中華料理

登録日:2012/07/07(土) 07:22:41
更新日:2019/05/28 Tue 14:16:42
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中華料理とは中国で発祥した料理であり世界三大料理(残りの二つはフランス料理(ヨーロッパ代表)とトルコ料理(アラブ・アフリカ代表)の一つである。

一口に中華といっても広大な地域と長い歴史を持つ為、地域差が激しい。

豊かな水に恵まれた日本が蕎麦や煮物等の水を活かした料理が発達したのと比べて、
水に恵まれなかった中国で発達した中華料理は火力と油に特化した料理が多い。

使われる食材は非常に豊富。
その中でも海、禽(鳥)、草、山(獣)の珍味を集めた四八珍は高級食材として名高い。

目次

◆中国四大料理

中華料理を代表する四つの料理体系。
北の北京料理、東の上海料理、南の広東料理、西の四川料理を指す。

  • 北京料理
宮廷料理に端を発し、フランス料理のように繊細かつ見栄えの良い料理が多い。
有名な北京ダック水餃子がこのカテゴリに入る。

  • 上海料理
海に面した土地で発達した為に魚介類を使った料理が多い。
上海焼きそば、小龍包、上海蟹料理等。

  • 広東料理
外国との貿易が盛んな地域で発達した為多種多様な食材を用いる。
「四本足なら机と椅子以外、空を飛ぶものは飛行機以外、泳ぐものは潜水艦以外何でも食べる」というジョークがあるほど食材が豊富。日本でもお馴染みの料理である。
フカヒレの姿煮、チャーシュー、ワンタン麺、酢豚焼売、東坡肉、蛇のスープ等。

  • 四川料理
花山椒や唐辛子等の香辛料で辛く味付けされた料理が多い。こちらも日本ではポピュラーである。
麻婆豆腐回鍋肉青椒肉絲、乾焼蝦仁(エビチリ)、酸辣湯、お焦げ料理等。

しかし、この分類はあくまでも日本的なものであり本場中国では四川料理と広東料理に加え、
塩辛さと香りの良さが特徴であり、北京料理に多大な影響を与えた山東料理
上海料理の原型であり、素材を活かしたサッパリ塩味の江蘇料理
淡水魚等を好んで使う浙江料理
酸味と辛味が強い湖南料理
海産物と淡白な旨味で日本人の舌にも合いやすい福建料理
脂を多く使ったこってりとした味わいの安徽料理
の計八つを中国八大料理を称することもある。
この他に仏教徒向けの精進料理や、イスラム教徒向けにハラールを厳守した清真料理もある。


◆野菜料理


  • 鶏油青菜
青梗菜やほうれん草を茹でて塩等で味付けし、鶏油を垂らして香り付けしたもの。

  • 女乃油白菜
白菜のクリーム煮で優しい味わい。

  • 醤焼茄子
揚げ茄子をひき肉と一緒に甜麺醤等で味付けして炒めたもの。
麻婆茄子とは違って辛くない。


◆肉料理


中国ではメニューに(ロウ)と書いてあれば、豚肉を指すぐらい豚肉が好まれる。

  • 東坡肉(トンポーロウ)
蘇東坡という人物が考案した豚の角煮
蒸したり揚げたりした皮付きの豚バラ肉を八角等の香辛料や醤油で煮込んだもの。

  • 貴妃鶏
鶏の手羽先を椎茸や筍と共に煮込んだ料理。
世界三大美女の一人である楊貴妃がこよなく愛していたといわれる。

  • 蒜苗牛肉
牛肉とニンニクの芽の炒め物。
牛肉の旨みとニンニクの芽のシャキシャキ感が楽しめる。

  • 葱爆羊肉
羊肉をと一緒に炒めた家庭料理。
葱を強火で炒めて香りを出すことによって羊肉の臭みを消している為食べやすい。

  • 腰果鶏丁
腰果とはカシューナッツの事であり、すなわちカシューナッツと鶏肉の炒め物のこと。ピーナッツで作ると「宮保鶏丁(コンパオジィディン)」となる。

  • 北京填鴨(北京ダック)
言わずと知れた北京料理の筆頭格。特殊な飼育法で丸々肥え太らせたアヒルを丸ごと専用の炉で焼き上げ、贅沢にも一番脂の乗った皮の部分のみを削ぎ落として甜麺醤ベースのタレとキュウリなどの野菜類と共にこれまた専用の薄餅にくるんで食べる。
宮廷料理出身。

  • 水煮肉片(スイジュロウペン)
豚薄切り肉を唐辛子などで味付けした辛い煮込み。四川料理。

  • 雲白肉(ウンパイルー)
ゆでた豚肉を薄切りにし、紅油(ホンユ)(醤油と砂糖と陳皮などの野菜を煮込んだ調味料)をかけたもの。四川料理。

  • 青椒肉絲(チンジャオロースー)
筍、青唐辛子(日本ではピーマン)、肉の絲、つまり細切りに加えネギやモヤシなどを合わせて炒めた物。日本でも非常にポピュラーな中華料理なので知っている人も多いだろう。
牛肉で作るようなイメージがある料理だが本来は豚肉の細切りで作るもので、牛肉の場合は青椒牛肉絲と牛肉であることが明示されている。
元は豚肉食文化の盛んな福建の料理で、今日知られているのは広東風にアレンジされたもの。

  • 咕咾肉(クーラオロウ)
いわゆる酢豚。
素揚げした豚肉と野菜を甘酢ベースのタレに絡めて炒め合わせたもの。
今日知られているものは中国に欧米人が進出してきて以降に上海などの外国人向け菜館で出されるようになったもので、もともとのレシピは酢・醤油・砂糖のみで味付けされ具も豚肉のみの素朴な料理だったらしい。
パイナップルを加えるかどうかで議論になるが、パイナップルを入れるようになったのは先述した外国人向け菜館で欧米人向けに出されたレシピで使われていたものが広まったものだそうな。


◆魚料理


日本とは違い、中国ではフナやタウナギなどの淡水魚が一般的である。
また水質の関係で日本と違い焼き魚や生魚等は殆ど無い。

  • 炸蝦球
海老のすり身をお団子にして揚げたもの。
小さく刻んだ食パンを衣にしたものもある。

  • 紅焼海参
ナマコを椎茸や筍と共に醤油味で煮込んだ料理。
ぷるんっとした食感が口を楽しませてくれる。

  • 蠣油鮑魚
鮑のオイスターソース煮込み。
一口ごとに伝わってくる鮑の食感とオイスターソースの旨みが堪らない。

  • 百花蟹剪
蟹の爪に海老のすり身とパン粉を付けて揚げたフライ。
出来立ての熱々を花椒塩、ケチャップ、レモン等で頂こう。

  • 辣子魚尤魚
紋甲烏賊と野菜を唐辛子でピリ辛に炒めた料理。
烏賊のコリコリした食感と唐辛子の辛味を楽しもう。

  • 酔蝦
通称、酔っ払い海老。中国料理の中では唯一といっていいほどの生食料理。紹興酒の中に海老(ザリガニやカニの場合もある)を入れ、一晩寝かした後に提供される。

鯉を丸ごと揚げて、甘酢餡を掛けたもの。

◆スープ


  • 魚翅湯
皆ご存じフカヒレスープ。
蟹肉や海老、鶏肉等の副材料が加わることによって、さらに豊かな食感と風味を味わえる。

  • 燕窩湯
高級食材と名高い燕の巣を使ったスープ。
ゼリーのような独特の食感を楽しもう。

  • 酸辣湯
唐辛子や胡椒、酢等を使った辛味と酸味が強いスープ。
パンチのある味で心も身体も元気になる。
これに麺を入れたものが酸辣湯麺であるが、こちらは中国ではなく日本で生まれたアレンジ料理。

  • 蛋花湯
のスープ。
スープに浮いた卵がふわっと花のように開いて美しく、優しい味で食べやすい。

  • 仏跳牆
海産物の乾物や金華火腿(中華ハム)等の数十種類の材料を長時間蒸して作るスープ。
その素晴らしい香りは修行中のお坊さんすら堀を飛び越えて食べに来るということが名前の由来となっている。


◆米類・麺類

米は雲南や四川といった雨の多い山地でよく食され、そこで発展した料理も多い。
麺料理で夙に知られているのはなんと言っても山西省だろう。「麺食の故郷」と呼ばれるほど小麦生地を使った料理が息づいている。
因みに「麺」とは中国語で「練り伸ばした小麦の生地」を意味する言葉であり、必ずしも 日本人が想像するような蕎麦やうどんのような麺とは限らない。 端的に言えば 饅頭や餃子だって小麦の生地を使うので中国では麺 である。
またいわゆるラーメンのような麺に関しても、日本と異なり鹹水が一般的ではないため、釜揚げうどんのような柔らかい食感の麺が多い。

日本でもお馴染みの料理。
中国においては冷ごはん等の残り物を美味しく食べる為の工夫でもある。

  • 鍋巴(グォパー)
いわゆるお焦げ。
熱した鉄鍋でご飯を揚げ焼きしたもの。あんかけをかけて頂く。

  • 拉麺
いわゆるラーメンだが、本来「拉麺」とは手で生地を引き伸ばすようにして作った手延べ麺を指し、日本のラーメンとは大分異なる。日本式の物は「日式拉麺」と呼ばれ区別される。
先にも述べたが基本的に鹹水を使わないため麺は柔らかい食感。
鹹水麺を使った蘭州拉麺というものもあり、麺と牛肉、香菜、もやしなどの具を牛骨ベースのあっさりしたスープで食べる。

  • 炒麺
いわゆる焼きそばだが、もちろん日本のようにウスターソースで味付けするわけではなく、蠔油(オイスターソース)や醤(ジャン)などで味付けする。
後述する炸麺も広義の炒麺の一種として扱われている。
ソース焼きそばは「日式炒麺」として(ry

  • 担担麺
四川省発祥の辛い麺料理。
担(かつぐ)という文字の通り、元々は七輪と麺を茹でる鍋を納めた桶を天秤棒に吊るして担いで売り歩いていたストリートフード。
お気づきかと思うがスープの入った鍋を持ち歩くのは困難なのでいわゆる汁なし担々麺のような形式で供されるのが本来の姿である。
またファーストフードのような扱いなので小ぶりの椀に入れて出され、小腹が空いたときに軽く食べるのが一般的。
刻んだ搾菜や辛い味付けの挽き肉を加え、四川らしくたっぷりの花椒と唐辛子を効かせて作るため大変辛い。香港では風味付けに干し海老を加える。また香港式の担担麺はスープに入っており日本のものに近い形式。
ご存知の通り日本では辛さを抑えたスープ麺形式だが、こちらはあの陳建民が考案したとされる。

  • 会飯
ごはんに餡をかけて食べる料理。
餡かけの種類は麻婆、海鮮、五目、カレー風、豚角煮等様々。

中国では朝食や昼食等のメニューとして親しまれている。
日本の粥よりも米の原型が無くなるまでトロトロに炊くのが特徴でコメのスープといった感じ。
香菜や油条(揚げパン)等と一緒に頂こう。

  • 魯肉飯(ルゥロウハン)
豚肉と揚げたタマネギ醤油ベースのたれで煮込み、ご飯の上にかけた台湾の屋台の名物料理。

  • 肉ちまき
豚肉シイタケなどの具を混ぜ味付けした米を調理したもの。
調理法は蒸すのが一般的だが、台湾南部ではゆでて調理する。

  • 炸麺
油で揚げた麺に餡をかけて食べる中華焼きそば
トロトロ餡をパリッとした麺に絡めて食べると絶品。

  • 湯麺
スープ麺の総称であり日本の”タンメン”とは違うので要注意。
具もスープの種類もバリエーション豊か。
因みに日本ではコシの強い麺が好まれるが、中国では柔らかい食感の麺が好まれることが多い。

  • 刀削麺
小麦粉と水を練って作った生地をくの字になった包丁で削り鍋に入れることによって麺にする。
平べったい麺の中央は厚くてコシがあり、外側は薄く餡が絡みやすくなっている。
もちもちとした食感で餡や黒酢を絡めて食べる。
調理に高い技術を要するため値段もややお高い。

  • 猫耳朶(マオアルドゥ)
麺食の故郷、山西省の名物麺料理。
小さめの小麦粉生地を指で捻り潰すようにして伸ばすマカロニのような麺で、スープ等に入れて食べる。

  • (ピン) 
小麦粉と水を練って作った生地を薄く伸ばして焼いたもの。北京ダックなどを巻いて食べる。

点心

お茶と共に食べる軽食。

本場中国の餃子は水餃子、もしくは蒸し餃子が主流であり、餡にニンニクやニラは入れない。
また、それ自体が主食である為(麺類の一種と考えるとわかりやすい)ごはんと一緒には食べない。

野菜が食べられない冬を乗り越えて、立春に芽の出た春の野菜をたっぷり味わう為の料理。
春の野菜(=春)を巻く為春巻といわれる。

皮の中に具と一緒にスープが中に入ったもの。
薄い皮を噛み締めると中からじゅわっと熱いスープが飛び出してくる。
火傷注意。

豚ひき肉や海老を皮に包んで蒸し上げた料理。
皮の代わりにもち米をまぶしたものもある。

  • 包子(パオズ)
中国のお饅頭
中身は叉焼、海鮮、小豆、カスタード等様々である。

  • 大根餅
細切りにした大根に干し椎茸や中華ソーセージ等を混ぜて上新粉で固め、蒸した後にパリッと焼き上げたもの。
外側はサクッと香ばしく、中は蕩けるように柔らかい。

◆鍋料理


  • 麻辣火鍋
四川名物。唐辛子などを使った辛い汁で臓物などを煮て食べる。

◆精進料理

仏教徒向けの、動物性の食材やニンニクやネギ類を一切使わない料理。日本との違いは小麦粉のグルテンやこんにゃくなどを使った肉もどきを使う料理があるのが特徴。
主なものは、筍入りのそうめん、野菜水餃子、残りものの野菜炒め入り包子など。

◆清真料理

こちらはムスリム向けにハラールを厳守した料理。清真とは中国語でイスラム教の事。
主なものは上記の蘭州拉麺など。


◆その他

  • 臭豆腐
腐乳(フルゥ)とも呼ばれる、豆腐を麹で発酵させた料理。

  • 皮蛋(ピータン)
アヒルなどの卵に灰や石灰を混ぜた粘土を塗りつけて覆い、瓶や地面などの冷暗所で発酵させた物。
発酵の過程で卵白はコーヒーゼリーのごとき濃い茶褐色の半透明ゼリー状に変異し、卵黄に至っては暗緑色に変わり凄まじい悪臭を放っている。
悪臭の正体は発酵で生じたアンモニアや硫化水素など。
ゲテモノのようだが蓄えられたアミノ酸の結晶が浮き出た物は「松花蛋」と称され珍重される。
食べるときは殻を向いた後空気に晒して臭いを抜いてから頂く。

  • 茶玉子
ゆで玉子をジャスミン茶などのお茶をベースにした調味液に付け込んだもの。台湾料理。

◆デザート


  • 麻球
餡子を包んだ団子に胡麻をまぶして揚げたお菓子。
餡の甘さと団子のもちもち、胡麻の香ばしい香りが嬉しい一品。

  • 三不粘
卵・砂糖・ラードを使ったデザート。
見た目は粘ついているように見えるが、皿にも箸にも歯に付かない不思議なお菓子。

  • 亀苓膏
亀の腹の皮や生薬から抽出したエキスを蒸し上げたゼリー状のデザート。通称「亀ゼリー」。
出来立ては熱々であり、熱いまま食べるか冷やして食べるかを選ぶことができる。
味は苦いので甘い蜜等を加えて頂こう。

日本でもお馴染みのデザート。元は薬膳料理。

◆調味料


ソラマメを使った四川料理の味噌。

小麦粉で作った麹に塩水を加えて発酵させた味噌。

  • 陳皮(チンピ)
白い部分を取り除いたみかんの皮を干した物。漢方薬として扱われる。

  • 五香粉(ウーシャンフェン)
陳皮など五種類の材料を混ぜ合わせた中国料理のミックススパイス。

  • 豆豉醤(トウチージャン)
黒大豆を発酵させた調味料で、麻婆豆腐などに使う。

  • 蠣油醤(ハオユージャン)
牡蠣などが原料の広東料理の調味料。

【余談】

中国では豊富な石炭を用いることによって安定して強い火力が容易に使用可能な為、「冷した料理」がほぼ存在しない。
一般的に日本人が冷えたお弁当やお握りを食べることに、強い違和感を覚えるらしい。
それが理由かわからないが、現地で飲み物を買うとき、冷えたのと常温のドリンクが両方ある。
また、中華料理は味の素などの添加物が多く使われていると言い、
1960年代に現地で中華料理を実食したアメリカ人に食後の炎症、眠気、顔面の紅潮、
掻痒感、頭痛、体の痺れ、軽度の背中の無感覚などの症状が見られたことから、
添加物の過剰摂取が原因ではないかとされ、欧米ではこれらの諸症状を総称して
中華料理店症候群(チャイナレストランシンドローム)」もしくは
「グルタミン酸ナトリウム症候群」と呼称されている。
今日でもこの風説は根強いが、科学的見地からはこれらの諸症状とグルタミン酸ナトリウムの関連性は否定されている。


追記・修正は中華料理を食べてからお願いします

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