登録日:2025/09/23 Tue 21:17:06
更新日:2025/09/23 Tue 23:36:11NEW!
所要時間:約 31 分で読みやがれオラァ!
◆プロフィール
キャッチコピー:あーしをナメんな! キャンキャン反抗期娘
誕生日:4月22日
身長:153cm
体重:言わねえしっ!
スリーサイズ:B79・W55・H79
靴のサイズ:左右ともに23.0cm
学年:高等部
所属寮:栗東寮
得意なこと:部屋の片づけ、ダイススタッキング
苦手なこと:心理テスト、静電気
耳のこと:最初のピアスを開ける決心に1か月を要した
尻尾のこと:リッキーの櫛で適当にケア※開運効果アリ☆
家族のこと:弟の運動会はこの一家のかけ声が一番大きい
ヒミツ:①パチパチする飴は苦手 / ②あたりくじ付きのお菓子を見るとついつい買ってしまう
自己紹介:あーしはエスポワールシチー!レース上等!全員ヒィヒィ言わせて…。おいゴラァ!撫でてんじゃねえぞっ!
希望と決意
歴戦の古豪と
同期の出世頭には
敬意を表しよう。
有望な若手たちよ
海を越えて来た者たちよ
健闘を祈る
けれどあーしにも
夢があり希望がある。
勝利を譲りはしない。
その決意を見てほしい。
2018年URA 名ウマ娘の肖像「エスポワールシチー」より
◆概要
ヴァーミリアンと並ぶダートGⅠ級競争合計9勝を挙げ、2009年、2010年の2年連続でJRA賞最優秀ダートホースに選出された強豪ダート馬「
エスポワールシチー」号をモチーフとした
ウマ娘。
3rdアニバ直前の2024年2月22日のぱかライブにおいて、トランセンドやフリオーソと共に発表された新たなダートウマ娘の1人。
史実競走馬の栗毛をイメージしたやや薄めのオレンジ系の金髪を左で軽くサイドテールに結ったヘアースタイル。
両目に塗られた赤青2色の鮮やかなアイシャドウや両耳に複数付けられたピアスなどもオシャレ。
そんな彼女の性格はというと、正に外見通りと言わんばかりのツンツンなギャルそのもの。一人称はあーしで周囲からの愛称はエスポ。
俗に「ギャルウマ娘」と呼ばれるウマ娘は過去に複数人存在していたが、その中でもエスポは一際言動がキツめな方。
何かにつけては周囲に対して「オラァ!」と声を荒げながら噛みついてくる、不良・スケバン・鉄砲玉といったワードが実に良く似合うそんなタイプ。
困ったことにこの性質はトレセン学園のトレーナー、指導者の立場にある大人に対して強まる傾向があり、形式ばったアドバイスや説教に対しては物凄く反抗的でまず聞く耳を持たない等、率直に言えばとても優等生とは言い難い気難しいタイプのウマ娘。
が、この手のキャラにはお約束というか表向きは正にとっつきにくい不良少女そのものだが、実のところ根っこの部分はとてもいい子。
ある程度の信頼関係が築けている学友やライバルたちには普段のぶっきらぼうな口調はそのままながらも所々で相手を気遣うような優しい言動が見え隠れする。
特にご存じの通りネームドウマ娘たちは良くも悪くも個性派揃いのため独自のペースを展開する子が多いため、そんな相手に自分を怖がらずに真っ直ぐに対応されるとエスポの方が折れて相手のお願いに付き合ってあげたりすることも多いためやっぱり優しい。
また、初対面の第三者であっても相手が困ってたりした時には放っておけずに手を差し伸べるなんてこともしばしば。
とある場面では月に一度の寮内大掃除の時もサボったりダラダラしたりせず、寧ろ率先して周囲の班員を引っ張っていき「とっとと終わらせないと自分らがダセェって思われる」と声を張り上げながら的確に指示を出し掃除を進めていくなどリーダーシップ適性の高さも発揮したりする。
この辺りの性質はレースに対しても同様であり、上述のように型に嵌ったトレーニングや指導に対しては反抗的なものの、トレーニングそれ自体をサボったりするようなことは無く真剣に取り組むなどやはりトレセン学園に在籍する一アスリートとして十分な熱意と直向きさを備えている。
また上述プロフィールにあるようにパチパチ系のキャンディは口の中に残る感触から苦手としていたり、お化けなどの超常現象に対して物凄く怖がったりと可愛らしい一面も色々。
こんな調子なので根本的には優しい良い子が懸命にツッパってるのが何とも可愛らしいと庇護欲を搔き立てられるトレーナーも多かったりする。キャンキャン噛みつこうとするそのムーブがチワワみたいだなんて言われることも。
だが、そういったエスポの表向きの先、一番底の部分にあるのは「不安の裏返し」という一点。
外面的に強気な言動で周囲に対して攻撃的、自身は強いウマ娘だと豪語し続けるのも「自信が無い、弱いウマ娘だと見られたくない」という不安の裏返しというのが本当のところだったりする。
そもそもエスポワールシチーは幼少期、今とはまるで正反対、泣き虫で怖がりで母親の背中に隠れてばかりだったらしいのだが、その母親が体を壊して入院して以降、大好きな家族のためにと強気な姿を演じるようになり、更に嘗て所属していたレースクラブにおいて指導者である父親との衝突と確執から大喧嘩を起こしてしまい、今の反抗心の塊なエスポになっていったのである。
育成シナリオ内においてはトレーナー自身がそんなエスポワールシチーの本質とどのように向き合い指導していくべきなのかがテーマとなっている。
◆アプリでの活躍
性能
バ場 |
芝:E |
ダート:A |
距離 |
短距離:A |
マイル:A |
中距離:B |
長距離:G |
脚質 |
逃げ:A |
先行:A |
差し:F |
追込:G |
2025年9月9日☆3「Red Devil Gear」として実装。同じダートトリオであるトランセンドやフリオーソに遅れながらも、発表から約1年と半年を経て遂にエスポワールシチーも育成実装を果たすこととなった。
一方で対人イベントや史実エスポワールシチー号の戦績とは関連性の薄い9月という思わぬタイミングでの実装を驚かれたりもしていた。
当然ながらバ場適性はダートが最高なのだが、何気に芝適性もEあるため、
その気になれば芝への魔改造も容易だったりする。
ただ、取得スキルの性質から考えるとほぼ趣味の領域になってしまうが。
距離適性の方も短距離とマイルがA、中距離がBと全体的に高めのため、主要なダートレースには一通り出走できる幅の広さが売り。
唯一長距離のみ最低のGだが、ダートにはそもそも長距離レースが存在しないため気にしなくていいだろう。
また、何気にダートと短距離が初期段階で両方ともAなのは最初期組のハルウララ以来とかなり貴重だったりもする。
脚質適性は逃げと先行が共にAの前方型。
後述するスキルの構成から見てトレーナーの好きな方を選んで走らせることもできるだろう。
[Red Devil Gear]
画像出典:ウマ娘 プリティーダービー「[Red Devil Gear]エスポワールシチー」勝負服
「シチー」冠名を使用する
馬主、友駿ホースクラブの勝負服「
青、
赤袖、
白三本輪」をベースにした勝負服。
エスポの性質をストレートに反映したかのような、へそ出しジャケットスタイル。
腰には何とも可愛らしい白色ふわふわなゆるキャラのファーアクセサリーが付けられているが、これには「ほっぷちゃん」という名前があったり。
元はエスポの「とにかく強い勝負服にしたい」という宣言から始まり、感覚的なエスポの説明がなかなか伝わらずにデザイン制作にかなり難航しながらも最終的に彼女の持つ反抗というテーマをデザイナーが汲み取ったことでようやく今の形に纏まったというエピソードが語られている。
成長率はパワー+10%、根性+20%となっている。
所持スキル
交流重賞〇を除いて全てがダート指定のスキル。
というか交流重賞〇自体がその名の通り地方レース場=ダートコースでのみ発動可能のため、
事実上所持スキルの全てがダート用スキルという完全ダート特化型という尖った構成となっている。
その代わり強力なスキルが揃っており、特に「踏みしめる大地」はこれまで水着衣装ホッコータルマエが独占していた貴重な終盤加速スキルのため、これを自前で使えるのは非常に大きい。
また、「清濁併呑」の方は中盤の速度アップと回復効果の複合スキルだが、これが進化スキルの「相手が誰でも関係ねーし!」になると、逆にスタミナを消費することで持続力の長いすごく速度アップという、云わばダート版「影従打破」といった趣のスキルに変貌し、中盤力を大きく底上げできるようにもなる。
通常スキル:
素直な気持ち、力の限り、なりふり構わず(覚醒Lv2)バイタリティ、(覚醒Lv4)交流重賞〇
レアスキル:
(覚醒Lv3)踏みしめる大地(レース終盤始めの方で前方にいると加速力が上がる/先行・ダート)
┗ベッコベコに凹ます!(レース終盤始めの方で前方にいると加速力が上がる、1800m以下のレースなら終盤始めの方早めに加速力が上がる/ダート)
(覚醒Lv5)清濁併吞(レース中盤に速度が上がり持久力を少し回復する/ダート)
┗相手が誰でも関係ねーし!(レース中盤に持久力を少し使ってしばらくの間速度がすごく上がる/ダート)
画像出典:ウマ娘 プリティーダービー「[Red Devil Gear]エスポワールシチー」固有スキル発動」
固有スキルは「Punkish Bite」。
効果は「レース終盤のコーナーで少しの間少し前に出る、ダートレースなら効果が増えてさらに加速力がちょっと上がる/逃げ・先行」というもの。
逃げ・先行の条件付きで、通常効果のみだと終盤コーナーで少し前に出るだけの控えめな固有だが、ダートレースでなら効果が増強される上に加速効果まで追加されるなどなかなか強力に。
上述のようにエスポは適性の魔改造は簡単といっても芝を走る旨味は殆どないため、基本的にダートで走ることから基本的には十全の効果を発揮できるといっていい。
総合して中盤補強、終盤速度アップに加速と必要なスキルが一通り揃っており、実装当時の環境で見てもダートでは通常リッキーや水着タルマエ、パレードファル子といったトップ級の強豪相手にも決して引けを取らない高いポテンシャルを秘めているといっても過言ではない。
発動演出で監視映像にガンを飛ばしサーチライトをかわしながら華麗にフェンスを飛び越えた先、「Espoir City」のウォールペイントの下で余裕の笑みと反抗心全開のエスポワールシチーの心象を的確に表しているといえる。
固有二つ名は「純情×反抗期ガール」。
取得条件は「マイルCS南部杯、チャンピオンズC、フェブラリーS、かしわ記念を含むGⅠを9勝以上する」。
これでもかとわかりやすいくらいに史実のダートGⅠ級競争9勝の史実再現を求められる取得条件となっている。
キャラ固有目標型のシナリオでなら上記指定レースをすべて含めたダートGⅠを合計7回走ることになるため、
目標レース全てで勝利すればあと2回の任意出走で条件達成となるため、総合的な難易度はそこまで高くない。
多くのトレーナーの予想通り、シナリオ固有ライバルとしてまたしてもあの赤鬼が立ちはだかるが、実装時点最新の無人島シナリオでならそこまで絶望的な難易度でもないしね…
サポートカード
育成実装に先駆け、2024年9月10日に共通のRと共にSSR【KNOCK 'EM DOWN!】が実装された他、
後の2025年4月30日にはストーリーイベント『宙照らす、ドリーミーナイトパレード』のミッション報酬としてSSR【約束のglitter】が実装されている。
SSR【KNOCK 'EM DOWN!】
得意トレーニングはパワー。
トレーニング効果アップは+10%と控えめだが、それを補うように友情ボーナスややる気効果アップ、スキルPtボーナス+1に固有効果含めたスタミナボーナス+2などを有している。+2のボーナスの恩恵からパワーサポカの中では特にスタミナを伸ばす性能が高め。得意率も80と十分な数値。
スキルラインナップも明るい兆し、パイオニア、裏腹なキモチ、砂遊び〇といったダートスキルを複数揃えている他、イベント完走後には選択式で金スキルの「清濁併呑」か「抜群の踏み込み」を取得できる。
…が、スタミナやスキルPtのボーナスを備えている反面、パワーボーナスはゼロとなっており、トレーニング効果自体も高くないことから肝心要のパワーを伸ばす性能が低いのが結構痛かったりする上、
このサポカが登場する少し前の同年8月末に、当時はこのサポカを含めたあらゆるパワーサポカを大きく超える性能を持つSSR【朝焼け苺の畑にて】ニシノフラワーが実装されていたこともあり、ニシノを編成せずに敢えてこっちを使用した方がいいという場面もそう無かったため、使い所になかなか恵まれなかった難儀な一枚でもあったりする。
SSR【約束のglitter】
得意トレーニングは根性。
イベント配布報酬のSSRということもあり、やはり性能としては控えめでそこまで特筆するものもない。
連続イベントを完走することでこちらもダート用の金スキル「チャート急上昇!」が取得できる。
個別ストーリー
その決めつけがうぜェんだよ! ……ちくしょう……ッ!
指導教官には常に反抗的、模擬レースでも結果を示せていない。
学園側の立場としては問題児と見なすしかなかったウマ娘――エスポワールシチー。
そんな彼女とトレーナーの出会いのきっかけとなったのが『プロジェクトK』と称される特殊プログラム。
トレーナーは担当を持たない新人でありながら積極的に多くのウマ娘にアドバイスを行う程、誰かに何かを教えるのが好きという熱意を持っており、そんな姿勢を見褒められてプロジェクトに参加することになった。
それはエスポも含めた素行・成績に問題あり、担当契約も結べていない問題児たちを対象とした特殊強化合宿。
一個のレース場を貸し切って二週間の間、パートナーとなったトレーナーと共に本番さながらにトレーニングやレースに臨むことになる。
先輩トレーナー曰く「この合宿をきっかけに本契約を交わしたウマ娘もいた」とのことで、
同じようにまだ担当がいなかったトレーナーも俄然やる気を見せる。
で、まずは現時点の実力を推し量るための模擬レースが開かれる。
エスポはスタートこそ良かったものの、終盤の末脚勝負ではいい所なしで見事に惨敗。
しかしトレーナーから見たら課題だらけながらもその奥には確かに光るモノがあり、何よりも最後まで諦めない熱意を見せたエスポワールシチーを高評価。
自分が何とか彼女を強くしてあげたいという思いから早速声をかけようとするが、
挨拶もしない内にエスポは明確な拒絶の意思を見せてくる。
直後にフラッと倒れ込んですぐさま心配して駆け寄るトレーナーに対しても、力みすぎただけだと涙目になりながら尚も噛みついてくるわでまともにコミュニケーションが取れそうになかった。
そのままロクに話せないまま合宿2日目を迎えてしまうも、途方に暮れていたトレーナーがコースに行けばエスポワールシチーがちゃんといるではないか。そのことからトレーナーはエスポのことを「反抗的ではあるが決して不真面目ではない」と認識し、どうにかエスポとのトレーニングを開始。
が、その過程で前日の模擬レースの振り返りをしようと提案した途端、またしてもエスポは敵意を剥き出しにしてトレーナーの言うことを一切聞かなくなってしまった。
対応に失敗した…とあからさまに落胆するトレーナーがまたしても考え直しだと思考を巡らせている中、視界に入るのは一緒に昼食を摂らないかと誘ってくる先輩トレーナーに対してまたしても自分は群れたりしない! と、反抗心を剥き出しにして吠えるエスポの姿だった。
トレーナーは思考する。
拒絶される前の僅かな時間だったとはいえ、エスポは決してトレーニングやレース自体を軽視するようなウマ娘ではなかった。
今は粗削りでしかないものの、レースでの勝利に向けた意欲も熱意も間違いなく持っているのにそれをこのまま埋もれさせるのはトレーナーとしてあまりにも惜しいこと。
ならば、その壁を取り除くため――彼女との対話を阻む一番の要因となっている「反抗心」の源はどこにあるのか?
そういった思いに突き動かされるままトレーナーは方々を巡った先、レース場のスタンド席で一人昼食を摂るエスポの姿を発見。
と、そのタイミングで鳴り響く着信音。
身を潜めたトレーナーのすぐ側でスマホ片手にエスポが話している相手はどうやら彼女の母親のようだった。
身近な家族が相手ということもあってなのか、口調の粗さはそのままながらも親しみを込めたどこか嬉しそうな様子でエスポは母親との会話に没頭していた。
いいんだよ! ヒマも、悲しいでも、こっちブチまけて!
自信満々に宣言するエスポの姿を見て、トレーナーの脳裏に過るのはこれまでのエスポの言動。
自分を弱いと思ったのか、あれこれ面倒かけないと負けると思ってるのか、群れないと不安になるヤワじゃない。
思い返して共通するのは「自分は弱くない、強いウマ娘なんだ」という否定ということ。
…迂闊にも物音を出してしまったトレーナーをすかさず発見するエスポ。
直後に懇切丁寧な謝罪と共に「君はお母さんのために強くありたいんだな」と優しく声をかけるも、
誰にも知られたくない一面だったのか、思いっきり恥ずかしそうにしながらまたしてもエスポは声を荒げながら逃亡してしまう。
理由の一端は知れたものの、紛れもなく関係の薄い不用意に第三者が踏み入っていい領域ではなかったのも事実。
トレーナーは今度こそ完全に嫌われたか…と、またしても落胆していたが、それでも昼食時間後の午後にコースに赴けばエスポワールシチーはちゃんとそこに来ている。
どれだけ反抗しようが拒絶しようが逃亡しようが、それでもエスポはトレーナーとのマンツーマンのトレーニングを投げ出すようなことはしなかった。
しかし、明確なコミュニケーションが取れぬままがむしゃらに動いていただけでは結果が伴わないのもまた事実。
合宿開始から数日が経ってもエスポの成績だけは伸び悩んでおり、プロジェクトを主催した先輩トレーナーたちの間でも不安の声が広がるばかり。
中には「競争適性が見いだせないなら無理をさせずに他の道を…」といった具合に、レースの道を諦めるべきかもしれないなんて意見も上がってしまう。
そんな声をトレーナーは明確に否定する。
客観的に見ればエスポワールシチーというウマ娘が成果を上げられてない反抗的な不良ウマ娘と捉えられてしまうのも仕方ないことではある。
しかしトレーナーはこの合宿中の僅かなやり取りで、彼女は決して怠惰なウマ娘などではなく、母親のために強くありたいともがいている、紛れもなくレースで活躍できるはずの逸材だと信じていたのだ。
形式ばった指導方法にすべてのウマ娘が適応できるとは限らない、彼女たちにも千差万別の性質があって当然。
エスポワールシチーの才能を引き出せないのは、そういった世間一般で「普通」とされる指導方法が合わないから。
ならば、その原因を模索し思考し、エスポ自身にあった指導方法を構築して彼女を強くするのがトレーナーとしての役目である。
そういった感情に突き動かされるままトレーナーは一冊のノートを購入し、エスポに対して試した方法、試していない方法を区分けして只管にページを書き連ねていく。
「エスポワールシチー専用"教科書"」とトレーナーに題されたその1冊のノートが、エスポの今後を担うことになる。
う゛ぅ゛~……ファル子……! かっ飛ばしやがってェ……こんの次は……!
もちろんっ! しっかり目に焼き付けて、小倉でも学園に戻っても、
みんなに紹介をよろしくね! 超絶最高なウマドルの走りっ☆
そして翌日、敢行されたのはトレーナーが偶然にも出会った1人のウマ娘――エスポワールシチーの同期にしてウマドル活動にも熱心な逃げウマ娘であるスマートファルコンとの併走トレーニング。
ファル子の協力の下で、エスポに「試していない」指導の一つ……レース開始からセーブを知らずに全力で負けん気を発揮して爆走していたエスポが自分より前を行く逃げウマと1対1で競り合ったらどう動くか? というもの。
初戦は予想通り大差負けだったもののトレーナーにとってはそれも想定通り。負けん気と反抗心の塊のようなエスポは当然ながら、レース開始から自分より前を行こうとするファル子に負けるものかとひたすら食らいつくことを繰り返す。
これこそがトレーナーが見出したエスポワールシチーというウマ娘の勝ち筋、それをファル子との併走トレーニングでひたすら体に染みつかせるというもの。
んえええッ? マジだ!? なんでだ!? ………おおおおおお~~!?
その効果は再びプロジェクト内で開催された模擬レースにおいて目に見えた形で示されることになる。
これまで全く成果が出せなかったエスポが敗れこそしたものの2着と上位入選を果たして見せ、トレーナーも内心でガッツポーズ。
そんな目に見えた「結果」を前にエスポ自身もまた喜びを噛みしめていたが、同時に思い浮かべたのが自身のパートナーとなったトレーナーの姿。
反抗的な自分に他の大多数が向けてきたため息も薄ら笑いもなく、真っ直ぐ自分に向き合って自分を強くしたいと宣言してくれて、そして明確に結果を残して見せた。
そのことが頑なだったエスポの心をようやく少しだが解きほぐすことになり、翌日以降のトレーニングではトレーナーの視点でも目に見えてわかるようにトレーナーの指示に従ってトレーニングを地道に積み重ねていくようになっていく。
その過程でトレーナーはエスポの更なる適正を見出していき、芝よりもダートの方が実力を発揮できるとエスポに勧めたのだが、これに対してまたもエスポは否定的な態度を見せる。
ダートは嫌いだと噛みついてくるエスポだったが、トレーナーとの信頼関係が構築されていたおかげもあり、どうにか怒りを呑み込んで何故自分をダートでは知らせたいのかと問う。
彼女が自身の反抗心を押し殺してまで疑問を問いかける意味、その重さを知ったトレーナーは真剣そのものに「君の走りが純粋に向いているから」と答えて見せる。
ならばそれを信じておけと力強く返答したエスポの言葉と共に更なるトレーニングを積んでいき、迎えることとなったプロジェクト最終日の模擬レース。
ダートコースを選択したエスポはこれまでトレーナーの下で磨いてきた走りと勝ち筋の下、スタート直後から先頭を維持する爆走を披露。
(前だ! 前をぶん取る! 前だ!! ……――そんで、強く。――……強くなんだよ!)
(……母さんによりかかってもらえるような、強いウマ娘に。舐めてくる全員を、跳ね返せるくらい)
あーしは――強い……! 強いウマ娘なんだからッ……!
…………勝ちたい。……勝ちたい、勝ちたい、勝ちたい――!!
トレーナーの声援もその背に受けつつ、己の中の迷いを振り切るかのように咆哮しながら駆け抜けるエスポワールシチー。
見事、スタート直後から先頭を維持したままゴールイン、後続に1.1秒もの差をつける大差勝ちであった。
レース後、疲労困憊ながらも自信満々の笑顔を浮かべて見せるエスポに駆け寄りトレーナーは共に勝利を喜び合う。
……だろ? ……だろー? 少しはわかってるみてぇだな、テメェも!
あーしはやってけんだよ! テメェみてぇなひよっこトレーナーが担当でも!
だぁ~か~ら~! あーしはテメェがトレーナーでもいいって言ってんの!
その上での突如としてのエスポからの申し出。つまるところトレーナーへの逆スカウト。
一見すれば立場が逆転している失礼な物言いだったかもしれないが、既にエスポ自身の内にある思いを知り、その才能を磨いていきたいと誓っていたトレーナーからすれば願ったり叶ったり。
こうして、奇妙な形ながらも両者に正式な担当契約が交わされることになったのだった。
『信頼して、力を出せる場所を整えれば、彼女は必ず応えてくれる』
トレーナーの手に持つ教科書のページを一つ埋めながら――。
育成シナリオ
デビュー戦からしばらくは(クラシック級7月後半まで)ファン集めが続き、
その後はマイルCS南部杯、チャンピオンズC、フェブラリーSといった数々のGⅠ級ダートレースに果敢に挑んでいくことになる。
また、最終目標が特殊な仕様となっており、これまでのレースでどの作戦を多用したかで決定するようになっている。
検証によると逃げが多いと2度目のチャンピオンズC、先行が多いとJBCスプリントになるとのこと。
育成シナリオは冒頭から記者との対談でトレーナーがエスポとの3年間を振り返るという特殊なスタートとなっており、
個別ストーリー序盤で一応の信頼関係こそ築けたものの、その後も何かにつけて反抗の意思を見せてくるエスポに対し、
トレーナーが彼女と正面から向き合いつつ、時に自身の教科書を交えた優しい噓も織り交ぜながらエスポを導いていき、
やがては彼女の家族関係や過去のことも知りながら父親との確執の改善などにも取り組んでいくという、
「不良少女と新人熱血トレーナーが切磋琢磨し合う双方の成長物語」といった、王道の青春系シナリオが楽しめるといった形で概ね好評といっていい。
また、史実の騎手交代要素を反映した思わぬアクシデントがトレーナーの身に降りかかったりもする。
特殊実況はフェブラリーステークスに設定されているが、
2着にある程度のバ身差を付けていないと発生しないとのこと。
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特殊実況 ※ネタバレ注意 |
強い強いエスポワールシチー!
これは横綱相撲でした!
日本の砂の上にもはや敵はいません!
元ネタ:2010年フェブラリーステークス フジテレビ・長谷川豊
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◆関連キャラクター
レースクラブの指導者をやっているつっけんどんな態度の父親に、おっとり穏やかな人柄の母親。
上述のようにエスポにとって母親は幼少期から大切にしている家族であり、
元は泣き虫で臆病だったエスポが、母が体を壊して入院したことをきっかけに、自分は強いウマ娘だと振舞うようになった最初のきっかけである。
母親はそんな娘の不安の裏返しが自分のためであるということを熟知しており、だからこそその真意に気づかないふりをして強がるエスポに優しく接している。
故にこそ、エスポの新たな理解者となりつつあったトレーナーに1対1で対談した際にこれら全てを打ち明けた上で、本当の強さを教えてあげてほしいと頼み込むなど、娘であるエスポのことを強く思っていることがわかる。
一方で父親との関係は当初最悪と呼んでいい状態。
エスポ自身も一時期は父親のレースクラブで他のウマ娘たちと一緒にトレーニングに励んでいたものの、強気が先行して無茶なトレーニングにばかり勤しむエスポに対し『自分が弱いことをまず認めろ、でなければ強くすらなれない』と叱咤したことでエスポを完全にキレさせてしまい決裂。
以降、エスポの不安の裏返しから来る強がりが余計に悪化して今に至るというわけである。
個別ストーリー
内でエスポが当初、ダートを走ることに難色を示していたのも父親が指導していたのがダートウマ娘がメインだったからなのもある。史実の父ゴールドアリュールは後述通りダートに活躍馬が多い(高松宮記念馬ナランフレグを除く)
エスポの強情な性格は、父親譲り?
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乗り越えたいモノ、乗り越えるモノ ※シナリオ中盤ネタバレ注意 |
シナリオ内でトレーナーが父親と対面した際に語られるのだが、当然これについても意図があってのもの。
レースを走るウマ娘は所謂アスリートでもあり、フィジカルだけでなくメンタル面の問題にも向き合わないといけない。
であるために父親は、気持ちばかり先行して無茶をしていた娘に対し「まずは身の丈に合ったトレーニングを」という意味合いでの一喝だったのだが、
母親とのことも含めて強いウマ娘でいなければならないと意地を張っていたエスポにとってその言葉は完全に誤った一言だったということなのである。
以来、自分はやり方を間違えたと素直に謝ることもできず、娘との間に溝ができたまま時間だけが流れてしまったとのこと。
言い方に問題があったのは確かなものの、自身がそれをきちんと間違いだったと認めていること含め、本質的には彼もまた不器用そのものながらも母親と同様に娘のことを心から想いやっている「親」なのは間違いない。
同時期に劇場版が公開していた某有名作品の登場キャラと繋げて一部では風柱トレーナーとか言われてることも。
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史実エスポワールシチー号の母馬に当たるエミネントシチー号はエスポの出産後に母胎を痛めて繁殖活動が禁止になってしまったという経歴があり、ウマ娘内での体を壊して長期入院していた時期があるの元ネタとなっているのはこの辺りだろうか。
故郷船橋をこよなく愛し、船橋のために中央のウマ娘にも負けないと対抗心を燃やすダートウマ娘の1人。
根ざすものの方向性は違えど「自分は強くあらねばならない」というその想いの方向性が自身に共通するものだったことから、何かにつけて反抗的なエスポにとっては珍しく対等に付き合えるライバルとして認めていた。
シナリオ後半ではエスポが迷いを抱え始めていた一方で、フリオーソの方は自身の育成シナリオと同様に気持ちに一区切りを付けて新たな強さを手にしていたものの、自分と同じはずだったフリオーソの変わり様にエスポは納得がいかずに噛みつくものの、逆に「強さと強がりは違う」と諭されることで、エスポもまた変わるきっかけの一つになるなんて一幕の後、エスポもまた今までとは違う強さを手にした先で両者はぶつかることになる。
史実では一つ上の世代のライバルで、かしわ記念で対戦経験がある。
ゾクゾクする何かを求めてレースを駆ける情報通なダートウマ娘の1人。
育成シナリオ内では他のダートウマ娘たちと共にデビューを熱烈にお祝いすると同時に、今のトレーナーとの出会い話などについて尋ねていたりもしたが、他のライバルに比べるとエスポシナリオでの出番は控えめ。
選択次第で最終目標となるシニア級チャンピオンズCではライバルの1人として登場。
前年にワンダーアキュートとやり合っていた時に感じたゾクゾクを自分にも感じさせてほしいと立ち塞がってくる。
史実ではフリオーソとは逆に一つ下の世代のライバルで、マイルCS南部杯やジャパンカップダートなどで対戦している。
のんびりゆったりおばあちゃんみたいなペースながらも、レースにおいては侮れない鋭さを見せるダートウマ娘の1人。
クラシック級のチャンピオンズCにおいてライバルとして激突し、レースで負けたのに妙に満たされた顔をしている姿に疑問を抱いたエスポから問いかけられるも、「最初は誰しも弱いことを恥ずかしがる必要なんてない、その分うんとトレーニングして強くなればいい」と優しく答えており、これもまたエスポがシナリオ終盤で自分の弱さと向き合うきっかけの一つとなる。
アキュートの認める「らいばる」の一人がエスポというのはアキュートシナリオから変わらず。
史実ではトランと同様の一つ下の世代のライバルで、名古屋大賞典、みやこS、ジャパンカップダートなどで対戦。
風水をこよなく愛するラッキーガールにして、彼女もまたダートウマ娘の1角。
寮におけるエスポのルームメイトでもあり、彼女の風水推しはエスポ相手にも如何なく発揮されている模様。
エスポは最初こそ興味もない風水布教に辟易としていたものの、
リッキーが自分の言動を恐れず、自身の風水でより最高の走りをしてほしいという善意での行動と知ってからは、
なんやかんや付き合ってあげているなど良好な関係を築けているようである。
史実では世代がそこそこ離れているため対戦経験はないが、双方父親がゴールドアリュールという血統繋がり。
故郷苫小牧の活性化のためにロコドル活動に熱心なダートウマ娘の1人。
育成シナリオにおいてちびっ子ウマ娘の学園紹介イベントの案内役を任されており、エスポに協力を申し出てきたのだが、そんな面倒なことしてられるかとエスポはこれを拒否。
後日、イベントが始まるものの芝より注目度の低いダートがメインということでちびっ子たちの反応が芳しくない。
それに痺れを切らしたエスポが突如として乱入。裏の案内人として称してタルマエの走りが如何に凄いかを力強く解説するという流れに。
尚、一躍大人気となったタルマエは直前の反応の薄さから一転して驚きまくりだったものの、ちびっ子たちがオレンジ髪のお姉ちゃんのおかげと口にしたことですぐさまエスポが手助けしてくれたと思い至り感謝を述べていた。
史実では4世代下のライバルで、エスポの晩年期に上がり調子になってきたタルマエと激突。
エスポ側が不調だったこともありかしわ記念ではタルマエが勝利したものの、直後のマイルCS南部杯ですぐさまエスポにリベンジを果たされていたり。
本当の自分を見てもらいたくて足掻くモデルウマ娘に、デッカい夢を叶えるべく日本へとやってきた海外ウマ娘。
月に1度の寮内大掃除イベントで同じ班員として共演した他、タップとはシナリオ序盤にエスポが無理な自主トレをしていた際の併走相手としても登場。
絶対に食らってやるという熱意を好意的に見ながらも、タップの視点でもエスポが無理をしているのは明白で、それをトレーナーに伝えてもいた。
史実では冠名繋がりこそあるものの、活躍した年代も路線もバラバラなため直接的な繋がりは無い(ゴールドシチーはエスポの遠戚、タップは佐藤哲三主戦)。タップシナリオエンディングにおける『希望』
ご存知、ウマ娘界のダートの顔役として名高い砂のハヤブサにして最強可愛いウマドルのファル子。
実の所、エスポは今までファル子以外にいなかった08世代の初めての同期でもある。
そのためか、エスポのストーリー及びシナリオでは他のダートウマ娘たち以上にキーパーソンとして活躍しており、
上述の個別ストーリー序盤ではトレーナーの協力でエスポの併走トレーニング相手を担ったり、
育成シナリオ開始時にはトランと共にエスポのデビューをお祝いしつつ、自分も今年デビューすると告げてきたり、
更には皐月賞出走後に自分もエスポと同じダート路線へ本格的に転向することになると、
既にダートで結果を出しているエスポに対し、自身にダートの走り方を教えてほしいと頼み込んだ結果、
夏合宿中にマンツーマンでファル子とのトレーニングに臨むことになるなど様々。
その上で、敢えて芝からダートに転向して新たな世界で上を目指し続ける姿勢もまた、当初エスポが忌避していた「自分の弱さを認めること」でもあった。
そしてエスポもまたそんな葛藤を乗り越えて新たな強さを手にした先、帝王賞において両者は真っ向から激突することになる。
…とまあ、先輩世代で伝説的なダートウマ娘という立場の多かった今までから一転、
本当の意味での同期として登場したことで、久方ぶりに駆け出し時代からダート強豪に昇り詰めていくファル子の姿を堪能できた一方で、
やはりトレーナー諸氏の脳裏にはトランセンドやフリオーソのシナリオで登場した際の赤鬼の姿がちらついてしょうがなかっただろう。
…そしてサイゲは今回も、そんな不安と期待に全力で応えてくれた。
画像出典:ウマ娘 プリティーダービー「エスポワールシチー育成シナリオ 帝王賞パドック画面」
自重など全くするつもりのない赤鬼が三度登場。
スピード、パワー、根性のアベレージはS~SS、賢さはA+前後、一番低いスタミナもB+前後とぶっ飛んだステータスに加え、
「チャート急上昇!」「脱出術」「王道一途」の3つのレアスキルを筆頭にしたスキルも盛り沢山。
トランやフリオのシナリオ時と比べるとレアスキルの一つを終盤加速の「王道一途」に積み替えている上、遂に中距離適性Sまで搭載しているという更なる無慈悲ぶりを発揮。
過去2回の登場時よりも更なる強さを持って襲い掛かってくる強敵中の強敵である。
…と、大げさに表現はしてみたものの、ご存じの通りエスポ実装時点では第11の育成シナリオである無人島シナリオがもたらした超インフレによって育成環境が大幅にパワーアップしている。
なので相変わらず育成シナリオライバルらしからぬ数値なのは確かで王道一途や中距離適性Sといったパワーアップもあったものの、ステータス自体はトランシナリオやフリオシナリオの時とほぼ変わらないため、
帝王賞時点である程度の上振れを引いてスキルを揃えてしまえばこの怪物性能赤鬼ファル子に勝利するのもそこまで難しくないというのが実情だったりする。
インフレって怖いね。
ナメた追記・修正したらぶっ飛ばすかんなオラァ!
- 赤鬼ファル子はインフレはしてるから勝てる方ではあるものの、エスポの中距離が初期Bなのもあってかスキルは取らないと厳しいところはある(アプデでコンテ時にスキル習得出来るようになったので必要以上に目覚ましを溶かすことは無くなった -- 名無しさん (2025-09-23 21:53:47)
- 父親とトレーナーのモデルはやっぱ哲三さんかな -- 名無しさん (2025-09-23 21:59:48)
最終更新:2025年09月23日 23:36