海馬剛三郎(削除審議中:無許可の分割項目)

登録日:2025/05/23 Fri 12:00:00
更新日:2025/05/25 Sun 12:52:34NEW!
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CV:石塚運昇(東映版)、小村哲生(DM)

「槍を向ける父親」
遊戯王の登場人物。原作では回想のみの登場
海馬瀬人海馬モクバの養父。
海馬コーポレーションの先代社長で、経営者としては優秀だった模様。チェスの名手でもある*1

瀬人にチェスで負けたことで彼ら兄弟を養子としたが、その後は自らの後継者とするべく瀬人に碌な睡眠すら取らせない虐待同然の英才教育を施した。
ただし瀬人はイカサマ*2で勝利しており、それを見抜いたうえで自らにイカサマを仕掛ける度胸(イカサマ自体は早々に見破っていたらしい)と胆力を見込み、アニメ版と違い後を継がせる気だったのは本当である。
大企業経営者の跡継ぎになったならそれに相応しいように厳しく教育されること自体は当然と言え、その点に関してはモクバに楽をさせたいと思うあまりに自分に無頓着過ぎた瀬人の詰めの甘さと言えなくもないものの、剛三郎の教育「方針」はまだしも教育「手段」が常軌を逸していたのは事実である。
おまけに瀬人がゲーム産業用に開発したバーチャルシステムも彼に無断で軍事シミュレータ――戦争の道具として売り捌くなど人格は冷酷非情。
この所業によって瀬人は『父』としての剛三郎を見限り、次第に『巨大な敵』に育った瀬人に全てを奪われた。
……が、彼は敗者の習わしと称しビルから飛び降り自らの命を断つ行動に出る。そのせいで息子の攻撃性は多方面に向かうこととなった…*3

アニメDMでのオリジナルエピソード「乃亜編」では実の息子である海馬乃亜が登場。
彼にも英才教育を施しつつも剛三郎なりに優しさを向けており、乃亜自身も彼の期待に応えようと努力を重ねていたのだが交通事故で夭折、
簡単に死なれては困るという理由で本来は軍事用のシミュレーターで電子上の存在として蘇生させたが更に人間の心を失っていく彼を見捨てるなど身勝手な愛し方をしており、当初は乃亜の更なる成長の為の競争相手ないし噛ませ犬と思われた瀬人も実際には乃亜の『器』(新しい体)として引き取っただけだった。
それを聞いた杏子には「とてもまともな人間の考える事じゃない」、闇遊戯からは「海馬が憎むのも尤も」と不快感を通り越して完全にドン引きしていた。

また当初は義理と言えども父である剛三郎に一定の親愛を持っていた瀬人が次第に彼を憎むようになって行った過程も補強されている。
剛三郎は「KCの社長は世界に君臨する王でなければならない」「KCは軍需産業により世界を支配する」という強固な思想を持っており、瀬人に再三に渡ってこれを押し付けると共に「恵まれない子供達が心置きなく遊べる遊園地『海馬ランド』を立ち上げたい」「ゲームは疲れた心に安らぎを与えてくれる」という彼の夢や理想を一切認めず、あまつさえ海馬兄弟が所持していたゲーム*4を一時全て没収するという手に出た。
更にバーチャルシミュレーターを無断利用した件で激怒した瀬人から「あれはゲームを楽しむための平和的な技術だった」と抗議されるも「下らん、ゲームなど男子一生の仕事に非ず!」と吐き捨て社長室から摘まみ出し、それ以降彼は社を乗っ取る事を決意したと共に剛三郎を父と呼ぶことはなくなったと語られている。
剛三郎が何故ここまでアミューズメント産業を蔑視していたのかまでは語られておらず不明。
10万ドルもの賞金付き大会を含め何度も世界大会を制覇している名チェスプレイヤーなので剛三郎自身下手なゲーマーより余程「ゲーム」をやりこんでいる筈であり、またそれ故に現代より遥かに認知度が低かった当時ですら「プロゲーマー」に理解がある方が自然に思える立場だが、
それでもゲームはあくまで「遊び」と捉えていたのか、「兵器=他人を屈服させる実力=兵器産業は一番『強い』職業」という単純な図式を妄信していたのか……。
いずれにせよ、まさか後にカードゲームが世界の命運を分けたり、数十年後世界のあらゆる事がデュエルで決められるようになるとは思っていなかったようだ。

こちらではデータ上の人格のコピーとはいえ本人も登場。瀬人とはデュエルで決着をつけることとなる。
なお、アニメDMではチェスの勝負は手加減をしていたことを示唆している。
DMでの瀬人はイカサマではなく、剛三郎の戦術を徹底研究しており、自らに挑んできた瀬人を見て「いい目をしている」と言った所から自らに声をかけた度胸と上述の目的で乃亜に瓜二つな容姿を見て引き取るつもりだったようでもある。
また、死因も自殺ではなく瀬人に株主総会で負けた後、失意のうちでの病死となっている。

デュエル面では瀬人が遊戯のエクゾディアに敗北した過去をリサーチしており、その繋がりでエクゾディアパーツを僕に送ることを召喚条件とする《エクゾディア・ネクロス》を使い瀬人を追い詰めていた。
しかし、ネクロス召喚後はひたすらその性能に任せてゴリ押ししており、瀬人からは「強力なモンスターのみに頼った愚かな脆いデュエル」とまでこき下ろされた上で敗北を喫する。
このため乃亜編のラスボスとはいえデュエル技能については乃亜はもとより一部のBIG5より低いかもしれない。

「ドーマ編」ではさすがに登場しないものの、KCが開発した兵器が実際に戦争で使われた描写があり、それによってKCを憎んだドーマ三銃士のアメルダによって瀬人が目の仇にされているほか、「KCグランプリ編」ではシュナイダー社との因縁が続いてしまったことで、会社の命運を賭けたイベントの妨害を食らうなど負の遺産を残し続けている。
どれも企業として活動した結果なので剛三郎本人には非はないものの、両者とも剛三郎を憎んでいる瀬人にとっては逆恨みもいいところである。

東映版では死亡しておらず、なんなら海馬コーポレーション*5社長として現役であった。
作中では海外出張しており、日本の本社を瀬人に任せる形であったのだが、海馬ランド完成前後に帰国。
業績悪化などを理由に瀬人を重役から降ろそうとするが、逆に会社を乗っ取られていることに驚愕して気絶(あるいはショック死?)して以降出番はない。
こちらでも、虐待レベルの英才教育をしていたらしいが他の作品とは違って瀬人に慕われる程の人格とゲームの腕前を持つ教育係*6をつけたり、瀬人を降ろそうとした理由も正当性のあるものため、他メディアよりはマシである。
もっとも東映版瀬人は彼よりも件の教育係である大門の方を父親として尊敬してそうである






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最終更新:2025年05月25日 12:52

*1 名前から三男の可能性が高いが、海馬コーポレーションの危機や経営者の交代が起こっても彼の兄弟が姿を現さない事と剛三郎の冷徹ぶりから察するに、後継者争いに敗北して追放されたか破滅に追いやられたのかもしれない。

*2 完全に運が絡まず、盤面だけで勝負するチェスのイカサマとはなんぞや?と思うかもしれないが、文庫版の後書きにて語られている。要約するとモクバを使って剛三郎の手を固定化させ、どうあがいても引き分けか自身の負けかに追い込ませた

*3 剛三郎の自殺を見て瀬人はほくそ笑んでいるが、内心では「敗北=死」というトラウマを植え付けられ、さらに『敵』がいなくなったことで心の中に空虚を抱えてしまった

*4 孤児院出身ということもあろうが、囲碁・将棋・チェス・バックギャモンとアナログゲームばかりである。

*5 本作では最初からゲーム産業の会社。そもそも元軍事産業であったという設定が出てくる前の作品だった

*6 DMでも参謀などを兼ねた側近である大門をつけられているが、メンタルケア等とは無縁の関係性であった