ひとりぼっちの異世界攻略

登録日:2025/04/12 Sat 00:09:49
更新日:2025/06/11 Wed 18:29:57
所要時間:約 9 分で読めます




俺の“ぼっち道”

止まらない

ひとりぼっちの異世界攻略』は、五示正司によるライトノベル作品である。
2016年より「小説家になろう」にて連載。2017年にサイトの利用規約に抵触したため、続きはノクターンノベルズにて連載された*1
書籍版はオーバーラップ文庫より刊行されている。(既刊15巻)

略称は「ぼっち攻略


【概要】

小説家になろうに掲載された異世界ファンタジー小説。
召喚魔法に巻き込まれたクラスメイトたち。彼らはチートスキルや何らかに特化したスキルを得て勇んで異世界ライフに向かっていく中で、ぼっち生活を好む主人公は運悪く「売れ残り」のスキルしか得られず、これらをいかに組み合わせて有効活用しながらサバイバル同然の生活を生き延びていくかを描いている。

なお、なろう版における作者の概要欄によれば、主人公は名乗らないし、異世界の人々をはじめ名前を覚えないとされている。そのため、異世界転移されたクラスメイトに関しても、固有名詞が設定されていないキャラが多数であるし、主人公からの呼び名も「委員長」「ギャル」「オタク」「不良」といったもので括られていることが多い。
とは言え、ヒロイン格のキャラなどに関しては勿論名前が設定されている。

メディアミックスとしては、びび作画によるコミカライズ版が「コミックガルド」にて連載されている。
また2024年10月~12月にかけてテレビアニメ版が放映された。

【あらすじ】

高校生活をぼっちで過ごしていた遥は、
授業中に突然クラスメイトと共に異世界召喚に巻き込まれてしまう。

チートスキルが並ぶリストから好きなスキルを選んで神様から与えられる――
はずが、チートスキルは早い者勝ちで
既にめぼしいものはクラスメイトに取り尽くされていた!

神様の逆ギレで残ったバッドスキルを全て押し付けられた遥は、
スキル『ぼっち』のせいで、異世界でも孤独に冒険することに……。

チートに頼らず、チートを超えてやる――

最強”ぼっち”の
異世界HARDモード攻略譚、開幕!
(テレビアニメHPより引用)

【キャラクター】


キャラクターが多いので主要キャラ以外に関しては、グループごとでまとめて解説を行う。

(主人公)

・遥
CV:梅田修一朗
本作の主人公。
突如異世界転移に巻き込まれてしまった。他のクラスメイトより転移のタイミングが遅かったことから、売れ残りの見た目使えないスキルばかりを手に入れることになる。
これらのスキルを組み合わせて異世界を渡り歩いていく。
器用貧乏」のスキルを有していることから、スキルを組み合わせて多様な戦術・戦略を体得していくのだが、他のクラスメイトと比較するとレベルアップのスピードは遅め。これが仇となって、ギルドの冒険者登録が出来なかったことがある*2

本人はひとりぼっちでの異世界ライフを過ごしたいと願っているのだが、何かと厄介事に巻き込まれてしまうことやクラスメイト(主に委員長を始めとする女子)に頼られることが多く、思うような生活が出来ないことに歯がゆさを感じ、時に委員長の目を逃れて脱走することもあるが、何だかんだで放っておけない優しさがある*3
担当声優は遥について、一度会ったら忘れられないような一癖ある主人公と評している。

(主要人物)

・委員長/栗花落桃華
CV:白石晴香
本作のヒロイン。
文字通り、クラスの委員長。遥とは幼なじみでもある。
異世界召喚された後、クラスを率いてダンジョンを生き残ろうと奔走するが、癖者揃いのクラスメイト達に翻弄されたのと、極限状態のサバイバルライフに限界を感じた者が多かったため、不良グループを中心に内部分裂を招いてしまった。
そんな時に、遥と再会して委員長が率いていた女子たちと一丸になって、まずは街を目指すことになった。

強奪」という、殺した対象のスキルを自分のものにするスキルを有している。
しかし、安易に用いようとはしない。その優しさは遥も理解しており、委員長に対しては一定の信頼を持っている。反面、委員長からすれば脱走癖のある彼にヤキモキすることも多い。
また割と嫉妬深い。(遥を好いているため)

・甲冑委員長/アンジェリカ
CV:早見沙織
「最古の大迷宮」で「迷宮皇*4とされている。
元々は騎士の美少女で、迷宮の闇に囚われ迷宮皇になった。このため遥と出会って戦った際は、骸骨騎士の姿であった。遥が戦に勝利した後、「使役」スキルも相まって彼女を従えてダンジョンを進めた際に、迷宮で手に入れたアイテムの効果も相まって、元の姿を取り戻すことが出来た*5。なお、元の姿を取り戻したことを遥は最初気づいておらず、たまたま彼女と入浴する際に知った。

姿を取り戻した後は、遥を慕っていることもあってか、彼に付き従っている。
なお、元の姿を取り戻することはできたものの、長年声を出すことが出来ていなかったため、声を発することは苦手。
遥たちとのコミュニケーションもジェスチャーを交えて、か細い声で何とかというレベル。
逆にそれがマスコットっぽくて可愛いという声もある。

遥からも人一倍気にかけられており、唯一まともに名前で呼ばれている他ぼっち生活に戻る時も彼女は連れて行こうかと考えているほど。

(クラスメイトたち)

〇委員長グループ

委員長と共に行動している。
割と真面目なタイプの子が多く、男子ににらみを利かせていることが多い。
副委員長Cはツインテールが特徴的でクラスのマスコット的な存在である。

・副委員長A/天女目美桜
CV:阿部里果

・副委員長B/天方天恵
CV:高尾奏音

・副委員長C/一花此花
CV:髙橋麻里

〇ギャルグループ

文字通りおしゃれに事欠かないギャルたちのグループである。
不良たちがクラスの輪を乱し襲撃した件で、行き違いも多分にあるが、その原因はオタクグループにあると一方的に追い出してしまった。
そのことを悔いており、オタクたちに謝りたいから生きる術を教えて欲しいと遥に懇願した*6
遥は彼女らについて、ぼっちとは価値観が違う存在だとして当初から距離をとっていた。割とマイナス感情を持っていたのもあって、原作のなろう小説版では「ビッチグループ」と称された。
しかし、さすがに差別用語的側面が強く、印象が悪すぎるためか、アニメ版などでは上記の呼称になった*7

・ギャルリーダー/島崎若菜
CV:直田姫奈
元読モでファッション通。オタクたちを追放したことについて、人一倍気にしていたので、ドライな性格ではないと思われる。

・ギャルA/剣菱七架
CV:菅野真衣

・ギャルD/琴見月帆*8
CV:中島由貴

〇体育会系女子グループ

快活な女子が多いグループ。
女子のグループの中でも何かと騒ぎを起こすことが多い。
とりわけ裸族っ娘は何かあるごとに服がはだけてしまい、周りの女子たちをどぎまぎさせてしまう。
また、同じグループ所属のギョギョっ娘に関しては、不良グループの所業で男性恐怖症になっていたが、遥とかかわっていくうちに心を開くようになった。

・バレー部っ娘A/垪和花音
CV:岩橋由佳

・バレー部っ娘B/酒々井理都輝
CV:三川華月

・新体操部っ娘/香春浄美
CV:倉知玲鳳

・裸族っ娘/福貫凪紗*9
CV:指出毬亜

・ギョギョっ娘/千波千佳*10
CV:汐入あすか

・盾っ娘/蜜羽美和
CV:古木のぞみ

〇文化部女子グループ

委員長とともに行動している女子グループ。

・図書委員っ娘/姫祭実桜
CV:寺田晴名

・手芸部っ娘/桐野江彩星
CV:内田愛美

・料理部っ娘/蓬莱陽菜乃
CV:仲田ありさ

〇オタクグループ

アニメやライトノベルを通じて異世界ファンタジーやサバイバルの知識を有している。
異世界転移された後に、それで得た知識を通じてクラスメイトとサバイバル生活をけん引して信頼関係を気づいていたが、不良グループの襲撃により女子グループの男性不信が高まり、主にギャルグループから追放される憂き目を見てしまった。
しかし、その後も不良グループの動向を注視して女子たちを守っていたということから、クラス思いな面々であったことは間違いない。後にその事実をギャルグループが知り、自責の念に駆られることになる。
なお、各メンバーのオタク知識はアニメ・漫画・サバイバル・ミリタリーなど多岐に渡る。
ぼっちライフを好む遥も彼らとは転移前も話をしていたこともあり、関係は良好だった。

・オタA/小田達也
CV:夏目響平

・オタB/織田柊磨
CV:市川太一

・オタC/越田昴流
CV:岡野友佑

・オタD/秋ヶ原万尋
CV:徳留慎乃佑

〇脳筋莫迦体育会系グループ

文字通り運動部に所属しているが、遥は彼らとは縁が遠い存在だと思い、距離をとっていた。遥からの評価が低いのがあいまって、グループ名も「脳筋体育莫迦」と評されている。
しかし、不良集団からクラスを守るために奮闘するあたり、体育会系ならではの熱い一面もある。遥もそうした意図を察し、クラスの内乱解決と黒幕対決を買って出ることになる(最終的には、黒幕にやられて負傷したのもあり、遥が1人で向かうことになったが。)。

・脳筋莫迦A/柿崎晴臣
CV:峯田大夢

・脳筋莫迦B/八色伽耶斗
CV:濱健人

・脳筋莫迦C/夏秋黒鋼
CV:石谷春貴

・脳筋莫迦E/詩羽波晴哉*11
CV:岩村圭佑

〇不良グループ

文字通り不良たちのグループである。
当たり前だがぼっちの遥は彼らとはつるみたくないので、距離を置いている。
召喚後は、スキルを使い、クラスの女子たちを手籠めにしようとしたものの、オタクたちの機転で失敗。しかしこれが原因でクラス崩壊の原因を作ってしまう。
なお、こうした一連の悪巧みは裏で田中が仕組んでいたことであると発覚する。
最終的には彼に裏切られ、殺される憂き目にあってしまった。

・不良A/勝山獅央
CV:山口智広

・不良B/剣台綺星
CV:今井文也

・不良E/池坊桜史郎*12
CV:松岡洋平

・不良F/沼原雄大
CV:酒井広大

・田中
CV:葉山翔太
不良グループと共にしていた少年
気が弱そうな雰囲気をまとっており、不良たちからもパシリのように扱われていた。
しかし、実際は彼の持つ「まねっこ」のスキルを使い、委員長の「強奪」のスキルをコピーすることでクラスのスキルを奪い、完全な存在になろうとした。そのために裏で不良を操りクラス崩壊の原因を作った。
なお、用済みとみるや、不良たちやオタクグループ、体育会系グループ、遥以外の男子を殺害し、彼らのスキルもコピーしたという残忍かつ狡猾な一面を有している。これにより本来女子より多い男子が23人から10人に減り、チートスキルもドブに捨てられる形となってしまった。
遥と対決し、一時は優位に立つも、遥のスキルを組み合わせた芸当に翻弄され敗北。遥に倒された。
担当声優も遥と同じぼっちキャラでシンパシーがあるのかと思ったら、全く違う性質を持ったキャラに驚いたという。

(その他)

・メリメリ/メリエール・シム・オムイ
CV:大西亜玖璃
メリ父さんの娘である。
たまたま野盗に襲われていたところを遥に助けられた。
なお、当時遥は冒険者ギルドの登録がなされず、街(女生徒たち)から脱走を試みたさなかだったので、(知らなかったとはいえ)彼からオムイの街のことをDISられてしまったことに泣き出してしまった。
だからこそ、せめて街のいいところを知ってもらおうと頑張ってもてなした。

・メリ父さん/メロトーサム・シム・オムイ
CV:星野貴紀
オムイの街の領主。

・オフタ
CV:伊丸岡篤
遥と女子メンバーたちが森を出たあとに最初に出会った異世界人。
魔物に襲われていたところを遥に助けられ、オムイの街を案内した。

・ガテク
CV:山口翔平
オフタと同じパーティーに所属している。

・ギルド長/ハキエス
CV:稲田徹
オムイの街の冒険者ギルドのギルド長である。

【テレビアニメ版】

2024年10月~12月にかけてテレビアニメが放映された。
全12話。
原作でいうアンジェリカが元の身体を取り戻す話までの内容をアニメ化している。
公式サイトではクラスメイト達の本名なども記載されているだけでなく、(たとえモブのような扱いとされるとは言え)声優たちからのコメントも1人1人記載されているので、必見の価値がある。

アニメーション制作はハヤブサフィルム・パッショーネ。

OP:「ODD NUMBER」吉乃によるオープニングテーマ
ED:「ハローとグッパイ」鯨木によるエンディングテーマ。

追記・修正は異世界でぼっちライフを過ごしている時にお願いします。

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最終更新:2025年06月11日 18:29

*1 小説家になろう掲載時は、「~チートスキルは売り切れだった~」という副題が記載されていた。なお、なろうに掲載されていたものは現在も現存されている。

*2 冒険者登録には一定のレベルが必要

*3 本人としては気ままなぼっちライフに戻る為に頑張り、それが結果として人の役に立っているにすぎない。

*4 迷宮に潜む魔物たちを従える最上位種。迷宮皇の命令で魔物を「使役」することも可能である

*5 白銀の甲冑・祝福のバンドル・ネクロマンシーの宝玉・巡幸の指輪を遥が授けたのが要因

*6 なお、その際遥は意図せず「使役」スキルを発動させてしまい、犬のように従順になってしまい、遥は困惑してしまった事がある

*7 海外配信をする上でもネックになるという側面がある

*8 なろう原作ではギャルB・ギャルCもいるが、アニメでは割愛されているので本項目でも割愛する

*9 担当声優も名前からしてヤバ気な子ではないかと思い、最初は困惑したという。しかし、それが個性であり、数の多いアニメの中で存在感を出せると思っているという

*10 水泳部に所属しており、魚が好きという側面があり、ぎょぎょっ娘という名前の由来となっている

*11 脳筋莫迦Dも存在するがアニメ未登場

*12 不良C・不良Dもいるがアニメ未登場