ガンダム・シュバルゼッテ

登録日:2025/05/16 Fri 17:02:46
更新日:2025/05/18 Sun 10:06:55NEW!
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その高潔さが…傲慢さが…兄さんの罪だ!



ガンダム・シュバルゼッテ
GUNDAM SCHWARZETTE



ガンダム・シュバルゼッテとは、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』に登場するガンダムタイプ・モビルスーツの1機である。




性能諸元

型式番号 MDX-0003
所属 ジェターク・ヘビー・マシーナリー
開発 ジェターク・ヘビー・マシーナリー
シン・セー開発公社(技術供与)
生産形態 コンセプトモデル
頭頂高 18.7m
重量 73.3t
武装 多機能攻防プラットフォーム「ガーディアン」
腕部キャノン ×2
主なパイロット ラウダ・ニール




機体解説

ジェターク・ヘビー・マシーナリーがダリルバルデの後継機として開発していたMS。
元々はダリルバルデのAI制御を更に推し進めた機体として開発されていたが、操縦系統の技術的な問題を解決出来ず長らく凍結されていた。

だが、ガンダム・エアリアルの存在が明るみになった時期に当時のジェターク社CEOだったヴィム・ジェタークは密かにシン・セー開発公社のプロスペラと接触してGUNDフォーマット技術の供与を受けたことで開発が再開され、シュバルゼッテはGUND-ARM、「ガンダム・シュバルゼッテ」として新生したのであった。


機体の構成は従来のジェターク社製MSの意匠を強く引き継いだものだが、全身にGUND-ARMの特徴であるシェルユニットが配されている。
このシェルユニットは2社共同開発の為なのか、ルブリスやエアリアルと異なる紫とピンクのツートンに発光するのが特徴。
頭部もジェターク社系特有のバイザータイプからV字に生えたアンテナとデュアルアイのガンダムタイプ系に変更されたが、特徴的なリング状のアンテナは改修される前から備わっている。
なお、ガンダム特有の口元のスリットは縦向きに3本という珍しいものになっている。




武装


  • ガーディアン
シュバルゼッテの主兵装となる多目的攻防プラットフォーム。
詳しくは後述。


  • 腕部キャノン
両前腕部に内蔵された単装キャノン砲。正式名称不明。
6連シリンダーの回転式弾倉を持ち、劇中では大量の子弾に分裂するクラスター弾を発射した。


多目的攻防プラットフォーム「ガーディアン」

エアリアルのエスカッシャンを参考に開発されたシュバルゼッテの専用装備。
エスカッシャンと同じく複数のガンビットの集合体で、ビームブレイドを基礎に攻撃用4基と防御用2基の計6基のビットステイヴで構成されている。

  • ガーディアン・シース
基本形態。
ビームブレイドを中核にして各ビットステイヴを剣の鞘のように合体させた状態で、エアリアルのコンポジットガンビットシールドに相当するがあちらとは逆に攻撃に特化している。
大剣型ではあるものの刃が無いので切断力はないと思われるが、質量兵器として振り回す分には問題なさそうではある。

  • ガーディアン・マリオネット
本体各部のハードポイントにビットステイヴを合体させた形態。
ビットステイヴの戦闘能力を維持しつつ電力・推進剤の補給を行う。

劇中では収束レーザーを放つ際にバックパックへマント状に接続したり、接近戦の邪魔にならないようリアアーマーにX字に接続したりと状況に応じて接続部を変えられる。

  • ガーディアン・ドロウ
ビットステイヴを分離して遠隔スウォーム兵器攻撃端末として展開するオールレンジ攻撃形態。


  • 【主な機能】
  • ビームブレイド
ガーディアン・シース時の芯となる直刀型の接近戦用ビーム兵器。
ダリルバルデのガンブレイドと同じく実体剣の表面にビームを纏う実体・ビームの複合兵器だが、あちらに比べて機能は剣のみに限定されている。

  • ビームガトリング
攻撃ビットステイヴの先端に備わるビーム砲。
シース形態では側面の防御用ビットステイヴに内蔵されたフォアグリップを展開することで射撃を安定させることが可能。

シース形態だと単発のビームを短いスパンで発射するいかにも機関砲といった感じだが、ドロウ形態ではビームライフルのような火線が長めのビームに変化する。

  • オムニ・アジマス・レーザー
全ビットステイヴの出力を開放した全方位攻撃レーザー攻撃。
無数の火線をあらゆる方向に放射することが可能で、集中させて収束レーザーにもすることが出来る。

  • 電磁バリア
防御ビットステイヴからポイントバリアを発生させて機体を保護する。

ガーディアンのシェルユニットが時折緑に発光していたのはこれが発動していたかららしいが、劇中ではグエルが防戦一方だったので披露されなかった。




劇中での活躍

第18話にて初登場。
この時は開発が凍結された改装前の状態のまま放置されていたが、ヴィムの後を継いだグエルの実績作りの一環として「株式会社ガンダムとの共同開発」というプロスペラの提案に乗る形で開発が再開された。(ミオリネは難色を示していたが。)

その後しばらく目立った動きはなかったが、本格的な登場は第22話のラストから。
状況に振り回され続けた結果、とうとう怒りが爆発して全ての元凶をミオリネと断じたラウダが無断で搭乗、クワイエット・ゼロに乗り込まんとするミオリネ一行に突如として襲い掛かり、それを阻止しようとするグエルのディランザとの戦闘に突入した。
それまでラウダと殆ど関わりのなかったミオリネに対していきなり殺意を表したので視聴者目線だと「殺してやるぞミオリネ」状態だったが。

殺意の無いグエルに対して半ば錯乱したラウダは優位に立つが、弟の想いを受け止めたグエルは刺し違える寸前に刃を収めることを選び、ディランザを貫いてしまったことでラウダはようやく正気に戻った。
あわやグエルとヴィムの惨劇再び……となりかけたところに乱入したフェルシーの放った消化弾で最悪の展開は回避され、壮大な兄弟喧嘩は無事和解という形で幕を降ろした。


フェルシーの仲裁もあり兄弟喧嘩を終えた後は株式会社ガンダムの一行に合流してファラクトと共に格納庫で待機していたが、スレッタを触媒に極限まで高まったエアリアルのデータストームに呼応してファラクト共々無人のまま発進。
エアリアル、キャリバーン、ファラクトと共振してデータストーム領域を地球圏全域にまで拡大させ、現場の人間ごとクワイエット・ゼロを破壊せんとするL1惑星間レーザー送電システムILTSを停止させた。

そして、全ての役目を終えたシュバルゼッテは3機のガンダムやクワイエット・ゼロと共にパーメット粒子となって消えていったのであった。




ガンプラ

HG 1/144スケールとして発売。
当初は2023年6月に発売予定であったが、諸事情により7月に延期されての発売となった。

『水星の魔女』のキットらしくシェルユニット以外の色分け・可動は抜群。
カラーリングは白っぽく、設定画よりも劇中の印象に近い。
シェルユニットの発光/非発光の選択はホイルシール、ガーディアンはプラスチックシールで再現。
ガーディアンのプレイバリューは高く、劇中で見せたギミック・形態の再現は勿論のこと各部に3mm穴が配されているので劇中で見せた形態以外にも組み替えられることも出来る。
強いて弱点を挙げるならビームブレイドのエフェクトが劇中のようなブルーではなくデザイン準拠のピンク色な点。
これに関しては最終回OP映像やブルーレイ版でピンクに修正されていたので、TV版が彩色ミスだったと思われる。


後に「HYPER PLAMO Fes.2024」の限定品としてリサーキュレーションカラーVerが発売された。
こちらは真っ黒なカラーリングに紫の差し色で闇落ち感のある印象になっている。
ちなみにビームブレイドのエフェクトパーツは青となっているので、これを素のシュバルゼッテに移植すれば劇中再現可能。




余談


  • デザインは形部一平氏。
    エアリアルが盾のイメージなのに対してシュバルゼッテは剣のイメージでビットの仕様を決めたと語られている。
    シュバルゼッテ本体はフェイス部のスリットは髑髏の歯をイメージしていることが明かされており、骸骨など不吉なイメージが組み込まれていると推察出来る。

  • 名前に関してはドイツ語で黒、不吉を意味する「schwarz」と女性形を造る接尾辞「ette」で女性的な不吉、すなわち「魔女」を示唆していると思われる。
    決してシュバルツがTSしたわけではない。

  • シュバルゼッテの発表から実際にラウダが乗るまでに開示されていた情報が少なかった為、視聴者の間では一体誰がパイロットになるかの考察が盛んだったた。
    その中でも有力候補だったのは

    ・グエル説(ジェターク製MSの特徴が多かった、第20話でダリルバルデを失っていた)

    ・スレッタ説(名前が魔女を連想させる、第17話でエアリアルを取り上げられていた)

    ・ラウダ説(パーソナルマークが「剣と天秤」だったのでガーディアンとの関連性が疑われた)

    の3人だった。
    結果はラウダだったのだが、後にデザイン発注の時点ではグエル用の機体であったことがインタビューで明かされており、元々はダリルバルデのように赤いMSとなる予定だったようだ。







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最終更新:2025年05月18日 10:06