登録日:2010/12/29 Wed 15:54:03
更新日:2025/07/14 Mon 09:43:08
所要時間:約 10 分で読めます
「俺ァ…夢、盗まれたからな。取り返しに行かにゃあ」
「夢、ってのは女の事か?」
「じぃっさいクラシックだよ、お前って奴ァ」
ルパンvs複製人間――
世界史をぬりかえる
のはどっちだ!?
製作費5億、世界初の
アニメビジョン方式を駆使して描く
劇場用新作!
アニメーションの本格派がやってきた!
『ルパン三世 ルパンVS複製人間』とは、1978年に12月に公開されたアニメ映画である。
概要
劇場版『ルパン三世』の記念すべき第一作であり、
テレビ第2シリーズの好評を受けて企画・制作された。
脚本は大和屋竺・吉川惣司の2名だが、大和屋は名義貸しのような扱いで、大半を吉川が担当している。
テレビ第1シリーズを意識した「大人向け」の作品であり、ハードな作風。
息をつかせぬ展開の連続、ルパンらしい超設定、そして敵役のマモーの強烈なキャラなどが今なお人気の高い作品。
興行収入は10億円と、当時のアニメ映画としては異例の大ヒットを記録した。
劇場版第二作「
カリオストロの城」とは良い意味で対照的で、「好きなルパン映画は?」との質問には大体この2作品が上がり、共に
金曜ロードショー再放送の常連となっている。
主題歌は三波春夫が歌う「ルパン音頭」で、初めて聴く人は面食らうこと間違いなし。
その面食らったうちの1人に今作の監督・吉川惣司がおり、エンディングに採用されることを知らされていなかった当初は降板騒ぎにまでなったそう。
作詞を担当したのは、原作者であるモンキー・パンチ。
歌詞に「自由の女神を盗み取れ」とあるが、後のTVSP『バイバイ・リバティー・危機一発!』で本当に盗み取った。
あらすじ
一人の怪盗が処刑された――
厳密かつ厳正な解剖の結果、死亡した男はルパン三世本人であると断定された。
だ が そ れ を 信 じ よ う と し な い 男 が い た ・ ・ ・
我らが銭形警部である。事の真相を探るべく、ルパンが眠るドラキュラ城へと向かった銭形。その眼前に、いつもと変わらないおどけた調子のルパンが現れた。しかしルパン本人もこの事態に困惑しているらしく、銭形をおちょくったのち風のごとく消え去った。
その後ルパン・次元・五ヱ門は不二子の依頼でエジプトのピラミッドから「
賢者の石」を盗み出す。
不二子もまた賢者の石の入手を何物かに依頼されており、不二子の依頼主と賢者の石に不信を抱いたルパンは石の受け渡しを拒否。
これを発端にルパン達は不二子の依頼主である謎の男「マモー」と、大国をも巻き込んで対決する事に……。
果たしてマモーとは何者なのか?謎の敵にルパンはどう立ち向かうのか?
そして、ルパン三世が処刑された謎の真相とは…?
主要登場人物
「長生きしたってロクなこたぁねぇぜ。父っちゃん坊や」
CV:山田康雄
ご存知・天才的アクションに生きる男。
この作品は彼の人間性に迫った作品とも言える。
また、不二子に対しては強い愛や執着を見せているのも本作のルパンの特徴である。
冒頭で処刑されたはずだが…?
劇中では、マモーの機械を通じて彼の精神にまで踏み込まれた。
表層部分では浮かんでくるのは流行りのお菓子、喚く銭形、すっぽんぽんの不二子、
そしてチョメチョメのことばかりとメチャクチャくだらないものばかりで、マモーも嘲笑していた。逆に言えば薄汚い野望や権力への固執などが全くないとも言えるが……。
が、そこからより深層意識に踏み込んだところ、彼の根底にある精神が
「無」であることが分かってしまう。
マモー曰く「空間、虚無」「
夢を見ない」「白痴の、あるいは
神の意識」。
自身を神だと思い上がっていたマモーも相手が完全に無心の境地に到っていることには驚愕し、いきなり殺そうとしたほどの衝撃を受けた。
神を自称し、ありとあらゆる不思議な力をもって自らの超常性を立証しようとするマモーとは対照的に、本作のルパンは超のつく現実主義者。
かつて「魔術師と呼ばれた」ある男と対決した経験も相まって、マモーの仕掛ける超常現象をことごとく「科学に裏打ちされたトリック」だと看破する。
上記の「夢を見ない」深層意識も、こうした性格ゆえなのかもしれない。
テレビシリーズとは異なる独特なキャラクターデザインであり、通称「馬面ルパン」。
この顔が細長いデザインは椛島義夫によって新たに描き起こされたもの。
後に開始したTVスペシャルの初期作品は、本作への
オマージュを込めてこのデザインがキャラデザ・総作画監督を担当した古瀬登によって採用された。
古瀬氏は今作に原画として参加している経歴を持つ。
今でこそルパンの顔が作品ごとにコロコロ変わるのはもはや驚くような事ではないが、人気の2ndシリーズ放送当時の1978年にこのデザインを採用したのは制作陣の「攻めの姿勢」を見て取れる。
服装は赤いジャケットの黄色いネクタイという、当時放送中だった2ndシリーズとは微妙に異なる出で立ち。
シャツとパンツは1st同様黒で統一されているため、1stルパンをジャケットだけ赤に変えた感じ。
後年のTVスペシャル作品や広告などの版権イラストでは、ほぼ全てこの服装で描かれている。
一般的に「ルパン三世」と言ったらこの衣装を思い浮かべる人は多い。2014年の実写版も基本は今作と同様のファッション。
愛車は2ndシリーズのアルファロメオではなく、1stシリーズ以来6年ぶりにベンツSSKを乗り回している。カラーリングは車体がオレンジ、フェンダーはワインレッドとド派手。
「返してもらいに来たぜ?色々となぁ!」
「ルパン、これもみんなあなたのためなのよ」
CV:増山江威子
ご存知・謎の女。ゲストヒロインが必ず出る近年のルパン作品を見慣れているともはや珍しい、紅一点の堂々たる
ヒロイン。
キャラデザは同時期に放送されていた
TVアニメ2ndシリーズと異なる。
どちらかといえば原作およびパイロットフィルムにかなり寄せたキャラクターデザインになっているのが特徴。
今作では黒のライダースーツに加え、ピンクの襟付きのブラトップとスキニーのセットアップ(ピンクのビキニトップとレギンス)で過ごすなど作中での服の着替えが多い。
後の作品の派手なアクションや
マシンガン乱れ撃ちなどはしない。
寧ろ2人の男を魅了し、ルパンを手玉に取るなどの魔性の「女」を感じさせるシーンが多い。
一方、他の作品よりも分かりやすくルパンへの想いや愛情を見せている。
だが彼女の存在がルパンと次元・五ェ門との間で確執を生んでしまうなど、トラブルメーカーとしての特徴も全面にでている。
もっとも次元にマモーの本拠地のヒントを託すなど、全く彼らに仲間意識がない訳ではない。
序盤の
シャワーシーンや、ルパンの脳内イメージでは全裸を披露。
終盤では服を捲られおっぱいを丸出しにされた挙句に乳首を押されるシーンなど、
非常にエロいシーンが多い。
不二子の初登場シーンから全裸でベッドに横たわっており、マモーの呼びかけに渋々といった様子でしっかりおっぱいを晒しながら上半身を起こす。
続くシャワーシーンではまるでおっぱいを強調するかのようなポーズでシャワーを浴びており、惜しげもなく裸体を晒していくスタイルにマモーもまるで美の女神と絶賛。
しかし不二子は声の発生源を見つけ出す事が目的であり、シャワーが止まると同時に鏡を叩き割るもそこにはマイクとカメラが置いてあるだけ。
不二子は八つ当たり気味にカメラを浴槽へ投げ捨てた。
マモーの高笑いが響く中、浴室を出た不二子は裸の上から直接ライダースーツを着込むとハーレーに乗るのだった。
お風呂退出時はしっかりお尻が、ライダースーツのファスナーを上げる時は乳首がばっちり見えます
中盤のアジトにてルパン一行と合流するボロボロの不二子。
ヘマをしてフリンチに殺されかけたと訴える不二子だが、奴がサディストと聞いた瞬間ルパンの脳内に溢れ出した存在しない記憶……
薄暗い部屋にて両手足を鎖で繋がれてX字に吊るされた不二子、鞭を手にしたフリンチが下卑な笑い声とともにその背中に何度も叩きつけていく。
鞭で打たれる度に不二子は呻きながら髪を振り乱して甚振られていき、幾度も鞭で打たれたライダースーツはついに引き裂かれる。
そして色白な背中と引き締まったお尻が露わになるのだった。一緒に露わになった不二子のヴィーナスのえくぼがかなりセクシー
マモーを撃破した直後、ロケット発射の余波でボロボロになったルパンと不二子であるがいい雰囲気に。
外野で騒いでいる銭形警部を尻目に口づけを交わそうとするも、その直前ルパンは不二子の上着を捲っておっぱいを晒すと乳首をポチッと押すのであった。
なんの因果か同時に米ソ双方の弾道ミサイルの発射ボタンも押されており……
そしてこのシーンだけは意地でもカットしない金曜ロードショーの執念
愛車はピンクのハーレーと真っ赤なオースチン・ミニクーパー。
ミニはルパンに逃走用にと強奪されるのだが、その際の不二子の台詞は必見。
「長ぇこと、モンローとハンフリー・ボガートのファンだったが……今日限りだぃ!」
CV:小林清志
「帽子がトレードマーク」のご存知・ルパンの相棒。ルパンやマモーと比べ、普通の感性の持ち主。
だが不二子の度重なる裏切り行為に堪忍袋の緒が切れて、意見が対立したルパンと喧嘩別れをしてしまう。
以降のシリーズに比べてあからさまに不二子を毛嫌いしており、ほとんど「女」としか呼ばない。
終盤でのルパンとのやり取り(本記事の冒頭のセリフ)はルパン屈指の名シーン。
何だかんだでルパンの危機を見過ごせずに駆け付け、一度はマモーを射殺するが…?
ちなみに今作では一度も帽子の下の目を見せていない。
「ルパン!理屈だ!てめぇの言ってることは何もかもだ!」
※オープニング表記は「石川五右ヱ門」
ご存知・鮮やかな剣の使い手。
要所要所で
「五ェ門、かっくいー!」な活躍をする。今作では次元同様に不二子を毛嫌いしている節が多い。
こちらも原作に近いキャラデザで、ルパンを助ける理由も「ルパンを他人に殺させたくはないだけ」と言い切る。
フリンチとの一騎打ちで
斬鉄剣が欠けてしまい、そこで戦線離脱するが、この「
斬鉄剣の成れの果て」が後々ルパンの命を救う事となる。
本作の五ェ門はかなり肌が黒い。これほど黒いのは本作とパイロットフィルムのみである。ある意味原点回帰とも言える。
また、代名詞である上記のセリフは実は原作、アニメ通して今作品が初出。ただし、読んで分かる通り「斬ってしまった」ではない。
他にも一人称が「私」となっている。
衣装は従来のTVシリーズとは異なる白系統の袴姿で、1989年からのTVスペシャル作品でも同様のものが採用される。
「貴様が死なんなら俺も死なん! こうなったら終わりはないぞ、地獄の底まで付き合ってやる!
貴様の骨にこの手で、戒名刻んでやるぞ~!!」
CV:納谷悟朗
ルパン絶対殺すマンもとい、ご存知・ルパン三世にチャレンジする男。
ひたすらルパンを追い続ける執念の持ち主。その執念にはマモーやスタッキーとは別ベクトルの狂気を感じさせる。
彼の前ではマモーの秘密も陰謀も、大国の思惑も警視総監の命令すらも関係ない…と言うより、彼はマモーの存在さえ知らない。
そして忘れられがちだが、今作での彼は終始一貫してルパンの「敵」である。
後のシリーズの様に共闘したり、馴れ合ったりもしない。そしてルパンを「殺す」事にも躊躇がない。
実際終盤に差し掛かる辺りで船に張り付いていたシーンでは
「例えカキの如く身をやつそうとも、必ずやルパンの息の根を止めてやるぞ」と呟いている。
ルパン(クローン)の死体を前にした際は「不老不死になろうとしている」と言い出して心臓に杭を打ち込もうとした。
ラストシーンでは
「たとえお前が100回死のうとそんなことは問題ではない!
ルパンという人間がいる限り、私は日夜永遠に追い続ける義務があるんだよ!」
…とまで
ちょっとイっちゃった目付きで豪語している。その様はどう見ても偏執ストーカー。
マモーのアジトをルパンのアジトと勘違いしていたとは言え、アメリカ空軍による空爆を大笑いして見ていたりと
端的に見て完全にヤバい人。
ルパン一味を「悪党ども」と罵ってるが、彼も彼で「悪党」に片足突っ込んじゃっている…。
全体的に原作の「銭さん」に近い雰囲気だが、ルパンが死んだという受け入れがたい状況からか狂気的側面が強調されている。
これは言ってみれば「もしもルパンが死んだかもしれない未来」における銭形のifの姿とも捉えられる。
だがこれも一定しておらず、いつもより勘や判断力が鈍ったコメディリリーフ的な役割も持つ。
列挙すると、
- ピラミッド包囲網を抜けられてファイティングポーズを取ったり、古典的な落とし穴にハマる
- 「アルセーヌ・ルパンゆかりの地で逮捕されることが日仏親善のためにもなるんだ!!」と珍妙な発言をかます
- ルパンを狙うマモー一味の巨大トレーラーや、マモーを狙う米軍の爆撃機を「警察組織の味方」と勘違いしまくる
- 巨大トレーラーから崖に落とされたのに「見たかこの迫力!!!」と映画としての演出を強調
- ルパンの乗り込むと読んだボートに縄を付けて小舟に繋げたはいいが、肝心の自分が乗り込む小舟を間違えて置いていかれてしまい悔しがる
- 爆撃に巻き込まれてしまい、不発弾に抱きつきながら悲鳴をあげる
- 打ち上げられた浜辺で呆然とさまよい、自分を探してくれた警視総監にオーバーに涙ぐむ
- ラストシーンでの有名な二人三脚のシーン。ここら辺はもうアニメ版の「とっつぁん」に近い
といった具合。
冒頭でルパン生存を確認して逃げられた際には、一瞬だが眉を緩めてから嬉しそうに笑う一幕も。
また冒頭では「物事にはな、限りってモノがあるんだッ!」と、全く意図せず本作の核心をついた発言をしている。
ちなみに今作では下の名前が「平次」になっているが、これは設定ミス。※本来の名前は「幸一」
あと、劇中には登場しないが、「とし子」という一人娘がいる設定になっている。
やっぱりパラレルワールドなんじゃないか?
もともと脚本では冒頭のルパン処刑後、警察を一時退職し寺男になる予定だった。唐突な仏像シーンと鐘の音はその名残。
※一応、エジプト警察署長が銭形が活動中断していたと言っているので、設定自体は残っている模様
・マモー
「そうだ、私だ。“マモー”だ」
CV:西村晃
自らを「預言者」「神」と言って憚らない謎の小男。
普段は世界の富の三分の一を所有する
大富豪「ハワード・ロックウッド」と名乗っている。
性格は極めて傲慢かつ独善的で、賢者の石と不二子を巡ってルパンと対決する。
世界最高のクローン技術を有しており、神の如き超常現象を引き起こして見せつける。
ナポレオンや
ヒトラー、孫子等と言った歴史上の人物たちや古代の生物をクローンとして蘇生させ、自身の領域であるカリブ海の島に住まわせている。
不自然に大きな頭部、くすんだ薄灰色の皮膚、レモンみたいな眼という気持ちの悪い見た目をしている。
圧倒的な財力と武力、強烈なキャラ、とんでもない正体とルパン
最強の敵との声も高い。
予想外の手段に出られると激しく動揺するなど、意外と精神的に打たれ弱い部分がある。
ルパンの頭の中を覗いた際には「ルパンは夢を見ない!?空間、虚無、それは白痴の、あるいは神の意識にほかならない。」とパニックに陥る。
そして自分以外が神の領域、しかも自分が理想とした神の意識を持っている事に嫉妬し殺そうとした。あるいはこの反応は、マモー自身が未だルパンの領域に到っていないことを自覚してしまったためかもしれない。
また莫大な財産と巨大な組織を束ねて暗躍しているものの、敵を見くびりすぎるためか、自分の拠点を表向きのものと隠れ家とどちらも米軍に攻撃されており、いずれのケースでも後手に回っている。
なおルパンはマモーが起こした数々の超常現象を全て何らかのトリックや小細工によるものと見ており、実際その見方は正しかったが…。
逆に次元は本物の
超能力者だと思って「並みの人間ではかないっこねぇ化物」と珍しく弱音を吐いていた。
ちなみに
声を担当したのは、二代目
水戸黄門の西村晃氏。
余談になるが、テレビ版の水戸黄門役は演技力を要求されるために主に悪役俳優から選ばれる伝統があった。
ルパンとはある意味では正反対、ある意味では似た者同士。
その正体は、大昔から自身をクローンコピーすることで生きながらえてきた超越的科学者にして念動力者。
太古の昔、「宇宙の神秘なる力」によって授けられたクローン技術によって1万年を生き抜き、歴史を影から動かしてきた影の支配者。
空中浮遊、念動力、幻視など人間離れした数々の能力も有している。
何らかの方法で自らの意識をクローンの体に移植して擬似的に
不死を実現し、「自らを産み自らを育んだ私」と称するほどに完璧なクローン製造を繰り返してきた。
しかし新しい肉体は現在使用している肉体から作らなければいけないらしく、クローンのDNAを使ってクローンのクローンを作るという行為を行っていたため、彼ほどの頭脳を以てしても限界があった。
クローン技術最大の欠点である遺伝子の劣化と変異体の発生は技術不足で防げず、130代目のクローンに肉体を移行してからは、これ以上の肉体の乗り換えは不可能と判断し、今度は自らの肉体(脳)をオリジナルとして特殊なリンゲル液に満たされた培養装置に保管。
生み出した分身となるクローン達の脳内に受信機を埋め込み、
念動力でコントロールして暗躍を続けていた。
もっともその130代目のクローンと言うのが
巨大な脳髄であり、元々人間だったかどうかも怪しい。
製造に失敗した「粗悪品」も生み出されており、古代遺跡の施設で警備をしていたのはおそらく全員この粗悪品。
しかしその粗悪品も、もちろんマモーとしての心と記憶を持っている。終盤にて、衰弱し死期を悟った個体がか細い声でルパンにクローンの真実を話した。
劇中での行動はすべて遺伝子劣化の問題を解決するための試行で、物語以前から世界中のあらゆる不老不死に関わる遺物を集めていた。
不二子を通じてルパンに不老不死伝説の品物を盗ませていたが、ルパンが賢者の石の譲渡を拒んだことから対立。
最終的にあの手この手で追い詰めたルパンをどうにか捕獲するが、アメリカ空軍の空爆に紛れて次元らに奪回される。
この時に次元に射殺されたのが、ルパン達が出会った
分身クローンの1体目である。
その後に生み出された2体目を使って不二子を誘拐するが、ようやく手に入れた賢者の石を以てしても遺伝子劣化は解決できずに終わる。
これに絶望し、全世界への報復として
核ミサイルを放とうとし、そのスイッチを不二子に押させる。
だが潜入してきたルパンにミサイルを全て破壊された挙句、彼に放ったレーザー攻撃を斬鉄剣の破片で反射され、2体目も
消滅。
この際の炎に包まれながらゾンビの如く不二子に迫って溶けていくマモーのシーンは「ルパンシリーズ」屈指のトラウマシーンである。
そしてルパンは培養カプセルに入った巨大な脳髄(マモーのオリジナルであり正体)を発見。
正体を知ったルパンには「神様どころか薄汚ねぇバケモン」と吐き捨てられる。
培養装置と一体化した巨大ロケットで宇宙の彼方にあるという不死の文明に向かい、真の神となることを目論んだ。
だが大気圏を離脱してしばらくしたところで、ルパンが貼り付けていた即席の
小型時限爆弾により培養装置が破壊。
カプセルも割れ宇宙空間に放逐された脳は
太陽に引き込まれ燃え尽きる結末を辿った。
ルパン「マモー……感謝しな。やっと死ねたんだ……」
なお、冒頭で処刑されたルパンは、マモーが戯れにと本人に断りもなく作り出したコピーである。
このせいでルパンは表面上は強がりながらも内心「自分は本当はクローンの方なのではないか」という疑心暗鬼に駆られることとなり、自身のアイデンティティの証明のため、マモーと決着を付ける事となった。
その他の登場人物
CV:
飯塚昭三
マモーの忠実な部下でスキンヘッドの大男。
劇中では二人いると思わしき描写がある。他にも似た顔がいるのでクローンかもしれない。
無口で頭はあまり良くないが、飛行機の操縦ができる。フリチンではない。
海岸で
サーベルを武器に五ェ門と対決。
剣の腕は五ェ門に遠く及ばないが、「
レーザーでなければ切れない合金チョッキ」で
斬鉄剣を破るも、保護していない頭を輪切りにされ
死亡した。
この場面の彼の視点では、キャラクターの死亡シーンにしてはちょっと洒落た演出がなされる。
マモーの下っ端のこれまた大男。
似た顔の人が大勢いるので、彼もまたクローンだと考えられる。
彼の
馬鹿っぷりを証明するシーンはよく金ローではカットされる。
「いずれにせよこれではっきりするだろう。世界を支配する神がいるとするなら、それは我々だという事がね」
CV:
大平透
アメリカ大統領特別補佐官。次元曰く「世界で一番偉い男を操ってるおっちゃん」で
アメリカの傲慢さを体現した人物。
しかし単に傲慢なだけでなく極めて有能な男でもあり、マモーの本拠地を探るために次元と五ェ門を拘束し、釈放するとみせかけ偵察衛星からしっかりと2人を行動監視していた。
また別途バッジシステム(自動警戒管制組織)を強化し、マモーに対して「後の先」を取って居場所を特定、逆転した。
偵察衛星もバッジシステムもマモーは完全にノーマークであり、ルパンと並んでマモーの企みを打ち倒した存在と言っていい。
ハワード・ロックウッドの島への彼の偵察衛星と素早い爆撃手配がなければルパンは「永遠の眠りにつく」ところであったので、偶然ながら命の恩人となっている。
当然ながら味方ではなく、南米古代遺跡への爆撃では逆にルパン・銭形は殺されかけているが。
最後は自らが率いた作戦基地を爆破して、部下のゴードンもろとも証拠隠滅するよう米国本部に進言し逃亡。
劇中ではルパンとは直接会う事は最後までなかった。
スタッキーの部下。髪が生えているくらいで似通った大男なので次元に
フリチンもといフリンチと間違えられた。
ミサイル攻撃を指揮した際は「殺せ!殺せ!秘密を知っている者は一人の残らず抹殺するんだ!」と狂喜した。
彼もまたアメリカの傲慢さの象徴であるのだが、上司であるスタッキーからは「馬鹿で都合が良い捨て駒」としか思われていない。
秘密を知りすぎた存在の一人として基地もろとも消滅させられることが密かに決定されるという皮肉な最期を迎えることになる。
この衝撃のラストの後を考えると、その思想の犠牲となるのである意味では哀れな人物。
スタッキーといいマモーといい、小男は馬鹿な大男を子分にしたがるらしい。
「あなたの第六感が当たりましたな」
CV:三波春夫
銭形の要請で大人数の部下を引き連れてピラミッドの警護をする事に。
銭形からの当たりがなぜか強く、かなりの回数怒鳴られ最後はいよいよキレ返した。
声は『ルパン音頭』を担当した演歌歌手の三波春夫氏。
本職ではないもののアフレコはとても上手く、台詞も多い。
「……いや、分かっている!」
CV:赤塚不二夫
声のみ登場。
声は漫画家の赤塚不二夫氏。本職の声優ではないため
棒読みっぽいが、かえって雰囲気が出ている。
「大統領!私は脅迫されたのですぞ!」
CV:梶原一騎
声のみ登場。
声は作家の梶原一騎氏。大統領もだが、
棒読みは演技かもしれない。
「銭形君!これは命令だ!」
CV:富田耕生
警視庁
警視総監。銭形がインターポールへ出向する前から着任している。
第一シリーズ後期で活躍した総監と同一人物かどうかは不明。
銭形がカリブ海から流れ着いたコロンビアの日本料理店で、直々にルパンの捜査から手を引くように命令した。
恐らく
日本政府がアメリカ、引いてはマモーから脅迫を受けていたためと思われる。
しかしルパンの為なら辞職も覚悟の銭形に拒否される。
設定資料のみで劇中未登場のキャラ。
当然、劇中では登場する予定があったものの、諸事情の絡みで未登場となったキャラクター。
前述の銭形がルパンが死んだと信じ警部を退職して寺男となり、山寺で余生を過ごすシーンで出てくるはずだった。
設定資料のみで劇中未登場のキャラ。
ルパンが賢者の石の謎を調べ、
攻撃ヘリの奇襲に遭うシーンで登場する予定だった。
余談
敵役のマモーは後に「ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!」の「ナン魔くん」で内村光良氏演じる敵キャラとして登場した。
だが外見を除き特徴的な喋り方をはじめほとんど別キャラになっている。
余談だがこちらもNHKでまさかの復活をしている。
なお、「マモー」という名前はルパンシリーズでは以前から存在した。
原作漫画およびアニメ一期などにて「魔毛狂介」という人物が登場しており、その苗字に由来する。
ただし設定やキャラクター像などの関連性は一切なし。
「wiki篭りー!早く追記・修正した方がいいわよー!」
「あらららららひでぇなぁ……」
「ワハハハ!女とはああいうもんだい!」
ドカーン!!
「とっつぁん…!」
「うん、ひとまず追記・修正しよう!」
〜♬
LUPIN,LUPIN,LUPIN,LUPIN THE THIRD!
LUPIN,LUPIN,LUPIN,LUPIN THE THIRD…
- あくまで考察だけど、パチンコの『復活のマモー』に登場したヒロインが「マモーが作ったクローン」という説があるみたい -- 名無しさん (2023-04-30 14:35:43)
- 正直、金ローはカットしまくらなきゃならない本作よりも、再放送すべきTVスペシャルがいっぱいあると思うんだけどなぁ。 -- 名無しさん (2023-04-30 18:13:44)
- 次元のロマンチズムを「クラシック」と評したのなら、ルパンの夢は愛なんかじゃなくて孤高の悪党として生き続けることなんだろうか -- 名無しさん (2023-05-02 00:41:18)
- 長くなっているのでコメントのログ化を提案しますが、いかがでしょうか? -- 名無しさん (2023-05-02 20:11:56)
- 『クローンが130代目で複製不可能になる』んじゃなくて『代替わりを続けて劣化が積み重なり続けるのを防ぐため、130代目をオリジナルとして保存した』って劇中で説明してるよ(つまり作中に出てるマモーは巨大脳以外131代目相当になる) -- 名無しさん (2023-05-02 23:18:02)
- 反対意見がなかったためコメントをログ化しました。 -- (名無しさん) 2023-05-20 07:12:17
- スタツキー補佐官ってガチで不老不死に関心がなかったんだな -- (名無しさん) 2023-05-27 16:19:07
- 同じような断崖でのカーチェイスでもマモールパンはクソデカトレーラーに追っかけられてて1年後のカリ城ルパンは悪漢を追っかける側なんだよね 意図的なんだろうか -- (名無しさん) 2024-05-03 16:48:56
- 異世界ルパンでマモーのシルエット登場 -- (名無しさん) 2024-06-02 18:36:32
- そいや本作だけ?ルパンはお馴染みの愛銃・ワルサーを一切所持してなかったけど、設定的に何か理由でもあるんだろうか? -- (名無しさん) 2024-06-24 21:49:00
- なんでコピーのルパンはあっさり処刑されちゃうようなポンコツだったんだろ -- (名無しさん) 2024-07-25 08:08:25
- ↑そういう風にプログラムされていたんじゃないかな。あるいは知識は再現できても経験や勘はできなかった。 -- (名無しさん) 2024-07-25 09:18:28
- ↑マモーみみっちい奴だから「処刑されたのはオリジナルだったかもしれん」って言いたいがためにちょっと出来の悪いクローン作るくらいの陰湿な事やりそう -- (名無しさん) 2024-07-26 18:06:00
- そもそも、なんでルパンのクローンを作ったんだろうか?神だと信じさせたいのなら、そんなものを作っちまったら「マモーの正体もクローンなのでは?」と勘づかれてしまいそうな気がするけど。 -- (名無しさん) 2024-07-26 20:08:35
- ↑クローンってバレても1万年生きてきたのは嘘じゃないからそこはバレてもいいと思ったんじゃないかな ルパンがなびかなかっただけでクローンはまあまあ凄い技術だし -- (名無しさん) 2024-07-27 03:32:02
- ゴードンも末路は哀れ -- (名無しさん) 2024-07-27 17:13:39
- これ幼稚園の頃から見てるから高校の美術の授業でデ・キリコの絵見たときは草生やしそうになった -- (名無しさん) 2024-07-27 18:32:01
- 名有りのキャラを演じてた声優さん、御健在なの柴田さんだけなのな… -- (名無しさん) 2024-11-29 18:03:14
- 最後にルパン音頭で締めるのがまた良き -- (名無しさん) 2025-05-05 20:19:49
- 新作劇場版にてマモー復活? 新規の複製体か、巨大脳みそが不死の文明との接触に成功したのか? -- (名無しさん) 2025-05-17 13:39:26
- ↑マモ―見るたびにこいつにルパンすら差し置いて完全勝利したスタッキ―補佐官の化け物じみた手腕とか再認識する… -- (名無しさん) 2025-06-29 17:35:41
- ↑実はスタッキー補佐官はマモーとは大昔から戦ってきた人物でさもなければスタッキーも純粋な人間かどうか疑わしくなってしまう -- (名無しさん) 2025-06-29 18:05:00
- マモーに関して詳しすぎるんだよあの補佐官 -- (名無しさん) 2025-06-29 20:09:01
- とはいえマモー自身もいうように劣化してるだろうからな。寿命も近かっただろうし付け入る隙はあったのかもしれない。 -- (名無しさん) 2025-06-29 21:14:01
- 劇場版のマモーは別に復活したわけじゃなく単にLUPIN THE ⅢRDシリーズの時系列がクローン人間以前なだけだろ -- (名無しさん) 2025-06-29 21:20:31
- ナン魔くんのパロディは当時元ネタ分かった人多かったんだろうか?自分はあっちが先だったので後にこの映画観た時「ウッチャンがやってた緑の顔のニクイ奴じゃん!」と思ってしまった -- (名無しさん) 2025-06-29 22:03:32
- ↑3映画のマモー見ていると、本編時はガチで死期に際して判断力低下してたんだなと思った…各国の権力者たちとリモート会議しながら敬語を交えて取引してる姿こそ神にふさわしい権力者ぶりなのに、ルパンと戦ってた時は所々で錯乱してるのが見えてて辛かった…というかあの世界の裏社会は10000年もクローニングで生き続けるクローン人間にフツーに接して仕事回すとかマモーよりも怖かったわ -- (名無しさん) 2025-06-30 20:07:58
- 不死の血族でムオムがルパンに負けたのが運の尽き。ムオムが負けたからクローン技術に更に傾倒したけどクローンの限界が近づいて狂った感じがするなあ -- (名無しさん) 2025-07-13 22:17:35
- ここにきてマモーがかかわってくるとは予想外だったな -- (名無しさん) 2025-07-14 08:45:13
- 不死身の血族では自称1万年を生きたマモーの過去も描写。杖を持った魔法使いにも賢者にも仙人にも見える姿はマモーの妄想とかではないらしく、クローンによる複製体の生成もかつては瓶詰の赤ん坊を生み出す類ではなかった模様。それについての描写はないがナメック星人みたいな生まれ方なのかもしれない。 -- (名無しさん) 2025-07-14 11:20:13
最終更新:2025年07月14日 09:43