登録日:2011/09/18 Sun 02:21:22
更新日:2025/04/07 Mon 14:43:24
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出典:仮面ライダー/東映/第63話「 怪人サイギャング死のオートレース」/1972年6月10日放送
出典:仮面ライダー/東映/第61話「 怪人ナマズギラーの電気地獄」/1972年5月27日放送
◆概要
【能力解説】
先任の
ゾル大佐が
一文字隼人/仮面ライダー2号に敗れ戦死した後、スイス支部から新たに着任した二代目
日本支部大幹部。
白のスーツに黒い
マントを着こなす怪しさ満点の老人。
改造人間の研究・開発の第一人者であり、その脅威的な頭脳と怪奇性から「怪人作りの名人」の異名を持つ。
占星術や強力催眠術にも精通しており、
滝和也も術にかかったことがある。第52話では、
テレポーテーションと
大鎌を駆使して本郷と戦った。
基地内では車椅子に乗ることもあるが、これは初期設定の「両足が不自由」の名残によるもの。
ヨーロッパ方面では追って来た
本郷猛/仮面ライダー1号を相手にしており、日本では仮面ライダー2号と戦うが失敗がさらに続き、
地獄大使の日本支部指揮官着任と共に南米に渡った。
南米で作戦を展開するが、プライドのためか失敗続きに終わった日本支部に怪人を派遣したり、地獄大使との共同作戦を実行したりした。
ちなみに地獄大使とは犬猿の中である。
最終的には自ら怪人となりライダーに戦いを挑んだ。
裏設定で本名は
イワン・タワノビッチ。
日本人とロシア人のハーフである。1919年生まれ(ちなみに演者の天本氏は1926年生まれ)。
ポーランドに移住後、ナチスドイツに徴用されてアウシュビッツの生体実験に関与していた。
ショッカー首領及び、ナチス将校だったゾル大佐とはこの時代からの知り合いでもある。
平山亨の『私の愛したキャラクターたち』の記述によると、死神博士ことイワンには3歳年下の妹ナターシャがいた。
生地の
東京からポーランド移住後に至るまでその出生故に不遇な幼少期を送ったイワンは、そんな境遇を共にした実妹を溺愛してたが、
彼女もまたいずれ母と同じく死別するのではという
トラウマを引き金に徐々に悪魔の道を歩むようになり、
「臓器がダメになっても取り替えてしまえば、人類は病死はおろか老衰すら克服して永遠に生き続けられる」という理念の元、
ナチスドイツ政権下のアイシュビッツ収容所の研究室にて、捕虜を使った人体実験を繰り返すようになる。
(この際、ポーランド移住時に自分と妹を引き取った恩人をも対象とし、結果的に数時間だけとはいえ恢復には成功した)
この経験で人間と多種を交配した雑種や強化兵士を製造した技術が、後のショッカー改造人間の下地となってゆく。
だが、皮肉にもナターシャは恋人となった男性・キリンスキーの手引きで反ナチスの地下組織に身を投じていた。
収容所の開放作戦に際し、非道に加担した兄を逃亡させるべく現場に訪れたナターシャは、
不運にも逃げようとしていたイワンの乗る戦車に事故で轢殺されてしまう。
悲しみに包まれたイワンは、一縷の望みに賭けて僅かに生体反応の残っていた妹の骸を冷凍保存、戦後ナチス狩りから逃れつつ、
当時噂になっていた死者をも蘇らせるというチベットの魔法医チェン・マオに謁見するため
ヒマラヤからチベット、ニカラグアへと長旅の末、遂にチェン・マオの精神体……後のショッカー首領と遭遇する。
妹を蘇らせる技術の提供を交換条件に、それまでの人生で培ってきた人体改造技術でショッカーに尽くすことを約束したイワンは革命期のニカラグアでショッカー帝国の基盤を確立する活躍をし、その冷酷さから死神博士の異名を得る。
しかし、後述するようにその生涯で唯一愛した肉親・ナターシャの再生手術は終ぞ叶うことはなかった……
◆イカデビル
出典:仮面ライダー/東映/第68話「 死神博士恐怖の正体?」/1972年7月15日放送
出典:同上
モチーフ:イカ、悪魔、ドクロ
話数題名:第68話「死神博士 恐怖の正体?」
【能力解説】
死神博士の正体で、マントで身体を覆うと変身する。
首から背中周りのヒレがトレードマークである赤い裏地のマントを模した形状をしている。
鞭代わりの
触手を自在に操り、口から吹く墨で敵を圧倒する。
頭の誘導装置による流星落としなどの攻撃方法も持ち、「キック殺し」によって
ライダーキックさえも弾いてしまう強さを誇る。
原典での声は二見忠男、近年の映画では仮面ライダー好きの
関智一が声を当てている。
◆暗躍
【仮面ライダー】
第68話で初戦は
1号のライダーキックを弾き返して圧倒するなどの活躍を見せる。
その後はライダー打倒のために、立花の昔の仲間で今はショッカーのトレーナーになっていた熊木を使ってなんと立花藤兵衛を拉致して自分の特訓を強要。
現状を打破するためショッカーのトレーニングセンターでイカデビルに対して積極的に指導を行う藤兵衛の姿には妙な熱さがある。
そこでイカデビルは藤兵衛を信頼したのか、
自分の頭が弱点だと漏らしてしまう。
1号との再戦で追い詰めていくが、アジトから脱出した藤兵衛によって自分の弱点がライダーに伝わり、
ライダーチョップで頭の誘導装置が壊され止めに投げ技のライダーきりもみシュートが炸裂。
最期は制御不能となった
隕石の直撃を受けて爆死した。享年53歳。意外と若かった。
「ひとつ、ライダーV3の素顔を見物するか」
第27話で
復活し、他の4幹部と共に
デストロン科学陣が新開発した毒ガス「ギラードガンマー」で「日本全滅作戦」を実行しようとする。ドクトルGが東京地区を全滅させたその後、
大阪地区を担当する予定だった。
他の復活幹部同様ドクトルGに対し対抗心を抱き、地獄大使の「ドクトルGに代わってデストロンの指揮を執れとのご命令かな」との発言に対して「ありうる話だ」と賛同し、5人がかりでの作戦進行に「ワシの誇りが許さん」と答えている。
またギラードガンマーの解毒剤が開発されたとのニュースを聞いた時には、解毒剤を作られる前に開発者を殺せばいいと冷酷かつ合理的な発言をした。
第28話ではアジトの爆発に巻き込まれて死亡した。
光夏海の祖父・光栄次郎(演:石橋蓮司)が洗脳された姿であり
大ショッカーの幹部。
普段は死神博士としての記憶は
封印されているらしい。
姿は第1作と比べると白スーツや黒マントを着こなしているのは同じだが髪型は白い長髪で
杖をついている。
イカデビルへの変身方法はスルメイカと
ビールを持つことで怪人化する。
最終決戦では
ディケイド達によるファイナルアタックライドにより倒された(完全な爆死である)。
……だが、その後は
怪我はしているものの写真館に帰って来ていた。
「何て恐ろしい……。ひどい目に合った…。もうイカとビールはこりごりだ」
観客(」゜□゜)」
夏海も不思議そうな顔をしていた。
スーパー死神博士となって登場。
『ディケイド 完結編』にて
おでん屋台で
鳴滝にスルメイカとビールを渡されたことで死神博士だったことを思い出し、突如飛来したマントによりスーパー死神博士として覚醒する。
『MOVIE大戦2010』では実は『
仮面ライダーW』の
ガイアメモリによる変身だったことが判明した。
しかし、それでも謎の部分が多く視聴者から
飛来したマントに死神博士の怨念が宿っていたんじゃないかなどと、しばらく議論が続いた。
今回は怪人体にはならない。
観客(」゜□゜)」
ショッカーの幹部として登場するが「死神博士のような人物」とのこと。
放送時の映像をアテレコしたデジタル出演であり、アテレコは『
仮面ライダーBLACK』で多くの怪人の声を担当した丸山詠二。
クク…ククククク…
そう…そうこなくては面白味がない…
造って御覧にいれましょうぞ…ククク…
我が巣ヨーロッパに帰る前に…
「更なる男」を……
(あくまで本作独自の設定として)旧1号時代に日本に在籍している話が描かれた。
大首領JUDOの肉体を造り、JUDOを現世に復活させるという
『偉大なる計画』の立案者。
当時のショッカー幹部では、唯一首領の正体と目的を知っていたようであり、あの
デルザー軍団にも次ぐ側近中の側近とも言うべき特別な位置にいた模様。
首領が彼の失敗を
「だがその命、まだ生かしておこう」と不問にする一幕もあり、重宝されている。
本作では本郷猛/仮面ライダー1号の改造に関わっており、本郷が2号との交代前に戦った
蜘蛛男らの改造人間を指揮していた、という事になっている。
緑川の裏切りこそは予想外だったが、1号の戦闘性能を確かめる、という意味では返って都合が良かったようである。
ちなみに、ショッカー首領(JUDO)に成果を報告してた際に、戦闘員も数人立ち合っているが、倒された怪人達を
「良い実験材料になった」と報告してたのを聞いて、「(この人達何言ってんだ?)」とでも言いたげに訳も分からず動揺していた。
そして、この戦闘員達は
かまきり男と共にライダーと戦うという形で「口封じ」される運命に…
実験体第2号「更なる男」として一文字隼人と、他5名の屈強な男達に目を付け、再生怪人を使って一文字の拉致および改造手術を行った。
一文字と同時に造った
ショッカーライダー5体が敗れた後は、予定通りヨーロッパ支部へと帰り、本郷はそれを追う事に。
本元ではようとして謎に包まれているため、数多くの媒体で描かれる
旧1号→2号へのバトンタッチエピソードの新たな解釈である。
その後、BADAN傘下のショッカー勢力として復活、ゾル大佐や地獄大使らと共に仮面ライダー1号・2号と激突するが……
【仮面ライダーSD】
「魔神大首領」という巨大な
ロボットに搭乗しており、普段は玉座に鎮座している。
『疾風伝説』では1号の特攻で倒される。
『マイティライダーズ』ではダロム・バラオム・ビシュムらゴルゴム三神官から奪った3つのパワーストーンの力でライダー達を苦しめるが、キングストーンの力に完全に覚醒したRXの「ライダーファイナルキック」の前に倒された。
【ゲーム】
PS2『
仮面ライダー 正義の系譜』のV3編にて敵キャラクターとして登場。
デストロンで再生された(再び死亡した)後で、V3とは互いに面識がある。南米から地獄大使に提供したナマズギラーも本作では死神博士の時代に登場。
ショッカー戦闘員や戦いで敗れた
ザンジオーに強化手術を施すなど、シナリオを通して中々の働きを見せる。
最終的にはイカデビルとなってV3と戦い、倒された。
ちなみに本作では本編ではいちいち宇宙から呼び寄せて落としていた誘導装置による
隕石召喚が、宇宙空間に接続して頭上の至近距離から落とす攻撃技にパワーアップしている。
なお、本作では池水通洋氏が声を担当しているが、池水氏はOVA『仮面ライダーSD 怪奇!?クモ男』でも魔神大首領(=死神博士)の声を担当しており、主役ライダー達以外で唯一の続投である。
まず間違いなく偶然の一致
◆人気
死神博士は天本英世の怪演もあって人気が高く、本郷猛/仮面ライダー1号との因縁ぶりが、好敵手としての存在感を倍加させているのも事実である。
怪人体のイカデビルも非常に人気が高い。
◆余談
- 元々は平山亨プロデューサーが第4クール用に用意した新幹部案を原型として生み出されたキャラクター。
衣装に関してそれぞれ平山Pは「ゾル大佐同様に軍服」、阿部征司プロデューサーは「不気味さを出すため」という理由から「黒い衣装」という案を出していたが、結果的に演じた天本英世氏の意見も取り入れて「黒いマントを羽織る」という形に落ち着いたという逸話がある。
- 1998年末に放送された『NHK紅白歌合戦』にてイカデビルが戦闘員と登場。会場に出演していた藤岡弘、(後に1号に変身)や援軍で現れた2号、V3、RXと対峙する一幕があった。
死神博士
「解っております首領…必ず…更に優れた追記・修正を……」
- 仮面ライダー倶楽部での凶悪さはトラウマものだったな -- 名無しさん (2013-10-24 03:32:34)
- 二次創作等で黒幕にされる事が多いこと多いこと・・・実際SD仮面ライダーでは黒幕だった -- 名無しさん (2013-10-24 07:41:24)
- 栄次郎操られてただけじゃね? -- 名無しさん (2013-10-24 12:40:02)
- 征服!イカ博士 -- 名無しさん (2013-11-24 21:30:35)
- 隕石で爆散したのはアジトの方だろ? -- 名無しさん (2014-03-27 17:06:26)
- 首領は博士を南米に左遷させたのに、なぜ何度も呼び戻したんだろうか?南米には2号が来てるんだから、そっち相手に集中させときゃいいのに。 -- 名無しさん (2014-03-27 17:29:40)
- 栄次郎はガチの死神博士だけど二重人格で、普段は自覚のないまま士(大首領)の後見人兼監視役で、マント(ガイアメモリ)使ったときのみ本来の死神博士の人格が現れる…と解釈してる -- 名無しさん (2014-04-15 01:29:25)
- 何でこの人からV3のヨロイ元帥までの大幹部達は変身すると声が代わるんだろう?特にこの人の場合、人格まで変わってるように見えるし。 -- 名無しさん (2014-04-15 18:04:10)
- ↑昭和ではよくあること。声がおんなじなのはタイタンとかアポロとかジンドクマの皆さんぐらいかな? -- 名無しさん (2014-04-15 18:08:32)
- 改造人間開発の第一人者なのに、手術してるシーンは1回も出てきてなかったりして。 -- 名無しさん (2014-05-25 21:07:00)
- おやっさんにポロリと弱点を言っちゃうあたりなんか人間くさい -- 名無しさん (2014-06-02 17:23:33)
- つーか作戦指揮官と兼業にすんなよ首領…開発に専念させとけ。 -- 名無しさん (2014-06-02 17:30:25)
- たぶん飛来したマントはファングみたいな自律行動型ガイアメモリだったんじゃなイカ? -- 名無しさん (2014-12-14 16:43:47)
- トレーナーとなったおやっさんは、イカデビルを鞭でしばき、怒鳴りつけていた。そしてイカがそれに抗議すると、別のトレーナーに怒鳴られていた。トレーナー、大幹部より偉いの? -- 名無しさん (2014-12-14 20:07:56)
- ↑デーボ・キビシーデスとラッキューロの関係みたいなものじゃないか? -- 名無しさん (2014-12-14 20:35:15)
- 天才科学者でありながら、魔法陣書いたり、西洋占星術、催眠術、死神のごとき大鎌を使うなどオカルト要素があり、アレイスター・クロウリーのような魔術師、大魔法使いである可能性もある。 -- 名無しさん (2014-12-16 21:59:36)
- SPIRITSではJUDOの正体を知っているっぽい発言をしている他、仮面ライダー(JUDO)ボディ制作の立案者である事になってる -- 名無しさん (2015-01-30 08:16:00)
- 正義の系譜でこの人が作った強化戦闘員だけは忘れられん。アイツラ強すぎ。 -- ??隊長 (2015-01-30 08:40:20)
- 天才科学者と言う触れ込みだけど、こいつが死んでからももっと強い改造人間がドカドカ出てきたしなあ… -- 名無しさん (2015-02-11 21:07:33)
- 寒いギャグをかましやがってwwww -- 名無しさん (2015-03-05 07:56:50)
- ライダーと交戦中、人質がいる事を利用して基地を水没させようとした事もあった。イカデビル(当初はキリザメスが正体予定)としての正体の伏線だったのか、仮に水没したとしても博士だけは水中適応できる。 -- 名無しさん (2015-03-24 14:44:42)
- ↑3 そいつらは死神博士が残した設計図を元にして作られたのかもしれない。 で、そのストックが尽きたからげるしょ -- 名無しさん (2015-08-03 09:03:25)
- ↑ストックが尽きたのもゲルショッカーの結成の一因だったりして。 -- 名無しさん (2015-08-03 09:03:53)
- ↑怪人のストック足りなかったんならせめて僕らを使ってくれよ!なんでゲルショッカーに殺されんにゃならんのだ! -- ショッカー戦闘員の皆さん (2016-02-12 22:09:51)
- ↑ライダー戦は数より質 -- 名無しさん (2016-02-20 21:56:18)
- 実は死神博士もゾル大佐も地獄大使を笑えないポカを結構やらかしてる(当時の脚本なのでご愛敬) -- 名無しさん (2016-07-22 11:31:11)
- イカ・デ・ビール!! -- 名無しさん (2017-01-22 14:54:29)
- SPIRITSでの優遇さを見てると、あの魂のない死神博士は果たして本物だったのか疑問が出てくるな… -- 名無しさん (2018-09-09 19:24:35)
- 空想科学読本でイカ娘とどっちがイカらしいか対決したら惨敗してた。 -- 名無しさん (2019-04-16 23:54:28)
- 『プリティ電王』にもイカデビルは出ていたがあれは本人だったのだろうか? -- 名無しさん (2022-01-03 18:31:04)
- 空想科学論争!ではイカの脳神経は大きく取り扱いやすいため改造人間の中でも初期の個体じゃないかと予想されてたりも -- 名無しさん (2022-04-07 19:06:16)
- 正義の系譜でこの人が強化した戦闘員は地味に厄介だった。本編でもやれば良かったのに。 -- 名無しさん (2022-08-06 08:16:55)
- 不気味さと威厳の強さからか老人のイメージがあるが、設定年齢は意外と若く、演者の天本英世氏の実年齢はそれよりさらに年下だったというのはあとから知ると衝撃的。そのことを知ってからあらためて見てみると、たしかに顔立ちは思ったよりは若々しい感じなのに気づいて「本当だ!」となる二度目の衝撃 -- 名無しさん (2024-05-27 09:38:58)
- あるCMでは天ヶ崎恋っぽいボイスになっていた -- 名無しさん (2024-10-27 23:29:26)
最終更新:2025年04月07日 14:43