登録日:2024/10/09 (水曜日) 19:32:00
更新日:2024/12/22 Sun 18:30:03
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主に
携帯電話(
スマートフォン)向けに電話・データ通信を提供している電気通信事業者のことを指す。
ここを見ているアニヲタ民の殆どはWi-Fiか有線LAN環境以外なら、どこかしらの事業者と契約して閲覧していることだろう。
概要
自前で回線を保有する「移動体通信事業者」と、他から回線を借りて提供する「仮想移動体通信事業者」の2社に大きく分かれている。
移動体通信事業者
政府から新たな周波数の割り当てがされた帯域に基づき自前で回線を保有する事業者。一般的には
大手通信キャリアと呼ばれることが多い。
英語では
MNO(Mobile Network Operetor)と呼ぶ。
認可された民間企業によって提供されるとは言え、通信と言う重大な社会資本を管理する特性上、公益性・安定性が求められており、有事の対応に備えた設備投資も継続することが努力義務となっている。
仮想移動体通信事業者
英語ではMVNO(Mobile Virtual Network Operetor)と呼ぶ。
自前で回線を持たずMNOから回線を借りて提供する。設備投資費が浮くため低価格を売りにする事業者が多い。いわゆる「格安SIM」と呼ばれる物の多くはMVNOによって提供されている。
実際にはもう一つ「仮想移動体サービス提供者(MVNE)」も存在する。大まかに言うとMNOから借りた回線を他社に又貸しできる権利を持てるMVNOのこと。
ここでは日本の事例を紹介したが、世界でも同様の仕組みが取られている。
実際に通信回線を使用する場合は
SIMカードと呼ばれる部品が必須。詳しくはリンク先を参照
店頭で契約する場合は店員が端末設定と一緒に行ってくれることが普通だが、それ以外の場合は自分で作業を行う必要がある。
日本の大手キャリア
NTT docomo
電電公社こと日本電信電話公社が民営化した後に携帯電話部門が分離独立した物。
docomoの名称は「どこでも」が由来。
ポケットベル(ポケベル)やiモード(インターネットサービス)、
絵文字を始めたのも同社が最初。
2024年時点では価格帯別に高級路線のeximo、中間のahamo、低価格路線のirumo(旧OCNモバイル)に料金プランが分かれている。
国営時代からの蓄積で初期から電波範囲が広いこともあり使用人口は最多。
そのためか黎明期のMVNOはdocomo回線を使う業者が多かった(MNOになる前の楽天モバイルなど)。
KDDIおよび沖縄セルラー電話(au)
業界2位。
1980年代の通信自由化政策に伴い誕生化した京セラ系の第二電電(DDI)、
トヨタ系の日本高速通信・日本移動通信(IDO)に加え、日本の国際電話業務を担っていた国有企業「国際電信電話(KDD)」などが源流。
なので社名のKDDIは第二電電と国際電信電話の英略称を合体させた名称である。
個人向けに使われている「au」の名称は合併後にブランド一本化による誕生した名称。
Access、Always、Amenityなどの頭文字である“A”と、Unique、Universal、Userなどの頭文字である“U”から構成された造語とのこと。access to you(あなたに会いに行く)の意味も込められている。
1990年代までは競合他社の後ろを追いかける状態だったが、2000年代前半からは競合他社と比べて3G回線の普及が最も早く進んだこと、それを生かしたサービス(着うた等)が成功したことで市場での存在感を強めた。
サブブランドとして比較的低価格路線のUQ Mobileと買収したBIGLOBEの他、プリペイド方式で使用するpovoが存在する。
沖縄セルラー電話は
沖縄県においてKDDIの携帯電話事業を担当する子会社。
本社に吸収されていないのは、沖縄県の地元企業が設立時に旧第二電電と共同出資した過去があるのと、KDDI発足以前から上場企業だったため。
auやUQモバイルの看板を掲げて営業しているので、基本的には本土とサービスに差は無い。
しかし別会社なのでauから沖縄セルラー電話に契約変更する際は他社からのMNP扱いになる仕様がある。
地元密着の強みを生かして効率的な電波整備を行っており、同県ではauの利用率が約50%とdocomoを抜いて日本一になっている。
SoftBank
JR系列の会社として「JR通信」の名で創業したのが始まり。
日本国有鉄道(国鉄)には電電公社とは別に独自に整備していた鉄道電話網が存在しており、これを国鉄民営化後に活用するために設立された。
その後はJR以外からも出資を受けた影響で日本テレコム、ジェイフォンと名称を変えていった。
1990年代末期からは英国のBTグループやボーダフォン、米国のAT&Tと言った同業外資からも出資を受けていたが、2003年にソフトバンクが買収し現在に至る。
サブブランドとしてワイモバイル(旧ウィルコム・旧イーアクセス)、低価格路線のLINEMO(旧LINEモバイル)を保持する。
PHSを展開していた会社を買収して拡大した名残で基地局が高密度なのが特徴。
初期は広範囲に電波が届きやすいプラチナバンドを保持していなかったため、繋がりやすさでは上記の2社と比べると劣っている問題があった。
そのため当初は比較的安価な価格設定(ホワイトプラン)や
iPhoneを日本で初めて扱うと言った話題性、契約者向けの公衆Wi-Fiを競合に先駆けて整備する等で人を集めていた。
2012年にようやくプラチナバンドの割り当てが行われた以降は改善が進み、2024年現在は普通に人が居住する場所では他社と比べてもほぼ問題が無くなっている。
楽天モバイル
楽天の携帯通信部門。元々は自前で回線を持たないMVNOとして創業したが、後に独自回線を保持するMNOとなった。
新興勢力ゆえに割り当てられた帯域は4社の中で最も少ないが、SoftBankの轍を踏まないために2026年までKDDIからプラチナバンドを借りる契約を結んでいる。
電波が発展途上な代わりに最高額でもキャリアにしては安価な値段設定になっているのが特徴。
初期は割り当てられた帯域だけで日本全国を網羅しようとしたが、流石に難しかったのか後に独自のプラチナバンドを敷く工事を開始した。
日本の主なMVNO
インターネットイニシアティブ(IIJmio)
業界一位。本業は法人向けのISP(プロバイダー)で知られるが、IIJmioの名称でMVNO事業を展開している。
老舗で元は法人向けのみだったが後から個人にも提供開始した。docomoとauの2種類の回線を提供している。
MVNEでもあるので又貸しも実施している。有名どころだと
イオンモバイルやBIC SIM(ビックカメラ系)等もここから借りている。
オプテージ(mineo)
関西電力系列の通信会社。アステル関西から継承する形で移動体通信事業に参入し「mineo」の名で事業展開する。
低速だが千円未満で無制限で使えるプランが提供されている。
docomo・au・SoftBank三社の回線が使用可能。
日本通信
日本最初のMVNO事業者。創業以来ひたすら低価格路線を貫き月額ワンコイン未満の物も。
回線はdocomoを使用するが、SoftBank回線を使用するb-mobileと言うブランドも別で展開している。
LogicLinks(Linksmate)
サイバーエージェント系列の通信会社でLinksmateの名で事業展開。回線はdocomo。
ゲーマー向けを謳っており主要SNSやソーシャルゲームの分の通信量が削減される他、通信制限の対象外になる。
同系列のCygamesのゲームは加えてゲーム内で特典が貰える恩恵がある。
その他
- nuroモバイル(ソニー系)
- HISモバイル(回線は日本通信の又貸し)
- Y.U-mobile(ヤマダとU-NEXTの合弁)
- LIBMO(TOKAI系) 他多数
追記・編集は複数回線を持っている方にお願いします。
最終更新:2024年12月22日 18:30