フェルン(葬送のフリーレン)

登録日:2021/07/21 Wed 02:57:47
更新日:2025/02/12 Wed 16:35:58
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あの方は正しい事をしたのです。

救った事を後悔して欲しくない。


出典:葬送のフリーレン、5話『死者の幻影』、2023年9月29日~2024年3月22日まで放送。
「葬送のフリーレン」製作委員会、マッドハウス、
© 山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会。

●目次

概要

『フェルン』とは『葬送のフリーレン』に登場するヒロイン的な存在。
約80年前に魔王を討伐した勇者一行の僧侶ハイターに幼少期の頃に引き取られて育ち、
その後、死期を悟った彼によって、同じく勇者一行の魔法使いフリーレンに「弟子」という形で託され、
ハイターの死後は、魔導書の収集を目的とするフリーレンに付いて行く形で、各地を旅している。

CV:市ノ瀬加那

南側諸国の出身で、戦災孤児の美少女。フリーレンと旅立った時点で16歳。
あまり表情が変わらないが、気に入らないことがあるとむくれたりするので感情は案外わかりやすい。
フリーレンと出会った当初はまだ幼かったが、旅をする内に身長と胸はフリーレンより成長した。
膝枕をしてもらってたフリーレン「空が半分しか見えなかった」
そして、フリーレンが割と自堕落で寝坊魔だったため、いつの間にか彼女の保護者兼ツッコミ役のような存在となる。
本人曰く「毎朝フリーレン様のことを起こして、ご飯食べさせて服着せて、これ私、完全にお母さんですよね読者からもフェルンママと呼ばれよく甘えられる。
人格面は良くも悪くも聖職者だったハイターの教育に多大な影響を受けており、一般的にだらしがないこと、素行が良くないことを嫌う。
そのため「ギャンブルは嫌い」と言い、僧侶でありながら多方面で破戒気味なザインには当たりが強い。一方で、酒だけは「百薬の長」と好意的に思っている。
物静かで大人しい性格のため、気に入らないことがあってもすぐに怒ったりはしない反面、
蓄積した怒りが臨界点を超えて爆発すると、しばらく不機嫌になるなど尾を引くタイプ。

師匠であるフリーレンのことは尊敬しており、彼女の弟子であることを誇りに思っているが、
ゆえに彼女の才覚は世界の役に立てるべきだと思っており、あまりにも悠長なエルフ的時間感覚には否定的。
一方、後に旅の仲間入りしたシュタルクのことは、会った時の感覚でずっと「シュタルク様」と呼びつつも、
後述の「ちっさ。」を始めとして、シュタルクが「ねえ、俺何かした?」と尋ねるほど時折辛辣な言動を見せ、
シュタルクはフェルンにかなり気を遣っているものの、実際は同年代の異性に対しての接し方を測りかねているだけのようで、
物語が進むにつれて徐々に打ち解けていき、時に喧嘩しても素直に謝って笑い合えるなど、良い関係になってきている。ザイン「もう付き合っちゃえよ!!!」

魔法の才能は抜きんでており、常人なら10年はかかる課題を4年で乗り越えた逸材。*1
史上最年少で『大陸魔法協会』の三級試験に首席合格し、公への露出として一級魔法使い達から認知されるに十分なスタートを切る。
なお、いきなり三級を受けた理由は「試験期間が近かったから」。後には同じく最年少(おそらく)で一級魔法使いの称号を得た。
その才能はフリーレンの大師匠である大魔法使いゼーリエをして「誰も到達できなかった魔法使いの高み」に辿り着ける最高の逸材と言わしめ、
一級魔法使いの認可の段階を通り越して直接自らの弟子になるようスカウトされるほど。*2*3

魔法使いとして比類なき才能を持ってはいるものの、フェルン自身は魔法のことを生きていくための手段くらいに思っており、あくまで「ほどほどに好き」くらいの感覚。
無数にある自活手段の内、そこまで好きでもない魔法を選んだのはハイターとの思い出ゆえである。
ゆえにフリーレンの何の役に立つか分からないものまで節操なく収集する趣味には呆れている……が、
それはそれとして楽しそうに魔法を探求する師の姿自体は好ましく思って、連れ添っているとのこと。

また、「自分など大したことはない」という意味合いのことをしばしば口にするが、これは自分の才能を自覚していないというよりも、
フェルン本人の価値観では「その才覚を如何に世のため人のために役立てたか」がより重要なことであるためと思われる。


過去

幼少期に家族を亡くし、生きる気力を失い自殺しようとしたところでハイターに出会う。
その際「死ねばその人との大切な思い出まで死んでしまう」と言われたことで自殺を取りやめ、共に暮らすようになった。

そして10歳の頃にフリーレンと出会う。
もはやハイターの余命は僅かであり、フェルンを独りこの世に残してしまうことを唯一の心残りとしていた。
彼の差配により、フェルンはフリーレンの指導のもと、遠く離れた崖の対岸にある一枚岩を打ち抜くことを目標に、魔法使いとしての修行に励むようになる。
一人前の魔法使いとして認められ、ハイターに「もう大丈夫だ」と思ってもらうことこそが、彼女の考える恩返しだった。

無事、この世界を生き抜くだけの実力を身に着け、ハイターを見送った後はフリーレンの旅に同行し、共に「天国」を目指すこととなる。
あの一枚岩にはきれいな風穴が1つ、開いていた。

戦闘能力

フリーレンに魔法のイロハを教わったため、彼女同様の対魔族に特化した戦闘スタイルをとる。
普段から体外への魔力放出量を1/10以下に抑えており、実際の魔力量は不明。
魔力偽装は通常100年や200年費やしたとしても魔族に通用するような出来にはならないとされる「実用的ではない」「時間の無駄」な技術だが、
ゼーリエの言うところの生まれ持った才覚により高精度の擬態に成功。
実際、人類はもちろん有力な魔族さえ欺く早熟に過ぎる仕上がりなものの、
七崩賢に匹敵する大魔族のお姉さん曰く「大魔族にはまだ通用しない」とのこと。
……もっとも彼女の言う事を信じるのなら、だが。*4

生きた時間の違い故に魔力量と魔法の技術はフリーレンに及ばないものの、魔法の速射能力については上回っている。
フリーレンの方針で戦闘では一般攻撃魔法と防御魔法しか使わないように、と指導されていることもあり、
人間の魔法使い相手でも基本的にスタイルは変えず、一般攻撃魔法の速射を駆使して防御魔法の使用を強制し、
魔力切れに追い込む、圧倒的な速さと手数で押し切るといったオールドファッションな戦法を取る。

魔力の制御においては天性の才能を持ち、10歳の時点でハイターとフリーレンの魔力探知にほとんど引っ掛からないレベルだった。
そして迎えた一級魔法使い試験において、彼女は大事件を起こす。
なんとゼーリエの魔力偽装をたった一目で見破ったのである。
ゼーリエの魔力偽装は非常に完成度が高く、一級魔法使いの中でも最も長い期間をゼーリエとともに過ごし、
初見でフリーレンの魔力偽装を見破ったレルネンでさえまったく気づいていなかったほど。
もう一度言おう。彼女はゼーリエの魔力偽装をたった一目で見破ったのである。
試験には当然の合格。晴れて一級魔法使いとなった。
「最高の逸材」と評価されたのもむべなるかな。

戦闘においてはメンタリティも見事の一言。
沈着冷静に勝機を探り、身体に風穴が開こうが壁に叩きつけられようが泣き言ひとつこぼさず難敵に立ち向かう。
情緒に訴えかけて油断させてくる対魔族に訓練されているせいか、無表情気味なことが多い魔法使いの中でも感情に左右されない傾向にあり、
地獄をいくつも見てきた歴戦の勇士が信じざるを得ないほど平然と「殺しました」と告げるなど、肝の据わり方も凄まじい。
実際、大魔族から真っ先に感嘆されたのも魔法の腕より前に、攻撃に「まったく躊躇が無い」ことだった。

いっぽうで年齢相応に経験が浅い点もあり、複製体フリーレンと戦った際は「(まだフェルンは気付けない)」隙があることが指摘された。
致し方ないことではあるが、フリーレンの見込みでは大魔族と渡り合うようになるはどんなに早くとも半世紀は先、とも。
もっとも魔法使いの戦いはジャンケンのようなものであり、後述の使用魔法のように大魔族相手でも戦う手札がないという意味ではない。


基本魔法

  • 一般攻撃魔法/人を殺す魔法(ゾルトラーク)
その名の通り一般的な攻撃魔法。
約80年前にクヴァールが開発したのち、大陸中の魔法使いによって研究・解明・改良された魔法。
フェルンにとっては生まれた時から存在する基礎中の基礎であり、フリーレンを師とし、学び、戦い、その生涯をかけて研鑽を重ねてきた魔法。
そしてこれ一本でどんな状況も切り抜けてきた彼女にとっての最強の攻撃魔法である。
こういった事情や生まれ持った才能から、その練度はフリーレン以上のすさまじいものとなっており、速射性、弾速、連射性はおそらく全魔法使いの中でもトップクラス。
ゾルトラークはその名の通り(一般攻撃魔法)、人類の魔法使いなら誰でも使える……使えてかつ防げなければ話にならない、ぐらいの扱いになっている。
が、それはそうならなければ生き残れないから必須という意味であって、ゾルトラーク自体が優れた性能の魔法であることに変わりはない。
フェルンはそこに“魔力偽装”も併用しているので、相手からすれば推量の埒外から速射性において魔王討伐の魔法使いより上の弾幕が飛んでくる極悪な構成となるのだ。

さらには相手の魔力探知が届かないほどの超遠距離から発射し、
一撃必殺の高出力を保ったまま狙った位置にお届けすることも可能
というバグレベルのシロモノに仕上がっている。一枚岩くんもオレオールでニッコリしていることであろう。
やはりというべきか、魔族からしてもビックリなHENTAI技のようで、
探知できず目視で姿を確認した者は「あんなに遠く……」とただ困惑し、
手の内を知ってるはずの大魔族は「予想外だった」「素晴らしい……」と人類の可能性にただただ感嘆したほど。

後に世界ゾルトラーク選手権において5連覇の偉業を成し遂げることが作中において示唆されている。

  • 魔族を殺す魔法(ゾルトラーク)
上記の『人を殺す魔法(ゾルトラーク)』をフリーレンが改良し魔族殺しに特化させた魔法。
魔法陣が五芒星から六弁花の図式に変わっている。

  • 防御魔法
六角形のバリアが蜂の巣のような形状(ハニカム構造)となって展開し、相手の魔法と同調・分散させる。
魔法に対しては絶大な防御力がある分、消費魔力も多い。

  • 飛行魔法
魔族が使っている術式をそのまま使っているため原理不明。
そのため応用も出来ず、人より大きな物は短時間しか飛ばせない。


民間魔法

  • 服が透けて見える魔法
退治した竜が巣穴に溜め込んでいた魔導書に記されていた俺ら垂涎の魔法。
この魔法でシュタルクを見て言った一言、

ちっさ。

はシュタルクと多くの読者のガラスのハートを砕いた。一部の読者は興奮した。
別にチ○コの事とは一言も言っていないので「(シュタルクの乳首か乳輪が自分のと比べて)ちっさ」と言う意味で言ったのかもしれない。
チ〇コの事を言ったのだとしても、「フェルンにとっての比較対象が幼い頃に見たハイターのものしかない*5」とか「そもそも大きさが変わる事を知らない」という可能性も十分あるので…。

後に出会ったユーベルにこの魔法のことを伝えたら露骨に避けられた。「使いませんよ」

  • 鳥を捕まえる魔法
一級魔法使い試験で使用。

  • 服の汚れをきれいさっぱり落とす魔法
一瞬で服の汚れを綺麗に落とし、フローラルな香りまで付与する奇跡の魔法。
神話の時代に存在したと言われる伝説級の魔法で、その効果にはフリーレンもたいへん感動していた。
これは一級魔法使いに合格した時の特権として、ゼーリエに貰ったものであるが、
流石にこんな民間魔法を所望されるとは思わなかったらしい彼女には、すごく嫌そうな顔をされた。「正気か、お前?」


余談

話数が進むにつれ胸以外にも全体的にぽっちゃりしてきている。特に顔。
作画担当であるアベツカサ氏の絵柄変化で登場キャラ全体の顔が丸くなっているのだが、
フェルンは突出して顔が丸くなってきており、更に食事シーンをよく見ると食べている物のサイズが結構デカくて多い。*6
絵柄変化を通り越して「単純に太ったのでは?」と読者に思われるほど顔が丸くなっている。
また、そもそも身体のラインの出にくい衣装であるため、ずんぐりした印象が強いというのもあるだろう。水着回はよ。


名前の由来はドイツ語で「遠く」を意味する『Fern』。


追記・修正は僧侶に育てられた方がお願いします。

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  • 三級魔法使い
  • ポーカーフェイス
  • ジョークが通じない
  • 優しいが毒舌
最終更新:2025年02月12日 16:35
添付ファイル

*1 もっとも、これは「ハイターが生きているうちに一人前になり安心させたい」という思いで自分を追い込んだためでもあり、魔法に打ち込みすぎる姿勢はフリーレンからも心配されていた。

*2 魔力量が研鑽に費やした時間(=寿命)に左右されるなか、エルフや魔族のような長命種ではない彼女が、である

*3 曰く一級魔法使いは≒ゼーリエの弟子のような扱いではあるものの、面向かって初対面で言い渡されたのはフェルンぐらいなもの

*4 平然と嘘をつく魔族であり、かつ人類の精神性に精通したソリテールなら、他の揺さぶりと同じく「二人共殺しちゃった」の説得力を高めるためのブラフである可能性は否めない

*5 子供の頃に見たものは何でも大きく見えてそのまま記憶に残るものである。大人になってから同じものを見て「こんなに小さかったっけ?」となった経験は誰しもあるだろう。

*6 顔ぐらいあるサイズのハンバーガーを食べてたりドーナツを両手「に」持ってたりする。