ペシミマン(キン肉マン)

登録日:2025/09/23 Tue 18:58:03
更新日:2025/10/12 Sun 18:57:52
所要時間:約 5 分で読めます




笑える未来…か。もしもこの先それが理解できる日が来たら、オレは今日を思い出し心でお前に詫びるだろう

だがそんな日は永遠に来ない。オレに祝福を与えられるものなどどこにもいないのさ

生みの親である“刻の神”ですら…オレの空っぽな魂にはな


ペシミマンとは、漫画キン肉マン』に登場する超人。
某炭酸飲料イメージキャラクターと語感が似ているが、特に関係は無い。

  • 戦績
vsクロエウォーズマン○(ララミージャンゴ)


●概要

下天した刻の神から全宇宙を滅ぼす使命を与えられた時間超人の大幹部、超人強度1億パワーを誇る五大刻(ごたいこく)の一人。
黄昏(たそがれ)(こく)の二つ名を持つ、テンガロンハットをかぶりコートを羽織ったカウボーイ風の服装をしたロボ超人。

「黄昏」とは日没直後から完全に暗くなるまでの薄暗い時間帯であり、比喩表現として物事や人生の隆盛が終わり衰えていく様を示す言葉でもある。
五大刻の中では「夕方」の時間帯を示しているほか、世界を滅ぼうとする時間超人の中でも一際悲観的な彼の性格・思想を表現していると思われる。
そして「夕陽のガンマン」など、西部劇のタイトルとも縁が深い時間帯であることも、彼のキャラクター性とマッチしている。

恐らくは、名前の由来は悲観主義・厭世主義を意味するpessimism、及び悲観主義者を指すpessimistから。
“自虐的”と対訳される場合もあり、これは基本的に陽キャなのにやけに達観しているというか醒めている当人の性格にも反映されている。

●人物

口癖は「ニキニキ」なんJ民かな?
ロボ超人である自分達は他人に利用されるだけのオモチャでしかないと絶望し、さらに超人という種族自体が人間のような暮らしもできず地上でもがき苦しむ悲しい存在と考えている。
当然超人達を支配する神々のことも嫌っているが、その中では今の世界と超人の滅亡を目指す刻の神が一番マシな神であると考え従っている。

初登場時は無口でクールな印象が強かったものの、SKGBの拠点に移ってからは上述の口癖や意外なほどのハイテンションで暴れ回る様子からギャップが激しく読者の度肝を抜いた。
さらにウォーズマンが偽名として使ったクロエという名前*1を聞いて「女みてぇな名前だな」と口にして彼を怒らせるという、シリアスではあるが某出戻りの男のようなやり取りもあって半分ネタキャラのように扱われていた。

しかし試合が進む毎に彼の内面が明らかになっていき、正体がウォーズマンと判明した際には「間抜けにも程がある」と見抜けなかった自身の愚かさを自虐し、試合後の呟きからもその名に違わぬ悲しみを秘めた超人であることが判明する等、読者からの印象が二転三転している超人でもある。


●活躍

他の五大刻と同様、名前と姿を明かした後はパピヨンマンにバールベック遺跡の管理を任せ、他のマグネット・パワーの鉱脈へと向かう。
ペシミマンはソ連・シベリアのパトムスキー・クレーターの鉱脈に狙いを定め、同地を拠点とするSKGBのアンドロイド兵士・ソルダート(見た目は『Ⅱ世』でウォーズマンが扮していたクロエそのものであり、そのルーツと思われる)の軍団を圧倒的強さで殲滅していく。
そこにウォーズマンが扮したソルダートが出現、他の個体とは別格の実力や時間超人の終末思想に明確に異を唱える態度に興味を持ったペシミマンはリング上での対決を提案。
ウォーズマンがコワルスキー長官らを言いくるめた後、二人でパトムスキー・クレーターへと移動し、超古代の超人が競い合ったという円形闘技場リングを出現させる。

さすがにただの量産型兵士ではないことには早い段階で勘づいたようだが、正体が同じロボ超人のウォーズマンだと判明するとさらに強い関心を示し、彼を自分と同じ道に引き込もうとする。
対するウォーズマンは仲間達との戦いやオニキスマンの試練を経て見出したこの世の希望を、戦いを通じてペシミマンに伝えようと奮闘する。
超神の試練を乗り越えただけあってウォーズマンはペシミマンの1億パワーには怯まず立ち向かうが、硬度9のロープを駆使するペシミマンに追い詰められてしまう。

その様子を見ていたSKGBの長官達は実験と称してかつて密かにウォーズマンのコスチュームに潜ませていた最終戦闘モードである「ウォーズマンファイナルトランスフォーメーション」を遠隔操作で発動。
彼らはもはやウォーズマンの命に興味はないということで、ペシミマンを倒せたのならかつての反逆と脱走の罪を不問に付しても良いと一方的に告げる。
呪縛から解放されたつもりがなおもその残滓が自分の中にあったことを悲しむウォーズマンにペシミマンは共感の姿勢を示しつつ、その最大の力を自分に見せるよう促す。

強化された能力でペシミマンを追い詰めていくウォーズマンは自分の新たな力に恐れを抱くほどだったが、ペシミマンがロープを利用して全身をコーティングし硬度9に強化すると再び戦況が逆転。
フルパワーのスクリュー・ドライバー、エネルギー切れを見越して放ったパロ・スペシャルもペシミマンもろとも肉体を固められてしまったことで不発に終わり、「ララミージャンゴ」でKOされてしまう。
ついでに飛び散った針が突き刺さって長官もあっさり死んだ

試合の決着後、ペシミマンは上述のセリフを一人呟く。
ウォーズマンはペシミマンの心に何かを残すことができたのか…。

●能力

両腕にはカーボンファイバー製で硬度9を誇るロープが内蔵されており、ペシミマンが「投げ縄」とも表現するこの能力がカウボーイ超人としての特徴である。
また、投げ縄の能力を使えなくなる代わりに自分の全身を硬度9にコーティングして耐久力を高めたり、相手を固めて動きを封じるためにも利用できる。
1億パワーと硬度9を併せ持つため、数値的には9999万パワーかつ硬度10のザ・マンに次ぐ総合力の高さとも言えるか。
その他カポエィラのような、逆立ちからの回転蹴りも使う。
また貫かれたとはいえコーティング前の上着の防御力にもそれなりに自信を持っているのか、これでスケールベア・クローを防ごうとする素振りも見せていた。

必殺技

  • カンザスシティシュート
倒立状態から跳躍し、相手の後頭部に変則的な蹴りを見舞う。
カンザスは西部開拓時代の交通の要所で、南北戦争に繋がる紛争の最初の戦場になった地でもある。

  • ファイヤーバードガンスリンガー
両腕を勢い良く射出する、ロープ付き版のロケットパンチ
離れた相手を攻撃する以外に相手に両腕を掴まれた状態から逃れたり、レイジングブル・ギガスイングなどロープを相手に絡ませたりと汎用性の高い技。
このロープは上述の通りカーボンファイバー製の硬度9(サファイア)を誇るもので、ウォーズマンのベアークローでは断ち切れず逆に破損してしまう。

さらに両腕を上空に打ち出しロープから融解させた液を全身に纏うことで、ペシミマンの全身を硬度9に強化する切り札でもある。
コーティングした後はエネルギー切れでファイヤーバードガンスリンガーが使えなくなるものの、全身の液を密着した相手にも纏わせることで動きを封じられる。

  • ファイヤーバードゴーバック
ファイヤーバードガンスリンガーで捕らえた相手を自分のいる方に引き寄せる。

  • ワイルドバンチスープレックス
上述の技で捕らえた相手に対し、相手の背面からジャンプして放つクロスアーム・スープレックス。
相手の両腕をクロスさせることで受け身も封じている。

  • レイジングブル・ギガスイング
ファイヤーバードの長縄を相手の首に絡みつけ、ハンマー投げのように振り回すことでコーナーポストに連続して頭を打ち付ける。

  • ゴールドラッシュドライバー
ファイヤーバードガンスリンガーで捕らえた相手を宙に引っ張り上げ、空中でキャッチし頭部からリングに激突させる。

  • ウォンテッドツイスト
ファイヤーバードで拘束した相手の首を自分の片足で固定し、さらに相手の脚を掴んで放つ股裂き。
ゴールドラッシュドライバーから派生。

  • ララミージャンゴ
ハイキックで上空に蹴り飛ばした相手を追って跳躍、空中で背中合わせになり、相手の両足で両腕を挟み込む形で踏みつけることで両足と両腕の動きを封じる。
後ろ手に胴をホールドして逆さまに落下、コーナーポストに脳天を叩きつける。相手に纏わせた硬度9の全身コーティングが残らず砕け散るほどの威力。
技名の元ネタは西部劇「ララミー牧場」の舞台にもなった都市ララミーと、同じく西部劇である「荒野の用心棒」の主人公ジャンゴと思われる。


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最終更新:2025年10月12日 18:57

*1 両親は男ならニコライ、女ならクロエと名付けることを決めており、ウォーズマンにとっては大切な意味を持つ名前だった。同時にⅡ世の時点で読者間であった「クロエって女性名じゃね?」という今回のペシミマンと同様の疑問に対する解答となった。