アットウィキロゴ

ヨルムンガンド

登録日:2011/11/13 Sun 21:28:33
更新日:2026/06/06 Sat 21:04:02
所要時間:約 3 分で読めます





※高橋慶太郎の漫画作品についてはこちらを参照。


ヨルムンガンド(古ノルド語:Jörmungandr)とは、北欧神話に登場する世界蛇。
別名ミドガルズオルム、ミズガルズ蛇。また表記揺れで「ヨルムンガルド」とも。


概要

ロキが女巨人アンクルボザとの間にもうけた三体の内の第二子。ロキの子供達の一人。
名前は「巨大な杖」の意。事実兄妹の中でも飛び抜けて巨大で、大きさは神話最大といえる。

最初はヨトゥンヘイム(霜と丘の巨人の国)で育てられていたが、その存在を危険視したオーディンにミドガルズ(人間界)のに捨てられてしまう。
だが、ヨルムンガンドの方はそのまま海底で成長を続け、遂にはミドガルズをぐるりと取り囲んで有り余るまでに巨大化し、自身の尻尾をくわえる。

そしてラグナロクの訪れに応じて目覚め、陸に這い上がり神々と戦う。
最後はトールミョルニルに頭をかち割られるが、神々を殺すでトールを殺し実質相打ちに持ち込む。


「海底に潜み、自分の尻尾をくわえて環を作る巨大な」というモチーフには、旧約聖書で語られるレヴィアタンや、錬金術のシンボルとしても知られるウロボロスとの共通点を指摘する声もある。


トールとの因縁

ヨルムンガンドは普段海底で静かに過ごしているが、トールとはしょっちゅうすったもんだしている。


二人(?)の事実上の初邂逅は、巨人王ウートガルザ・ロキの宮殿。
ある時、トールはロキや従者のシアールフィ、レスクヴァを引き連れて、巨人の国・ウートガルドへと向かっていた。
その道中で遭遇したスクリューミルという巨人と一悶着あり、ミョルニルで三度頭を殴るもかすり傷すら与えられなかった。
ウートガルドに着き、王の宮殿を訪れたトール一行は巨人たちと様々な勝負をすることになったが、ことごとく敗れてしまう。
しまいにはウートガルザ・ロキの「そこのを持ち上げて、脚を地面から離してみなよ」という課題に対しても、猫の胴が伸びるだけで持ち上げることはできなかった。
実は一連の出来事はウートガルザ・ロキが見せた幻術。スクリューミルは巨人王本人であり、トールが巨人の頭だと思って殴ったのもただの山。
猫もその正体はヨルムンガンドで、最初から持ち上げるなど到底不可能だったのだ。
しかし、失敗したとはいえヨルムンガンドをわずかでも持ち上げたという結果は、ウートガルザ・ロキを少なからず驚かせたという。


直接の遭遇は、トールが巨人ヒュミルに「釣りにでも行こう」と誘われた時。
釣竿に大物の気配を感じ、引き揚げたらそれは魚ではなく世界蛇。トールは渾身の力でヨルムンガンドを船上まで引きずり上げると、とどめを刺さんとミョルニルを振り上げる。
そのあまりの凄まじさに恐れおののいていたヒュミルだったが、船を壊されてはかなわんと釣り糸を切ってしまい、ヨルムンガンドは再び海中へと逃げていった。
そして激闘に水を差され、獲物も逃してしまった形となったトールはブチ切れてヒュミルを叩きのめしたのだった。


三回目は上述した、ラグナロクにおける終末。
神々の黄昏に呼応して海から這い出ると、それによって引き起こされた大津波は大地を洗い流し、吐き出す毒は天を覆う。
そして因縁の相手であるトールと対峙。壮絶な戦いの末、ミョルニルで頭を叩き割られ致命傷を負った。
しかし最期の力を振り絞って猛毒を吐き出すと、それを浴びたトールは9歩退いた後に絶命したという。


こうして考えると、オーディンに捨てられ、トールに振り回され、結構不遇な生涯だったと言えなくもない。
ただ、トールというアフラ・マズダゼウスなどと同一視されることもある神をも殺した、北欧神話最強クラスの存在として結果を残した。



追記・修正お願いします

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2026年06月06日 21:04