登録日:2024/10/26 Sat 00:22:00
更新日:2025/05/16 Fri 21:32:25
所要時間:約 4 分で読めます
型式番号:MD-0064
頭頂高:18.7m
重量:72.8t
製造:ジェターク社
パイロット
デザイナー:形部一平
概要
ジェターク社が開発した新型モビルスーツ。
第5世代実証機という側面があるためドローン兵器の搭載がされているのが特徴。
一方で
GUND-ARMに関する技術は一切採用されておらず、意思拡張AIを搭載している。
そのため
ガンダム・ファラクトとは対極の位置にあるといえよう。
特筆すべきは意思拡張AIを起点とする装備類の搭載と運用で、多数のドローン兵器をパイロットの負担無しで操作できる。
パーメットリンクで生じるデータストームの逆流という技術的に不安定さを持つGUND-ARMと比べてその点で優位性があるが、
簡単な陽動に引っかかるなど調整不足が原因でパイロットの補助どころか足を引っ張りかねない点では完成度に劣っている。
社のCEOであるヴィム・ジェタークはこの課題を理解しておらず、ダリルバルデの初戦ではグエルより技量で下回る程度のレベルでしかなかった。
機体名のダリルバルデは、ドイツ語で訳すと選ばれた最愛の人という意味になる。
父子の間柄こそ作中では良好に見えなかったが、父側からの細やかな想いが垣間見えるのかもしれない。
ちなみに武装名の多くはインド神話に出てくる神の名前から取られている。
武装
ビームバルカン
頭部に搭載された固定兵装。
同社製造のMSでは胸部に搭載される事が多い中、初の頭部搭載型となる。
ペレットマイン
膝部の突起部分であるニークラッシャーに搭載された小型の機雷。
8基搭載し、射出して敵機の足止めや広範囲の弾幕形成を可能とする。
シャクルクロウ
脚部をそのまま射出する有線式のクロ―。
敵機を掴んで拘束・電撃による電子機器やパイロットへの攻撃の他、掴んだまま振り回したり急接近する事も可能。
ビームジャベリン
単体では錨形のビームアンカーと鉤爪状のビームクナイとして、柄尻を連結する事で長柄のビームジャベリンとなる近接用武装。
エネルギーは腕部を介した機体直結方式を採用されているが、腕部が分離した状態でも発振を可能としていた。
イーシュヴァラ
通常のマニピュレーターがあるタイプAと、先端部にビーム砲/ビームサーベル兼用のデバイスを内蔵するタイプBがあるドローン兵器。
機体の前腕部を構成する事もあってか、基本は前腕部にタイプAを、バックパックにタイプBを装着し分離・合体をする。
意思拡張AIの補助もあってか4基全てを同時運用しながらも本体を操作するという芸当も可能。
アンビカ―
両肩部に装備された大型のシールド。
こちらもドローン兵器で、意思拡張AIの補助により、本体から分離して独自に防御行動を行える。
劇中の活躍
アニメ2話終盤で宇宙空間でテスト運用が行われた様子が描かれ、イーシュヴァラを用いた攻撃で2機のディランザを同時に破壊してみせた。
3話では
ガンダム・エアリアルとの再戦をする事となったグエル・ジェタークの乗機として登場。
ただし決闘当初はジェターク社CEOヴィムの意向により意思拡張AIによる自立制御が優先されており、グエルの操縦を無視した攻撃や回避をしてしまう。
その操作はグエルをして単純な陽動に引っかかってしまうほどチープなクオリティだったようだ。
自分のプライドを賭けた闘いという前提を台無しにされた苛立ちも相まって、終始やり切れない様子のグエルにヴィムはフロント内のスプリンクラーを作動。
これによりエアリアルのガンビットを含むビーム射撃は減衰し、射程の長さを活かせなくなった事で接近戦寄りタイプのダリルバルデにより優位な状況を作り出した。
しかしヴィムとの確執を隠せないグエルは意思拡張AIの制御を物理的に破壊。同時にスプリンクラーが停止し、ようやく互いの技量のみで決闘する事ができた。
この段階で
スレッタは「さっきより動きが良くなってる」と、知らずとはいえグエルの技量が意思拡張AIより勝っている事を評価している。
一時はシャクルクロウによる投げ飛ばしやサーベルによる攻防で互角に立ち回るが、スレッタのサーベルによる攻撃をブラフに使い、ボディプレスを直接頭部にぶつけるという荒業でブレードアンテナをへし折られ敗北してしまう。
その後は修理のためジェターク社に引き取られ、パイロットのグエルも色々あってジェターク関係者の前から姿を消してしまったため、以後の出番は無くなった。
と、思われていたのだが……。
プライドだけじゃ、スレッタ・マーキュリーには勝てないさ
アニメ2期の17話にて、紆余曲折を経てアスティカシア高等専門学園に戻ってきたグエル・ジェタークが、
ミオリネ・レンブランからの要請を受けスレッタへ決闘を申し出た際に再登場。
登場自体は2期OPで既に決まっていたが、当時はグエルの境遇が過酷過ぎたのもありパイロットの変更や演出のみだけなどの予想も絶えなかった。
ちなみに公式では名称上の変更は無いが、媒体によっては『改修型』『武装変更後』などが付く。
機体の追加・変更武装
コンポジット・アームズ
ビームジャベリンの代替武装として搭載された複合兵装。
通常のビームと散ビームの発射できる銃口を銃身に備えている他、折り畳み式の刀剣型ビーム兵器ガンブレイドを搭載している。
このガンブレイドは基部にビームガンを内蔵している他、展開する事でビームカタナという近接武装にもなる優れもの。
グスサー・イーシュヴァラ
既存のイーシュヴァラの内、タイプBの代わりに装備された武装。
基本運用は変わらないが先端部のデバイス形状が変更され、拘束ワイヤーを内蔵しており敵機にとりついて自爆する機能がある。
カラーリングは赤から黒に変更され、装備数も2基から4基に増加。それに伴いバックパックの形状もやや変更されている。
ダヤ・アンビカ―
アンビカ―に代わって装備された防御兵装。
形状が大型化し、表面のモールドもデザインが変更されている。
劇中で見る限りでは防御性能や補助ブースターとしての機能面も改修されている様子。
劇中での活躍
上記の通り、復学直後に再度の決闘を挑む事となったグエルのために、ジェターク寮生が全力を注いで用意していた。
問題視されていた意思拡張AIは最適化こそ進められていたものの、カミル・ケーシンクから聞かれた際には使用を決意している。
そうして始まった決闘。
だがコクピットに座った時点で
グエルのトラウマは克服されていない状態であり、絶不調状態からの開幕で右肩のシールド先端をエアリアル改に抉られてしまう。
更に不意打ちで接近しビームカタナによる勝機を狙えた場面でも、ヴィムを殺害した光景がフラッシュバックし動きが止まってしまい、次いで拡散ビームも明後日の方向に放ってしまう。
この様子は弟のラウダや地球寮などの第三者からも異変を感じ取られてしまい、ガンビットによる飽和射撃により前腕部とシールドを喪失。迎撃のために放ったペレットマインすら機体付近で起爆した事でむしろ自分を追い込んでしまい、その隙を突いたエアリアル改の接近を許し決闘の勝敗がついてしまいそうになるが―。
ラウダたちジェターク寮からの叱咤により遂にトラウマを克服したグエルの意思に応えるかのように、グスサー・イーシュヴァラが起動。
エアリアル改のビームサーベルを2基が受け止め、脇から1基が横薙ぎに斬りかかり本体に間合いを取る猶予を与えたのだった。
そして離れたダリルバルデはシャクルクロウで再度肉薄し、左腕を切断する大活躍をし始める。
だがこの時点でエアリアル改もオーバーライドを起動し、周囲に展開していたグスサー・イーシュヴァラ2基の制御を乗っ取られる。
そのまま左腕を、右脚をと次々に反撃を受け敗北も必死という状況だったのだが、ここで
身内からの裏切りによりエアリアル改が機能停止。その瞬間にブレードアンテナを切断し、満身創痍ではあるが
グエルが勝利した。
その後、20話ではプラント・クエタの騒動から続く一連のテロ行為の裏に、「スペーシアンからすべてを奪う」計画を進めていた
シャディクの存在があった事に気付いたグエルが捕獲のため搭乗。
グエルの動向を直前に悟っていたシャディクがミカエリスに乗って迎え撃ってくるが、相手は実戦仕様で挑んできたため出力差で苦戦してしまう。更にシャディクの助太刀に来た
サビーナのハインドリーも戦闘に加わって絶体絶命のピンチに。そして遂にビームブレイザーにより背後から胴体を撃ち抜かれてしまう。が...
前後して飛ばしていたグスサー・イーシュヴァラ4基の総攻撃でハインドリーとミカエリスの四肢を分断し無力化に成功。しかし機体はグエルの脱出直後に大爆発してしまい、ここで遂に喪失してしまった。
MS戦の結果から見るとミカエリスとは相討ちになったのだが、出力の違いや数的不利という大きなハンデを跳ね除けてシャディクの計画を阻止したという点において、この戦闘はグエル&ダリルバルデが漸く手にした正真正銘の大金星だと言えるだろう。
2022年12月にHG1/144で発売。
サーベルエフェクトに加え、各イーシュヴァラやアンビカ―の分離、シャクルクロウ射出状態の再現など本機がやっていたギミックの全てが再現可能。
色分けや可動域も十分でプレイバリューに富んだキットであり、相当に評価が高い。
装備変更後のキットは
プレミアムバンダイ限定の発売で、一般発売の本体と合わせて差し替える事で再現できる仕様。
特にダヤ・アンビカ―は稼働箇所が多く格納庫内などで見せた肩に装備したまま前面に展開するポーズも難なく行える。
ただし人気に反しなかなか再版されずその点だけファンからは不満点が多い。
ゲームでの活躍
2024年4月のアップデートで追加参戦。コストは2500。
仕様は二期のものとなっており、パイロットのグエルも短髪姿。
性能としては接近戦に強く調整されている万能機。射撃戦をしながら隙を見て格闘をねじ込んでいくスタイル。
射撃では後特殊射撃のペレットマインや特殊射撃のビームショットライフルといった引っ掛け武装が役立ち、後特殊格闘のアンビカ―を展開しての射撃ガード付き格闘や下格闘のシャクルクロウでトリッキーな技を仕掛けられる。更にサブ射撃のイーシュヴァラは自衛と始動のどちらでも扱える万能な武装である。
……のだが、如何せん足が遅い上に射程が短い武装で揃えられているため逃げ回る相手への選択肢が少なく、かといって自慢の接近戦も他と比較して特段強力なものでもない。2500コスト相応の強みとなる武装はペレットマインくらいで、それも味方への誤爆や迎撃による誘爆を考えると全幅の信頼は置けない。
一度強化は入ったが再評価に至るほどではなく、依然苦しい状況を強いられている。
余談だが、本ゲームの水星の魔女出典の機体は実戦仕様の出力になっており、ダリルバルデの場合はビームの色が緑からピンクに変更されている。
またリザルトポーズは通常勝利時はビームカタナ又はグスサー・イーシュヴァラを展開して決めポーズをするのだが、敗北時は3話でのエアリアル戦でのラスト、覚醒時の勝利ポーズは17話でのエアリアル改修型撃破時のシーンの再現がそれぞれなされており、勝っている時の方がより敗北時より一層機体がボロボロになっているというある意味でダリルバルデらしさが光る秀逸なものになっている。
水星の魔女枠としてエアリアルと共に参戦。プラモデル準拠のため1期仕様となっている。
近接武器はサーベルのビームクナイ、ランスのビームアンカー、ツインブレードのビームジャベリンの3種類。
OPスキルにビームバルカン、ペレットマイン、シャックルクロウ。
EXスキルにビームサーベル(乱舞)、イーシュヴァラA/B、アンビカー、オールレンジ攻撃
と基本的に全ての武装が使用可能になっている。
パーツ調整では頭部の角とバックパックを非表示にできる。
EXスキルは腕パーツに4種、バックパックに3種付いているが同一部位のスキルを同時併用出来ないという仕様の為、別々の部位で設定しなければ同時使用出来ないため注意する必要がある。特にイーシュヴァラAは両前腕を射出してしまうため装備している射撃武器・近接武器共に使用不可能になってしまう難点がある。長押しで回収できる為切り替え自体は容易。
EXスキルは軒並みコスト1(オールレンジは3種全部射出なのでコスト3)で使い勝手が良いと思いきや、いかんせん発売当初はファンネル系武装がほとんど攻撃をしない仕様だったため使い物にならない状態だった。本項目作成時点ではアップデートにより実用可能レベルに改善されている。
余談
「ダリル」と名の付くパイロットは
過去作品にも複数存在したがMSに「ダリル」の名を冠する機体としては初となった。
スレッタの台詞「逃げたら一つ、進めば二つ」に対する俗語として「奪えば全部!」というものがある...というか2期で実際にソフィやノレア、シャディクがスペーシアンから全てを奪おうとした。
上述したグエルの「奪うだけじゃ手に入らない」はこれに対するアンサーと言えよう。
何も分かっていないんだな……!
追記・修正だけじゃ……手に入らない!!
- ジェターク〜ジェターク〜野心の光〜 ジェターク〜ジェターク〜競合をつぶす 乗って!強い! 動いて!強い! やれる!壊せる!ダリルバル! -- 名無しさん (2024-10-26 00:57:38)
- 真っ二つになって爆散してもパイロット無傷で生還させるMSの誉れ -- 名無しさん (2024-10-26 01:07:21)
- ↑その名の由来の通り、あのお父ちゃんが慮って生存性高めにさせたんかな -- 名無しさん (2024-10-26 02:39:06)
- ギミック自体はあんまカッコよくないというか若干マヌケな感じにはなってるが、本編見るとかっこいいんだよね。ただプラモをかっこよく飾るのが難しい -- 名無しさん (2024-10-26 07:23:41)
- EXVSシリーズのダリルバルデのダメな点はなにより足が遅い事、武装の射程が短いのにその間合いを維持するのに苦労する -- 名無しさん (2024-10-26 07:47:45)
- サビーナが乗ってたのはベギルペンデじゃなくてハインドリーじゃなかった? -- 名無しさん (2024-10-26 07:58:28)
- パイロットのグエル共々鉄壁・底力持ってそう(スパロボ感) -- 名無しさん (2024-10-26 10:34:37)
- ガールズ全員シュトゥルムですらない普通のハインドリーだね -- 名無しさん (2024-10-26 10:37:34)
- 出会いこそ親父の横槍で最悪だったけど、そこから先はどんな時でもパイロットに応える最高の機体になったよね。やれガンダムだの別の人間内包してたりだのが横行する中で最新鋭でこそあれただのMSでパイロット共々最後まで走り抜けた最高の機体って印象だったんだけど、この項目見てダリルバルデの名前の意味を知ってさらに好きになった -- 名無しさん (2024-10-26 12:58:16)
- ↑2,4 指摘ありがとう -- 名無しさん (2024-10-26 15:02:10)
- 名誉ガンダムって言おうとしたけどガンダムがほぼ罵倒用語だったわあの世界 -- 名無しさん (2024-10-26 15:27:58)
- ppa -- 名無しさん (2024-10-27 22:06:03)
- ミス っぱジェターク社よ -- 名無しさん (2024-10-27 22:06:18)
- 初期と後期揃えたいからプラモ2個買ったわ -- 名無しさん (2024-10-28 11:02:52)
- 今まで記事が作られてなかったのが意外だった -- 名無しさん (2024-10-28 12:17:31)
- 糞脚本製造機 -- 名無しさん (2024-10-28 18:09:38)
- 真の主人公機 -- 名無しさん (2024-10-28 21:58:23)
- たくさんの名勝負を繰り広げた良機体。ポテンシャルを引き出したグエルの操縦もお見事! -- 名無しさん (2025-05-16 21:32:25)
最終更新:2025年05月16日 21:32