登録日:2026/03/10 Tue 22:55:00
更新日:2026/05/24 Sun 18:12:49
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イワン博士とは、
シン・仮面ライダーの登場人物である。
映画本編には影も形もないが、漫画スピンオフの
「真の安らぎにこの世はなく」で活躍した。
SHOCKERの一派閥である
「絶望派」の発起人であり、人体改造の名手。
マッドサイエンティストであり、あるいは穏やかな老紳士でもあり、非常に多面的な人物である。
なお、現状フルネームは判明しておらず、相手によっては「イワン先生」とか「イワンのおじさま」とも呼ばれているが、ここでは通りのよい名称として便宜上「イワン博士」を用いる。(何かの弾みでフルネームが分かったら相談のうえ変更を検討)
キャラクターの説明のみでは判然としない部分も多いので、ここでは漫画作品の設定や今後登場しそうな要素についても軽く交えつつ記述していく。
【概要】
組織の創設者である石神大造とも知己の間柄だった古株のSHOCKERメンバー。
その意志を受け継ぐように「深い絶望の個人を救済する幸福実現」の理念に忠実であり、創設者の死後に組織の変革の変革を訴えるメンバーと対立して前述の理念を旨とする絶望派を旗上げ。
「優れた人間のみが入会を許される特別なサロン」と称し、あちこちで深い絶望を抱えた人間たちをスカウトしている。
博士と呼ばれているだけあり、表向きの顔は学者。
天才の
緑川を以てして「イワン先生ほどの方が」と畏れるくらいの名を残しているらしい。
人体改造と強化を得意としており、下級構成員(戦闘員)やオーグメントなどの本編のSHOCKERの戦力基盤は殆どこの人の手によるもの。
ただし初期はその過程で精神崩壊を引き起こすほどの危険な施術であり、目的達成のために人体を化け物に作り変えていく姿は他派閥から「死神」と呼ばれ恐れられている。
絶望派は幹部それぞれが独自に派閥を築いており、イワンが率いる派閥は「死神グループ」と呼ばれ、配下はクモやサソリなど手術を受け人間をやめた物ばかり。
一方で同病相憐れむように社会や人間に裏切られ捨てられた絶望者たちの気持ちに寄り添う一面もあり、自らの手で人体改造を施した相手にも慈愛の心を持つ。
グループの性質上最終的には敵対する運命にある絶望した人間達に手を差し伸べるのもそうした不幸や暴力を隠して平穏を装う世の中への怒りからである。
決して自分の絶望と世界変革を諦める訳ではないが、「個人の絶望による幸福実現」さえ成されるのであれば贄として負けることも本望だと考える絶望的騎士道の持ち主。
そんな本人の経歴は一切不明。ロシア系っぽい名前だが国籍すら分からない。
絶望による幸福実現にも並々ならぬ執念を見せるが、当の本人がどんな理由で絶望したか、かつどんな世界変革プランを立てているのかすら不明である。
組織の人工知能アイが導き出した「個人の絶望を救済する幸福モデル」を実行するグループ。
名称はその異様さを恐れる敵対派閥が便宜上つけたもの。
人材はイワン自ら積極的に行っており、世界を呪いたくなるほどの深い絶望や破滅的な衝動で常人の領域を踏み出したメンバーを集めている。
「絶望した個人の意思」という主体性を尊重するためにアイは協力こそするが自ら命令や提案はしない。
映画本編でのSHOCKER像に最も近く「世界幸福の革命集団」を称するが、危険人物を掻き集め絶望した個人の偏ったプランで世の中を引っくり返そうとする姿は世間一般から見ればただのテロリスト。
そこまで深い絶望を抱え、かつこれら教義を実行に移せる人間はそういないため初期は慢性的に人手不足で組織とは関係のない天才科学者などをスカウトしており、組織内抗争でも実は他派閥に対して規模が小さい新興集団でもある。
性質上、能力や意思があれば「絶望した人この指とまれ」状態であり、幹部各位が目指す幸福像も一人一派で一つの派閥ながらバラバラのグループが点在する絶望フリースタイル集団。
組織全体の発展のために開発者自らが共有を許可した技術以外はそれぞれの理想像のために同派閥でも他幹部には秘匿し、互いの研究には干渉しないのが暗黙の掟である。
そのため最終的には互いの幸福像同士で争う運命にあるが、現状はSHOCKERの幸福追求の理念を汚す他勢力の排除のために徒党を組む。
アイが人型端末として遣わしているロボット刑事ケイも立場上は中立だが、対立派閥がアイの意思を守らないので実質的に絶望派に肩入れした状態。
良くも悪くも自主性に任せすぎていて連帯感に乏しく、命令系統などの組織図もマトモにない。裏切り者も「出てから考えればいいや」くらいの緩いスタンスなので最終的にスパイや脱走者だらけになった。
【活躍】
妻を失った緑川博士をスカウトし、幹部の証であるクリプトキューブの1つを授けるなどその能力に期待する。
やがて組織の実験を握ろうとする創業派との抗争になるが、緑川の加入による人体改造技術の進化などで形成を逆転しこれに勝利。
SHOCKER日本支部を完全に掌握する。
SHOCKERは元々「ファウスト」と呼ばれる脳に連動したデバイスを研究していたベンチャー企業がスポンサー不足で苦しんでいた折に石神大造が資金援助をする事で誕生した組織だった。
そのファウストの創業時代からのメンバーで構成されているのが名前の由来であり、古株が多く集まった初期の最大勢力である。
脳を機械と接続したBMIのみならず脳活動を参考にしたAI技術にも秀でており、人工知能アイはこの過程で誕生。
出資者という事もあり存命時こそ創設者に従っていたが、幸福追求というフワフワした理念の組織に不満を抱いており、改革を図ろうとしていた。
そこに待ったをかけたのがイワンであり、抗争の背景としては少数勢力の絶望派がクーデターを起こしたという形になる。
その実態は当初のSHOCKERの理念から逸脱し、軍に兵器を売り飛ばして利益を追求する金儲けで、そのうえ民主主義国家のみに供与することで世界の思想統一を図ろうという死の商人だった。
脳研究もいつの間にか軍事目的に発展しており、身体の機械化や視覚情報を共有する偵察ドローン、殺戮の機械人形などを開発。
創設者の死をいいことに組織の個人主義を廃し、命令系統のトップダウンを明確にして組織の実権を握る首領のポストを設けようとしていた。
人体の強化改造などバイオ系な絶望派に対してこちらはメカニカルな傾向にある。
SHOCKER創設の切っ掛けとなりながらSHOCKERの理念に反した人たち。
機械など人間の制御下におけるとタカを括っていたアイにいつの間にか実権を掌握され、金儲けばかり考えていたせいでソッポをむかれる。
悪人ではあるのだが言ってしまえば普通人の範疇を出ない金勘定大好きの越後屋集団であり、個人の幸福実現という名の異常な運営方針を掲げるアイとそれを遵守する絶望派に対しては「なんやこいつら…」状態。
狂ったメンバーばかりで失うものがなく、利潤などハナから目的ではないので得意の買収や揺すりが効かない絶望派は頭のネジの飛んだ天敵であり、金儲けも考えずに外部の人間をホイホイ招くイワンの姿は創業派からすれば理解不能であった。
まんまと下剋上を食らった形ではあるが緑川を脅迫して研究技術の強奪や意に沿わないアイの再調整をも画策しており、SHOCKERの掟に反しまくっていたのでいずれにせよ衝突は避けられなかった一番悪の組織っぽい派閥。
構成員は頭目の
地獄っぽい人のヘルマン、
暗闇っぽい人のクラークなど。
やはり
"大使"でもあるのか、双方共に一度は寝技交渉を試みようとしているが共に失敗した。
最終的に抗争に敗北しクラークは死亡。ヘルマンはじめ他の幹部はイワン博士の洗の…「心を入れ替えて」もらい、SHOCKERでの地位を放棄。軍事目的のビジネスの一切を中止し、本来のBMI研究を復活させて発展させる事となった。
大好きな脳との機械接続ができて本望に違いない
国内組織こそ掌握したがSHOCKERは世界各国にも支部を張っており、組織統一のためには海外支部攻略が必須であった。
とはいえ創業派のように組織の理念に反しているわけでもなくいずれの勢力も事を荒立てる気はなかったので膠着し、束の間の平穏が続く。
そして5年後、米国支部の幹部・ウルフソンがコンタクトを取ってくる。
通信越しに語られたその幸福像は放置すれば人類全てが支配下に置かれるもので、日本支部の絶望派もまた例外ではない。
そこでイワンは自身が日本に留まりつつ実働隊に米国支部の打倒を依頼。
いくつかの犠牲を払ったがこれに勝利し、米国支部は陥落。
他の海外支部も日本支部に対抗する術はなく、SHOCKERは絶望派の一党独裁となった。
ウルフソンの表向きの顔は「ビッグビジョン」という会社を経営し、IT方面で才能を発揮している実業家。大統領との会食に招かれるほどの米政府との繋がりを持ち、優れた才覚で成功を収めた人物である。
そんな彼が率いる米軍支部の開発した新型人工知能「カイ」は、表向きは従来の組織を纏めている「アイ」の暴走や反逆に備えた抑止力という名目で作られたが、その実態は「アライメント」と呼ばれる技術を有した超高度AIであった。
ネットを介し人間の心理に干渉して、使っている当人すら気づかぬうちに特定の心理に誘導し、選挙や社会運動すらも思いのまま。
武力や戦争によって余計な血を流す事なく革命を起こし、あらゆる諜報機関もこの干渉を「世論の変化」としか見出せないほどに不自然な痕跡を残さず全てが実行される。
もはや現代人の全てがスマートフォンなどで気軽にネットを使う現代、その効果範囲は実質的に全人類を対象としているに等しい。
人の意思を思うまま操り、全世界同時の無血開城すら可能なこの超技術を以てウルフソンが掲げる幸福は「AIによる人類支配」
人間は全てが愚かで劣った種であり、もはやAIによる支配を受ける事でしか争いや差別のない世界など作れまいと断じた。
一見すると理想的なデウス・エクス・マキナであるが、そこには人間の自由意志はなく、ただAIへの隷属を受け入れるだけである。
絶望派は人類の味方…ではないが、幸福実現のために絶望した個人の強い主体性を求める彼らにとって到底看過できるものではない。
一行はウルフソンがアリゾナの荒野に作った米国支部の根城である「ビジョン・シティ」に向かい、第2の内部抗争へ発展していく。
「愚かな人間はAIに全てを委ねるべき」という思想はウルフソン本人も例外ではなく、実際にはカイの端末である「天使たち」と呼ばれる幼女の人形端末2人によってほぼ全てが進められている。
別にウルフソンは争いを好むわけではなく、日本支部の同志は理想に賛同してくれると呑気に思っていたが天使たちに言動や行動すらも操作され、実質的な宣戦布告を本人も気づかぬうちにしていた。でもそれがウルフソンの幸福なので彼は何も考えず天使たちに胸をときめかせ傅く。
最終的な目的はSHOCKERを解体した上でのカイを擁立した新組織の設立であり、ぶっちゃけまたクーデター。
タチの悪い事に計画自体はウルフソン自身の絶望と幸福実現というプロセスにきちんと沿っており、他ならぬアイのお墨付きで支援を受けていた。
規定は守っているので自らの存在と基本理念を瓦解を崩壊させてしまう計画を止められないいうロジックエラーを抱えて動けなくなっていたアイに対し、絶望派の面々との交流で人間性を獲得しつつあったケイは意見具申し、AI支配による人類堕落を防ぐために米国支部討伐に同行している。
ウルフソンは
とある総統閣下を尊敬しており(党員的な崇拝はしていない)、決戦時には第三帝国っぽい軍服を着用した。
名前も分かりやすく狼であり、完全にモチーフは
かの初代大幹部の大佐であろう。
トレードマークの左目アイパッチもしているが別に失明などはしておらず、天使たちと接続する眼帯型デバイスという設定である。
チラシの裏に書くには長すぎるのでここでは割愛するが彼の抱える絶望は本物であり、人間社会への嫌悪や虚無感を埋めてくれる存在がAIであり、人間相手には感じなかった愛という感情が芽生えた。
人智を超えた人工知能に尽くす事こそ唯一の幸福であり、自分よりも大切な「天使」を生み出して忌むべき人類の終焉を目論んだのである。
最終的に完全敗北し、カイも天使たちも完膚なきまでに破壊された。
一応ウルフソン自身の最期は描かれていないが状況的に十中八九殺されるだろうし、仮に生かされたとしても当人にとっては死んだ方がマシな地獄が確約されている。
【蠱毒の始まり】
「イチローは…組織の未来のために排除せねばならぬ」
他勢力の排斥にこそ成功し、日本政府をどのように御するかなどの課題を残しつつも組織は新たな段階を迎えていた。
一応は絶望派という思想の元にまとまった幹部たちは最終的に各々の幸福プランを賭けて争う蠱毒の運命にある。
イワンはそれらの調整を行いつつ人工子宮実験でヒロミ、トオルを誕生させ、緑川の息子であるイチローの幹部抜擢など次世代のSHOCKERを担う人材の養成も並行して行い、幹部の証である8つのクリプトキューブを託すに足る人物の発掘に心血を注いだ。
だが幹部になるや否やイチローは洗脳を用いた強引な勢力拡大を悪であると断固反対し、正義による組織改革を訴える。
今更数々の悪逆を成してきたSHOCKERにとってそんな偽善的プランは眉唾物だったが、意見は合わずとも若きイチローの幸福への熱意は本物であると尊重し、組織が安定した情勢もありしばらくは静観を決め込む。
…が、さすがにそれが10年も続くと堪忍袋の緒も切れまくっており、新政党を設立させてあくまで社会道徳を逸脱せずに世界を変えようとするイチローに苛立ち排除を視野に入れ始める。
しかしクモオーグの「友情」による私闘の影響でイチローはSHOCKERを嗅ぎ回っていた罪のない人間を手にかけてしまい、精神状態の急激な悪化に伴ってクリーン路線を断念した事で衝突は回避された。
謎の技術流出、イチローのプラーナ暴走などの不穏な事件が続き、元より協調性のない幹部同士の諍いも激しさを増すが、研究こそが組織の存在意義として動きを止めるような事はせず幸福実現の活動に邁進するも、SHOKCERは完全に停滞を迎えていた。
バッタオーグを連れた緑川の脱走の時点で数多くの新技術を秘匿していたが、現状での投入は得策ではないと判断し静観。
幹部を含む主要構成員の大半が死亡ないし行方不明となったため現体制の放棄を決断する。
「次世代のオーグメント達を今の段階で投入するのは得策ではない」
という訳で、実は映画本編が終了した時点で諸々の禍根を残しつつ普通に生き延びている。
今後の作品展開によってはバッタオーグ=仮面ライダーと対面する日も遠くはないだろう。
組織をたばねる世界最高の人工知能「アイ」にアクセスするための秘密の鍵。
人の手によって作られながら自己改良を繰り返し、人智の及ばぬ知性と権能を手に入れたアイは、その能力の限りを尽くして幸福実現のサポートをする。
そのアイとの"交流"に必要なのがクリプトキューブであり、所持する事で初めて幸福実現の研究のために踏み出せる幹部の証。
総数は8個であり、つまり1度に在籍できる幹部は最大8人まで。
組織発展のために共有を許可した技術ですら幹部レベルの情報としてキューブがなければ閲覧できず、つまりSHOCKERで世界幸福のプランを研究するのはそれほど狭き門なのである。
8個全てを揃えればアイを自由に改造できる宝の鍵だが、個人の暴走を防ぐために占有は御法度であり、複数の派閥やグループに分配して互いに牽制し合う。
物語開始時点では絶望派と創業派が3つずつ、他の海外支部が残り2つに分配された状態である。
既に述べた通り、絶望派は内部抗争を制して全てのキューブを手中に納めたのだが、上記の掟を守り幹部と認めた者に分配した。
組織全般でどのようなルールが適用されているか定かではないが、絶望派におけるキューブ受領(幹部就任)の条件は大元のアイと人型端末のケイ、そして頭目のイワンの3名の承認を得る事である。
ところが、元より少数派閥だった絶望派はこの8つの幹部の椅子すら満足に埋められず、運営末期は候補者の選定に四苦八苦していた。
類稀なる才能と絶望を抱え賛同してくれる人物などそうホイホイ現れる訳もなく、欠員を洗脳でズブズブの傀儡幹部で誤魔化していたようである。
絶望派の当初のキューブ所持状況はイワン、綾小路の2名で、後に加入した緑川が加わり初期保有の3つを分配。
5年後の米国支部との勝利後に父からの離反を決意したイチロー、
多田野の2名を選出して5人。
そしてそれから10年の間に死神グループが人工的に生み出し強化人間として育成していた
ハチオーグという超絶身内人事でようやく6人。10年以上費やしてまだ2つ余らせている。(ルリ子はあくまでイチローのサポートをしたいとして辞退)
かなりの重要アイテムながら作中では影の薄い存在だったが、映画本編の状況と照らし合わせると分かるが所持者の大半は死亡しており、それらの死後にキューブがどうなったかは不明のまま。
それどころか組織の情報もろとも政府に売り飛ばしたスパイもおり、さながら本家昭和ライダーでいうところの
首領のテープや
RS装置の設計図のようなお宝争奪戦の様相を呈する可能性は高い。物凄くハイテクになった忍者の秘伝の巻き物。
【イワン博士 悪魔の発明】
以下、作中で登場した技術の一覧。
人体改造や洗脳など、作品世界的に必須ではあるがヤバいものが目白押しである。
性質上、生身の人間を使ったものが多く、世間バレすると即終了なので構成員は機密保持に気を使う。
・強化人間
イワン博士の代名詞。
人体強化用のナノボットを用い、対象に並外れた力を与える。
後のオーグメントの原型だが太っ腹な事に成果を全グループに共有している。(メタ的にはこうしないと設定的に他グループから改造人間が出せなくなるという事情もある)
最初期のこの技術は被験者の殆どが精神異常を起こすというとんでもない代物で、お世辞にも戦力の量産は望めない。
適合者もクモとサソリの強い憎悪や狂気を標準装備している2人であり「既に狂ってるから壊れようがない」みたいな有り様。
そのため最初期はバックアップの研究員ばかり多く、荒事に対する戦力は上記2名しかいないという赤貧部隊だった。
常人離れしているが、強化人間という名前が示す通りまだ一応は人間の範疇。
クモさんもこの時点では殆ど人間である。
後に強化用のナノボットが技術流出し、空気感染したクマが保育園で暴れるという時事ネタ獣害事件に発展した。
一応は手術で身体に適合させる必要があり、自然環境では48時間程度で崩壊するのでバイオハザードの恐れはないらしいが、逆に言えばそれまでは強化され凶暴化した獣が襲いかかってくるのを意味する。
本能的に同じ強化人間(というか強化された生物全般)に引き寄せられる性質があり、結果的にSHOCKERの構成員を次々と殺害していた。
・軽度人体強化手術
緑川の神経科学技術を参考にし、精神崩壊を招かない軽度の人体改造。
肉体のイワンと精神の緑川が織りなす悪魔の夢のコラボ第一弾。ただしあくまでイワン博士が独自に緑川の技術を応用した様子である。
これにより万人に適合し、さほど体を弄らないが常人より強い兵隊を量産できる下級構成員、つまり戦闘員の製造に成功して戦力の大幅アップに成功。
創業派へのクーデターを大幅に早める事となった。
大量の人員は基本的に絶望思想に共鳴して人の身を捨てて尽くしたいと自ら志願したイワンの部下たちで構成されているが、肉体と同時に精神状態を外部から操縦可能で、こちらも精神崩壊などのリスクが克服されている。
・精神制御技術
対象を思いのまま操る。
精神崩壊した被験体を無理に動かす際にも用いる「腐ってなければ使える」の人形レベルらしく、作中ではヘルマン様がアヘアヘされていた。
これを用いて外部勢力の要人を操り、勢力拡大や根回しに利用している。
後に緑川が改良を加え、人格の保全と元の状態での回帰が可能になった。(プラーナ洗脳)
・人外融合型オーグメント
人間と他生物を混ぜ合わせる、本作における怪人の代表格。該当者はクモオーグやコウモリオーグ。
文字通り人間を
他の動物と細胞レベルで融合させる。
翼や腕など部分的な変形機能は有するが融合なため人間の姿は完全に捨て去らねばならない。
曲がりなりにもまだ人間だったクモはこの手術で「
クモオーグ」となり、腕が6本になるなど映画本編での妖怪じみた異能を獲得した。
別の生命体レベルで作り変える荒業なため初期は神経科学技術で改良された人体改造のノウハウを活用しても精神崩壊のリスクがあったが、クモオーグは強烈な自責心と人間への憎悪で自我を保つ事に成功している。
オーグメントの概念を最初に生み出したパイオニア。
更にこちらも独占技術にしていないらしく、死神グループではないコウモリおじさんもこの方法で自己改造している様子が見受けられる。
しかし悲しい事に開拓者とは最も古い技術でもある。
後に緑川が人間に他生物のプラーナを合成させる「昆虫合成型オーグメント」を開発。
あくまで合成なので人間の姿を残す変身機能的な使い分けができ、プラーナを駆使する事で合成した昆虫の長所を活用しつつ有事にのみ爆発的な戦闘力を発揮する効率的な超発明を前に「人の姿にも戻れない型落ち品」という燦々たる有様に。
それでいてオーグメント関連のプラーナ技術は緑川が幸福のための独占技術として秘匿していたので解明が進んでおらず、映画の序盤はそれら圧倒的な性能差を覆せずにバッタオーグに無双されている人外融合型たちの悲壮な戦いである。
またサソリは欠損箇所の負傷という形で
「左腕のみ」オーグメント手術を受けた。
該当部位のみ怪物化するが人間の腕に戻せるという安心設計で、見た目に大きな変化はない。
最終的に
サソリオーグとなった時点でも生身が多く人間の女性の外見をほぼ保っておいる。
なので厳密には人外融合型にはあたらないが、この部分改造オーグメントの正式名称は現在も明らかになっていない。
・3種合成型オーグメント
人間をベースに、複数の動物を駆け合わせる事を可能にした技術。
人間+動物2種=3種であり、元ネタ的には
ゲルショッカー形式。
合成という言葉が示す通り、人間体との切り替えができるようになっている。
複数合成は緑川の昆虫合成型でも成功例がなく、オーグメント開発の開祖ながら後塵を廃していたイワン博士の意地の新作。
従来の技術は組織発展のために開示していたが流石にこればかりは独占技術として存在を隠している。
融合から合成型に変化し、ベルトにプラーナ蓄積循環外部補助機構簡易タイフーン(量産型)を採用するなど経緯は不明だがプラーナ技術の解明もちょっとずつ進でいる節もある死神グループの最新最高の作品。
…なのだが、該当者が現状ではみんな大好き
K.Kオーグだけなので戦果はお察しである。
ベルトにこそ採用しているが昆虫合成型のようにプラーナによる爆発的な能力強化もできておらず
2人目のバッタにフルボッコされた。
一応フォローするなら戦闘が本分ではない隠密タイプが逆上して白兵戦最強に正面から挑んでしまったので、たとえば
イノシシ+カブトムシのようなガチガチの戦士タイプを製造して真価を見せて欲しいものである。
【人物像】
大事の前の小事を地で行き、幸福実現のためなら暴力は厭わず実行して人体改造も洗脳も廃人化も何でもござれのマッドサイエンティスト。
一方で自らの行いが罪である事に自覚的で、絶望を抱えた同胞に手を差し伸べる優しさを持つなど、意外なところで人情家の一面も併せ持つ。
曲がりなりにも万民の幸福を目指す緑川よりイワンの方に人間味を感じるのはある種のミステリーである。
その上で絶望による幸福実現思想の極右であり、イワンが覇権を握ればそれは世間一般の人間にとって地獄のような世界が待ち受けているのは間違いない。
善良な理想だと人体実験から目を背け、世界平和ためと言いつつ周囲に無自覚に闇をぶちまける緑川とはあらゆる点で対照的だが、それぞれの肉体と精神の研究分野は驚くほど相性が良く、双方共に平時は理性的なこともあってイワンが組織運営で相談を持ちかけるのは大抵は緑川であり、決裂するまでは皮肉にも良好な関係だった。
【その他の主だった対人関係】
・綾小路律子
誰こいつ
物語の開始時点でイワン博士と共に絶望派の幹部だった女性。
漫画版の開始時点から映画本編の時代まで17年くらいの月日が流れているのだが、その中で地味に中堅OLくらいの若々しい外見を保ち続けている。
同僚の緑川は申し訳程度にちょっとずつ老けてたのに
最古参のメンバーで血液研究に定評があり、イワンも認めていることから一角の人物だとは思うのだが、作中では特に研究成果を見せたりせず、何かにつけて「危険な技術だから開示しろ」だの「危険だから研究全部凍結しましょう」など揚げ足取りと他人の文句しか言わないお局のおばさんみたいな姿しか見せていない。
その実態は絶望派に属しながらも他の幹部たちの足を引っ張ることで研究の停滞を目論み漁夫の理を攫おうとしていたネズミ。
自分は何もせず、他人を下げようとする姿はある意味で現代的で生々しい。
一応SHOCKERの一員らしくアイのお墨付きを得た幸福実現プランもあるはずなのだが、最終的に日本政府にSHOCKERの情報を売り込んで利益を得ようとしていた小物だった。
しぶとい事に映画本編の終了時点でも生きており、イワン共々なにかしかの火種となる可能性は高い。
・クモ(クモオーグ)
人外融合型オーグメント第1号。
自己も含めた人間という存在に絶望しきっていた所をイワンに拾われた。
死神グループの最古参で、それゆえに技術が確立されていない危険な改造手術を繰り返し受けてきたが、人間嫌いの彼にとって「人の体を捨てる」という事は希望であり、生きる道を示してくれたイワンへの報恩のために死力を尽くす。
イワンもそんなクモの気持ちが分かるなど狂った科学者と実験台という間型ながら互いに主従を超えた信頼関係で結ばれている。
クモオーグが組織の掟を破り独断でイチローとの果し合いに出た際も「SHOCKERの力を都合よく使いながら罪を背負わないのは不可能であり、偽善を抱えたままではイチローの精神は破綻するので魔道に堕とす」という友情だと理解し、責任追及を受けてもクモを切り捨てなかった。
(本人の希望もあるが)非人道的な実験を次々と施しながらも「お前を失うのは惜しいので己を粗末に扱うな」と気にかけ、それでも人間性に苦しみ獣として死に場所を探そうとする美学を尊重して負け戦への出陣許可を出すなど、常人には理解不能な、されど男臭い友情関係。
・サソリ(サソリオーグ)
強化人間+左腕だけオーグメント。こちらも死神グループの古参メンバー。
父親からDVを受け母を失い、制服姿で1人露頭に迷って悲しんでいた時にイワンに拾われる。
本来の名前は詩織で、絶望的な日々から我が身を守るためにサソリという人格が作られた。
年頃の娘さんながら容赦なく化け物に改造されているのだが、本人としては行き場を失った人生に居場所を与えてくれた組織に感謝しており、命令には逆らわない。
イワンもサソリを節々で可愛がっており、単行本のおまけページではオフの時間にお茶に誘って穏やかな雰囲気で談笑し「イワンのおじさま」と慕われていた。
人体改造もクモのような全身改造ではなく部分的に留め、最終段階のサソリオーグでも概ね人の姿を保っている。(クモは人の姿を捨てる事を自ら希望したのもあるが)
サソリの人格が消え去った10年の間も特に処分することなく治療の可能性があるならとイチローに預けており、かなり甘々。
それでも最終的には精神崩壊からの回帰が不可能と結論づけられると身柄を預かり、精神制御による強引な補正でサソリオーグとして傀儡幹部に仕立て上げる。
少女を改造し、洗脳して時間稼ぎの駒にしながらもサソリオーグの服装を「見事な出で立ちだ」と褒め「すまぬ…」と意思疎通もできない相手に鎮痛な面持ちで詫びるイワンの心中でどんな思いが巡っていたのか、それは誰にも分からない。
【余談】
- 最終的に大物然とした態度でフェードアウトしたが、恐らくプラーナへの対抗策がまだないのでイチローのハビタットが発動していたらこの人も強制成仏確定の実は危ない状況だった。そもそも秘密裏に進めていたイチローの計画を知る術がない。
- 仮にそれで終わっても「他の誰かの強い絶望の贄になるなら本望」なのかもしれないが…
- 死神と呼ばれた人体改造の達人という事で、もうこれで違ったら逆に凄いというレベルでモチーフは元祖ショッカーの死神博士。イワンという名前も死神博士の設定上の本名である「イワン・タワノビッチ」で、そもそも作画が完全に天本英世。
- 本家の死神博士は妹を失った重い過去で魔道に堕ちたが、こっちのイワン博士の過去に反映されてるかはやはり不明のままである。
ご自分をイカオーグにする予定はあるのだろうか
※追記・修正は絶望派のクーデターを成功させてからお願いします。
- 万が一の億が一、55周年で何かしら動きがあれば間違いなく言及される人物で書くこともそんなに多くないので取り敢えず取り置きで。後は兄妹ですが、しばらくは55周年に向けてまた本家の初代や昭和関連で作りたいので(他に作る方がいなければ)しばらくは時間を置かせてください。特に兄さんは書くこと多いので -- 名無しさん (2026-03-10 22:58:05)
- 漫画とはいえ顔がまんまだったことにはたまげた -- 名無しさん (2026-03-10 23:33:14)
- もう今後日の目を見ることはないキャラクターだろうな -- 名無しさん (2026-03-11 00:40:04)
- マッドサイエンティストではあるが人の情を理解できるというアンバランスさが良い -- 名無しさん (2026-03-11 18:38:11)
- 仮に続編で出るならせっかくならイカとノコギリザメの3種合成型として出て来て欲しい -- 名無しさん (2026-03-11 20:11:28)
- 続編出すとしても死神博士以外のショッカー幹部はもう使えないんだよね -- 名無しさん (2026-03-12 10:54:12)
- そこで再生怪人ですよ -- 名無しさん (2026-03-12 11:03:02)
- ↑2 漫画をよく読んで見ると地獄枠のヘルマンと大佐枠のウルフソンが死んだと明確にされるシーンは無かったりする(描写だけならあくまで洗脳や失脚止まり)。なので『あのあと大々的に洗脳と改造を施されて正式に怪人化しました』みたいな形で登場出来る余地も一応ある。ちょうど死神枠のイワン博士なら「その辺私がやりました」にうってつけでもあるし -- 名無しさん (2026-03-12 20:00:33)
- 緑川があんまりにもアレ過ぎて相対的にマトモに見えちゃう罠。一応あっちも内省してるはずなのにそれ以上のヤバい開き直り方してるのが…… -- 名無しさん (2026-03-13 19:45:47)
最終更新:2026年05月24日 18:12