登録日:2009/06/06 Sat 20:12:43
更新日:2025/02/12 Wed 16:46:16
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トウフの諺にこんなものがあります。
「赤ん坊と阿呆には包丁を持たせるな」。
概要
ほとんどの家庭にある刃物で、これが無ければ様々な材料を切ることができない…というぐらいの主婦(or主夫)の
主武装主要な日用品。
英語では
Kitchen knifeという。
その起源は古く、旧石器時代にはすでに
黒曜石製の物が使われていた。
包丁という名前には様々な起源説があるが、昔の中国にいたとある料理人が使っていた刃物が由来とも言われてるがこれも疑わしい。
庖丁とは
料理人と言う意味合いであることから、料理刀が包丁という名前になった理由に
料理人が関わっていることはまず間違いなさそうだが。
材質
鋼製は鋼の宿命で錆びやすいが、絶妙な靭性があることから軽い力で綺麗に研ぎやすい。そういう意味で日常的に手入れをするプロの料理人にも古くから好まれてきた。
一方、家庭用では錆びにくいステンレス製が主流。鋼より固い為研ぐのは面倒だが、頻繁に包丁研ぎをせずとも台所の食材位なら十分に切れるからだ。
勿論、綺麗に研いだものはプロにだって使われる。
硬度10の
ダイヤモンドの次に硬いといわれる、硬度9のセラミックス製包丁は特に切れ味の持続性に優れる。
ステンレス以上に錆びないことから、海水が付く釣りやアウトドア等でも便利。
ただし、あまりの硬さ故に靭性があまりなく、刃こぼれには弱い。
また、一旦切れ味が落ちると
ダイヤモンド製の砥石でなければ研ぐのが難しく、基本的には専門の業者に研ぎ依頼をする必要がある。
(最近では、ホームセンター等で家庭用の人工
ダイヤモンド製の砥石も普及している)
他には食材に金物臭さをつけないために、木・竹を研いで作られた包丁なんてものもある。
種類
世の中には大小長短、色々な種類の包丁が出回っている。中には腕の長さ以上の代物もあり、寒天を切るときに使うくし形の天切り包丁など包丁と呼べるのか分からないものも沢山ある。
一般家庭用
所謂万能包丁。文化包丁とも。台所にある普通の包丁と言えば大抵これ。
名前の通り肉、魚、野菜などの一般的な食材なら大体切れる。
ちょっと昔の包丁だと、峰が直線になって斜めに角が付いていたりする。
三徳包丁を少し細身にして刃を長くした感じ。洋食シェフにとっての万能包丁ポジだがやや肉料理寄り。
肉に切り込める鋭い切先、肉の繊維を崩さずに切る「引き切り」を大きな肉でも可能にするための長い刃渡りが特徴。
ミニサイズの牛刀。
小さな果物や飾り切り用に見えるが、実はでかい肉や野菜・魚以外ならだいたい何でも切れる。
一人暮らしの自炊にはぴったり。
三徳より肉厚な包丁。丸ごとの魚を捌く時などに。重いので魚の骨を断つのも容易く、刃先が鋭いので細かな作業もしやすい。
なお「出刃」の語源は開発した職人が出っ歯だったことに由来する説が有力。
パンを切りやすくするために刃が波型になっている、ノコギリのような包丁。
やや専門的なもの
峰の四角い刃の包丁。昔の
日本ではこれが家庭包丁だった。
和食などの野菜料理向け。勿論
キャベツの千切りも。
刺身を崩さず切るための細長い包丁。地方によって下のタコ引きと使い分けられているとか。
真四角い刃の刺身包丁。地方によって(ry。勿論、タコに限らず色々使える。
菜切よりも更に真四角の幅広い刃。
中華料理界の万能包丁で、中華鍋と丸いまな板が相棒のあれ。
用途別に刃の薄さが異なっていたり、魚料理向けに刃が三角型だったり、吊り下げ用の穴が開いていたりと、意外とバリエーションが豊富。
これ一本で千切り、肉・魚の処理、飾り切り、果てはにんにく潰しもできてしまう。
極めて万能だが難点は重量。重さで骨ごと叩っ切るような使い方もできるため、使い道を誤れば冗談抜きで
指が落ちる。
また まな板の負担も大きい上に場所を取るので、一般的な長方形のまな板だと使いづらい。そのため
中華料理では分厚い円形のまな板を使う。
なお西洋にも、クレーバーナイフというよく似た形状の包丁がある。
中華包丁と同じく四角い刃だが、柄の下まで刃が伸びている。
慣れた人なら、刃の高さと手の動きを利用して均等に麺を切ることも可能。
マグロの解体に使う長い包丁。長過ぎて片刃の
剣のようである。
鯨の解体に使う巨大な包丁。あまりに大きすぎて
大剣に見える。
食肉の解体用に使う包丁、というよりも性質上
斧や
鉈に近い。
台湾の金門島で生産されている砲弾を素材とした包丁。
地図を調べれば分かる通り、金門島は台湾領といっても中国本土とは数kmしか離れておらず、国共内戦の最前線となった島には数十万発もの砲弾が撃ち込まれたのだが、島の住民たちは不発弾や砲弾の破片を使って包丁を作ってしまい、今では島の名産品となっているそうな。
…などが出回っている。
そして必ずといって良いぐらい通販番組に登場しては、まな板や電気コードを切って研ぎ器を使ってまた切る、海外の番組も石なんかを必死に切ってたりもする。
※よい子は真似をしないように
また、一昔前には切った物が刃につきにくい穴空き包丁が流行り、やはり通販番組で
キュウリなどが滅多斬りにされた。
包丁を武器として扱うキャラ
余談
一般家庭からプロの
料理人まで世界的に
日本製の包丁が流行っている。
用途により使いわけることが出来、切れ味が良く刃こぼれしない丈夫な刃が人気を呼んでるらしい。
また、
日本刀の技術を用いた高級な物も有るが、ちゃんと手入れしないとすぐ駄目になる。
例えば、使用後はすぐに洗って水気を拭き取らないと、わりと早くに錆びだす。
その代わり、上手い事手入れをしてやれば、何時でも最近のものにも負けない抜群の切れ味(例:完熟した
トマトを潰さずに切れる)が得られる。
一部の包丁作成者や研ぎ師の方によれば、多少の安物の包丁でも手入れや研ぎ方で切れ味が大分変るという意見もあるので、
ヘタに高いものを買って手入れで失敗しないように、安いものから手入れを覚えていくのもいいのかもしれない。
なお、
ねぎラーメン等の野菜の風味を際立たせるためにあえて刃こぼれした包丁で細胞を潰すように切る例もある。
ちなみに、この中には刀鍛冶が暇な時間を使って農工具(鍬とか)等と共に作っていたとされるものもある。
言うまでもなく当然のことだが、どこでもだれでも買えるようなものでありながら、使い方次第では立派に人を殺せる凶器となる。
よい子も悪い子も、絶対に包丁を人を向けないように。
みんなのうらみ〜
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∠__\/__\
(\/|・ω・| 丶・ω・||
`\_ ̄ ̄グサッ二二) )
(⊃ ∠二] |=⊂二/|
ヽ_⊃ U ノ /\_ノ
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語源と節話
「庖丁」というのは、本来は
人名。
春秋戦国時代には伝説となっていた
料理人の名前である。
「荘子」では牛の屠殺人として登場。
長い年月、牛を観察し、解体してきたため、現在は牛のことを完全に理解するようになっており、筋や骨が入り組んだ箇所でも無理なきり方をせずになめらかに刃を通し、あざやかに解体する。
しかしそれは庖丁が特別な人間だからできるのではなく、「うまく解体する法則」「牛の真理」を理解しているから為しうるのである。
荘子はこの話を描きつつ、「真理=タオ」のことを解説しようとする。
あくまで荘子の理論のための説話であるから、そっくりこのままのエピソードがあった
というわけではないだろうが、
春秋戦国時代の後期にはすでに「庖丁」といえば一流料理人の代名詞として広く通用していたことだけは事実である。
追記・修正は包丁を研ぎながらお願いします。
- 鋼の錬金術師のバリーも包丁の使い手でしたな。それも四角い形状の物でこの中では珍しい -- 名無しさん (2013-10-21 14:17:32)
- 天道のセリフを忘れないように。 本来包丁は、凶器や武器ではない。 -- 名無しさん (2013-10-21 14:51:58)
- 刀の使いが滅茶苦茶美味い料理人の名が由来とか、プロの漫画家に作画を頼んでた -- 名無しさん (2013-12-05 12:54:31)
- 大竹「蘇生包丁だ、どうかしたか?」 -- 名無しさん (2013-12-05 13:04:42)
- 台湾では太平洋戦争時代に使われた砲弾を原料に切れ味のいい包丁を作る。 -- 名無しさん (2013-12-05 13:38:05)
- SAOのpohも包丁使ってたな。正確には包丁っぽいダガーだけど。 -- 名無しさん (2014-04-04 16:52:56)
- 人を刺すな、切った野菜がまずくなる -- 名無しさん (2014-04-04 17:04:53)
- 本来は「包丁」ではなく「庖丁」と書いたんだっけ? -- 名無しさん (2014-05-11 01:19:24)
- 対拳銃の有効手段 -- 名無しさん (2014-07-13 14:09:19)
- ここまでギロン(ガメラ怪獣)の記述なし -- 名無しさん (2014-07-13 14:21:24)
- 庖丁。何か中国の伝説の料理人が名前の由来だと聞いた事がある。何か未来日記の由乃が浮かぶ -- 名無しさん (2014-07-13 14:40:33)
- ヤンデレとか殺人鬼の女とかが包丁一本で人間の首をすっぱんすっぱん飛ばしてるがいつもすげえ筋力だなあと思うの -- 名無しさん (2014-07-25 23:19:52)
- ヤンデレが包丁を持つと戦闘力が倍化するからな。首位豆腐みたいに斬れる -- 名無しさん (2014-08-07 19:30:17)
- 外科医「」美容師「」 -- 名無しさん (2015-01-26 19:17:02)
- 侍だって人を幸せにできるじゃないか! -- 名無しさん (2015-01-26 19:54:26)
- シャーマンキングの春雨も包丁から出来た名刀 -- 名無しさん (2016-03-30 06:59:52)
- 包丁が武器のキャラが使う奴って包丁とは名ばかりに大太刀みたいなデカいのを持ってるってケースもあるよね。ONEPIECEのバスティーユ中将みたいに。 -- 名無しさん (2017-05-11 05:52:45)
- 中国の料理人の説では皇帝が「これ、人も切れるな」と聞いたところ、料理人は「これは食材を切る”道具”です。人を傷つけるものではありません」と答えたらしい -- 名無しさん (2017-09-26 14:04:21)
- 言われてみれば最近孔空き包丁見ないな -- 名無しさん (2017-10-11 22:38:19)
- 昔ブリーチの斬月そっくりな奴が近所の刃物店にあったのだけど何を切るためのものだったんだろう? マグロ包丁にしても太すぎただろうし。 -- 名無しさん (2017-12-27 03:41:50)
- ↑鯨切包丁って言うのがあるけどそれかな?ベルセルクのドラゴンころしみたいにデカかったら間違いなくそれだと思う -- 名無しさん (2017-12-27 17:30:22)
- ↑間違いなくそれだったわ、ありがとう。下に白鞘の刀みたいなものも飾ってあった覚えがあるけど、知ってから思えば包丁の柄だったんだろうなぁ。 -- 名無しさん (2017-12-27 23:59:49)
- 自分で包丁を打つアイドルがいるらしい -- 名無しさん (2017-12-28 10:49:43)
- 色々いるような気がする>「刃物を握る手で人を幸せに出来るのは料理人だけだ」 -- 名無しさん (2018-01-18 12:39:20)
- クジラ包丁すげーな、流石に今売ってるのは装飾用みたいだけど -- 名無しさん (2018-03-06 08:36:36)
- 広義的に言えば刃物と暮らしの豊かさは切っても切れない関係ゆえ、実際は料理人に限らず刃物で人を幸せにする手段は他にもあるが、まあそこにツッコむのは無粋だな -- 名無しさん (2018-07-24 18:12:20)
- 大工も多種多様な刃物を使うよね -- 名無しさん (2018-08-17 06:55:12)
- たまに -- 名無しさん (2018-08-17 07:50:00)
- たまに出刃包丁の歯が逆に作画されている作品を見る -- 名無しさん (2018-08-17 07:50:47)
- 切れ味のみを重視して研げばトマトを薄切りにする程度の事は下手したらスチール缶の断面にすら可能なので包丁の真価は頑丈さや刃持ちの良さだと思う -- 名無しさん (2019-10-31 23:52:35)
- ↑全面的に同意する。セラミックは剛性が足りんよ(←緑亀捌いて3箇所刃欠けを起こしたアホ) -- 名無しさん (2021-01-29 00:00:42)
- ガチの高級包丁は刀鍛冶技術がっちり流用したちっちゃい日本刀だからなぁ。そらスパスパ切れるさ -- 名無しさん (2021-12-09 20:10:24)
- Twitter掲載の漫画(のリプ)に「japanese yandere sword」って付いたのホント笑った -- 名無しさん (2021-12-11 00:05:40)
- ↑8床屋はハサミと剃刀を使って人を魅力的にするし、外科医はメスで人を病から救うし、彫刻家は彫刻刀(氷の彫刻家だとチェーンソー)で人を感動させる。もっと言えば農家が鎌・クワ・鋏などを使って料理人に美味い野菜を提供している。こうして見ると料理人含めて自分の指や他人の身体を傷付けるリスクを背負いながら人を幸せにしてくれる“プロ”たちが沢山いるんだな -- 名無しさん (2021-12-11 09:47:55)
- 達人伝に元ネタの包丁さんの甥っ子って設定の主人公の仲間キャラが出てたな -- 名無しさん (2023-03-06 13:22:52)
- 包丁人味平って漫画のタイトル、ある意味そのまま「料理人」なんだな -- 名無しさん (2024-03-06 00:51:05)
最終更新:2025年02月12日 16:46