ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する

登録日:2024/02/02 Fri 08:51:00
更新日:2025/04/21 Mon 12:23:14
所要時間:約 7 分で読めます




出典:「ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由きままな花嫁生活を満喫する」
第1話「私を殺した婚約者 Return of the crown prince.」より
2024年1月~3月 スタジオKAI・HORNETS ©雨川透子・オーバーラップ/ループ7回目製作委員会

過去の人生で得たスキルを思いっきり発揮します!


ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する』は雨川透子によるライトノベル作品である。
小説家になろう」に2020年から投稿され、書籍版がオーバーラップノベルスfにより刊行されている。既刊6巻。
略称は「ルプなな」。

目次

【概要】


婚約者は、かつて私を殺した人

タイトルにある通り、悪役令嬢にあたる主人公リーシェが通算6回命を落とし、その経験が7回目の人生においてどう役立つかが見所である。いわゆる「死に戻り」系の作品である。いわゆる「無限ループってこわくね?」みたいな状態。

『悪役令嬢』と銘打っているが、主人公のリーシェは、他人を蹴落とすような傲慢な性格をしていない。むしろ前向きで何事にもチャレンジする王道主人公のような性格である。悪役令嬢と銘打たれているのは、序盤の婚約破棄のくだりがあってのことだろうと思われる。
このため。数多くある「悪役令嬢もの」の中ではリーシェを悪役令嬢にカテゴライズするところは議論の分かれるところである。

6回の人生の中で本作の主人公は様々な職種を経験し、豊富な人生経験や多彩な人脈を駆使して死亡フラグを回避することに奔走する。
その原因となった敵国の王子に見初められるところもポイントである。彼の人となりを知り、そこからどうふるまっていくかが見どころである。

2022年2月の「次に来るライトノベル大賞2021」で第1位を獲得。
「このライトノベルがすごい」単行本・ノベルズ部門では2024年版で第5位に入っている。

メディアミックス展開としては、木乃ひのきによるコミカライズ版がコミックガルドより連載されている。(既刊5巻)
また、2024年1月よりテレビアニメ版が放送されている。

【あらすじ】


公爵令嬢リーシェ・イルムガルド・ヴェルツナーには秘密があった。
それは『20歳で命を落としては5年前の婚約破棄の瞬間に戻る』こと。
商人、薬師、侍女、騎士など様々な生き方を存分に満喫してきたが、
7回目を迎えた今回の人生こそ長生きしてごろごろすると決心する。

しかし、決意を胸に城を飛び出そうとしたところ、
残虐と名高いガルクハイン国の皇太子アルノルト・ハインと邂逅。
彼こそ騎士人生でリーシェを殺した張本人だが、妙に気に入られ——

願わくはどうか——どうか、俺の妻になってほしい

生き残るため、戦争を起こさせないため、過去に得た経験を駆使し、
敵国の花嫁となったリーシェの7回目の人生が始まる。

(アニメ公式HPより引用)

【キャラクター】


主人公

  • リーシェ・イルムガルド・ヴェルツナー
CV:長谷川育美
本作の主人公。15歳の7月30日生まれ。
15歳で婚約破棄を言われて以降、20歳の誕生日に死亡するまでループを繰り返している王女。生後1か月でエルミティ王国の王太子と婚約をさせられ、それ以降は王太子妃としての教育を受けてきたが、それだけが存在価値であることを植え付けられてしまったことで、閉塞な人生を過ごしていたと言える。

婚約破棄を言い渡されてからは、6回の人生を様々な職種を経験したことで人生経験が豊富。この経験を踏まえ、様々なスキルを駆使し、困難を乗り越えていく。貴族とは思えない前向きさと明るい性格が特徴。その言動はまさに王道的な主人公と言っていい。
一方で、こうした経験の反面、敵国であるガルクハイン国が起こした戦争によって、ことごとく死の運命から逃れられない現状から、今度こそ20歳の誕生日を乗り越えて長生きしてゴロゴロしたいという気持ちもあるようだ(悪役令嬢の先輩に相談するのがいいかもしれない)。自身の死の原因を作った婚約者のアルノルトの真意を探りつつ、自身は死亡フラグ回避に向けて奮闘することになる。

ループした人生の記憶は引き継いでいるが、死に戻った際には体力や筋力などは15歳の婚約破棄されたときの状態に戻ってしまう。そのため、ループ前のノリで行動しようとすると失敗する場合が多い。
なお、料理は苦手。しかし、実際彼女が通ったスープを飲んだアルノルトは「美味い」と称しているので自己評価が低いのかもしれない。
アルノルトが全肯定彼氏と化しているので、本当に美味しかったのかは謎ではあるが。
 (コミカライズ版の説明によると『体にいい薬草を大量に入れるため味が二の次になる』らしい)

ループ6回のリーシェの軌跡

①商人
婚約破棄された直後、たまたま通りかかったアリア商会の馬車に拾われる。鬱屈とした王太子妃の生活から自由気ままに世界を旅することが出来る商人の仕事に興味を持ち、会長であるケインの教えを踏まえ世界中を旅することが出来た。

②薬師
1回目の時にできなかった私物をもってタリーたちに会おうとしたが、すれ違ってしまった。そこで私物の中にあった祖母から渡された異国の薬草図鑑を元に薬師として働くことを決め、成功を収める。1回目の人生で薬の流通ルートや旅で得た疫病の知識が役立ったのも背景にある。この時もやりがいをもって過ごすことができた。
ちなみにこの時だけ死因が「流行り病の治療に赴き、自身もその病気にかかり病死」、他はアルノルトがきっかけとなる戦乱に巻き込まれて死亡している。

③錬金術師
2回目の人生で薬学を学んでいる際に知った錬金術の知識とその道に長けた有名な錬金術師(ミシェル)に興味を持ち、弟子入りすることになる。実験を通じて新しい知識を学ぶことに楽しさを覚えた。

④侍女
侍女として公爵家に仕えることになる。
後に7回目の人生で侍女に関する仕事に携わることになったが、この時の経験が生きていると言える。
なお、主人が部屋に引きこもった際などで鍵開けの技術などを習得するに至った。

⑤狩人
ある男性を助けた際、その人物の属している集団に仲間入りして狩人として過ごすことになった。

⑥男装騎士
男装騎士として働く、なおその際、城に乗り込んできたアルノルトと対峙して、彼に心臓を一刺しされて絶命。7回目の人生へループすることになる。
なお、その際の剣技は身についている(ループ前の体力的な事情で全盛期の力は発揮できないが)。また、この経験がアルノルトの剣技の特徴を把握するに至ることになる。

主要人物

  • アルノルト・ハイン
CV:島﨑信長
リーシェを婚約者に見初めたガルクハイン国の皇太子。冷酷非道な男として知られている。
卓越した剣技で複数の敵が襲い掛かっても瞬時に薙ぎ払ってしまうだけの実力の持ち主。

ディートリヒ主催の夜会に参加した際、たまたまぶつかったリーシェの言動(主に2階から飛び降りてさっさと私物を取りに行こうとしたところ)を見て、「おもしれー女」と興味をもったのがはじまり。
その後も(ループによる人生経験により様々なスキルを身に着けた)リーシェの予想のつかない言動に驚きつつも、興味を深めている様子。基本的には彼女のことを大事にしている。

冷酷なように見えるが騎士に対しては1人1人の性格や特徴を把握しているなど、面倒見の良さが見られる。
リーシェがアルノルトと関わることによって、彼の真意に気づき、いかに後に起こす戦争
を回避するかが物語の焦点となる。

  • テオドール・オーギュスト・ハイン
CV:伊瀬茉莉也
アルノルトの弟で15歳。
アルノルトと同じ青色の瞳を持つ中性的な少年。
天然なように見えるが、裏の顔が存在している。アルノルトからは確執があるようで、彼はリーシェに対して「相手にするな」とくぎを刺しているところがあるくらいに警戒しているところがある。

  • オリヴァー・ラウレンツ・フリートハイム
CV:土岐隼一
アルノルトの従者で26歳。
実は元騎士でケガにより騎士を目指せなくなったところをアルノルトに拾われることになる。
冷酷無比なアルノルトに対して進言できる数少ない部下である。
二人の信頼関係の深さがうかがえる。

  • ケイン・タリー
CV:立花慎之介
新興の商会であるアリア商会の会長。
1回目の婚約破棄を言い渡されたリーシェと出会った際、高価な指輪を買い取って欲しいといったリーシェに興味を持ち、商人になって自由に旅をすることを進めた。それに伴い、商人のいろはをリーシェに叩き込んだ人物でもある。
酒と女にだらしない性格。

  • ミシェル・エヴァン
CV:小野大輔
金髪に蒼い瞳を持った美青年だが、年齢不詳。
コヨル国に仕えている錬金術師。
リーシェにとっては3回目のループの際に錬金術を教えてもらった憧れの存在。彼女はミシェルを「先生」と呼んで慕っている。

  • カイル・モーガン・クレヴァリー
CV:福原かつみ
コヨル国の第一王子で18歳。
銀色の髪色に薄い水色の瞳を有している。
身体が弱く治療を受けているが、いつか国の民を守りたいという思いを抱いている聡明な人物。
リーシェにとっては1回目~3回目の人生において面識がある。2回目の人生においては、薬師として働いた際の患者が彼である。

その他

  • ディートリヒ
CV:岡本信彦
エルミティ王国王太子で、リーシェに婚約破棄をした元婚約者。
リーシェに濡れ衣を着せて、彼女に悪評を植え付け、婚約破棄を言い渡す。
1回目の時はさすがにショックを受けたリーシェであるが、7回も同じことを繰り返されるともはや彼のことは眼中になく、以降は冷たくあしらわれる。最後らへんは完全に道化のような存在になり、周囲に笑われる始末になっていた。

  • エルゼ
CV:津田美波
リーシェの侍女。15歳。
貧民街の出身で、リーシェがガルクハインの離宮で暮らす際に専属の侍女になった。内気な性格で、仕事をこなすのに時間はかかってしまうが、真面目にしっかりと取り組んでいる。

  • ディアナ
CV:清水彩香
エルゼの先輩侍女の17歳。
没落した商家の出であり、その関係で字もある程度読める。
なかなか仕事を覚えないエルゼに虐めのような態度で接するが、これはなかなか仕事を覚えないエルセにいら立っているためである。
後に、リーシェに教育の仕方について指摘を受ける格好になり、侍女を辞めさせられる。代わりに字の読み書きができることをいかして新人侍女の教育係に任命され、それまでの自身の行いを改めるようになった。

【テレビアニメ】


2024年の1月~3月の期間でTOKYO MXなどでアニメが放送されている。
1クールの予定である。
制作はスタジオKAIとHORNETSが担当。
監督はいわたかずや。

主題歌

  • OP:「Another Birthday」
土岐隼一によるオープニングテーマ
  • ED:「消えない」
THE BINARYによるエンディングテーマ


追記・修正は7回ループしても生き残ることが出来た際にお願いします。


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最終更新:2025年04月21日 12:23
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