センチネル(X-MEN)

登録日:2024/01/05 (金曜日) 10:44:33
更新日:2024/03/07 Thu 00:25:16
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━Mutant Destroy!!━

『センチネル(SENTINEL)』は、米MARVEL社のヒーローコミックス『X-MEN』関連誌を中心として登場してくることが多いミュータントハンターロボット
その役割に違わず、新(超)人類たるミュータントの抹殺を第一原則とする自立型戦闘兵器群である。
このため、大群で登場した場合…や、そもそもの正式名称“をセンチネル”とすべきという意見もある。
初登場は1965年の『The X-MEN(現:UNCANNY X-MEN)#15』から。

ベタにして燃えるロボットという設定を活かして、センチネル単体はもちろんのこと、強大な敵キャラクターの尖兵として扱われることもある。
過去に発売された『X-MEN』のアクションゲームでも雑魚から中ボス、ステージボスまでと、幅広く配置できる敵キャラクターとして定番化している。

日本ではCAPCOM謹製のMARVEL版権格闘ゲームシリーズでの活躍で知られており、アクションゲームとは違い単独で出演している当該シリーズでは、原作でのポジションをも遥かに越えた最強キャラクターの一角として猛威を振るったことでも知られている。

因みに、原作の方は誕生した年代もあってか、長らくブリキの玩具やソフビ人形のようなイメージで描かれており、ゲーム程にはメカメカしくは無かったのだが、90年代後半にもなると前述のCAPCOM謹製ゲームや、その他の日本のオタク文化も輸入されるようになった為かメカメカしいセンチネルが原作コミックにも登場するようになっていった。
とはいえ、上記のブリキ人形のようなイメージが“センチネル特有の意匠”となっており、バージョンが広がりつつも読者にセンチネルと認識させるポイントとなっている。

ことに、90年代後半からは人間を改造したサイボーグ型や搭乗型なんかも登場。遂には美女センチネルなんてものまで登場してレギュラー化したりと、歴史のあるアメコミも世界的なオタク文化の影響下にあるのが窺えるとの意見も。


【概要】

基本となるオリジンは新人類と呼ばれるミュータントが発生し始めた歴史の転換点の中で、それに必要以上の危機感を覚えた反ミュータント主義者が掲げる「ミュータントにより旧人類が支配される暗黒の未来像」に毒されてしまった悲劇の天才科学者ボリヴァー・トラスクが、その恵まれた才能の粋を集めて、この危険なミュータントハンターロボットを創造してしまったことである。

センチネル(番兵)は、その名の通り最初から軍団として生み出され、初お披露目となったミュータント擁護派の心理学の権威(すっとぼけ)であるチャールズ・エグゼビアとトラスク博士とのTV討論の場にていきなり暴走
……ミュータントを次々と駆り出すと共に瞬く間に街をも占拠してしまったのだが、エグゼビアの救出も兼ねて出動したX-MENの活躍により沈静化された。

……ここで凝りとけばいいのに、何やかんやでセンチネルの暴走から始まった筈の混乱とそれに乗じて起きた暴動もミュータントのせいにされてしまい、運よく責任の所在から逃れたトラスク博士はセンチネルに改良を加えていくことになった。
その中で、トラスク博士はセンチネルの長にして頭脳となる存在であるマスターモールドを創造。
マスターモールドは、完全なる自我を持つ機械の怪物であり、マスターモールドの誕生がセンチネルを完全に創造者の手から離れさせるきっかけとなっていった。

こうして、センチネル軍団を“完成”させたトラスク博士であったが、ここで博士にとって予想だにしなかった、他者から見れば自業自得としか言いようのない滑稽なる悲劇が訪れる。
これまで、妄信的にミュータントを人類の敵と見なし、自身でも数々のミュータントを捕らえた上に実験と称して犠牲にし続けてきたトラスク博士。
……その甲斐(?)もあってか、幾度もX-MENと戦う機会のあったトラスク博士はメンバーの一人であるビースト(ハンク・マッコイ)を捕らえることに成功した。
そして、その頭脳からミュータントの邪悪な計画を暴こうとしたのだが、トラスクの予想外にも正義の使徒であるX-MENの一員であるビーストには全く破壊的な傾向が見られなかったのである。*1

これにショックを受けたトラスク博士であったが、見た目に反して理知的で、まだ学生の身分*2だったとはいえ、同じ科学の徒であるビーストとの予想外の交流が生まれることとなり、瞬く間に憑き物が落ちたかのように自らの狂気と暴走を恥じる事態に。
しかし、時すでに遅く、トラスク博士のコントロールから完全に脱したマスターモールドはミュータントの殲滅とその為の人類の支配を目指して行動することを宣言。
これにより、センチネル軍団は(人間から見れば)完全な暴走状態に入っていたのである。

そこに、ビーストを救いにやって来たサイクロップス(スコット・サマーズ)率いるX-MENとセンチネル軍団との対決が始まってしまう。
この事態の中で、トラスク博士はビーストを解放すると、自らの過ちをX-MENとして正義のために戦ってくれていた若者達に謝罪した後に、自爆によりマスターモールドを道連れに刺し違える。
……こうして、センチネルの脅威は世界から消えたのだった。











……なんてことで済むはずもなく、センチネルの設計図は既に米国以外でもミュータントの発生に潜在的な恐怖を覚えていた各国政府や他のイカレポンチ共の率いる反ミュータント主義者同盟という名のテロリスト集団に流出してしまっており、以降はトラスク博士の手を離れてセンチネルが製造されていくことになった。

米国でも当然のように製造が継続されており、後にはMCUの影響もあってかコミックスでもクロスオーバーが活発化している結果なのか、スターク・インダストリーズが製作した搭乗型センチネルなんてものまでが誕生している。

また、過去には最も強大な敵である筈のマグニートーにも操られて使われたこともある。(いや、アンタがそれやっちゃダメだろ、てな話であるが。)
メタ的にMARVEL世界をリセットするべく生み出されたオンスロートに操られた時には最終決戦の場となったニューヨークを占拠するのに使われ、X-MENやアベンジャーズばかりか、他のヒーロー達が総出で対処に負われていた。

プロフェッサーXがX-MENを結成できなかった世界線の“エイジ・オブ・アポカリプス”では、基本的にはミュータントから旧人類を守るために使用されており、等しく敵認定されてしまうX-MENも気を遣って戦わないようにしているのだが、それをアポカリプス軍に利用されてプログラムを書き換えられてX-MENへの攻撃に利用されたりもしていた。(状況的には問答無用でワンキルであり、本来は洒落にならん状況だったのだが、たまたま殺られたのが全能力解放状態のアイスマンだったので事なきを得ている。)

そして、正史世界の方でも案の定というかマスターモールドもしぶとく生き残っており後に復活。
各国(特に反ミュータント主義を掲げるジェノーシャ)のセンチネルはX-MENの活躍により倒されたりしているが、
このマスターモールドの率いるオリジナルのセンチネル軍団もまた、人間達の思惑とは別に、もはや一つの種族として幾度もアップグレードを重ねながらX-MENの前に立ちはだかったのだった。

そして、この先の世界線に於いてもセンチネルの系譜は健在であるらしく、
特に太い可能性の未来の世界線(Earth_811)の一つからニムロッドと呼ばれる自己再生機能を備えた強力なセンチネルが出現して現代のX-MENを苦戦させている。
最初に出現した物は倒されこそしたものの、後にX-MENの新たなる宿敵=バスチオンを生み出すことになる。

現実改変能力を持っていたスカーレット・ウィッチが過去に無い程に能力を暴走させてミュータントという種族を消し去ってしまった“M-DAY”以降は反対に希少種となったミュータントを保護する役目に回されたりもしていたものの、その時の歪みが正された現在では、再びセンチネルはミュータントの脅威となっている。


【主な能力】

センチネルは製造時期や用途によって形態・能力に違いがあるために一概には語れないのだが、基本仕様としてミュータント(Xファクター=変異遺伝子)探知能力、頑丈で強固なボディ、自由に飛行する能力、強力なエネルギー放射能力……を備える。

また、基本モデルのサイズも数m~数十m級とまちまちで、前述の様に後には人間を直接に改造したサイボーグ型や、ナノマシンサイズのウィルス型センチネルなんてものまで生まれている。

話の都合もあってか戦い慣れているX-MENには集団戦にて纏めて撃破されることもある反面、話の都合もあってか一般的なセンチネルが壊滅的な破壊活動を行うこともあったりと、全く準備が出来ていない段階で遭遇すると危険な相手……というのが基本的な描写であろうか。
上述の通りでX-MENが対処出来ているのも数人掛かりで各々の弱点をカバーしつつ連携しているから、という部分が強く、如何に単体では最強クラスの能力を持つとされるミュータントであっても、決して一人の力押しだけで簡単に突破出来るような相手ではないのだ。

実際、コミックスの歴史で見るとやられ役や中ボス止まりという評価は間違いではないものの、裏を返せば倒されるまでは絶望的な強さも描写できる定番の強敵の一つでもあるのだ。
特に、コミックファン以外にはゲームや映画での活躍のが根付いているだろうから尚更であろう。反対に後から原作を知って「やられ役で驚いた」なんて声もあるが、それはそれ。

当然のように、その危険性はX-MEN以外のヒーロー達(後天的強化人間)にも知れ渡っており、歴戦のヒーローであるスパイダーマン(ピーター・パーカー)をして「いつも相手にしている悪党共(Dr.オクトパスやクレイブン・ザ・ハンター)より“よっぽど危険”」とまで評している。(まぁ、破壊力を考えたら暴走自動車と暴走戦闘機を比べるような話なので「どっちが危険よ?」と問われれば答えは決まってるようなもんなのだが。)

また、やや話の都合もあってか曖昧な所もあるが“ミュータントハンターロボット”と言われるだけあってか、相対するミュータントの能力を“瞬間的に無効化してしまう機能を有している”と思われる描写すら見られる。
……が、そんな描写をされていても結局は倒されてしまってもいるので、整合性を取るのならば“過去にデータのあるミュータントに関しては瞬間的に防御機能を発揮出来るが、短時間しかその状態を維持出来ない”……といった所であろうか。
映画版では、これが公式の能力として盛り込まれており絶望的な状況を作り上げていたものの、原作ではそれを踏まえても尚、前述のように連携により攻略されているのである。

特に、ミュータントの中でも最大級の脅威(オメガ・ラムダ・クラス)の一人として認識されている磁界王マグニートーの磁力は、
ロボットであるという都合上、致命的な弱点となる為か、如何に場当たり的な防御機能を持たせても間に合わず、
別の世界線では、遂にボディそのものが金属ではない特別なセンチネルが生み出されている。前に他所でそれやっても無駄だったろ…とかいう指摘はベタでも分かりやすくて燃える展開なんだから言わない。都合によってはマグ様も驚いてくれるし。

一方、センチネルがこうしたチート的なバフ機能を発揮できるのは相手がミュータントだからであり、
それを発揮出来ない相手=普通のヒーロー相手では満足に能力を発揮できないという描写がされたこともある。
事実、ヒーロー達の中では決して単体での戦闘能力が高いとはされていないスパイダーマンやキャプテン・アメリカのようなクライムファイター達に纏めて倒されてしまったこともある。*3

……とか言いつつ、以前は強化人間も外部的要因でミュータント遺伝子が目覚めた存在=後天的なミュータントと説明されていたりと、コミック中の描写が一貫していないので、この辺はその時の流行の都合というのがメタ的ながらも正解に近い分析だろう。

実際、上述の例とは別で強化人間=後天的ミュータントという設定で描かれていたオンスロート事件の際には後天的に変異した遺伝子にもセンサーが反応した上に普通にスパイダーマン達*4に襲いかかっていた。


【主なセンチネル達】


■センチネルズ

前述の通りで通常型のセンチネル。
大きさは最低でも2~6m。最大で20~30m程度と目算され、データで出されている場合も大体はそこに収まる位。
見た目は、一見すると現実離れしていてユーモラスな玩具にすら見える程に無骨なデザインだが、実際には誕生当初より十ニ分に危険で完成されている戦闘兵器群である。
危険性が認識されてからは(大抵はろくなことになってないためか)人類にとっても恐怖の対象となっている。
尚、見た目こそ大きく変わっていないように見えるが、内部構造は時代が進む毎にアップグレードが施されている模様。(まぁ、出版の歴史は60年以上でも作品内の時間経過は10年前後だろうけれども。)


■マスターモールド

“センチネルズ”の主。
センチネルの人工知能を統率する存在であり、最初に創造されたものは自力で動く能力は無いが他のセンチネルよりも遥かに巨大な姿で、内部にセンチネル製造工場まで備えていた。
創造主であるボリヴァー・トラスクの手を離れて“ミュータント絶滅”の使命を果たすべく“(ミュータント を生み出す)人類の支配と管理”を目指して暴走を開始した機械の怪物である。
こっちのが誕生が早いが、まあMARVEL版のスカイネットみたいなもんと思ってくれれば宜しい。(更に言えば人工知能の暴走ネタは既に古典SFの頃からの定番ネタであった。)
センチネルとは、このマスターモールドの下で統率された戦闘ロボット群を指すため、正確には“センチネルズ”と呼ぶのが正しいとの意見もある。
前述の通りで、X-MENとの出会いにより自らの行いを悔いたトラスク博士が刺し違える形で一度は破壊されたのだが後に復活。
未来のセンチネルであるニムロッドとの合体を果たして自己再生能力を得る等のパワーアップをするも、最終的には魔界シージ・ペラリスに通ずる門に落とされて消え去った。
因みに、CAPCOMのMARVEL版権シリーズのセンチネルのステージの後ろやEDに登場している、バカでっかいセンチネルの主がいるが、あれが(も)マスターモールドである。
この、マスターモールドが誕生して以降の時間軸では、如何に別の製造ラインを用いたとしても“センチネルはマスターモールドの意志の支配下にある”という厄介な特性が引き継がれている模様で、しょっちゅう暴走してるのはそのせいらしい。


■ニムロッド

未来世界の一つ(Earth_811)からやって来た進化したセンチネル。
通常のセンチネルよりは小型の傾向があるが、サイズ以外の全ての面で現代のセンチネルの性能を上回り、更に最大の脅威として自己再生能力を持つ。
何とか撃退したと思われていたが、後に上述の通りで現代のマスターモールドと融合を果たしてしまうことに。


■バスチオン

“ゼロ・トレランス”事件の際に姿を現した、ミュータント絶滅を指導する謎の男。
一応の本名はセバスティオン・ジーベルディ。
……その正体は、X-MENにより魔界シージ・ペラリスに落とされたマスターモールドが、機械生命でありながら天然自然の生命体と同じく“天の裁き”を受けて、人間の姿ながらセンチネルの能力を持つ超常の存在として過去の世界に転生した姿。
転生前に融合していたニムロッドの能力も引き継いでおり、デフォで自己再生能力も備えている上に、後の戦いでは仲間(同型機)であるニムロッド達を時空を超えて召喚までしてみせた。
運命の悪戯か“反ミュータント主義”者である養母のローズに育てられてしまい、カルト的な反ミュータント組織「人類の友」へ入信したことで、ミュータントへの憎悪が骨髄にまで染み付いた狂気の男として成長。
政府内部に入り込み“ゼロ・トレランス”事件を引き起こすも、その中で主要メンバーが捕らえられながらも離れ離れになりつつも連携し、何とか状況を覆したX-MENにより正体が暴かれ、最終的にはケーブルとマシンマンに倒されて頭部だけの姿となりS.H.I.E.L.D.の管理下に置かれた。
しかし、その状態でも死んではおらずウィリアム・ストライカーの率いるキリスト教原理主義団体にしてミュータント排斥を掲げる狂信集団「ピュリファイアーズ」の一員として完全復活。
後には、先に散っていった嘗ての反ミュータント主義者達をクローン再生させて結成した「ヒューマンカウンシル」の指導者として、メシア=ホープ・サマーズの命を狙った。
その後の“セカンドカミング”事件では、現代の全勢力に加えて、未来の時間軸からの援軍(ニムロッド)も用いてミュータントとの最終決戦に挑むも敗れ、再び爆発四散。
今回は頭部すらもゾーン(自らをマグニートーと思い込みジーン・グレイを殺害した狂人エクゾーンの弟の方)のブラックホールに呑み込まれて現世から消滅した。


■プライム・センチネル

“ゼロ・トレランス”事件にて投入された、恐らくはバスチオンが自らをモデルに誕生させたのであろう、人間を素体としたサイボーグ型センチネル。
サイズは普通の人間サイズながら性能は据え置きで、その上で従来型より小型であるが故に過去のセンチネルを凌駕する小回りと隠密性と圧倒的な機動力が最大の武器。


■オメガ・センチネル(オメガ・プライム・センチネル)

“ゼロ・トレランス”事件の際に上記のプライム・センチネルの一員として改造されてしまっていた、インドの婦人警官カリマ・シャパンダールが、バスチオンが倒されたことで自由の身となった存在。
尤も、その後に色々あって力を利用するべくとっ捕まって解体されたりもしてしまうが、X-MENの手で助けられると共に強化改造を施されてX-MENの一員となった。
しかし、後に邪悪な精神寄生体マリスに憑依されたことでマローダーズに加入したのを皮切りに、アコライツ等のように主にX-MENの敵対組織を転々とする展開が続き、ヒーローよりもヴィランとして認識される期間が長くなってしまっている。
パッツンパッツンの白い全身タイツで褐色肌の巨乳美女サイボーグということで話題となった彼女だが、上記の通りでストーリー面では割と不遇なキャラクターでもある。(改造前には最愛の弟と恋人も失ってるし。)


■オメガセンチネル

呼び方こそ同じだが、上述のカリマ・シャパンダールとは別物。(そのため邦訳では“・”を付けるか付けないかで便宜上の区別をしている模様。)
“ハウス・オブ・M”の改変世界にて登場した、当初は同事件の主犯と目されていた、X-MENとアベンジャーズの主力が揃っていてもやっぱり手に余る程に危険なマグニートーの磁力に対抗するべく、金属を使わずに製造されたセンチネルのこと。


■センチネル・スクワード(搭乗型センチネル)

スカーレット・ウィッチの能力の暴走により生み出されたミュータントが消えた世界線の“M-DAY”にて、極端に数を減らしてしまったミュータントの保護とそれによる世界の混乱の回避、更には生き残ったミュータントヒーローのサポートをするべく政府の戦闘機関であるO*N*Eが用いたスターク・インダストリーズ製の搭乗型センチネル。
有人操作型となった以外の外見・基本能力は通常型を基準としている。


■ワイルド・センチネル(野良センチネル)

南米エクアドルに設置されていたマスターモールド(のコピー)が長年に渡り生み出し続けていた粗製濫造品。
製造ラインが整えられていた米国本国の物とは違い、周囲の廃材等を材料としている為に正規品とは違い形状が統一されていない。
なので、オリジナルよりも性能は低いのかもしれないが、プロフェッサーXことチャールズ・エグゼビアの邪悪な双子であるカサンドラ・ノヴァに操られ、圧倒的な物量によってミュータントの保護地域となっていたジェノーシャへと攻め込み、1600万ものミュータントを虐殺した。
起動の為にボリヴァーの甥であり一般人として暮らしていたドナルド・トラスク3世の声帯認証が利用されており、彼は用済みとなった後に始末されている。


■ナノ・センチネル

ボリヴァーの弟であるサイモン・トラスクが生み出した極小サイズのセンチネル。
此方もカサンドラ・ノヴァに利用された。
生きたコンピューターウィルスとも呼べる特性を持ち、肉眼で見える程の大群で行動し、液体金属のように纏わりついてターゲットを攻撃する。
ミュータントに対しては免疫機能を低下させて死に追いやり、普通の人間に対しては内部に入り込みセンチネル化=上述のセンチネル・プライムの亜種のような存在=バイオ・センチネルへと変じさせてしまう。


■ジャストンのセンチネル

2003年のミニシリーズ『SENTINEL』にて登場したセンチネル。
故障、墜落していた所を主人公である機械工学とプログラムの天才であるジャストン・セイファートに修理されて“彼の友達”としてすったもんだするというストーリーだった。(身の蓋もない言い方をすればMARVEL版アイアン・ジャイアントである。)
その後、ジャストンはその頭脳と実力を買われて、センチネル毎に“彼のスーパーパワー”としてアベンジャーズ・アカデミーに編入。
X-23等の学友兼チームメイトとなった。
ジャストンの再プログラムにより、ジャストンと己と周囲を守るために戦う“正義のセンチネル”だが、どうしてもセンチネルの基本プログラムに組み込まれたミュータント殲滅のみは消去出来なかった(消去してしまうと機械生命体とも呼ぶべきセンチネルの個性が消えてしまう)ので、残しつつも優先順位を際限なく下げるという方法で妥協している。(そのため“Mutant Destroy!!”)と叫びつつ他の生徒達(前述の様にミュータント含む)と共闘するという微笑ましくもシュールな光景が見られた。
しかし、後の“フェニックス・ファイブ”事件にてフェニックスパワーを得たエマ・フロストがミュータントの為に全センチネルの抹消を画策した際に目ざとくターゲットにされてしまうも、学友達の説得もあり難を逃れる。
しかし、その後の十代のヒーローの卵達が強制的に殺し合いを挑まされた“アベンジャーズ・アリーナ”にてジャストンも召喚されてしまうことに。
戦いの中で遂にセンチネルが破壊され、そこから自分が身に纏う形で搭乗(アーマー)型センチネルを作り上げるもジャストン自身が戦死し、センチネルも相手であるエイペックスに奪われた挙げ句に、その後の戦いにて主も居ないままに破壊されてしまっている。


【映画版】


X-MEN:フューチャー&パスト(映画)

本作に於けるストーリー上の最大の敵として登場。
1973年に原型モデルが製作され、それから50年後の2023年に於いて進化したMk.Xは、ミスティークのパワーを吸収したことで汎ゆるミュータントにとって瞬時に弱点となる能力を発動させる“天敵”となり、更にはミュータントを生み出す可能性のある存在=人類をも支配する恐怖の存在として発展・暴走した。
余りにも強大になりすぎたことでマグニートーもエグゼビアとX-MENと手を組まざるを得なくなり、更にはそれでも敗戦濃厚なことからミュータントという種を救うべく過去改変という奇策を取ることに……。
尚、創造主としてトラスク博士も登場しているが、尺の都合もあってか、改心の機会すらなく完全なミュータントの敵として描写されるという、原作のトラスク博士からすれば不名誉な描写となっていた。













【ゲーム版】


■センチネル

ある意味、映画版と共にコミックスファン以外には最も有名なあのセンチネルである。
CAPCOMのMARVEL版権シリーズにて登場する、日本のロボットアニメ文化の影響もあってデザイナーによってアレンジされた原作よりも遥かにメカメカしいセンチネルであり、そのデザインや挙動は勿論のこと圧倒的な強さにより人々にその存在を刻み付けた。
最強キャラとして猛威を振るった『MVC2』に続いて『MVC3』でも強すぎたため、アップデートで全キャラ最高を誇っていた体力130万を91万に減らされる処置を受けた。実に3割減。リュウなどが100万で標準のため、プレイアブルキャラの中でもトップクラスに喰らい判定が大きいのに紙防御のキャラとなった。
その外見や機能の独創性等を評価されたのか、特別にMVCシリーズのみのセンチネルとしてMARVELから公認されており、独自の呼称として『X-MEN』から『MVC2』まではCOTA-MODEL。
『MVC3』ではCOTA-94。という型番が付けられている。
EDでは大概はマスターモールドに更にろくでもない命令を受けるのがパターンとなっている一方で、コブン43号に任命されたりといった交流(?)も。


【余談】


  • 前述のように原作コミックスでは改心の末に自業自得とは云え悲劇的ながら尊い最期を遂げているボリヴァー・トラスクだが、更に彼の血縁者達もセンチネル関連でヒドい目に遭っており、
    “センチネルに呪われた一族”なんて呼ばれ方をすることも。




追記修正はミュータント、強化人間、格闘家…etc.をDestroy!!してからお願いします。

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最終更新:2024年03月07日 00:25

*1 00年代以降の展開から見ると「(ハンクに危険性向が無いとか)んな訳あるかい」てなもんであるが。

*2 当時のX-MENは初代メンバー=ファーストファイブであり、全員が高校生。

*3 スパイダーマンは演出上の都合が積み重なった結果、冷静に見るとトンでもスペックだったり、キャップも盾の破壊力が尋常ではないので普通に攻撃力は高かったりするのだが、それはそれ。

*4 この時のスパイダーマンは理由あってベン・ライリー=スカーレット・スパイダーがメインで活動しており、精神的なショックが大きかったのか能力が不安定になったピーター・パーカーはMJの懐妊もあってか引退状態にあったのだが、この時にベンを助けるために復帰した。