愛と憎しみの特撮音楽劇「カザーン」

登録日:2025/09/21 Sun 14:40:00
更新日:2025/09/21 Sun 15:09:26NEW!
所要時間:約 3 分で読めます




火山
それは
敵か?味方か?
それとも……


愛と憎しみの特撮音楽劇「カザーン」


【概要】

大分県が2024年に製作した火山への啓発動画である。
火山を擬人化したキャラクター「カザーン」を主人公に、火山への警戒と恩恵を特撮ミュージカルで解説していく。
製作はタローマンでおなじみの藤井亮監督。
作風はタローマンと同じく昭和の特撮を再現したものとなっている。

全4部構成で、1部が3~4分ほどの短編構成。トータルで14分ほど。
1分ごとに、カザーンと反火山団体との戦いをミュージカル方式で描く特撮ドラマパートと、火山の知識をカザーンが解説する「おしえてカザーン」の前後編方式となっている。

現在はYouTubeで全話公開中。大分県の人でなくても見れるのでご安心を。

【ストーリー】

大分県の火山の化身カザーン。
彼は温厚で優しい性格であったが、火山を恐れる反火山団体ノーノーボルケーノはカザーンを抹殺しようと企む。
出動する反火山ロボから放たれる火山消滅ビーム。
はたしてカザーンと大分県の運命は?
そして火山は本当に恐ろしいだけの存在なのだろうか?

【登場人物】

  • カザーン
大分県の火山の化身。カザーンの歌に呼ばれてモスラよろしく現れた。
山に巨大な団子っ鼻の顔がついた容姿をしている。顔は造形で目と口が稼働する。
キモいと見るかキモかわいいと見るかは人によるかなりインパクトの強い顔。
腕もあり、こちらは手袋をはめた演者が演じている。
性格は非常に温厚かつ理知的。自ら他者を傷つけることはせず、火山の知識をわかりやすく解説する知的さを併せ持っている。
しかし攻撃を受けて怒ると大魔神のように恐ろしい形相に変わって強力な力を発揮する。
  • ブンゴ
大分県の自然を愛する少年。
カザーンと仲良くなり、彼から火山についての様々な知識を教えられる。
名前の由来は大分県の旧名の豊後。
  • イズミ
ブンゴと行動を共にしている女性。空気。
  • 博士
火山を研究している博士。蒸し卵が好物。
日本一の大分県の温泉の効能で美しい体を保っていると言うが、めちゃメタボ体形。
むしろ大分県へのイメージダウンである。電柱組の差金じゃねーのかこいつ?
  • ノーノーボルケーノ総統
すべての火山を消滅させようとする反火山団体ノーノーボルケーノの支配者。
火山を逆さまにした被り物をして、顔に×のペイントをしている。
多数の戦闘員を従えており、そいつらは全身タイツに山に×をつけたマスクをしている。
組織力はかなりのもののようで、巨大な搭乗ロボット「反火山ロボ」を建造している。
反火山ロボも山に×をつけた顔をしており、胸から火山消滅ビームを放つ。
ぶっちゃけて本当に火山を消滅できたらノーベル賞ものである。

【余談】

藤井亮監督の作品では、残念ながらマイナーな部類に入る。
過去にも石田三成のCMを手掛けているが、石田三成という全国的にメジャーな武将と違って、大分県人以外にはまず馴染みのない大分の火山の知識が他県人にはとっつきにくいこと。
主人公のカザーンの容姿が万人受けするものとは少々言いずらいことが上げられる。
また、公開当時はTAROMANの人気も沈静化した時期だったため藤井監督の知名度も及ばず「県民の税金でこんなものを作るな」という批判が少なからずあった。
そのためかせっかく作ったのに大分県の後押しも限定的で、大分県民でも知らない人も多い。
しかし本作のミュージカル描写は劇場版タローマンにも共通しており、タローマンを見た人ならピンとくるところも多い。
そして火山に関する解説はちゃんとしたものなので、決して見て損をする作品ではない。



君も火山の脅威と恩恵を追記・修正してカザーンと共に生きよう。
なお、同じ九州の阿蘇山はかつて日本全土を壊滅させたほどの破局噴火を起こした形跡が確認されている。
また、地球の歴史上で何度も起きた生物の大絶滅の原因のひとつに火山の大爆発が数えられている。
火山が本気で怒った時の災害は人間が対策したくらいじゃどうにもならないのであきらめよう。
しかしただの噴火であるなら防災マニュアルに従って適切に避難すれば犠牲は抑えられることは種々の事例が証明している。
火山、あなたは敵と思いますか?味方と思いますか?


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最終更新:2025年09月21日 15:09