Eric Clapton(ギタリスト)

登録日:2010/11/19 Fri 02:40:20
更新日:2025/05/09 Fri 23:46:19
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... At The Crossroads




Eric Clapton(エリック クラプトン)



1945年3月30日、イギリス・サリー州生まれのロックギタリストである。
世界でもっとも偉大なギタリスト、第4位。

ギターをやっている人、ロックファンでは避けては通れない人だろう。

ロック&ブルースで後世に与えた影響はとても大きく、HR&HMにまで影響を与えている。
またボブ・マーリーの曲をカバーし、彼の名、そしてレゲエというジャンルを世に広めた。


●友人達

Jimi Hendrix、Bob Dylan、B.B.Kingや、特にRolling Stones、Beatlesらと仲が良いことも知られており、特にGeorge Harrisonとは60年代からの親友であり、お互いの作品へのゲスト参加も数多いが後に嫁を取り合う(というよりもジョージの嫁へのエリックの横恋慕)仲になる。それでも友情は続き、1991年にはエリックのバンドにジョージが加わる形で日本だけのツアーが実現している。

日本好きとして知られており、ジャパンツアーも頻繁に行われている。
年齢的に2009年の来日ライブが最後なのでは?と言われていたが2011年にも来日。

忘れていたよ…
音楽には年齢なんか関係ないことを…


2023年追記
今年も来ました!

ちなみに格闘技マニアでもあり、ツアーと無関係にK-1を観るために来日してるのも有名。

●在籍バンド

バンドの履歴としてはJeff BeckやJimmy Pageも加入したThe Yardbirds→John Mayall & Blues Breakers→Cream→Blind Faith→Derek & The Dominos→ソロという感じである。

The Yardbirds
エリックの最初のプロ活動。初代ギタリストのAnthony "Top" Tophamの後任としてレコードデビュー時から在籍。しかしシングルヒットを求めたバンドが採り上げたFor Your Loveが気に入らず、レコーディングをボイコットした末に脱退する。エリックの後任は上記の通りJeff Beck。

John Mayall & The Bluesbreakers
求道的なブルーズを求めたエリックは英国ブルーズ界の大物、John Mayallの元へ走る。既に「スローハンド」と呼ばれ有名人だったエリックの名とその腕はメイオールにとっても美味しい話だったと思われ、エリックの名を看板にしたアルバムを録音している。このバンドでJack Bruceと意気投合し次のバンドを結成することになる。

Cream
Jack Bruce(B/Vo)と組むと決めたエリックはよりによってジャックと犬猿の仲として有名なGinger Baker(Drs)をドラマーに引き入れてしまう。嫌々ながらジンジャーと組むことを受け入れたジャックだったが案の定喧嘩ばかりで、たった2年の間に4枚の名盤と数々の名作名演を残しあっという間に空中分解する。

Blind Faith
Creamに疲れ果てたエリックがSteve Winwood(Vo/Gt/Organ)の誘いで新バンドに参加してみたらジンジャーがドラマーで地獄のようだったバンド。サウンドは地獄どころか天国にも勝るレベルの名演だが、スーパーバンドの宿命か1枚のアルバムでこれまた空中分解した。前述の通り事実上ウィンウッドとベイカーのバンドにエリックが加わった形で、メインはウィンウッド。

Derek & The Dominos
Blind Faithの後はDelany & Bonnyのバンドに加わったり最初のソロアルバム(地味だが名作)を出したりGeorge Harrisonのレコーディングセッションに参加していたりしたエリックだが、そのジョージのセッションで共演した米国人メンバーと組んだのがDerek & The Dominosだった。ジョージの妻Patty Harrisonに横恋慕しながら書き上げた(カヴァー含む)ラヴソングを詰め込んだ動機が不純な名盤「いとしのレイラ」とライヴアルバムをリリースするものの、ドラマーのJim Gordonのエゴが肥大化、他のメンバーとの衝突が増え、結局バンドはまたしても短命に終わる。

Tulsa Tops
バンド活動に疲れた(?)エリックはヘロイン中毒になりしばらく引きこもる日々が続く。しかし見かねた盟友Pete Townshendらによって無理矢理ライヴを再開させられ、表舞台に帰ってくることになる。そしてそのソロ初期を支えたバンドが通称Tulsa Topsである。Dominosから続投のCarl Radle(B)を中心に名ドラマーJamie Aldakerらを擁したバンドのサウンドは彼の音楽的全盛期と言って差し支えないだろう。余談だが、この時期晴れてPatty Harrisonを寝取って妻に迎え、名曲Wonderful Tonightが生まれている。

その後のレコーディングやライヴにもAndy Fairweather Low(Gt)、Alvin Lee(Gt)、Mark Knopfler(Gt)、Greg Phillingananes(Kbd)、Chris Stainton(Piano)、Nathan East(B)、Willie Weeks(B)、Steve Gadd(Drs)、Phill Collins(Drs/Produce)、Steve Ferrone(Drs)、など鬼のようにハイレベルなメンツが集まる。

●代表曲

Strange Brew
Sunshine Of Your Love
White Room
Crossroad(以上Cream)
Can't Find My Way Home(Blind Faith)
Why Love Got To Be So Sad
Bell Bottom Blues(以上Derek & The Dominos)
After Midnight
Lay Down Sally
Wonderful Tonight
Forever Man
Bad Love
Pretending
Tears in Heaven
Change the World(以上ソロ)
などが挙げられ、また、カヴァーも多彩で
I Shot The Sherrif(The Wailers)
Cocain(J.J. Cale)
Behind The Mask(YMO)
など幅広く採り上げている。勿論ブルーズのカヴァーも数多い。

そしてなんと言っても「Layla」である。

クラプトンの曲を知らない人は是非聞いてみてください。

●「Layla」について

この曲はジョージ ハリスンの妻パティに恋をして破局にしそうだった彼女に対しての愛の叫びを歌った歌である。
しかし彼女はクラプトンの元には来ず、この愛の苦しみ、祖父の死、友人Jimi Hendrixのから逃げるためヘロインを使い始めそして中毒になる。


●その後のクラプトン史


このあとハリスンと破局したパティと結婚。そしてヘロイン中毒も直すがヘロインの代わりに大量に飲んでいたアルコール中毒に。
これに愛想をつかしたパティとは疎遠に。

その後女優のロリ・デル・サントとの間に初の子供が出来る。

コナーである。

初めての子供、初めて父親なったことなどから最初は戸惑いがあったが少しずつ親としての責任、自覚をし始め子育てをやり始めていく。
よく動物園、サーカスなどに行ったらしい。
いつものようにコナーと遊び、「明日、動物園に連れて行って!」と言われ約束した次の日…




コナーがマンションの53階から転落死する。



このことからまたアルコールとドラッグの世界に行くのでは?
と心配されていたが周りの仲間、ファンなどの手紙に支えてもらったと言っている。
何千枚の手紙の中で最初に送られて来たのはKeith Richardsなど友人たちから、中にはチャールズ皇太子、ケネディ大統領からも追悼の手紙が送られていた。

そして、これを歌にしたのがTears In Heavenである。

この後は、現在新しい奥さんと三人の娘に恵まれ幸せに暮らしている。


●使用ギター

  • Gibson ES-335
クリーム時代に使われていた物。初めてまともに買ったギターであるとのこと。売却につい(ry
この335の他、Yardbirds〜Creamの時期はほとんどGibsonのギターを使っており、George HarrisonにプレゼントしたLes Paul「ルーシー」やサイケデリックにペイントしてCream時代に活躍したSG「フール」は特に有名。

・Fender Stratocaster「ブラウニー」
70年代初期のメインギター。泣く子も黙る「Layla」の録音に使われたストラトキャスター
売却については後に。

・Fender Stratocaster「ブラッキー」
ブラウニーの後継として作成された、3台のストラトをバラして組み直したものと言われている。
73〜85年まで、長いこと使われていた物。
売却については後に。

1988年にはFender社がエリック・クラプトン・シグネチャーモデルのストラトキャスターをリリース、エリック自身も基本的にはそれを使っている。

余談だがこのギターはエリックの親友の一人でもあるPete Townshendも愛用していることでも知られ、さらに余談だがピートがステージで最後に破壊したギターがこのクラプトン・モデルのギターであった(2004年ロック・オデッセイ横浜公演)。

もう一つ余談だが、ギターのヘッドの弦の隙間に吸いかけのタバコを刺すのはエリックで有名だが、実はこれはジョージの真似だったと言われている(ジョージが本当の元祖かは不明)。そして先述のクラプトン・モデルにはタバコを刺すための穴がヘッドに開いている。


●オークション

クラプトンを語る上で抜かせないものが彼のギターオークションである。


一回目は自分で設立したドラッグ更生センター「クロスロード・センター」の運営資金確保のために開かれ、
百本以上オークションにかけられた中に「Layla」収録に使われたブラウニーの姿があった。
値段は…


の前に
去る少し前、エヴァンゲリヲンのストラト、テレキャスのギターのオークションがあったのをご存知だろうか(´・ω・`)


始まったその日からぐんぐん値段は上がっていき(僕は300万円の時ふざけてやってみたがすぐに値段を越された)、
ストラトは908万円
テレキャスは776万円

という値段がついた。
当時の2ちゃんねるで
「史上最高額ギターじゃね?www」
というコメントを見たが





(ヾノ・ω・`)ナイナイ



ブラウニーは6000万円である。

ブラウニーは6000万円である。

エヴァギター二本足しても足りない。

#追記
けいおん!Les Paulギターが2000万円とのこと。


実は二回目もある。
2004年、この時も百本以上のギター、そしてブラッキー、長年の相棒GibsonES-335である。
このブラッキー、ES-335との別れは辛かったらしくオークション当日出席出来ないクラプトンは前日の夜ガラスケース越しに別れを告げた。

さぁ、値段は??




ブラッキー、一億円ちょい
現在で最も高額のギターである。

ES-335、8500万円


ブラウニーが霞んで見える(^ω^;)


●最後に

考えてみて欲しい。
70年代、ストラトは8万円で投げ売りされていた。
ブラッキーはそんな三本の良い所を集め創られたギターである。
そんなギターが「もう古くなってきたし売るわ!」
って言ってたら6000万円である。ブラウニーに限らず70年代のストラトを今買おうと思ったら、うん十万の時代である。


そんなストラト時代を築いた一人であるEric Claptonには70歳になっても80歳になっても音楽の旅を続けて欲しい。


なお彼は敬虔なクリスチャンであるため、『CLAPTON IS GOD』と騒がれたとき(町中の壁にこの文面の落書き等もあったという)、そう称されるのを嫌がった。
結果、それを配慮したかしなかったか、『Guitar God(ギター名人)』の称号が現れた。"名人"では意味が弱すぎるが。
すごいものをやたら神だなんだと騒ぐ人達には良い教訓なのではないかと思う。



更なる情熱をもって追記、修正をよろしくお願いします。

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最終更新:2025年05月09日 23:46