K.Kオーグ

登録日:2025/03/18 Tue 22:30:00
更新日:2025/04/06 Sun 19:47:28
所要時間:約 10 分でシャキッと読めるからさ





コツ…コツ…


/ガサッ\



ドス



「誰…?」




「SHOCKERのニューホープ」
「カマキリ・カメレオン」

「通称"K.Kオーグ"さ」


K.Kオーグとは、特撮映画『シン・仮面ライダー』の登場人物である。

演:本郷奏多



【概要】

SHOCKERの一派閥である死神グループが生み出したオーグメント。
従来の戦力である人外融合型、緑川グループの昆虫合成型のいずれとも異なるSHOCKER初の3種合成型オーグメントである。
右側がカメレオン、左側がカマキリのセンター分け。
クモオーグを先輩として尊敬しており、敵討ちとして本郷猛と緑川ルリ子の命を狙う。

組織での識別IDは
カマキリ側が「KAMAKIRI AUGMENT-01」
カメレオン側が「KAMEREON AUGMENT-01」
と両サイドで個別になっており、略称としてKKオーグとなる。

カメレオンの頭文字は英語では「C」なのでよく突っ込まれるが、そもそもカマキリからして日本語読みであり、他の構成員も同様の表記なのでカメレオン側も日本語でローマ字打ちしたスペルと考えれば別段おかしくはない。KCじゃ語呂悪いし

死神グループが制作したので、死神カメレオンでもある。


【来歴】


「そんなヤツ知らない…記録になかった…」

「じゃあ今から知って?」


長年SHOCKERにいたルリ子も知らない謎の存在である。
その存在は死神グループの極秘事項であり、同じSHOCKERでも他派閥はその存在すら認識していない。
漫画版では人間の姿も見せており、優男風の青年……というより少年レベルで若く見える。
任意で怪人体との切り替えができるようで、そういった点でも不可逆の肉体になってしまった人外融合型から一歩進んだ技術体系を持つ。

この青年の過去・経歴の一切は不明だが、自らを生まれた瞬間から「隠密」としての役割を宿命づけられた存在としており、人工的に生み出されたのだと思われる。
という事はヒロミ、トオルと同じく人工子宮を母とした生まれながらの強化人間の可能性が高いのだが、現状開示されている設定では人工子宮実験の成功例はルリ子、ヒロミ、トオルの3名のみ。
よって齟齬が生じるのだが、存在そのものが極秘なので上記の記録はいわゆる大本営発表で、例えば死神グループ内で密かに育成されたとすれば説明できなくもない。
いずれにせよ憶測の域は出ず、その過去は謎に包まれている。

その存在は劇中の登場人物はおろか劇場公開されるまで観客にも隠されており、大スクリーンでいきなり登場したセンターマンのマスクと暗殺シーンで度肝を抜いた。
ルリ子のように「そんなヤツ知らない」状態になったファンも数知らず。

立場が特殊なのでオーグメントでもいわゆる「上級構成員」に当たるかはハッキリしないが、公式SHOCKERアプリなどでは上級構成員の一人として扱っている。
他所に秘密なだけで死神グループ内では同様の肩書きがあるという事なのだろう。


【人物像・性格】


「裏切りは人殺しよりも悪、敵討ちは人助けよりも善」


劇中のKKはクモ先輩の復讐に囚われており冷静さを欠いているが、他媒体などのプロフィールでは概して「残忍な人物」と評されている。
不意打ちの暗殺を顔色一つ変えず行い、殺した相手の傷を確認して奇声をあげて笑うかなりイっちゃった人。

組織への忠誠心は高く、「裏切り者は絶対に許さない」というポリシーを持つ。
先輩の仇である本郷とルリ子は元より、洗脳が解けて裏切りホヤホヤの一文字隼人に対しても激しい敵愾心を向け、復讐に先んじて粛清しようとしたあたりからもその気性が見えてくる。裏切り者はみんな死ね。

一方で身内への情は深く、特に同じ暗殺・潜伏に特化したクモオーグには隠密としての指導を受け鍛えてもらい、秘密の刺客である自分が唯一心を開ける「人間」として慕っていた*1
作戦に失敗した時には電話で相談していたなんて設定もあり、「クモ先輩」と呼び慕うのはこういった背景がある。
創造主であるイワン博士には基本的に忠実だったが、復讐心と怒りを抑えきれず出撃したのが本編の構図なのだ。

残忍だが組織への帰属意識が強く、命令遂行のためならどんな行為も厭わない。
一方で仲間への情があり、その敵討ちは善行で、組織への裏切りは人殺しよりも許せない悪逆である。
平たく言えばヤクザの鉄砲玉に近い価値観という認識で相違ない。


それ以外の思考はほぼ描写されていないので、平常時はどのような性格なのかも判然としない。
改造された自らの体に「僕の超絶ステキカマキリマスク」というくらいナルシズム的な愛着があり、構成員の死に白い薔薇をコサージュするケイの行動を「古風だね」と言ってみたり、狂人系にありがちの軽めな性格っぽい言動は散見される。


秘密の暗殺者であるため、死神グループ以外のキャラとの関わりは一切ない。
同グループにはクモの他にサソリオーグがおり、やらかした時には怒られていたらしい*2


秘匿され続けてきたニューフェイスの少年兵という立場のせいか自信過剰な傾向にあり、隠密に必須の筈の情報収集への疎さが目立つ。
憎むべき報復対象である本郷とルリ子に対しても監視カメラ越しに「奴らが裏切りペアかい?」とようやく認識したように零し、一文字が名乗った「仮面ライダー」にも「はあ?何だそれ」と、この時点で複数の構成員を撃滅し大暴れしていた緑川御一行についてあまり把握していない。

それだけ最新型である自分の能力に自信を持っており、あるいは精神面が狂人で思い至らないという事なのかもしれないが、劇中での顛末にそういった迂闊さが関わっているのは否めない。


【能力】


人間にカマキリとカメレオンを合成した、3種合成型オーグメント。
主武装はナイフで、背中や両足にホルダーをつけ複数のナイフを携行している。
姿を消して忍び寄り、カマとナイフによる不意打ちが得意な暗殺者。


「僕はSHOCKER科学陣の粋を集めた」
「初の"3種合成型オーグメント」

「死神グループの生んだ最新最高の作品さ」

従来のオーグメントは単体の他生物との合成手術が限界だったが、死神グループの技術発展により2種類の動物との合成が可能になった。いわゆるゲルショッカー形式。
プロフィールもあるが、合成素材の2種類の動物の出身地は「四国のどこか」というアバウトな情報しかない。

隠密・暗殺に徹した場合の能力はSHOCKERの中でもトップクラスで、これらの技術を鍛えたクモオーグとの師弟コンビは死神グループの誇る暗殺ペアである。これが本当のダーティーペア
劇中では報復のために敢えて甚振るように攻撃しており、本気で殺しにかかればカマで一撃。


最新最強のオーグメントボディ(自称)に絶対の自信を持っており、漫画版では「緑川グループのバッタごときすぐに始末できる」と息巻いていた。結果についてはお察しください


装備・武装

  • マンティスソード(仮称)
ナイフが通用しない相手への切り札で、左腕のジッパーを開く事で展開されるカマ。
設定上は「鉄骨も竹輪のように真っ二つにする」というなんとも言えない威力らしいカマキリの腕である。

名称は音声解説から。

  • 透明ポンチョ(仮称)
カメレオンの保護色のように環境に応じ変色し景色に溶け込む、迷彩機能付きポンチョ。
ちゃんとフード付きでKKオーグの全身をすっぽり包み隠せるようになっている。
仕組みからして自明なのだがプロフィールに記載された弱点は「ポンチョをだめにするしつこい汚れ」いちいち言い回しがかわいい
劇中でも返り血が付着し浮いているが、すぐに拭っている。
名称については同上。

項目冒頭のように漫画版ではポンチョを脱いでから仕掛ける音が丸聞こえで、標的に刺される寸前に勘づかれている。
またカメレオン部分が自前の能力ではなく外付けの装備というのも突っ込まれがち。
生命線の筈なのだが劇中ではその辺に脱ぎ捨てられている。
迷彩機能の行使に本体との連動が必要とか、そういう理屈は考えられなくもないが…

OMITシーンではきちんと体に備わったカメレオンの能力として舌を伸ばし、連続攻撃を仕掛けた。


  • プラーナ蓄積循環外部補助機構簡易タイフーン(量産型)
驚くべきことに、大量発生型相変異バッタオーグと同じベルトを装備している。
設定上は本郷ライダーの装備を参考にイチロー兄さんが量産仕様の簡易型にしたという経緯があるため、もし本当に同一規格なら死神グループが何らかの形でベルトの情報を手に入れたか、あるいは自力で解析して開発に成功したかのどちらかになってしまう。
とはいっても3種合成型のKKオーグでは大量バッタと体の仕組みがまるで違うため、体中に巻きついたケーブルでバイパスさせてエネルギーを巡らせているようである。

これでプラーナ能力がKKにも備わるかといえば答えはNO。
前提として緑川グループ製の昆虫合成型ではなく、プラーナ放出による超加速空中制動などの能力もない。
なによりプラーナの増幅をエネルギーとして利用できれば多少なりともライダーに肉薄できる強さはある筈で、劇中の様子からはとてもそうは見えないのも一つ。
オマケに漫画版では一文字ライダーの強さに対して「プラーナとかいう技術のせいなのか…!?」内心ビビり散らかしていた事が判明したので、少なくとも本人に認識できる形での行使はできないという事になる。

プラーナシステムは緑川一族の執念の結晶であり、人外融合の技術を確立させた天才イワン博士を以てしても解析・転用は難しいというのは漫画内でも度々描写されてきた。
よって現状KKの体で最も謎の器官なのだが、この理由が明らかになる日は当分訪れそうもない。


【劇中での活躍】


「クモ先輩の敵だ…死ねぇ!」

2人のバッタオーグの戦いに乗じて乱入し、迷彩機能を駆使してルリ子を不意打ち。
復讐に燃え、苦痛を味わわせるために初撃は敢えて即死しないレベルの傷に留め、改めて仕留めようとした所に洗脳が解けた一文字に吹き飛ばされ、「ショッカーの敵、そして人類の味方」宣言を聞いて矛先を変える。

「ってことは、裏切りホヤホヤってわけだ…!」
「貴様を殺すの、確定!」

両足のホルダーから二本の怒りのナイフを引き抜いて応戦するもまるで相手にならず、次のカットではライダーチョップで左半分のカマキリ面をガラスのように粉々に叩き割られてしまう。


超絶ステキなマスクを砕かれた屈辱に切り札のマンティスソードを展開し死ね死ねラッシュで反撃するがアッサリ刃を鷲掴みにされて叩き折られ、最期はコンクリの壁がゆうに10枚はドミノ倒しになる勢いのライダーキックでガードの上から吹き飛ばされ撃破された。
げに恐るべきは力の2号。


「悔しい…悔しすぎる…これで…終わりなんて…」*3

「クモ先輩…ごめんなさい…」

遺体がどうなったかは描写されていない。
凡その構成員の最期を鑑みれば溶解が妥当だが、同じベルトをした後続のオーグメントは爆散している。



劇中での戦果は(他のオーグメントに比べれば)非戦闘員の女1人だけで、後は一時的にダメージを与えるも敵わずひたすらボコボコにされて退場という燦々たる有様である。
なのでK.Kオーグで検索するとサジェクトに「弱い」とか出てきてしまう。残当。
ルリ子の用心棒である本郷は戦闘不能になっていたので乱入のタイミング自体は悪くなく、一文字の洗脳解除という誤算がなければ上手く行っていたかもしれない。メイビー。

戦闘に関しては、よりによって劇中のオーグメントでも白兵戦最強クラスの一文字ライダーが相手な時点でツイてないのだが、そんな相手に潜んで暗殺という自分の本分を捨てて正面から戦いに乗ってしまったのが敗因と言う他ない。

復讐心による怒りで頭に血が昇っていたのは想像に難くなく、透明ポンチョを駆使して闇討ちに徹していればもう少し善戦できたのだろうか?あのカマキリ刃で一文字にダメージが通るかが怪しいという点に目を瞑れば
最新型という自分の肉体に絶対の自信を持っていた男が、別系統の未知の新型に凌駕されたという因果応報な構図であった。

なお、劇中では両足から二丁のナイフを意気揚々と引き抜いて構えた次のカットにいきなり手ぶらでマスクを割られているが、これは間のシーンがOMITされたためである。
本来はナイフ二刀流でやっぱり死ね死ねラッシュで攻め立てるも軽くあしらわれ、カメレオンの伸びる舌で連続攻撃するも鷲掴みにされチョップで千切られるシーンが入っていた。アウチ。で済んでるようにはとても見えない
舌の痛みに悶絶している間にチョップというのが本来の流れである。

【他作品・他媒体での活躍】


SD シン・仮面ライダー 乱舞


「死ねよ、クモ先輩のカタキペアの片割れ!」

本編通りの流れでバッタ同士の戦いに乱入するが、本作ではルリ子が現場に出ないので決着前に登場し自力で本郷ライダーを行動不能に追い込んでいる。本編より強いじゃん…
そのまま洗脳が解けた一文字ライダー*4と戦闘に入るのも原作通り。

透明化を惜しみなく使い、カマの斬撃で青い衝撃派を飛ばし、無数のナイフをジャグリングのように宙に浮かせ、ソードバレルのように遠隔操作で一斉掃射するなど大幅にパワーアップ。
追い詰められると衝撃派が巨大化し、ナイフの本数が倍増する。
初回はステージ途中で加入直後というタイミングのため一文字がまだ能力のカスタマイズができず、やたらと強く感じるプレイヤーも多かった。


真の安らぎはこの世になく

本編の2年前の時点で隠密として活動している。
人間性を消すために自己洗脳という奇行を繰り返すクモオーグを心配していた。

「なにしてるんですか先輩!そんなこと何度もやったら…」

「追い出しているのです。私の中にある"人間"を」

「何言ってんすか…!先輩は超絶人外オーグメントっすよ…!」


クモオーグが殺される前は幾分か理性的で、最新型のバッタオーグ相手ではクモ先輩といえど厳しい戦いになる事を理解し、出撃を許可したイワン博士を責める。*5
ずっと隠れて生きてきた自分の身の上には思う所があり、クモ先輩と死神グループで新しい時代を築くことを夢見て、障壁となる緑川グループとそのオーグメントに敵意を燃やす。

「絶対やっつけてくださいクモ先輩…!あのムカつく緑川の連中を…!」

その後は本編通り敵討ちに乗り出して殉死。
イチロー兄さんにとってもK.Kの乱入は想定外で、「…誰のものだ?この…怒りに満ちたプラーナは」
玉座でシステムと接続してどこぞの国民的バトル漫画のように遠く離れたプラーナを察知するまでその存在すら認識していなかった。
突然の死など勿論望んでおらず、計画のためもあるが妹に本心から自分の元に戻ってきて欲しいと思っている。


イワン博士はSHOCKERの他グループをも巻き込むイチローの乱に対して自分なりにこの日に備えてきたとし

「新たなSHOCKERを生み出す時間が欲しい」

「"次世代のオーグメント達"を今の段階で投入するのは得策ではない」

と語るが…?


【余談】


  • デザインはカマキリ側を山下いくとのデザイン案を参考にしつつ出渕裕が製作。素顔の頭頂部は「ヘッドギアから電極が頭と直結してるサイコパスっぽいイメージ」つまり最初から"イっちゃった"キャラクターとしてデザインされている。
    • 演者の何ら非はないがライダー的に少し紛らわしい苗字の本郷氏は実際にこのヘッドギアパーツを頭に嵌めて演技しており、顔を全体的に緑色にする部分がCG加工といった塩梅で撮影された。


  • 既存のオーグメントとは異なる技術体系や出生についてなど多くの謎が残されているキャラだが、やや出落ち気味の退場と合わさってそれらの大半は明かされないまま虚空を漂っている。
    • 特に漫画版でやりたい放題しているイワン博士の「新しいSHOCKER」「次世代のオーグメント」に動物2種合成怪人とくればもうアフリカの密教と合併して帝政ロシアの将軍が率いるアレしかない訳だが、この先の劇中世界がどうなるかはまだ何も分からない。続編ください


「建て逃げは人殺しよりも悪」
「追記・修正は人助けよりも善…死ねぇ!」

ガシャン!

「アウチ!!僕の超絶ステキ項目が…」
「Wiki籠りのくせにマジ許せん…許さんぞぉ…!」


※追記・修正は裏切りペアを始末して先輩の敵を討ってからお願いします。




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  • 山下いくと
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  • キャリア一切不明
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最終更新:2025年04月06日 19:47

*1 皮肉にも当のクモオーグは自分の中の人間性を嫌悪し、捨て去ろうと踠いていた。

*2 設定的にはサソリオーグは既に精神崩壊レベルでラリっている時期なのだが、まぁライダーカードの設定なので…

*3 OMITシーンおよび漫画版より

*4 ルリ子がいないので本郷が洗脳を解いたような描写になっている

*5 クモオーグは自分の中に残る人間性を嫌悪し、死に場所を求めていた。イワン博士も一度は撤退を進言したが、クモオーグの美学と意思を尊重し許可を出した