ダーティハリー2

登録日:2025/01/08 Wed 10:18:10
更新日:2025/02/27 Thu 09:12:44
所要時間:約 16 分で読めます





Man's got to know his limitations…(身の程はわきまえないとな)



Magnum Force

『ダーティハリー2(原題:Magnum Force)』は、1973年12月25日に初公開された米国の刑事アクション/クライムサスペンス映画。
ダーティハリー』シリーズの2作目で、前作以上の大ヒット作となった。

主演はクリント・イーストウッド。
監督はテッド・ポストで、前作のドン・シーゲルに続いて、過去にイーストウッドと組んでいた経験のあるベテランである。


【概要】

※以下はネタバレあり。
前作のヒットから、僅か2年でスクリーンに帰ってきた『ダーティハリー』の続編。
原題は“Magnum Force”で、思いっきり前作とタイトルが違っている*1

原案と脚本はジョン・ミリアスと映画監督のマイケル・チミノが担当。
両名共に当時は新人であったが、後に見事なキャリアを築いている。
尚、本作のプロットの元になったのは、前作の脚本のリライトに関わっていたテレンス・マリックが出していた“法を逃れた私刑グループがハリーの敵になる”……という案である。
この案は、前作の時点ではドン・シーゲルに却下されてしまっていたそうなのだがイーストウッドは気にいっていたそうで、続編である今作にて陽の目を見た。

……尚、このアイディアについては(前作と同年で前作に先駆けて)1971年に公開されたイタリア映画『黒い警察(原題:LA POLlZIA RINGRAZIA)』に似ているとの指摘がある。
『黒い警察』も、ファシスト的な思想を持つ元警察の私刑集団が悪人を裁くというシナリオであるらしい。

……ネタ被りはしてしまったが、裏を返せば如何に過去最悪とまで呼ばれていた当時の米国(及び、その他の国々)での犯罪の増加と、
一方では前作から描かれていた通りで重犯罪者であっても人権保護の観点から守られたり、法廷にて納得のいかない形で罪に問われないということへのフラストレーションを溜め込んでいたかが窺えるというもの。

尚、メイン脚本のミリアスが黒澤明作品のファンであることや、
作風や政治志向が反共主義と評されることもあることから、今作のシナリオにもその影響が出ているのでは?との意見も。

実際、今回の“敵”は確かにシナリオ上は主人公と敵対する存在であるし、モラル的な意味でも悪なのだが、彼等に裁かれるのが本当にドクズの悪人ばかりなので不思議と感情移入が出来てしまうのが悩ましい所。(更には、私刑執行人となるのが思浅はかではあったかもしれないが才能はあり正義感は強い若者達なのも何とも言えない気持ちにさせる。だが黒幕、テメーは駄目だ。)

……何れにせよ、シナリオの思惑通りに“正義の在り方”を巡り、普段(というかメタ的には前作)のハリーの態度から“白々しい”と評されつつも、
正義が先走る余りにギリギリのラインを飛び越えてしまいそうになるがしないハリーに対して、その一線を越えてしまった者達とのイデオロギーのぶつかり合いは、前作に引き続き『ダーティハリー』のほろ苦い世界観を広げることになったのは間違いのない所であろう。

【物語】

━━前回から2年後のサンフランシスコ。

表向きは労働組合の幹部だが実態はギャングのボスであるリッカが、法廷まで引きずり出されたにも関わらず、プラカードを掲げて詰めかけた多数の市民の“民意”を無視して無罪となった。

しかし、リッカはそうしてまんまと(●●●●)無罪を勝ち取った帰り道に、スピード違反を冒したとして呼び止めた白バイ警官により同乗していたファミリー諸共に射殺されるのだった。

早速、市警の殺人課が捜査に乗り出したのだが、遅れてやって来た現在の捜査責任者である警部補のブリッグスは、現場にハリー・キャラハンが居ることに気づくと詰問を始める。
……本来はハリーも殺人課の刑事なのだが、一人で動くのを好む上に現場判断で犯人を射殺してしまうことも多いハリーのやり方について世間から批判が起こっており、
それを盾に、自身もハリーを嫌うブリッグスは無理矢理に別の部署へと出向させていたのだった。
ネチネチと嫌味を続けた後で、ブリッグスは誇らしげに「私は銃を使ったことがないし使うつもりもない」と言い放つ。
それに対して、ハリーも皮肉たっぷりに「アンタは“善いやつ”なんだろうよ」と返すと、現在の相棒のアル(アーリー)と共に去っていくのだった。

その後も続く、ギャングのボスや悪質なポン引きといった町のゴミ共の殺害事件━━。

事件の状況から、ハリーは白バイ警官が犯人だと看破。
そして、ハリーは犯人の候補としてプライベートが荒れていた上に近年の警察を取り巻く環境に対して不穏当なことを言っていた交通課の友人であるチャーリーを疑う。
……が、チャーリーは続いてターゲットとされた麻薬王のガズマンが殺害された現場にて、逃走途中だったと思われる犯人に殺害されてしまったという。
……チャーリー以外の犯人候補として、巡回ルートでもないのにガズマンの殺害現場の近くに居た若手の白バイ警官ディヴィスの存在を疑うハリー。
デイヴィスは、少し前に深夜の射撃訓練場で知り合いとなった、高い射撃技術を持つ若手警官4人組(デイヴィス、スイート、グライムズ、アストラカン)の一人だった。
デイヴィスのチャーリーの遺族への不自然なまでのフォローからも疑いを強めたハリーは、自分が毎年のように優勝している射撃大会にて罠を仕掛け、デイヴィスとの優勝決定戦にて敢えて手を抜いて負けておいてから隙を誘い、記念として彼の拳銃を借りておいてから一発を誤射しておいた後に弾丸を回収……一連の殺人事件に使用された弾丸との線条痕が極めて近いことを確かめる。

そんな中、不自然なタイミングで殺人課に戻されていたハリーは、ブリッグスから明らかに的外れな犯人候補であるマフィアのパランシオの監視に付かされていたのだが、何と港湾にあるパランシオの事務所を強制捜査することが唐突に命じられる。

……明らかに不自然な流れに、ハリーは管轄違いながらもデイヴィスとスイートを自分の下に付けさせることを了承させる。
更に、現場にて敢えて自分の姿をパランシオ達に見える位置に晒した上に拳銃を構えることで警戒を誘ってみたのだが、
ハリーにとっても予想外なことに、呼びかけのノックをしていただけのスイートがドア越しにパランシオにショットガンで射殺されてしまう。
ここから、警官隊とパランシオ一味との銃撃戦に。
激しい撃ち合いの中で劣勢に追い込まれ、一人で逃げ出したパランシオだったが、ハリーはパランシオの車のボンネットに取り付きしつこく食い下がる。

結局、パランシオは逮捕してからの捜査云々以前に事故死(●●●)となり、
ブリッグスは混乱の責任をハリーに取らせようとするが、ハリーは反対に現場の状況からパランシオ達が警官隊の到着を知っていたであろうことを看破しており、それを伝えると共に暗殺団の正体がデイヴィス達であることをブリッグスに伝えて黙らせる。

アーリーにも身を守るように伝えたハリーは帰路に着くが、自宅アパート側の地下駐車場で、遂に暗殺団としての正体を現したデイヴィス達が接触してくる。
「貴方ならば自分達の理想が解る。仲間になって欲しい。断れば敵となる」と勧誘するデイヴィスに対して、ハリーは刑事の誇りを以てNOを突きつける。

アパートに戻ったハリーは悪い予感を感じて自分の郵便物を回収しようとしてくれていたソニーを突き飛ばし……予感通りに仕掛けられていたプラスチック爆弾を回収。
悪い予感がしてアーリーに電話をするが中々出てくれない……実は、ハリーの警告が一歩遅く、アーリーは郵便受けの爆弾に気づかずに爆死していたのだった。

果たして、恐るべき警察内部に組織された私刑暗殺団の真相とは……?

【主要登場人物】

※以下は更に核心部分のネタバレも含む。

  • ハリー・キャラハン
演:クリント・イーストウッド
本作の主人公。
サンフランシスコ市警の殺人課の刑事……だが、本作では普段のやり過ぎな捜査(というか犯人の射殺率)が槍玉に挙げられた結果、新たに責任者となったブリッグスに疎まれて別の部署に出向させられていた。
前作に比べてアクションシーンがマシマシとなったが、それに合わせて射撃の腕前の描写も大幅に強化されている。
今回も“44マグナム”(S&W M29)の黒を愛用。弱装弾を使用しており、44口径だが357マグナムより反動が少ないとは本人の弁。(そう言いつつも片手で大型リボルバーを扱うな。)常に予備の弾丸を3セット(18発)持ち歩いている。
神業とも言える射撃のワザマエに相応しく、毎年の射撃大会の優勝者であることも判明。
今回ばかりはデイヴィスに勝ちを譲っているが、途中までの動きと判断のスピードが段違いで、最後のミスも敢えて警官のパネルを撃ち抜くなど、わざと負けたことをそれとなく知らせようとした上に、暗殺団の正体についてデイヴィス達に意味深なメッセージを込めたと取れるものとなっていた。(まぁ、気づいてはもらえなかったようだが)
また、単独行動や独断専行が得意とあってか、捜査能力までもが高いことが描かれており、かなり早い段階で白バイ警官が犯人だと見破っていたが他の誰にも通じていなかった。
前作に引き続き、今回は本筋とは別の所で何とハイジャック犯を単独阻止。
シリアスな笑いが込み上げてくるような超展開だが、これもシリーズのお約束として引き継がれていくことになる。
尚、前作の行動を含めても今回の核心部分にてハリーがチャーリーやデイヴィス達を諭すのは“白々しい”のではないか?との意見もあるのだが、今作のテーマ的にはハリーの複雑で絶妙なギリギリのラインが突き詰められた物語であったとも言える。
最後の戦いでは愛銃を黒幕に奪われてしまっていたので期待されていた銃撃戦は見られなかったものの、ベテランらしい狡猾さで暗殺団を順番に始末していく。この他、前作から話題に出ていた亡くなった奥方の写真が見られる陰でキャロルやソニーにモテるという展開が。

  • アーリー・“アール”・スミス
演:フェルトン・ペリー
今回のハリーの相棒で捜査課の刑事。アフリカ系。
妻帯者であるらしい。
ハリーとの付き合いは最近になってからで、挙げ句に当のハリーは捜査課に出向させられていることに不満がある……という状況ながらも普通に有能なこともあってかハリーとは互いにいい関係を築いており、ハリーが殺人課に戻された際にはついでに移動させられて引き続き相棒として捜査に協力。
ハリーからも暗殺団に関わる秘密を打ち明けられていた程だったが……。
後に、勇気ある消防士を経て未来のデトロイトにてオムニ社の重役(憎めない悪役)に転生する。

  • チャーリー・マッコイ
演:ミッチェル・ライアン
交通課のベテラン白バイ警官。
ハリーとは10年来の付き合いで、ハリーはチャーリーの家族とも交流がある。
前作にも描かれていた通りで、近年(当時)の犯罪者への過剰な人権保護と、行き過ぎたと判断される警察の行動への批判から色々と息苦しくなっていることへの不満を吐露し、私刑を仄めかす発言までしたことからハリーを警戒させた。
尚、奥方と別居となったばかりで落ち込んでいるのだが、奥方のキャロルに聞いてみると原因はチャーリーの浮気であり、更には自分が悪いのにキャロルと子供達の元に押しかけて自殺をすると騒いだりと、なかなかのダメ人間なのが窺える。しかも、キャロルと子供達に未練タラタラながら現在進行系でヌード・ダンサーと同棲中である。

  • キャロル・マッコイ
演:クリスティーン・ホワイト
チャーリーの妻。美人。
なんと、ハリーは友人としてキャロルや子供たちとも親交があることが判明。(アーリーへの態度など、実は思いやりのある強面である。)
チャーリーとは晴れて(?)別居状態となったこともあってか長年の疑問を果たすとして「どうして自分と寝ようと言わなかったのか」と言いつつハリーを誘惑……ハリーも戸惑っていたが、子供達の騒ぎ声と強盗事件の援護要請を受けたことで未遂に終わる。
チャーリーの死後は落ち着いて暮らせる場所に行くとして、子供たちを連れてサンフランシスコを去っていった。

  • サニー(ソニー)
演:アデル・ヨシオカ
ハリーのアパートの新しい住人で日本人の若い娘。
初めて顔を合わせたハリーをいきなりセックスに誘い、冗談と思ったのかハリーはドアをノックしろと答えたら本当に訪問してきた。
この時はキャロルの時に続いてハリーが呼び出しを受けて途中で出ていく羽目となったのでタイミングを逃した……と思っていたのだが、何とハリーが深夜に帰宅した所で再度の裸の訪問をして本当に寝ることに。
このように貞操観念は低いものの性格は良く、パランシオ一味との戦いで傷付いて帰ってきたハリーの身を案じて声をかけており、気を利かせて郵便物の回収も引き受けていたのを危険を察知して戻ってきたハリーに阻止されて命を救われている。
……名前の由来はSONYか?

  • フランク・ディジョージオ
演:ジョン・ミッチャム
何気に今回も登場の、ハリーとは友好的な間柄の太っちょ刑事。
捜査課の所属で、ガズマンの監視に回されていた。
ハリーにデイヴィスがガズマンの殺害現場に居たことの詳細を伝える。

  • ジョン・デイヴィス
演:デヴィッド・ソウル
交通課の若い白バイ警官で、正体は巷を賑わせている暗殺団の一人。武器としてコルトパイソンを使用する。
4人組の中では頭一つ抜けた射撃の腕の持ち主であり、実行犯の中ではリーダー格。
戦う事を覚えた世代」を自称し、「法律さえしっかりしていれば有罪になっていたはずのクズ共」を次々に殺害してきた。
いざとなれば犯罪者を射殺する事を躊躇しないという点で言えばハリーとは近しい存在、ではあるものの、
前作のラストを見ても分かるようにハリーは自らの苛烈な捜査に関しては常に職を辞するような覚悟と責任を持って臨んでいるのに対し、
デイヴィス達は正体を隠して暗殺を行い、さらにターゲットを仕留めるためならば巻き添えを出すのも已む無しと考えている等*2、似ているようでも決定的に違う。
射撃大会では部分的にハリーを越えた点数を叩き出していたものの、決定戦では明らかに手を抜かれた状態で優勝を譲られたのに気づかなかった。
そうして、まんまと使用している拳銃の弾丸を回収されてしまう等、色々と暗躍していた側ではあるのだがベテランで狡猾なハリーに振り回されていた場面が多い。
最後の戦いでも経験の浅さを突かれてしまい、廃棄空母を含む港の地形を利用したハリーに、自ら高所から海に落ちるように仕向けられた末に死亡してしまう。
中の人のデヴィッド・ソウルは、数年後に人気TVシリーズ『刑事スタスキー&ハッチ』のハッチ役としてお茶の間の人気者となる。
余談だが、こち亀初期の常連キャラだった白バイ警官の冬本はこのデイヴィス達四人組がモデル。
銃にサプレッサーをつけて使用する場面があるがリボルバーにサプレッサーを付けても構造上消音効果は期待できない。

  • フィル・スイート
演:ティム・マシスン
暗殺団4人組の一人。
腰が低い好青年風だが、射撃場でのハリーの銃を借りた際の動きから、初対面ながらハリーに「ただ者ではない」と警戒させる切っ掛けを作ってしまった。
パランシオの事務所の強制捜査の際には、ハリーによってデイヴィスと共に強引に部下として召集される。
デイヴィス共々に自分達のボスである筈の黒幕に余計な密告をされた結果、ハリーの動きもあってか事務所のドアをノックして呼びかけをしていただけなのにパランシオにドア越しにショットガンで撃ち抜かれて敢え無く殺害されてしまった。

  • マイク・グライムズ
演:ロバート・ユーリック
暗殺団4人組の一人。
最後の戦いでは黒幕が連れ出したハリーの暗殺に真っ先に駆けつけており、運転の異常さから早々にハリーが逃げ出そうとしていると察して追跡、銃撃するなどしていたものの、経験の浅さを突かれて港の地形を利用したハリーに避けきれない状態でのバイクvs自動車での正面衝突に追い込まれて殺害されてしまう。
中の人のロバート・ユーリックは数年後よりTVに進出し、人気シリーズへの出演や主演で活躍したことでも有名。

  • レッド・アストラカン
演:キップ・ニーヴェン
暗殺団4人組の一人。
最後の戦いではデイヴィスと共に廃棄空母に逃げ込んだハリーを追うが、暗闇の中で弾切れになった隙を突かれて襲われてしまい、容赦のない格闘の末に撲殺されてしまった。

  • ニール・ブリッグス
演:ハル・ホルブルック
現在の市警の捜査主任だが悪い噂のあるハリーを嫌っており、自分は一度も銃を使ったことがないと豪語する。
就任後には強引にハリーを殺人課から出向させており、あからさまな敵意を向けられていることからハリーも反抗的な態度を隠しておらず険悪な関係。
しかし、暗殺団によるものと思われる事件が続いたことからハリーを殺人課に戻すことにするが、戻したら戻したでハリーの推理とは全く違う“真相はマフィアの抗争”という説を押し通して人員を配置し、ハリーの反論意見も聞き入れないどころか最も凶暴なパランシオに付くように命じた。
その後も、ハリーが独自に得た暗殺団の使用する弾丸と近い線条痕が付いた弾丸(デイヴィスの銃から発射された弾)の情報を教えられても煙に巻くような態度を取るなど、理不尽な対応をするが……。
+ 実は……
実は、秘密裏に暗殺団を組織した張本人であり、一連の悪党共の暗殺事件の黒幕。
デイヴィス達の正体を知ったハリーからは、嫌われつつも規則に従い前述の通りで諸々の報告を受け取っていたものの全てを握り潰していた。
しかし、パランシオに情報を漏らしておいてからのハリーを合法的に始末する計画に失敗。
そこで方針を転換してデイヴィス達にハリーを勧誘させるも失敗し、プラスチック爆弾を仕掛けたのも見破られる。
その後、ハリーからプラスチック爆弾が仕掛けられていたこととアーリーの保護を訴える電話を受けた後に自らハリーの部屋を訪問。
もはや、正体を知られるのも時間の問題と思っていたのか、ハリーに自分の車を運転させて逃げられない状況に追い込んでおいてから銃を突きつけて正体を明かした。
ハリーからは銃を使っていることを呆れられつつ暗殺団の結成理由を問われて「100年前と同じことをしているだけだ」と答えた。
その後、人気のない所に連れていってデイヴィス達にハリーを始末させようとしたものの、ハリーは車を暴走させて隙を突いてブリッグスを打ちのめして気絶させると、港湾に逃げ込み複雑な立地を利用してデイヴィス達を倒していく。
最後は、証拠品のプラスチック爆弾を取りに来たハリーに銃を突きつけるが、この場では撃たずに警官殺しでお前の望む通りに法に則って査問にかけると宣言。
そうなれば、誰がはみ出し物のお前を信用するものかと煽るが、ハリーは話を聞くふりをしてプラスチック爆弾を起動……ブリッグスはそれに気づかずに爆死を遂げるのだった。

  • カーマイン・リッカ
演:リチャード・デヴォン
ギャングの大物。イタリア系でファミリーも同じくイタリア系で固められている。
冒頭の法廷にて市民の声を無視して証拠不十分から無罪を勝ち取るも、その帰り道に暗殺団のターゲットとなる。

  • フランク・パランシオ
演:トニー・ジョージォ
殺人専門の武闘派ギャングで、過去に23回も殺人の疑いをかけられているのに逃げ切っている。
元はリッカに仕えていたが現在は独立。
偏頭痛と胃潰瘍に悩まされているというが凶暴さは失っていないとはブリッグスの評で、その通りで暗殺団による犯行を押し付けられて強制捜査を受けた際には、(恐らくはブリッグスからの)タレコミで偽警官が来ると言われていたとはいえ、確認もせずにスイートを殺害して銃撃戦の火蓋を切っている。
その後、劣勢となったのを感じ取り部下達を見捨てて逃げようとしたものの、それを見越していたのか待ち構えていたハリーに車のボンネットに取りつかれることに、予想外にしぶといハリーを振り落とそうと頑張った末に、クレーンに運転席が刺さるように突っ込んでしまい自爆して果てた。

  • ルー・ガズマン
演:クリフォード・A・ペロー
麻薬王として知られるギャングのボス。
パランシオと同じく、暗殺はギャング同士の抗争という方針を打ち出したブリッグスにより犯人にしたて上げられ、ディジョージオ達の監視を受けている最中に侵入してきたデイヴィスに殺害される。
殺される直前までは高級な麻薬を餌に娼婦と男娼を呼んでお楽しみの真っ最中だった。

  • JJウィルソン
演:アルバート・ポップウェル
大物のポン引き。
商品である子飼いの娼婦(演:マーガレット・エイヴリー)が、自分に売上の全てを渡していなかったことから彼女の乗っていたタクシーに乗り込み、無理矢理に苛性ソーダを飲ませて殺害するなど凶暴な性格。
その後、暗殺団のターゲットとなり、スピード違反を咎めるという建前で停められた後で免許証代わりに100ドルを見せていつものように便宜を図ってもらおうとしたものの、マグナムを6発全て撃ち込まれて殺害された。
中の人は、前作にてハリーに残弾数の件で脅されていた銀行強盗犯の一人を演じていた彼である。



ああ、アンタはお利口だよ。追記・修正をよくわきまえてる。


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最終更新:2025年02月27日 09:12

*1 と言うか5作目に至るまでぜ~んぶタイトルが違う。

*2 ガズマンを暗殺した際も周囲の人々を含めて皆殺しにし、さらに居合わせたチャーリーまで殺害している