登録日:2023/11/21 Tue 19:18:54
更新日:2025/02/06 Thu 15:59:01
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ある日突然、巨大飛行体が地球に。
その目的は不明───
言語学者ルイーズが解読した、人類へのラストメッセージとは──。
『メッセージ』(原題:ARRIVAL)は2016年に公開された米映画。配給はソニー・ピクチャーズ エンタテインメント。
日本では2017年5月19日に公開された。
原作はテッド・チャンの短編小説『あなたの人生の物語』。
監督は『灼熱の魂』や『プリズナーズ』『ボーダーライン』のドゥニ・ヴィルヌーヴ、脚本・製作総指揮は『エルム街の悪夢(2010年版)』や『
ファイナル・デッドブリッジ』『死霊館 エンフィールド事件』のエリック・ハイセラー。
なお、ヴィルヌーヴ監督は本作以降、『
ブレードランナー2049』や『
DUNE/デューン 砂の惑星』シリーズなどのSF大作映画を手掛けるようになった。
【概要】
突如として現れた未知の生命体との遭遇を描いたSF映画。しかしアクションや戦闘といった要素は非常に少ない。
この作品が主題としているのは「全く未知の知的生命体と遭遇した際にどのような方法で対話を行うか?」というフィクションでは省かれがちな要素である。
その意思疎通の方法及び扱う言語について、念入りな科学考証が図られている。
SF映画としてはCGなどの表現が控えめであり、「盛り上がりに欠ける」「ストーリーがわかりにくい」という感想もあるものの、その物語の構造と展開、
伏線などは高く評価されており、
第22回放送映画批評家協会賞で
SF/ホラー映画賞、2017年度全米脚本家組合賞では
脚色賞を受賞している。
また、世界で最も有名な映画賞の第89回アカデミー賞では
作品賞・監督賞・脚色賞・撮影賞・録音賞・美術賞・編集賞・音響編集賞の8部門にノミネートされ、このうち
音響編集賞を受賞した。
日本ではこの作品は意外な形で話題を呼んだ(詳しくは後述)。
【あらすじ】
世界各地に突如として未確認飛行物体が現れる。その数は12隻。
世界は混乱し、各国の政府が対応に追われる中、言語学者のルイーズは異星人との交渉役のアメリカ担当として起用される。
飛行物体の中にいる異星人から受け取った複雑な文字を解読する中、同僚のイアンとの親交も深めていく。
交渉と研究が進むにつれて、彼らが地球にやってきた目的と人類に伝えようとしているメッセージが明らかになるのだが───
【登場人物】
演:エイミー・アダムス/日本語吹き替え:中村千絵
世界トップレベルの言語学者。
普段は大学の講師だが、かつて戦争時に米軍からの依頼で反乱軍が話していたペルシャ語を通訳をした経験があり、その経験を買われて異星人との交渉役として選ばれた。
異星人の言語の解読を進める中、奇妙な夢を見るようになるが……?
演:ジェレミー・レナー/日本語吹き替え:加瀬康之
物理学者。
弓使いではない。
ルイーズと共に交渉役として選ばれ、
言語学よりも
物理学が人類文化の基底だとルイーズに対抗心を燃やす。
ただし、異星人とのファーストコンタクトを終えた後にはその衝撃のあまりに嘔吐するなど意外と打たれ弱い面もある(なお、ルイーズは耐えていた)。
演:フォレスト・ウィテカー/日本語吹き替え:
立木文彦
米軍所属の軍人。
堅物だがルイーズの事は信用しており、彼女の説明を聞いてその意見を積極的に取り入れる。
演:マイケル・スタールバーグ/日本語吹き替え:石原辰巳
CIAの捜査官。
ヘプタポッドを人類の脅威だと妄信しており、武力を以て排除しようとし、ルイーズと対立する。
演:ツィー・マー/日本語吹き替え:堀越富三郎
中国軍の将軍。
ヘプタポッドを敵性異星人と思い込み、シェルへの攻撃を指揮しようとしていた。
ルイーズの夢の中では彼女と談笑していたが……?
【用語集】
異星人が乗ってきた宇宙船。
高さ500mほど、巨大な楕円型の岩のような外見であり、材質や動力などは一切不明。
重力操作によって飛行しているらしく、内部の通路も重力操作によって移動する。
突如として現れ、それぞれ所定の位置に移動した後はそのまま浮遊し続けている。
浮遊しているが、はしご車を使って底部の入口に届くほどの超低空飛行である。
12隻が飛来しており、場所はそれぞれバラバラである。位置は以下の通り。
日本 |
北海道 |
中国 |
上海 |
オーストラリア |
インド洋側の近海 |
ロシア |
シベリアと黒海の2か所 |
パキスタン |
パンジャブ |
スーダン |
ハルツーム |
シエラレオネ |
ケネマ |
イギリス |
デボン |
グリーンランド |
クヤレック |
ベネズエラ |
マラカ |
アメリカ |
モンタナ州の草原 |
いずれも近隣国の政府が監視及び対話を試み(グリーンランドは自治しているデンマークが担当)、12の班でWeb会議を行って情報共有を行っている。
日本、中国、イギリス、デンマークは迷彩服を着た人物が映像に映る為、基本的には軍隊やそれに類する組織が対策係として動いている模様。
異星人が何故12隻の船で地球に訪れてバラバラの場所に降り立ったのか、人類はその理由も座標の法則性も解明できていない。
直接的な攻撃行動を取ってはいないものの、その出現によって社会や経済は混乱しており、特に治安の悪化や暴徒化による被害が広がっている。
アメリカでは草原地帯に降り立っている為、近くに仮設の基地を設置して運営している。
異星人。
その名の通り7本の足を持つ異形の生物であり、地球上の生物に例えるならイカやタコが一番近い。
地球に訪れた目的などは一切不明。だが人類に対して彼らなりの方法で意思疎通を図ろうとしており、定期的に宇宙船の門を開けて人間を宇宙船の中に招き入れる。
コミュニケーションの方法は筆談であり、手足から出すイカの墨のような物質をガラスのような透明の壁に押し付けて変形させて文字を描く。
一見すると意味不明な文様だが、ルイーズ達は少しずつ解読していく事に成功する。
【余談】
前述した異星人が乗る宇宙船のデザインがばかうけに酷似していると日本で話題となった。
この反応を受けてヴィルヌーヴ監督も「宇宙船のデザインはばかうけに影響を受けた」とジョークを飛ばす事に(当然これはリップサービスの一環であり、実際は実在の小惑星エウノミアがモデル)。
さらには販売元である栗山米菓も反響を受けてコメントし、コラボポスターが製作されるなど予想外の形でプロモーション活動が広がることになった。
映画が公開されて横になったり傾いたりと宇宙船の全容が明らかになると、「ばかうけよりも柿の種の方が似ている」という感想も見られた。また「ハッピーターン」や「仙台笹かまぼこ」といった意見もある。
なお、コラボポスターの中には劇中で降り立っていた函館も含まれていたが、肝心の映画本編は何故か函館で上映されなかった。
追記・修正はカンガルーの語源について本当の知識を知ってからお願いします。
- "お約束"を覆す展開、そしてラストのセリフに胸を突かれた。自分の本音はコレだったと気づいた。 -- 名無しさん (2023-11-22 14:05:27)
- 監督はばかうけ一年分貰えたんだろうか。 -- 名無しさん (2023-11-22 20:39:09)
- たびたび見ていた夢が過去じゃなく未来だったなんて思うわけないやん? -- 名無しさん (2023-11-23 03:34:29)
- 面白かったな、これ -- 名無しさん (2023-11-23 17:39:49)
- 某漫画の「天国」を思い出させるオチ。果たして人は覚悟して幸せになれるのか? -- 名無しさん (2023-11-23 18:16:03)
- スケールを大きくした 世にも奇妙な物語 みたいなラストだった -- 名無しさん (2023-11-24 18:34:06)
- ばかうけの項目があったんだけど、今は文字数不足で削除されてしまったのが悲しい -- 名無しさん (2024-08-07 16:34:56)
最終更新:2025年02月06日 15:59