柳龍光(バキ)

登録日:2012/09/22 Sat 16:49:16
更新日:2025/04/07 Mon 19:09:59
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一つ質問をしよう

この地球上で最も強力な毒ガスとは――何かワカるかね?



(やなぎ) 龍光(りゅうこう)とは漫画『グラップラー刃牙』シリーズ第2部『バキ』の登場人物。

CV:江川央生(PV)、二又一成(2018年版アニメ)

目次

【概要】

死刑囚という以外、ともに無関係ながら『敗北を知りたい』という共通の目的のために脱獄、東京・地下闘技場へと集結した5名の最凶死刑囚のひとり。
日本人であり、地下闘技場の存在についても充分な知識を持っていた。
後の夢枕獏原作の外伝小説「ゆうえんち」では、かつて投獄させられた存在についても示唆されており、その人物は外伝小説の主人公・葛城無門であり、同作において主人公の仇として本編開始以前の経歴が描かれている。

外見はオールバック刃牙の高校の用務員に変装したとき全く違和感を感じさせない程度の身長160センチ未満の小柄な中年男性*1で、他の死刑囚や対峙したキャラの殆どが巨体のため余計に小柄に見えるが、空道(くうどう)という古流武術を極めており高い殺傷能力を誇る。
それもそのはずで、空道は格闘術というよりはいかに相手を安全かつ一方的に無力化あるいは殺害できるかを追及した殺人術であり、
そのような技の数々を操る柳もまた格闘家というより殺法家とでも呼ぶべき性質を持つ『黒社会の住人』なのだ。

「空道」の殺傷力こそ高いものの、自分に敗北を教えてくれるほどの強さを持った相手以外に興味はないのか、
暴力団員などは襲うことはあっても無関係の一般市民を無差別に襲ったりはしないほか、闘士相手でも王手をかけた時点で興味を失って立ち去ってしまう。
被害そのものは他の死刑囚に比べて少ないと言えるだろう。
ただし、『ゆうえんち』ではマスター国松から奪った腕を咥えて歩いていたところにやってきた警察官5人を徹底的に甚振って瀕死に追い込んだことが語られているなど、少し関与すれば善良な人間にも攻撃をする辺りは害悪度自体は高い(一応、柳の視点で見れば警察官などは自分を捕まえようとした時点で「勝負」や「報復対象」の範囲に入ったとも考えられるが)。

「大日本武術空道」の当主であるマスター国松という人物を師匠として従事していたが、何らかの理由で激突したようで、結果として師の左腕を奪った。
柳に左腕を奪われたマスター国松は、外伝小説「ゆうえんち」にて、まるで柳を恐れておらず、柳が自身の腕を落とした事について「殺せなかった時点で仕返しされるので失敗」「柳は仕返しで殺されるのが怖いからいなくなった」と評している。グランドマスター?レックス?知らんな。
柳は葛城無門との決戦の際に内心でマスター国松に関して振り返っており、実力と言うよりはその雰囲気を理由に従事することにしたことや正直な本音として今なお多少の恐怖心を抱いていることを振り返っており、マスター国松の読みは実際に当たっている部分もあった模様。

渋川剛気とは過去に因縁があり、かつて彼の左目を奪ったことから執念深く報復のチャンスを狙われている。
渋川を初めとして様々なファイターや自身が追い詰めた暴力団関係者などからも恨みを買って命を狙われている。

そして、「ゆうえんち」にてヒロイン・松本梢江の父親・松本太山を殺した張本人である事が明かされた。
後付けではあるが、これで梢江が「地上最強」という言葉に否定的なスタンスを取っている事や、「格闘技」そのものを憎んでいるかのような発言をしていた事にも説明が付く形となった。*2
当人同士はまだ知らないが、「SAGA」後の刃牙との再戦にて、父の仇とかつて殺した男の(むすめ)が相見えていた事になる。

「ゆうえんち」では柳の「敗北を知りたい」という言葉にかける情念についても
詳細が語られており、自身の殺法をもって人を傷つけ、相手が屈辱や絶望に塗れて死ぬ様を見て
愉悦を感じる真性のサディストであると同時に、その性向の裏返しとして
敗北に伴う喪失を心のどこかで待ち望んでいるマゾヒズムの発露から原作における凶行に走ったとされている。
一方で無門との決戦の際に劣勢になると内心での口調が荒れ始めると同時に「この世のどんな奴よりも努力してきた」と自己鍛錬への自信を見せ(本人曰く、渋川・独歩・勇次郎の3人よりも努力しているとのこと)、敗北をしたくない理由については努力が否定されるからだとも語った。
そして、敗北を望んでいたマゾヒズムに反して身体や意識の根底では敗北への拒絶反応を起こし、「自分が自分を生む」という自己意識において異常な反応が発生させている。
実際、神野仁に自身の敗北を予告された際には僅かに何か思うところがあるような様子を見せていたり(漫画版『ゆうえんち』参照)、無門に敗北して逮捕されることを選んだ際には独自の理論で敗北を認めなかったり、その後の本部戦でも敗北が確定した際にも折れようとしないなど、各媒体での様々な描写から察するに柳のマゾヒズムはあくまでも自分が実際には敗北しないことを前提としたある種のファッション感覚も入っていたと考えられる

自分が無残に敗北することを思うと射精しそうになると言っていたり、美形の無門との戦闘中に彼の白い肌への欲情や肉を引き剥がそうとした際に乳首にわざわざ言及するなど異常な性的嗜好の片鱗も見せている。
一応数々の欲情的な発言は比喩も入っている可能性もあるが、無門に敗北した際には本当に射精してしまった。
何処へ出しても恥ずかしくない変態野郎である。

日常が鍛錬レベルと言う生活を長年積み重ねていった結果、奥歯が歯茎と同じ高さまで平らに磨り減っており、常人離れした咬合によって発揮されるパワーの高さを物語っている。
柳は自身を生まれながらの天才ではないと過小評価しており、それ故に稽古や様々な暗殺術などを磨いてきたようだ。武器の使用や卑劣な戦法に抵抗感がないのもそれが理由。
結局のところ、大層な事を言っておきながら根底の部分では自分に自信が無かった、と言える。
本編で脱童貞で異常なパワーアップをした刃牙に弄ばれた際に大泣きをしたのは、天才型ではない努力家だと自負している柳からしたら当然の反応だったのかもしれない。

なお、ドイルと並んで結構な愛煙家のようで、渋川との決闘前にはかなりの数のタバコを吸っていた。

項目冒頭のセリフを発しながら相手を一撃で沈黙させることから、ついたあだ名は「猛毒柳」
のちに映像化された2018年アニメ版では「人間毒ガス兵器」という二つ名を付けられている。

なお、容姿のモデルは若い頃のロバート・デ・ニーロ。


【戦力】

優れた体術の技量も持つが、暗器や凶器の扱いにも長けており戦闘の際には好んで使う。
そのどれもが恐るべき殺傷力を秘めている。


空掌(くうしょう)




答えは酸素

ワカったときにはもう遅い


柳の「猛毒」の異名の所以といえる技。
掌の中で小規模な真空状態を作り出すことで、強力な吸引力を作り出す暗殺拳法。
防衛庁から取り寄せたロケット砲も跳ね返す特製強化ガラスやコンクリートすら破壊する。

簡単に言えば、掌を使った吸盤みたいなもので、国松によるとボウリングボールのような固いもの・重いものほど吸い寄せやすく、逆に柔らかく軽いものほど吸い寄せにくいとされている。
だが柳は空中でこの技を使うだけで数十センチ下の床に置いた和紙やマンガの原稿用紙さえ手中に吸い上げてしまうほどの技量を持つ。
この技の最大の真価は大気の真空化に伴い、空気中に含まれた酸素濃度を6%程度まで下げ、空気をこの世で最も危険な毒ガスに変えてしまうことにある。
この酸素濃度の空気を呼吸器から吸うと人体は瞬く間に機能を遮断され、意識を失ってしまう(酸素欠乏症)。
柳はこれを「神の意表を衝く技」とも呼んでおり、技の正体を知らぬ刃牙を一瞬で戦闘不能に追いやった。
実際にこの技を知らなかった刃牙や神野羽矢雄は事前に攻撃内容を予測できずに隙を生んで敗北しているため、シリーズでも最凶クラスの初見殺し攻撃と言っても過言ではない。

「ゆうえんち」ではこの技を使いシコルスキーばりの登攀術を披露した他、物を吸いつけて即製の鈍器として使用したり、更にはその吸引力で人間の皮膚と肉をむしり取ってしまう恐るべき芸当も行った。
また渋川の左目を奪った技であるとも明かされた。その凄まじい威力から新聞で「妖怪皮剥ぎ男」と書かれたことも。
なお国松は、足でこれを行う空足(くうそく)を編み出した。本人の話では対柳龍光用に開発した技。
また弟弟子の神野仁もこれを使い柳と壮絶な空掌対決を行った他、見様見真似で習得した空足も披露した。

無門との決戦では空掌を作れる両手を叩きつけることで空気弾を作り出しており、大ダメージを与える効果はないがこれを相手の目の付近に送り込むことで動きを妨害する手法を見せた。
ただし、空気弾は片方の手が傷付いた状態でやると逆に自分に大ダメージが入り、これをやろうとした神野仁は自滅する結果になった。

空掌の弱点としては相手を吸い寄せる技であることから、相手の皮膚にこの技を仕掛けた際にそれに湿りっ気がないと空気が入って失敗してしまう。
そのため皮膚にワセリンなどの液体を塗ることが対策になるが、柳は神野仁との同門対決で互いにこの対策を行って空掌の機能を封じ合っている。
ただし、空掌の使い手が同じ使い手の相手との対決を見込んでこの対策をする場合は自らの空掌を封じてしまうため、掌のみには液体を塗ることが出来ない。


暗器・武器術



立ち合いたいと言うのなら、黙って仕掛ければよろしい

このようにッッ!!

都内某所の隠れ家に様々な暗器(隠し武器)や武器を所有しており、それらを日常的に携帯、有事の際には手足の如く巧みに使いこなす。
また時には身につけた物や拾った物を使い即製の武器を作り出すこともある。
劇中で用いたのは
  • 手の内に隠す鉤爪つきメリケンサックのようなインドの暗器『バグ・ナウ(虎の爪)』、
  • 研ぎ澄まされた二丁の鎌をヌンチャクのように紐で繋ぎ、高速で旋回させることで不可視の斬撃を加える『風神鎌(ふうじんがま)
  • 固いものを切ればしっかり刃こぼれするリアル志向の『名刀』
  • 石を使って先10㎝ほどを刃物のように研いだベルト
  • 石や手袋などで作製した即製の分銅
など。
ただ本部以蔵はこれらや後述の毒手を指し、『磨いた五体以外の何ものかに頼みを置く……そんな性根が技を曇らせる』と断じ、事実大きく技量に開きのある柳を圧倒した。
実際、柳は武器も毒手も、ハッキリ言って必要ない。
磨き上げた五体だけでも、十分すぎるぐらいに強い。
それなのに、柳は自分のサディスト精神を満たす為、相手を一方的に嬲りものにしたいからという理由で武器を多用している。
歯がすり減るほどの「努力」を、自分で否定してしまっているのである。*3
本部に「最早救い難い」と吐き捨てられるのも当然だろう。

また、風神鎌や分銅鎖といった振り回す中距離武器には技があることが「ゆうえんち」にて判明し、空道の武器術の一つとして体系化されている模様。
  • 相手の背後まで鎌及び分銅を飛ばしてから横に薙ぐ『草薙
  • 地を這うように鎌及び分銅を飛ばしてから上に振り上げる『大蛇』 独歩です・・・
  • 自身の頭上に振り上げてから孤を描くように振り下ろす『満月
  • 地面に打ち込んだところから孤を描いて相手を背後から刈り取る『三日月
  • 別の軌道からそのまま縦に回して相手の頭上に振り下ろす『つるべ落とし
  • 相手を横薙ぎに攻撃する『
といった多彩な技がある。
ちなみに、本編の『バキ』でも同じ動きを使用していた。


鞭打(べんだ)

肩から先を液体化させるようなイメージで脱力させ、しなやかにスナップさせた掌を打ち下ろし、鍛えられた肉体ではなく、全身をくまなく覆う皮膚に『痛み』という形でダメージを与える秘拳。
その動きや特性がの打撃に近いことからこの名がついた。

老若男女・あらゆる肉体に公平な効果を発揮する画期的な技であり、自然界でも動物がを叩き付けることで使用するが、人間界では強いて言えば女性の平手打ち(ビンタ)程度ではある。
しかしながら国松が行った試技においてすら、固定されていないコーラの瓶を寸断してしまう程の速さから繰り出されるその威力たるや、大の大人ですら激痛に耐えられず肉体が死を選択してしまうほど。
特に柳の鞭打は後述の毒手との組み合わせは『水銀の鞭』と例えられるほど凶悪無比。
柳はこれを「蛇毒」と名付けていた。

使い勝手がよく、タフな相手を切り崩すのにも有効なために後に刃牙や勇次郎も用いている。
尤も、勇次郎は『所詮は女子供の護身技、大の男が使うシロモノじゃねえ』と語っていたが。


毒手(どくしゅ)

空道最強最悪の殺人術。
「朱砂掌」とも呼ばれ、闘将の方のラーメンマンとか男塾死天王のそれを想像してくれれば大体あっている。
秤で正確に計量した天然の毒物*4や水銀*5をすりつぶして砂に混ぜた毒砂に素手で突きを打ち込み、を浸透させては解毒効果のある溶液での洗薬を交互に繰り返すことで、手そのものを毒の塊に作り変える秘術。
数ある空道の修行の中でも最も苦痛を伴う荒行であり、毒の痛みに耐えかねて手首を切断する者すら出るという。
五日目に入り手の色がサツマイモ色になると完成。
科学的でこそ無いが人体へのマイナスという点では十分すぎる物で、触っただけで花がしおれ、一度打たれればその箇所の肉は腐り骨髄は侵されてたちどころに即死、目にかすれば即・失明してしまうという極悪ぶり。

科学に造詣の深いオリバさんの分析によると、神経毒で、血中に混入したら大問題(シリアスプロブレム)とのこと。
ただし、あらゆる毒に強い耐性を持った範馬の血という名の主人公補正には若干効果が下がる(後に『ゆうえんち』で範馬の血の都合だけではない可能性が示唆された。後述参照。)。
また、必殺の威力を持つ反面、自身の代名詞である『空掌』というアイデンティティと言うべき必殺技を自ら捨てたという事に他ならず、毒手に頼りきる事でわずかながら隙が生じてしまっており、その事が後に彼自身の足を引っ張る事となってしまった。

上述のように、相手に致命傷を与える凶悪な殺人術である反面、複数回叩き込まなければ戦闘中に相手を即死に追い込めない遅効性の技という欠点がある。
毒はじわじわと効くために相手の動きが徐々に鈍っていくという効果があるので相手に叩きこめた時点で大きな有利になるかつ絶命の危機に追い込めること自体は事実なのだが、その場限りの短時間の戦闘のみで見れば相手が動ける時点で反撃の隙を与えてしまう可能性がある。
これらの問題点はゆうえんちで戦った神野仁に分析されており、実際その後の脱童貞や怒りでハイテンションになっていてその場では毒の苦しみを感じにくくなっていたと思われる刃牙との試合でこの課題に直面することになってしまった。

更に言うと毒手を浴びた者は戦闘中に取れる対策が全く世の中に存在しないという訳でもないようであり、松本大山や無門は気の流れを操れる「放華」という技で筋肉を膨張させて血管を自ら破ることでそこから毒を放出するという対策を取った。
また、毛穴などから毒が入り込む手順の技なので大量の汗で皮膚が洗い流される状態だと毒の効果が弱まる。実際は大量の汗など簡単に出せないので本来は対策にはならないのだが、神野仁はワセリンを大量に塗ることで疑似的に汗と同じ効果を肌に作っての対策を試みた。

空道の毒手の源流は中国発祥であり、日本に伝来したのは戦国時代で、前半七巻の陰手のみ。時の戦国大名今川義元の命により、忍者のみ習得を許された。
本来の毒手は後半五巻の陽手を加えた全十二巻で完成する技なので柳の使う毒手は不完全。
陰手で受けた毒は限られた状況下で陽手の毒を受けることで毒が裏返り、解毒に転じる。
刃牙は大擂台祭で中国有数の毒手の使い手、李海王の攻撃を受けることで復活できた。
「ゆうえんち」の主人公・葛城無門もこれを受けたが、身体操作術「放華」によって毒を排出し事なきを得ている。やはり主人公には効かない


なお、余談だが、毒手拳は、少林寺に伝わる実在するとされる拳法である。

足先(そくせん)()

「ゆうえんち」での松本太山戦で使用。
つま先で蹴る技で、格闘技ではトゥーキックと呼ばれ愚地独歩も使うなどそれほど珍しい技ではないが、柳が蹴り技を使ったのはこれが初である。

縛法土蜘蛛(ばくほうつちぐも)

「ゆうえんち」での神野仁戦で使用。密かに絡ませた糸で相手を雁字搦めにし動きを封じる。


この他に国松によると、活手、殺手という技があるらしいが詳細は不明。


【劇中の活躍】


反省文

小生敗北を知りたく 
 都へ向かうものなり


空師 柳龍光

初登場は『バキ』第6話『日本・柳龍光』。
刑務所の中で屈強な受刑者10数人を殺害。
防衛庁から取り寄せたロケット砲も跳ね返す特製強化ガラス製のトイレも丸見えのプライベートすらない独房に収監されていたが、ある日その強化ガラスを空掌でアッサリと破壊。
その場にいた看守二名のうち一人をアッサリ気絶させ、もう一人のふとましい看守に記事冒頭の「答え」を囁き、耳から空気を吹いただけで脳ミソを吹っ飛ばし殺害。反省文に予告して脱獄し東京に渡る。こいつ全然反省してねぇ。

その途中で再会した渋川が弱くなったと感じて失望する一方で、地下闘技場最強の若きチャンピオン、刃牙には何かと接触してくることが多かった。
用務員に変装して襲い掛かったり、刃牙が梢江との連日連夜の熱く激しい情交で全てを出し尽くした直後を見計らって野試合に誘ったりと姑息ながら周到なタイミングで襲撃してきた。
ただ、一度目は不意打ちの空掌で勝利できたが、二度目の交戦時にはすでに(性《SAGA》的な意味で)童貞を捨てたことで最愛という強さを手に入れ飛躍的なパワーアップを遂げた刃牙がはるか高みを行っており、通りすがりのなんかふしゅるふしゅるイッてる玉なしの露助と二人がかりで攻めたにもかかわらず返り討ちに。
頼みの毒手も即効性がなく(後々重篤なダメージを与えることには成功していたのだが)、挙句の果てには賢者タイムで優しくなったのか、『愛するものを守れれば良い』などとこの作品らしからぬ理屈を吐いた刃牙にダッシュで逃げられる。
形の上では『逃げられた』わけだが、実際は『見逃してもらった』という敗北ですらない屈辱を突きつけられた。

その後、愚地克巳と友情を結び、国外に逃亡しようとするドイルをいじめて憂さ晴らしをした後(ドイルは結局オリバに捕縛される)、
完全なる決着を望む渋川老の決闘状を受け取り、公園で待ち構える。
しかし、その後に待っていたのは公園最強の生物による容赦なき粛清だった(該当項目参照)。

奥歯を抉られ、足を刺され、更には毒手の右手首を失い、さらに駄目押しのごとく、通りすがりの公園限定ではない地上最強の生物「オメェの負けだ」とジャッジされる。
…が、柳は「この戦いの勝敗を決めるのはアンタではない」逆ギレ同然に口答えをしてしまう。
そのため、勇次郎には一理あるとは言われたものの、『勝負に応じた』と看做され逆ギレ返しに近い形で裏拳を叩きこまれて一発KO。
顎を砕かれ顔面が崩壊、血の海に沈んでフェードアウトしてしまい、唐突に死刑囚編も完結をむかえるのだった…。

本部がどう思ってたのかは不明だが、客観的に見ればこの勝負は誰がどう見ても柳の完全敗北。*6
それなのに「敗北を知りたい、だが負けたくないという矛盾した心理が、敗北を認める事を拒んでしまった。
ハッキリ言って見苦しいにも程がある。
勇次郎に制裁されるのもやむなしと言えるだろう。

なお、これはあくまでファンの考察のひとつだが、勇次郎が乱入したのは
「せっかく手潮にかけて育てた刃牙を、毒手で殺されそうにされている(=自分の10数年を台無しにされそうになった)事への復讐だったのではないか」
とも言われている。


風の噂では後に某人気漫画家のアシスタントになったとか、ウナギ屋さんになったとかならないとか…






追記・修正は毒功を完成させてから行ってください。

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最終更新:2025年04月07日 19:09

*1 むろん、高密度の筋肉を搭載しているが

*2 しかも父が闘い殺された理由が「かつて重病を患っていた自分を救う為の治療費を稼ぐ為」だったのだから尚更だろう。

*3 第四部『刃牙道』でも作者が過去に取材した高名な武術家は「刃物を持った相手は刃物しか使わないから怖くない(意訳)」と語っている

*4 ハンミョウやムカデなどの毒虫や毒草など

*5 前述の朱砂掌の由来となった

*6 奥歯を砕かれて空掌を封じられ、脚を刺されて速く動けなくなり、持ってた武器も使い果たし、毒手すら失ったという、完全に「詰んだ」状態。柳はここからどう逆転できるつもりだったのか…