷めた目を向ける。
本気モードに入ると残像のような物を産み出すほどの超人的な動きをし始める。
弟のヒースも本気になると流砂のように掴み所のない謎の動きができるので、これらもクランシー柔術独自の技なのかもしれない。
主な技
ヒースと同じ独特の間合いとステップで仕掛けるタックル。
ダメージを受けたときにダウンすると見せかけて脚を狙いにいくフェイントを混ぜたものもある。
クランシー柔術の秘術。その正体は両手両脚を使って腕・肘・首を同時に〆る複合間接技。
相手の両腕をクロスさせる様に捻りつつ引き込みながらその両腕の交差した箇所を脚で挟み込み、同時に足首で相手の首を挟んで絞め上げる。その形はまさに獲物に力強く喰らい付く龍の顎の如し。
正面からしがみつくように相手を拘束して手足を絡ませて腕と肩を背後で〆る。
相手が倒れても腕か肩のどちらかを折れる。
頭を地面に着けた体勢で脚を捕まえて180°捻って破壊する。
その鮮やかすぎる技術故にかけられた本人すら脚を破壊されたことに気がつかない。
マウントポジションからテンポ良く軽いパンチを一定のテンポで頭に打ち続ける。
これで脳を揺らして脳震盪を引き起こして眠らせるように意識を奪う。
活躍
TDKの開催が公表されたときに名前とイメージ像も公開される。
その後、TDK一回戦の
ヒースvs
マークの試合のときに初登場する。
負けてもなおマークの脚になおもしがみつこうとするヒースに会場がどよめくなかで現れ、マークが虚勢を張っていることを見抜いたうえでボロボロにして破壊すると宣言する。
キー坊が絡んできたが一切反応せず無視した。
一回戦
一回戦の相手はアマレスの金メダリストの
セルゲイ・クリシチョフ。
リング上でゴードンと握手を交わして戦闘開始、目を粒って動かず方向転換を加えたタックルを手本のような「柔よく剛を制す」によって捌いて腕十字をかける。
力業でむりやり逃げられても瞬く間にヒールホールドで脚の靭帯にもダメージを与えて更に心理戦術に嵌めて動揺を誘いセルゲイのペースを崩していく。
容易く簡単に袈裟固めを掛けて優しく寝かしつけるように落とした。数々の戦略で手も足も出させず完勝し観客を魅了した。
朝昇はゴードンの高等テクニックに感心し、セルゲイファンで応援していた
ヨッちゃんはショックを隠せない様子だった。
非公開試合
一回戦が終わった後に弟のヒースが父を殺された怒りに満ちて勝負を挑んでくる。
マーク戦で右目を潰されたうえに顎を砕かれて全身傷と痣だらけな状態のヒースに対し、ほぼ無傷のクランシー柔術史上最強と謳われるゴードンでは勝負は誰の目にも見えており、ゴードンも「お前の未来を奪ってもいいのか」と抹殺予告をする。
それでも構わず立ち向かってくるヒースを迎え撃ち、砂とアメーバが絡み合っているようなどちらが攻めているのか全くわからないような熾烈な技の極め合いが展開されたかと思えば、急に静止画のように止まってミリ単位の隙を窺う緩急の差が激しい高度な柔術バトルが始まった。
一瞬の内に引き込んで父を殺したとされるクランシー柔術の秘技"ロック・ザ・ドラゴン"が発動する。
しかしヒースが父の死について問い詰めると、突然"ロック・ザ・ドラゴン"を外して柔術着を捨てて打撃で攻撃、 ヒースをKOして続けてそのまま父の死について真相を語る。
父は病で余命幾何もなく、史上最強の息子と戦って殺されようとしていた。
しかし最後はゴードンが柔術の世界から出たいという話を聞いてゴードンが正当継承者にならないことを悟り自ら首を折って自決した。
父の死の真相を語り終えるとヒースをクランシー柔術の正当継承者と指名して父から託されたクランシー柔術をヒースに託してヒースも受け入れる。
こうして非公開試合は幕を下ろした。観衆はただただ息を呑み、静虎も険しい表情で試合を見届けていた。
二回戦
試合開始前に宮沢親子に接触し、
エンゾウとの戦いで敗退扱いになったキー坊のジャッジに抗議すべきだと意見するが、逆におとんから恥を知れと説教を受ける。
カチンと挑発に乗るが、互いのイメージバトルでは膝蹴りを顔面に入れられて敗北していた。
二回戦の相手は弟ヒースを一回戦で下したマーク。
開始前にリング上でマークからK・O宣言を受けるが「強気な発言で自分を奮い立たせようという浅はかな思考だ」と、またしても一蹴する。
試合開始直後からハイレベルな攻防を繰り広げて、タックルが小学生レベルだと愚弄されてセルゲイ戦のように目を閉じるが、それもただのパフォーマンスだと見破られて余裕の態度を崩すことはできなかった。
強烈なローキックを目を閉じたままかわし、そのまま飛び蹴りを打ちつつ正面からマークへしがみつくような形で組み付いて“墓石固め”をしかけて拘束、マークの耳元で“神様の言葉”をささやいて精神攻撃を加える。
マークのギブアップも時間の問題と思われたが“勝利の呪文”を聞いてスイッチが入ったことで馬鹿力を発揮し、怪力で拘束を引き剥がされてぶん殴られた。
立て続けに怒涛のラッシュをくらったが逆にそれを利用してダウンすると見せかけたフェイントでマークの脚に組み付き、一瞬で頭頂部を地面に付けた逆さまの体勢で足首を捕らえて一瞬のうちに180ヒールホールドを繰り出し、さっさとリングを去りマークやレフェリーや観客たちにも何が起こったかわからなかったが気が付けばマークの右膝から下が180°曲がって反対方向を向いていた。
マークの断末魔の叫びが試合終了の合図となり、T・D・K第二回戦の勝負は決した。
三回戦
試合前に控え室で瞑想、キー坊を5分で眠らせると準備万端の様子。
三回戦はキー坊と特設海上ステージで対戦する。
打撃の連続攻撃を浴びて額から出血するダメージを負うが、手を触れずに血を止めてキー坊を惑わせる。実はヨガの呼吸法でわざと出血量を多く見せていただけで元々大した傷ではなかったのだがキー坊には見抜けない。
得意の精神攻撃で翻弄し試合を思い通りに支配し始め、キー坊に反撃されても悉くかわしてプレッシャーをかけ続ける。キー坊の脚を一瞬で破壊した後ローキック連打で追い詰めたところで不意に優しい言葉投げ掛けて降参を促す。
ところがキー坊は誘いに乗らず頭突きをお見舞いし、試合の流れも持っていかれる。変形スリーパーで絞められつつ、大金目的で戦うことに関して愚弄される。
何故ゴードンが大金にこだわるのかも知らずに…………。
「息子は私を愛しているんだ」
「それ以上に私は息子を愛している」
息子のバートンは何万人に一人という難病だった。いわゆる植物状態で延命装置に繋がって辛うじて命を留めている状態だった。
それに息子の延命装置や薬には特別なものが使用されているため1日一万ドル以上の金がかかる代物だった。
「金は作る!! 例え悪魔に魂を売ってでも…」
男は愛する者のために血を流す
息子を思い出して覚醒して本気モードとなり、脱骨術で拘束から脱し、キー坊の連撃を残像拳のような謎の動きで捌いたかと思えばあっという間にマウントを取り、脳を揺らすように緩いパンチを一定のテンポで打ち続けてキー坊の意識を乱したところで一気に腕十字を決めにかかる。
一方、キー坊もすんでのところで意識を持ち直して互いに決め手を狙うグランドでの戦いが始まる。クランシー柔術と灘神影流の寝技の決め合い、めくるめく攻撃と防御の鬩ぎ合い、それを制したのはキー坊だった。
このままでは腕と首をへし折られて最悪格闘家生命を絶たれる重傷を負うが、息子の命を繋ぎ止めるために戦うことをやめるわけにはいかない。
最後にゴードンはプライドのために神として死ぬことよりも息子のために人として生き延びることを選び降参を選択、神は人間と成り500戦無敗とされた漢の伝説はここに陥落した。
試合後に静虎からクランシー柔術は屈辱的な降伏より名誉ある死を選ぶのではないのかと尋ねられるが、クランシー柔術の看板よりも大切なものがあると答えた。
静虎からは父親に力を与えているいい息子だとのコメントを貰った。
最後にキー坊の武道家としての将来を期待する言葉を返し、同時にキー坊はもう狙う側のチャレンジャーではなく狙われる側になったという警告をする。
残念ながらその予感はすぐ後に的中してしまうことになる。
関連人物
実弟でありクランシー柔術の継承者。その実力は高く評価している。
非公開試合でクランシー柔術継承者の骨肉を争う勝負の末におとんが涙するほどの兄弟愛を見せた。
鬼龍のやらかしを考えればおとんが涙するのも無理はないかも
クランシー三兄弟の長兄。名前は不明。マーク戦でヒースのセコンドをつとめていたが、ゴードンとは父の死について言及されたくらいで余り深い絡みは無かった。
父兼師匠。上述の死合では相手の眼孔に指を掛け目潰しをしつつ引き込むえげつない「裏技」など、ゴードンすら知らぬクランシー一族秘伝の暗技を披露する。
余命残り少ない父と最期の死合を行い武道家人生の終焉を見届けた。
最愛の愛息子。ゴードンを最強の格闘家として敬愛しており、父のような強い男になるという夢を持っている。
現在は難病に犯されて植物状態だが、元気な頃は父と同じ柔術に取り組んでいた。まだ幼い子供なのにクランシー一族は死んでもタップしてはならないという掟のために腕が折れることも恐れないなど「ゴードン・クランシーの息子」であることに誇りとプライドを持っている。
余談
ネットミームとして一人歩きしている静虎の「どの世界にも通じることやが…中身のないヤツが数を誇る!」という語録と1コマは、元はゴードン戦の前に熹一に対して放った痛烈な一言。
該当シーンではゴードンとの戦いを前に備えもせずに呑気にテレビを見てはしゃいでおり、「このままでは勝ち目がない」と釘を刺した父に対してまで
「けど技術やったら負けへんでっなんせ灘神陰流の技はぎょうさんあるさかいなぁ。おまけにほとんどの技はゴードンの知らん技やっこれはワシの方が優位やろ」
とあからさまに相手がロートル格闘家と舐め切った態度で返答する始末だった。
それに対して静かに怒りを爆発させた静虎は「お前…その技をどれだけ使えるんや」と問い詰め、言葉に詰まった熹一に対して上記の言葉で釘を刺し、熹一の想像力の足らなさを指摘して退室。
静虎の懸念通り、ゴードンが熹一を大いに苦しめたのは先述の通り。
このように、本来は流派の威を借りて実戦ではまだ使えもしない技の数で相手に勝った気でいるという自惚れにも程がある息子に対する痛烈なまでの叱咤なのだが、
画像掲示板やSNSで同様に他人の記録をさも自分のことのように自慢した挙句にマウントを取る相手に対するレスとして使われてしまい、
この手の切り抜きによくある「本来の意味とは全く違う使われ方」をされてしまったのである。
おそらく5分…
項目を編集するための所要時間です
- ゴードンの試合はどれも読み応えがあって好きなんだよね。寝技が描ける猿先生の面目躍如ってやつっスね -- 名無しさん (2023-09-14 03:31:13)
- ウム…お前は強くなりすぎたんだなァ -- 名無しさん (2023-09-16 06:10:27)
- しゅわーっは何考えていきなりぶちこんだんですかね… -- 名無しさん (2023-09-18 21:02:37)
- 問題児だらけの灘一族と違って好感度高いんだ。悔しいがしょうがないんだ。 -- 名無しさん (2023-09-18 21:14:16)
- 再登場しないという点で評価が高い 出たら間違いなく愚弄されるしな、ブヘヘヘ -- 名無しさん (2025-04-11 12:18:56)
- おとんがクランシー兄弟の絆に感動して男泣きするのも無理はない。あの時点では尊敬する兄はこの世に亡く、双子の兄弟はあんなクズだ -- 名無しさん (2025-04-15 06:33:00)
最終更新:2025年05月03日 00:57