灰流うらら(遊戯王OCG)

登録日:2018/07/10 (火曜日) 21:41:00
更新日:2022/01/08 Sat 15:35:03
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「増援発動!」

「うららで^^」

青眼の白龍切ってトレード・イン!」

「うららで^^」

「先攻1ターン目隣の芝刈りオラァ!」

「うららで^^」

「クリッター戦闘破壊されたんで効果使います」

「うららで^^」

「できません」

「え?」


【概要】

灰流うららとはカードゲーム遊戯王OCG」に登場するモンスターである。
収録パックは9期最後のパック『マキシマム・クライシス』

幽鬼うさぎから毎年冬のパックに収録されるレベル3チューナーの手札誘発。
シリーズの例にならい当然のようにスーパーレア。
後にこのシリーズは妖怪少女というモンスター群であることが判明している。
イラストは猫耳ででこっぱちと非常に可愛らしいもの…だが、そんな感想を吹き飛ばすほどカードとしての性能がえげつない。
昨今のOCGで当たり前の手札誘発シリーズの中で最強格、というより汎用性と言う意味では冗談抜きで全ての手札誘発の中でも最強と言っていい効果を持っている。
増殖するGがなんとか同格というくらい。


【効果】

チューナー・効果モンスター
星3/炎属性/アンデット族/攻 0/守1800
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):以下のいずれかの効果を含む魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、
このカードを手札から捨てて発動できる。
その効果を無効にする。
●デッキからカードを手札に加える効果
●デッキからモンスターを特殊召喚する効果
●デッキからカードを墓地へ送る効果

デッキを触る3種の行動にチェーンする形で手札から発動しその効果を無効にするカード。
効果に含まれていれば無効にできるのでデッキ以外に墓地からも特殊召喚ができる聖刻や、デッキからモンスターを特殊召喚できるか不確定な「名推理」なども止められる。
幽鬼うさぎと違ってフィールドからは発動できない代わりに、捨てられればどこに送られるかは指定されていないので、次元の裂け目などで除外される状況でも発動可能。
ただし 効果を無効にするだけで破壊はできない点 には注意が必要である。
とはいえ使い切りの魔法・罠であれば破壊できてなくても関係はない。
ついでに墓地で発動するものや既に表側になっている魔法・罠カードの効果の発動を止めることも可能。

「発動を無効」ではないのでダメージステップの発動は不可能。上記のクリッターのやりとりはそれによるもの。
これによる欠点はダメステの行動に干渉できない他にも、発動した事実は残してしまうのでそれをトリガーとするカードの発動を許してしまう。
ただし効果のみを無効にしているのは、1ターンに1度しか発動できないカードのそのターン中の再発動を防ぐことも可能なので、一概に欠点とも言えない*1
というか最近この制約のカードがそれなりにあるので大きい利点だったりもする。これといい何故かその制約外してるカード増えてきてるけど。

まず最初の「 デッキからカードを手札に加える効果」の無効。つまりドローとサーチカードの妨害。
「増援」「テラ・フォーミング」「貪欲な壷」などを無効にすることが可能。
効果を無効にしているだけなので「強欲で謙虚な壷」などの制約は適用されるし、「トレード・イン」「強欲で貪欲な壷」「左腕の代償」はコストを払っている為洒落にならない被害が出る。トレインとかは墓地肥やしも目的?知らんな
テーマ専用カードにも「エアーマン」「キャンディナ」「ソラエク」「ブリュ―ナクの影霊衣」なんかを止めることができる。
サーチカードはテーマデッキの生命線とも言える存在なのでそれらを止められるのは非常に強力。
ドローやサーチするか不確定なカードでも止められるため、このカードと同じぐらいの採用率を誇る「増殖するG」の対策としても使われる。
果てはデメリットとしてのドローを含む「皆既日蝕の書」すら止める。なんだこいつ…
正直止められるのはこれだけでも十分な気がするが後2つある。

次に「 デッキからモンスターを特殊召喚する効果」を止める。つまりデッキリクルート効果に対する妨害。
「深海のディーヴァ」「ローンファイア・ブロッサム」「ワン・フォー・ワン」「緊急テレポート」なんかが止まる。
今流行りの「水晶機巧-ハリファイバー」「サモン・ソーサレス」にも有効。
あくまでデッキからの特殊召喚のみなのでエクストラデッキからの特殊召喚は止められないため「簡易融合」やハリファイバーの(2)の効果は止まらない。
この手のカードは「ヒーローアライブ」や剣闘獣など大きめのコストや召喚権を使う事が多く、止められた場合の被害が大きいので、このカードの登場で使うのに慎重にならないといけなくなった。
ちなみに「マクロコスモス」の(1)の効果である「原始太陽ヘリオスを特殊召喚する効果」に対しても発動できるが、無効になるのはその効果だけで(2)の「墓地へ送られるカードは全て除外される効果」は無効にはならない。
この効果だけでも1つのカードとして作って十分使われるレベルではあるがさらに1つ効果がある。

最後に「 デッキからカードを墓地へ送る効果」を止める。これはそのまんま墓地肥やしに対する妨害。
「おろかな埋葬」「隣の芝刈り」「終末の騎士」「マスマティシャン」などが止まる。
影依融合」は相手の場にエクストラから特殊召喚されたモンスターがいない状況でも止められる。
あくまで止めるのは効果であるため「ジェネクス・ウンディーネ」「E・HERO プリズマー」「ヴォルカニック・バックショット」はコストで墓地へ送るため仕事をされてしまう。
ウンディーネはジェネコンを加える効果は阻止できるが、大半の場合は水属性を墓地へ送る方がメインのため、だからどうした程度になるだろう。
正直この効果1つだけのカードを作っても需要はあると思うが(ry


まとめると遊戯王の生命線となるサーチ・ドロー・リクルート・墓地肥し全て阻止するカード
しかも魔法・罠・モンスター効果と種別問わずに全てに対応できる。
ノーコストでこれといった発動条件や制約もないため非常に使い勝手が良い*2

更に非常に守備範囲が広くほぼ相手を選ばない
種族縛りの伴う「一族の結束」や「不死武士」「ミンゲイドラゴン」、対策カード候補の「禁止令」や「発禁令」「メンタルドレイン」を使うなど特別な理由が無ければ2枚以上、大抵フル投入確定な必須カードである。

あまりにも汎用性が高すぎたためか2018年4月のリミットレギュレーションにおいて準制限カードに指定された。
増殖するGの前例もあるので次の制限改訂で帰って来るんじゃないかと言われていたが次の改定では動きはなかった。
後述の通り増殖するGと違い、先攻時の相手の手札誘発(要は相手の増殖するG)を対策できてしまうことが理由だろうか。
2年後の20/04/01のリミットレギュレーションで再び緩和された。

前述の通りスーパーレアかつ再録時の入手難易度も高く、汎用性が非常に高い上に複数積み推奨という財布泣かせなスペックのため高額で取引されている。
現在はストラクで再録された後に、更に再録パックでばらまかれたためフル投入必須のカードなのに異様に手に入りにくい事は解消されている。
しかし、その汎用性故にストラクのノーマルとしてはかなりの高額で取引されている。
汎用性故の需要の高さにより何度か再録されても供給が追い付かず中々値段が下がらない状況が続いていたが、冬の再録パックで毎年収録されている状況が続き封入率も渋らなくなったため大分落ち着いた値段にはなった。
値段が落ち着くまで時間がかかったのは、パック再録の最初の頃は封入率が渋かった影響もあるかもしれない。


対策

デッキによっては1枚でそのターンの動きを完封されかねないモンスターであり、対策が必須。
しかしながら手札から飛んでくる性質上、止める手段は限られてくる。
代表的な対抗策は以下のとおり。

うらら登場直後に流行った対策。
先攻1ターン目からうららに対抗できるが、モンスターゾーンが空でないと発動できない。
ヴェーラーうさぎのように相手ターン中の防御手段としても使える。
逆にこれ自体が「デッキからモンスターを特殊召喚する効果」を含むためうららで止まってしまうが、破壊しないので手札に残り、ターン内の発動回数制限はないため再度発動の機会を伺う事ができる。
エアーマン等の召喚時のサーチ、特殊召喚が制限される「真紅眼融合」等は別の対策が必要になる。
色々あって現在は制限カードなので対策としては使い難くなった。

  • 天岩戸
レベル4・地属性岩石族スピリットモンスター
場にいる限り、つまりエンドフェイズまでスピリット以外のモンスターの効果発動を封じる。
召喚権を消費するのさえ構わなければ自分ターンでの相手からの妨害を封じやすい。

  • 禁止令/発禁令
「はるうらら」と宣言しとけば止めることができる。
禁止令は上記のγが使えないタイプのデッキでの採用率が高い。
ただし、自分も使えなくなるので注意が必要。
大分後に出た発禁令は通常魔法なので破壊されて効力を失う心配はないが、相手が使えないターンはそのターンのみかつ自分はそのデュエル中使えなくなるので採用は良く考える必要がある。

  • エクスチェンジ/異次元の指名者
手札確認しつつうららを封じられる。
エクスチェンジの場合は自分がうららの使用権を得ることもできる。

  • 墓穴の指名者/抹殺の指名者
手札誘発キラーの速攻魔法。
うららにチェーンし、捨てられたうららを除外することでそのまま無効化可能。
特に条件も無く、他の手札誘発も対策できる為、よく使われる対策といえる。
ただし、自分も次のターン終了時まで同名カードが使えなくなるため注意。
後に出た抹殺の指名者は効果が持続するのは発動したターンのみなので相手ターンにうららを投げて妨害することが可能だが、その代わりデッキのうららを除外する必要がある。
しかし、極端に初手にうららを引きすぎたという事でもない限りはこれが響く事がないため墓穴より使いやすい。
現在はどちらも準制限カードとなった。

  • メンタルドレイン
1000LP払って発動し、お互いの手札から発動するモンスター効果を封じる永続罠。
永続罠の宿命で発動が一手遅れ除去にも弱い。
また自分も手札誘発全般の恩恵が受けられなくなる。

  • 透破抜き
手札・墓地で発動したモンスターの効果を無効にし除外するカウンター罠。
メンタルドレインと違って使い切りだが、「ライフコストがない」「自分の手札誘発を縛らない」「墓地で発動する効果も無効にできる」といった利点がある。
ただし罠なのでやはり今の環境では遅いのが難点。

  • 神の通告
1500LPをコストにモンスター効果の発動、またはモンスターの特殊召喚を無効にし、そのカードを破壊するカウンター罠。
手札誘発のみならず汎用性の高い優秀なカード…だが罠なのでやっぱり(ry

  • プレイングレベルでの対策
うららは汎用性が高いが、「1ターンに1度しか使えない」という弱点を持つ。
ゆえに囮のカードを先に撃ってうららを使わせてから本命を安全に発動、というプレイングですり抜けることが可能。
この駆け引きがうららの評価が荒れる原因の一つでもある。
サーチ・リクルート手段が豊富なデッキでないとそもそもこの駆け引きすらやりようがないという話。

  • その他
汎用性や即効性で劣るが、他にも対策はある。
デッキ破壊ウイルス等の手札破壊で打たれる前に墓地に落としてしまってもいい。



評価

説明したとおり極めて高い汎用性を持つカード。程度の差はあるが、少なくとも構築段階で腐るような仮想敵はまずいない。
敵に回しても自分で使っても強力なカードで、必須扱いされる一方で規制すべきという声も未だに多い。
「握ったもの勝ち」は他の手札誘発にも言えることだが、このカードは無効にできる範囲が非常に広く、先手でも後手でも腐らないため、特にその印象が強くなる。

このカード、増殖するG同様必要悪で済まされるかと言われればそうとも言い切れない事情がある。
1つは後攻側が握れば先攻側への行動の妨害になるが、自分の動きを通しきって制圧した先攻側が後攻側に対するトドメにもなること。

最も問題となるのは先攻制圧を狙う側が後攻側が放った増殖するGを止めてしまう点。
現在は高速化が進み過ぎたため先攻1ターン目に好き放題を許してしまったらそのままソリティアによってそのまま殺されるか、返すのが困難な盤面を作られてしまうため手札誘発ゲーと言われている。
しかし最近は展開力が非常に高く、手数で踏み越えてくるため灰流うららでも1枚では足りず、他の手札誘発も投げてやっと止まるかという事も珍しくない。
増殖するGは1度通ってしまえば効果が残留する上に他の手札誘発を引いてくる可能性もあり、返しのターンで物量に任せて返すことも可能になるため非常に心強い存在…なのだがこれを灰流うららは止めてしまう。
悪い事は重なるもので、「墓穴の指名者」という手札誘発全般を止めてしまうカードが出てしまったので増殖するGがまともに通らないという本末転倒としか思えない事態が起きている。


まとめると、「うららがあるから先攻制圧を止められるけど、うららがあるから先攻制圧が止まらないということ。
矛盾しているようでどちらのパターンもよくあるので、どうしても賛否が分かれるカードになる。

とはいえ、一度規制された後に緩和されている事を鑑みると、必要悪であるというのがコナミの判断なのだろう。
展開カードのパワーが過激かつ、展開手段も多様化しているため、広い守備範囲を持つこのカードを前提にカードデザインが行われている可能性はある。
「相手ターン限定だったら丸く収まった」とはしばしば囁かれている



余談だが、このカードが登場した環境である【十二獣】の全盛期ではフル投入されないどころかメイン採用が見送られることもあった。
【十二獣】相手だと開局に撃っても普通に十二獣モンスターを出されて動かれる事もあるし、何より破壊をしてくれないので残ったら次のターンに使われてしまう。
モルモラットの同名特殊召喚効果も1回止めた所で重ねて再度使われてしまうので追いつかないし、ブルホーンを止めた所でエメラルや方合の墓地効果などでドローして手札補充はできてしまうのでどこに撃っても焼け石に水。
効果こそ止められないが直接破壊してしまう幽鬼うさぎの方が明確に効き目が見えていた。
更に【十二獣】が強すぎて環境は十二獣の無いデッキに当たることがかなり珍しく、ほぼ他のデッキを見る必要がないのも拍車をかけた。
ただ【十二獣】ミラーにおいて直撃すると非常に痛い増殖するGを回避できる為、そこを見ての採用と言う事はあったのだが。
登場直後の環境では意外に現在ほどの評価ではなかった灰流うららだが、この評価に甘んじてしまうのは後にも先にもこの環境ぐらいだとは思われる。


追記・修正は増殖するGをこれで止めて展開してエクストラリンクしてからでお願いします。

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最終更新:2022年01月08日 15:35

*1 1ターンに1度しか"使用"できないカードは発動を無効にされようが再利用できないという違いに注意

*2 決まった時の強力さで言えばPSYフレームシリーズの方が勝るがあちらは場にモンスターがいない時を発動条件とし「PSYフレーム・ドライバー」をデッキに入れる必要があるため、癖がありデッキは選ぶ。