登録日：2025/02/04 Tue 19:07:28
更新日：2025/02/06 Thu 20:56:34
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トウガン(冬瓜)とは、野菜の一種である。
写真はいずれもmakinomantaroが東京都薬用植物園にて撮影。
【科名】ウリ科トウガン属
【学名】Benincasa pruriens f. hispida
【原産地】インド・熱帯アジア
【生態】つる性一年草
生態
インドや熱帯アジアが原産の蔓性の一年草である。わが国には平安時代に医者・
深根輔仁の出版した百科事典『本草和名』に「
加毛宇利」という名称がみられることから、その頃にはすでに渡来したとされているが、正確な渡来時期は未詳である。名前の本来の読みは「とうが」と読むのが正しいのだが、現在は訛って「とうがん」と読まれる。
春に発芽し、初夏から夏にかけて茎を横に這うように伸ばす。茎には無色透明の柔らかい毛が生えている。葉はハート形で
カボチャのそれに似ているが、カボチャの葉とは異なり、5つから7つに浅く裂けて掌状になる。夏～秋(7月から9月)にかけて葉腋に直径8㎝から10㎝程の5枚の花弁からなる黄色い花を咲かせる。果実は臼型ないしは長い楕円形で、鮮やかな緑色～深緑色である。当初は果実表面には触るとチクチク傷むような柔らかい毛が生えているが、成長するにつれてこの毛が抜け落ち、やがて完熟すると表面にロウ質の粉を吹いたような白っぽい見た目になる。とはいえ、これはわが国で古くから栽培されてきた品種の特徴であって、現在市場で流通するものは「沖縄種」と呼ばれるもので、熟してもうっすらとしか粉を吹かない。果肉は白く、果肉の中心部には胎座(わた)と無数のカボチャの種子を小さくしたような見た目の種子がある。
完全に熟した果皮の表皮は硬くなり、保存性が高くなる。湿気のない冷暗所に保管しておけば冬まで保存することができるので「冬瓜」の和名がある。
果実は丸のままでは10kg以上の重さがあるので、普通はスーパーマーケットでは8分の1ほどの大きさに切られて流通する。核家族化の現状を反映してか、現在は2㎏ほどの重さの「ミニ冬瓜」という品種が人気である。こちらも保存性が高く、また冷蔵庫に入りきる程の大きさで使い勝手が良い。
利用法
食用
果実はこれといった風味や癖がないので、食べやすい大きさに切ってからダイコンのように煮物や餡掛け、汁の実や風呂吹きにするほか、シロウリのように漬物や酢の物、あえ物にする。
普通果皮をむいて調理するのだが、「翡翠煮」という調理法もあり、これは薄い黄緑色の果皮を残すように果皮をむいてから白出汁で煮るのである。こうすることで煮崩れしにくくなり、また透明な果肉と黄緑色の果皮のコントラストにより見た目も美しくなる。ダイナミックな調理法としては、大きな冬瓜の果実の種子と胎座(わた)を取り去ってから肉や魚、キノコや野菜を詰め、そこにスープを注いで蒸した「冬瓜盅」という中華料理があり、しばしば宴会に供される。
台湾では果肉を砂糖で煮たものを「冬瓜茶」として飲む。また台湾土産の定番である「鳳梨酥(パイナップルケーキ)」に入っているパイナップルジャムには、多くの場合冬瓜も合わせて使われている。
また、インドでは「ペーター」という名のお菓子がお茶請けとして人気である。これはトウガンをカルダモンや砂糖ともに煮たお菓子で、サクサクした食感とくにゃりとした食感の中間である。そもそもこのお菓子の名称からしてヒンディー語で「冬瓜」という意味である。
果皮はやや苦味があり硬いので好んでは食べないが、細かく切ってきんぴらなどに調理することもある。
まれに苦味の強い有毒成分のククルビタシンを含んでいることがあるため、極端に苦味の強いものは避けるのが吉。
薬用
種子は「冬瓜子」という名称で漢方薬として利用され、消炎・利尿・緩下の効果があるという。果実に含まれるカリウムは、体内の余分なナトリウムを排出する働きがあり、血圧上昇をコントロールして、高血圧症予防やむくみ防止の効果がある。
台木
本種はウリ科野菜の中でも強健で、例えば冬に腐った果実を畑に放り込んでおけばそこから勝手に発芽して蔓を伸ばし成長するほどである。それゆえ、スイカやキュウリ、メロンやニガウリなど病害虫にあまり強くないウリ科野菜の苗の台木に用いられ、台木専用の品種が作出されている。
余談
追記・修正はトウガンを冬まで保存させてからお願いします。
- トウガンはやっぱ煮物だよねぇ -- 名無しさん (2025-02-04 22:57:58)
- トウガンは味噌汁派。それはともかくやや文章が見づらく感じる。アニヲタWikiでは文字先頭の空欄は普通使わないので行間を増やすべきかと。あとあまり知られてないルールだが自分で撮った写真は自分が撮った証明が必要。具体的には「アニヲタWiki」と書かれた紙を一緒に写すとか。 -- 名無しさん (2025-02-04 23:52:49)
最終更新：2025年02月06日 20:56
