びっくり菊

登録日:2024/01/27 Sat 20:52:08
更新日:2025/02/11 Tue 08:45:52
所要時間:約 8 分で読めます




びっくり菊とはピクミン2、およびピクミン4に登場する原生生物である。
名前の由来は「びっくり箱」+「菊」だと思われる。
「びっくり(ぎく)」と読むので、驚きを表す擬音「ぎく」も掛けているのかもしれない。

なお本項目では亜種であるおったまダケについても紹介する。


生物図鑑



通称:びっくり菊
和名:キクヅモリ
キクヅモリ科
運搬に必要なピクミンの数:10
増えるピクミンの数:12
1匹あたりのお宝価値(ピクミン2のみ):7ポコ
採取可能なキラキラエネルギー(ピクミン4のみ):12

オリマーメモ

(ピクミン2)
ピクミンと同じ歩根類の一種。
一応、擬態(元々植物なのでこの表現は正しくない)しているが、同類のためか、ピクミンには効果がないようだ。
他の生物を捕食し栄養源としているため、葉を必要としない。
ふつう、生態系での植物の立場は生産者であり、ピラミッドの下層に位置するものであるが、
この星では消費者たる動物と生産者たる植物の境界が実に曖昧で興味深い。

(ピクミン4)
ピクミンと同じ歩根類の一種。
擬態して(元々植物なのでこの表現は正しくない)近くを通る獲物を待ち伏せしており、同類のピクミンにも気づかれることはない。
他の生物を捕食し栄養源としているため、葉による光合成を必要としていない。
ふつう、生態系での植物の立場は生産者であり、ピラミッドの下層に位置するものであるが、
この惑星では消費者たる動物と生産者たる植物の境界が 実にあいまいで興味深い。


花や脚をもいで球根状の部分をスライスしてサラダに。


ダルメッシュメモ

びっくり菊ちゃんの品評会はいかがでしょう?
手塩にかけて育てたべっぴんさんを一堂に集め、花の色合いや大きさなどを競い合います。
半分は動物なので、しつけが出来ているかを評価項目に入れるのも面白そうですが、審査員が何人いても足りなそうですねえ!



概要


所謂「食虫植物」に近い生態を持つ植物。

オリマーメモにもある通りだが、基本的に植物は自然界で形成される生態のピラミッドでは下位の生産者(無機物を有機物へと変換する存在)に位置しているのだが、この生物は消費者(他の生物を捕食し、有機物を体内に取り入れる存在)の立ち位置を取っている。

現実世界でも食虫植物の様な消費者的な側面を持つ植物もいるが、食虫植物は荒れた環境下で十分な栄養等を得るのが難しいような環境で得ている生態で、光合成自体は出来るので、(少なくともやせてはいない)環境の中で光合成を捨てて捕食に全振りした生態を獲得しているという生態はかなり特殊。



名前にある通り、普段は身体の大部分を地中に隠した上で菊(マーガレット)に擬態して獲物が傍に来るまで息をひそめている。

そして獲物が自身のすぐそばまで来た所でいきなり地中から飛び出してピクミンやプレイヤーを捕食しようと襲いかかってくる。


この際に露わになる本体は、菊の花部分のうち2つ花の中心部に目があり、頭頂部に赤い球体型の口、太い根状の胴体で構成されている。
脚の様な部位は正面からは見受けられないが、ひっくり返った際に見られる下側ではひげ根の様な物が見られるため、その部分が脚になっていると思われる。


ボス級の原生生物を除いた生物の中では比較的大型の部類で体力もそこそこあり、かつ周囲のマーガレットに同化しているため、気付かずにうっかり通って襲われてしまう事も珍しくないという初見殺しっぷりも披露する。


基本的に「めざめの森」で最初の個体に会う事が殆どだが、初邂逅までに出てくる原生生物は比較的対処が容易な種ばかりであるため、このびっくり菊との戦闘で初めてピクミンに犠牲が出たという人も多いだろう。


そんなびっくり菊だが、対処法は大きく分けて2つ。
まず戦闘そのものを避けたい場合は「マーガレットとびっくり菊を見分ける事」。


びっくり菊は基本的に自分のすぐそばにまで獲物が来るまで何もしてこないため、通常のマーガレットとびっくり菊を間違えなければ襲われるリスクはかなり低減できる。

勿論、マーガレットのような花に近づかなければ、それで問題ないのだが、進路上に群生しているなどしてマーガレットかびっくり菊か判断できない場合は以下の点に着目すれば見分けがつく。

  • 花の中心部…マーガレットは他の花と同じ様な構造だがびっくり菊の場合、この部分が目になっている。
  • 葉の有無…マーガレットは葉があるが、びっくり菊にはない。


始めの内は気が付きにくいが、よく見て慣れていく事が出来れば見分けるのはそれほど難しくない。


続いて、回避が出来ない位置にいて戦闘が避けられない場合の対処だが、これは「倒れて丸腰になったところを集中砲火する」のが有効。

実はびっくり菊が捕食を試みて口を下ろしてくるタイミング上手く空振りさせると口が胴体部分にぶつかってそのまま倒れ、数秒間じたばたともがく。
(倒れる場所にピクミンがいても押しつぶされる心配はない。)

この隙をついてピクミンに集中攻撃をさせれば大きなダメージを与えられる。
ただし、この方法には起き上がったびっくり菊からの捕食をよけにくいという問題点もある為、体力の残り数値を気にするならば一定のタイミングで回避の準備に移るのが無難。

それらが面倒な場合はゲキニガスプレーを当てて無理矢理動きを止めるか、紫ピクミンのスタンで気絶させてゴリ押すのもあり。

因みに撃破に成功すると、何故か身体が萎むように消滅し、口部分だけが死体として残る。

ちなみに設定通り「本作時点では」ピクミンに対してはこの擬態能力はあまり効果が無いようで、びっくり菊に気付かれない程度の近距離でフリー状態にすると周囲をキョロキョロ眺め警戒する動作を取るようになる。



ピクミン4では



ピクミン3にて一度出番がなくなったびっくり菊だが、ピクミン4で満を持して再登場…………したのだが、何故か外見が大きく変わっている。

身も蓋もなく言うと「頭頂部にマーガレットが付いたカエル状の生物」になっており、ピクミン2の時には目部分の花が水平の位置にあったのが、左右で高さに差が生じていたり、口が胴体部分に移っているなどの違いが見られる。

本作がピクミン初プレイと言う人は勿論のこと、ピクミン2をプレイしたことのある人からしても初見ではこの生物があのびっくり菊だとは気が付かないという状態になった人も多い事だろう。

オリマーメモが2から若干変更された。とはいっても見た目に関する変更ではなく、「ピクミンには擬態の効果が無い」という部分が、「ピクミンも擬態に気づかない」というように変更されている。事実2では上記の通り完璧にピクミンの目を欺ききれていなかったのが、4では地中に潜んでいる間は一切勘付かれなくなっている。

とはいえ基本的な生態は大きくは変わっておらず地中に潜み、捕食対象が近くを通ると飛び出して襲いかかってくる。
因みに襲撃の際に何故かホラーチックなSEが追加されており、慣れていないプレイヤーを更に焦らせにかかってくる。

捕食は口から長い舌を伸ばしてピクミンやプレイヤー達を絡め取ってくるが、ピクミン2同様空振りした際に隙ができ、舌が地面に貼りついた後、ゴムパッチンよろしく顔面に舌がぶつかって少しの間ぐったりする。

対処方法はピクミン2と大方同じでマーガレットとの見分けを付ける事、そして空振り時の隙を利用することの2点。

ただし前者は葉の違いでの見分けが難しくなっているため、注意が必要。
ちなみに「花ふぶきの楽園」では一部の拠点を開放する為に倒さなければならないびっくり菊が存在するため、この個体に関しては見分けがついたとしても基本的に戦闘は避けられない点も注意。


撃破に成功するとピクミン2の時とは打って変わり、花が散った状態で全身が死体として残る。
重さは変わらず10のままだが、運搬時の重さが頭部だけで10だったピクミン2に比べると相対的にサイズダウンしていると言える。

余談だが上記の通り3には登場していないが、4のびっくり菊の擬態元となった植物は3にも登場している。そのため4の方を先にプレイしているとびっくり菊と疑いの目をかけてしまう…かもしれない。


おったまダケ



通称:おったまダケ
和名:キノコヅモリ
キクヅモリ科
運搬に必要なピクミンの数:10
増えるピクミンの数:12
採取可能なキラキラエネルギー:12

オリマーメモ

頭頂部に生えた植物の特徴を残す部分はキクヅモリ科のびっくり菊とは異なるが、根に当たる本体の作りはほとんど同じである。
このことから、植物そのものが進化したのではなく、同じ歩根類のヤドリピクミンのように根が寄生している種と考えられる。
宿主がキノコのため、光合成は出来ないが、毒性の強い粘液を用いて、獲物を捕らえたり毒に倒れた生物が大地に還ることで、根から大地のエキスを吸収している。

ルーイメモ

舌の毒腺を注意して取りのぞけば、キノコと肉の旨味の相乗効果が楽しめる。


ダルメッシュメモ

キノコのふりして驚かせるだけじゃなく、ところかまわず毒を吐き吐き、涼しい顔。
でも、これが、この子の餌の捕り方、個性です。
どんな迷惑な多様性でも受け入れる、大自然のふところの深さ、見習わないといけませんねえ!


ピクミン4で登場したびっくり菊の亜種。

名前の由来は驚いたことを示す山口弁「おったまげた」+「○○ダケ(キノコの品種名)」と思われる。
竹が由来という訳ではない。

外見については頭頂部についているのがマーガレットからキノコに変わり、体色が赤くなっているなどの差異が見受けられる。

キノコは菌類であり植物ではないのだが、根の構造は植物であるびっくり菊と同じ構造なので、キノコを宿主として寄生*1し、生活をしている生物であると目されている。
(びっくり菊に関しては寄生する種なのかそうでないのかは不明。)

攻撃方法や生態はびっくり菊と大差ないが、大きな違いとして舌の攻撃時、着地点付近に毒液が広がる点が挙がる。

液で出来る毒沼自体は10秒ほど効果が持続し、範囲もそこそこ広い。
この時点で白ピクミン以外のピクミンは毒で死ぬリスクを抱える事になる上に、本作で登場する宇宙犬オッチンも「ポイズンクリーナー」を装備していないと毒の攻撃を喰らってしまい、面倒さはびっくり菊をはるかに上回るため、この生物にトラウマを植え付けられた人も多いかもしれない。

唯一毒の利かない白ピクミンだが、単体の攻撃力が低く、かつストーリー上でオニヨンを獲得できない関係上個体数を増やしにくいという問題を抱えている。
更にそもそも白ピクミンを用意できないエリアに潜んでいることもあるといういやなオマケつき。

そのため、この生物と対峙した時には攻撃空振り時の隙を狙う意外の注意点として、毒の部分に当たらないよう位置取りをしながら、おったまダケに攻撃を加えていく必要がある。


ちなみに本作では毒を使用する原生生物は基本的に毒が効かないため、白ピクミンを捕食させてもダメージは与えられないので注意が必要。




余談


  • ピクミン2では「他の生物を捕食し栄養源としているため、葉を必要としない。」と紹介されているびっくり菊だが、ピクミン4で登場する個体にはより凝った擬態にするためなのか、マーガレット部分に葉が生えている。矛盾が生じないようにする為か、オリマーメモも「他の生物を捕食し栄養源としているため、葉による光合成を必要としない。」と言う葉自体はある旨の記述に変わっている。

  • ピクミン2の個体とピクミン4の個体で外見が大きく異なっているため、「コガネモチ*2の様に名前が同じで種が違うのか?」と感じた人もいるかもしれないが、どちらでも和名・科共に同じである。
    オニヨンの見た目が作品によって異なるのは地域による個体差ということが示唆されているが、びっくり菊もまたそういった類の生物なのかもしれない。
    あるいは、ピクミン4はそれまでのシリーズと時系列的なつながりが明確に示されていない(=パラレルの世界観である可能性がある。)ため、生物学的に別の存在である可能性も否定できない。などと考察されていた
    • その後、『PIKMIN GARDEN』の原生生物図鑑にてヤドリピクミンに似た寄生性の歩根類であり、植物部が別の生物に寄生して身体にしていると判明。全くの同一種でありながら、寄生対象によって大幅に見た目や食事方法などが変わってくることが判明した。


  • 実は生物名に漢字が使われている数少ない原生生物の1体。他に当てはまるのは「ピクミン達(赤ピクミン、青ピクミン、他)」や「ペレット草」、(やや怪しいラインだが)「コカガミの卵」などがある。


追記・修正は足を踏み外して地面でもがきつつ、ピクミンからの襲撃を受けながらお願いします。


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最終更新:2025年02月11日 08:45

*1 キノコ側にどのような害があるかが明確に示されていないので、生物学上必ずしも「寄生」とは言い切れないのだが。

*2 ピクミン3でのみ和名がマダラルリコガネモチで、それ以外のシリーズではタテスジルリコガネモチとして登場する。