登録日:2026/07/05 (日) 12:56:02
更新日:2026/07/18 Sat 23:54:15
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『チ。-地球の運動について-』は、魚豊による
漫画作品。
「ビッグコミックスピリッツ」において連載された。全8巻。
☆概要
15世紀のヨーロッパを舞台に『地動説』を命をかけて研究する研究者達と、それを異端として取り締まろうとする異端審問官達の信念のぶつかり合いを描いた作品。
ただ主な敵が宗教による思想統制な事や、「実は地動説研究者って普通に研究してるだけならそれほど宗教側から弾圧されてなかったんじゃないか」という近年の主力学説との兼ね合いから、作中では殆どの場面で国名や宗教名はアルファベットによる略字表記が行われている。
物語の終盤において、この事が非常に重要な意味を持ってくる。
タイトルの『チ』は「大
地」「
血」「
知識」の意。
『。』は球体=
地球を表し、静止した『。』に『チ』という曲線を添える事で地動説という作品テーマを表現している。
同時にSNS時代に逆行するシンプルで検索しにくいタイトルにする事で、作者自身が他者からの影響を受けず、また読者も他人の意見に左右されずに自分だけの意見を持って欲しいという意図も込められている。
「マンガ大賞2021」の第2位、「このマンガがすごい! 2022 オトコ編」の第2位、「次にくるマンガ大賞2021」のコミックス部門第10位、「第26回手塚治虫文化賞」の大賞など数々のマンガ賞を受賞している。
2024年10月から2025年3月まで、NHK総合にて
テレビアニメが放送された。
主題歌の『怪獣』は
サカナクションが手掛けており、当ロックバンドにとっては3年ぶりの新曲かつ初のアニソンという事で話題を呼んだ。
☆あらすじ
15世紀のヨーロッパ某国。
飛び級で大学への進学を認められた神童・ラファウ。
彼は周囲の期待に応え、当時最も重要とされていた神学を専攻すると宣言。
が、以前から熱心に打ち込んでいる天文学への情熱は捨てられずにいた。
ある日、彼はフベルトという謎めいた学者と出会う。
異端思想に基づく禁忌に触れたため拷問を受け、投獄されていたというフベルト。
彼が研究していたのは、宇宙に関する衝撃的な「ある仮説」だった———
☆登場人物
★第一章からの登場人物
★ラファウ
CV:
坂本真綾
本作の第一章の主人公。
孤児でありながら12歳で大学に合格するほどの神童。内心では周囲の人や世界をバカにしている。
「合理的に生きる」「合理的なものは常に美しい」を信条にしているが、「合理的ではない天文学への憧れと情熱」を捨てられずにいる。
六等星まで見えるほど優れた視力を持つ。
ある日、養父のポトツキが引き取った元異端者のフベルトと出会い、異端思想とされる『地動説』に触れたことでそれに魅せられる。
★ノヴァク
CV:
津田健次郎
本作の全編にわたって『地動説』を追って取り締まり続ける「C教」の異端審問官。
本作の狂言回し。
元傭兵という異色の経歴を持ち、これまでにも数多くの異端者を何の躊躇いもなく拷問し、処刑している。
常に気だるげでやる気の無い態度を取るが、洞察力と推理力に非常に長けた人物。
加えて代闘士として多くの戦いを勝ち抜いてきたオクジーに「戦えば死ぬ」と思わせるほどの剣の腕前も持っており、地動説の研究者達を追い詰めていく。
家族に自分の仕事の詳細は伝えていないが、それが後に悲劇へと繋がっていくこととなる。
★フベルト
CV:
速水奨
『地動説』を研究し、異端者として収監されていた天文学者。
「二度目は無い」と言われて釈放され、ポトツキの元に引き取られる。
出所後も『地動説』の研究を辞めるつもりは全くなく、ラファウを無理やり助手にして研究を続ける。
しかしそれがノヴァクに発見され、ラファウを庇って一人で全ての罪を背負い、処刑される。
本作のキーアイテムとなる「地動説の資料が詰まった石箱」を残す。
★ポトツキ
CV:巻島康一
孤児であったラファウを引き取った義父。
敬虔な神学者であり教師。
ラファウが天文学を続けるのを辞めさせようとする。
実は彼も過去に天文学と『地動説』を研究していたが異端視され、改心ともう研究を行わないことを条件に釈放された過去を持つ。
フベルトはその時の彼の教え子であった。
★第二章からの登場人物
★オクジー
CV:
小西克幸
第二章の主人公。
凄腕の代闘士であり、依頼を請け負って多くの決闘に臨み、勝ち抜いてきた猛者。
非常に優れた目を持っている。
しかし、とてもそうは思えないほどの卑屈でネガティブな思考の持ち主であり、この世に希望は無いとして、早く天国へ行くことを望んでいる。
一方でこれまでに見てきたほとんどの死に顔が無念に歪んでいたこと、その中で異端者とグラスの2人だけが満足気な死に顔だったことに苦悩する。
護衛していた異端者の残した情報から『地動説』の資料の入った石箱に辿り着き、バデーニの『地動説』の研究者に協力するうちに彼もまた『地動説』に魅せられ、その感動を手記に残そうとする。
★バデーニ
CV:
中村悠一
第二章のもう1人の主人公である修道士。
非常に頭脳明晰だが修道士でありながら非常に野心的で傲慢な人物であり、自分のことを英傑と信じて疑わず、自らが歴史を動かす瞬間を待ち望んでいる。
三校以上の上級大学から推薦を受けないと入れない修道院に所属していたが、その野心から規律通りに行動できず懲罰を何度も受けており、目玉を焼かれる罰を受けると分かっていながら異端者の禁書に手を出したことで目を焼かれて追放された。
そのため右目に眼帯をしている。
元々天文学や惑星の研究に精通していたが、オクジーの案内で見せられた『地動説』の資料の入った石箱の資料を読んだことで『地動説』を確信し、その完成を目指し始める。
★ヨレンタ
CV:仁見紗綾
天文研究助手をしている14歳の少女。
宇宙論の大家のであるピャスト伯にその実力を買われて施設に入れたが、「女だから」という理由で満足に研究に加わることができないことに絶望している。
協力者を探していたオクジーとバデーニと出会い、自身の雇い主であるピャスト伯と二人を引き合わせて地動説の完成に貢献する。
実はノヴァクの一人娘であり、彼女自身は父親が異端審問官の仕事をしていることを知らなかった。
★グラス
CV:
白石稔
オクジーの同僚の代闘士。
家族を亡くし絶望していた中、火星の観測をすることによって生きる希望を見出し、独自で天文学を研究するようになるも「火星の逆行」によって再びその希望を失う。
異端審問官と共同で行った異端者の護送任務中に、異端者の言葉に共感してオクジーを無理矢理巻き込んで審問官を裏切り、オクジーと共に石箱を発見する。
逃走中に老朽化して崩れた橋から川にオクジーと共に落ちそうになり、オクジーを庇って彼に全てを託し、命を落とす。
★異端者
CV:三瓶雄樹
本名不明。
ラファウとフベルトが残した石箱を偶然発見し、『地動説』を研究していた。
輸送中にグラスを説得して脱走を図るも、ノヴァクの攻撃からオクジーを庇って死亡する。
死に際に石箱のありかを示す首飾りをオクジーに残し、オクジーとグラスはそれと彼の言葉から石箱を発見する。
★ピャスト伯
CV:ふくまつ進紗/
浪川大輔(若年期)
ヨレンタの雇い主である宇宙論の大家。
女性を差別しておらず、彼女の実力を認めている。
「完璧な天動説」の証明に全人生を捧げている。
★アントニ
CV:三上哲
ノヴァクが仕える司教の息子。
聖職者の身でありながら強い拝金主義者であり、自分の利益になるもののためなら手段を選ばない冷酷で強欲な性格。
司教である父親の保守的な姿勢では先は無いと考えており、父親に気に入られている異端審問官のノヴァクを敵視している。
★第三章からの登場人物
★ドゥラカ
CV:島袋美由利
第三章の主人公。
黒髪と褐色をした移動民族の少女。
幼少期に両親を亡くしており、その原因が貧しさにあると考えていることから、金稼ぎに執着している。
「運命を連想させる」という理由で朝日を嫌っている。
オクジーとバデーニが残した本を読んで『地動説』を知ると同時に異端解放戦線と関わるようになり、次第に彼らに感化されていく。
★シュミット
CV:
日野聡
異端思想への弾圧の排除と異端者の解放を目指し、教会や異端審問官と敵対している異端解放戦線の隊長。
回収するはずだった『地動説』本を燃やしたドゥラカを「組織長」の元に連行する。
『天動説』を覆す『地動説』の存在は教会正統派に打撃を与える「絶対が揺らぐ」情報だとして、組織長と共にその公開と本の出版を目指している。
★最終章の登場人物
★アルベルト・ブルゼフスキ
CV:石毛翔弥/
種﨑敦美(少年期)
最終章の主人公。実在したポーランドの人物。
パン屋で働く青年だが、非凡な頭脳と才能を持っており、その才を買われて親代わりであるパン屋の親方からは大学への進学を勧められている。
しかし、彼自身は父親を失うに至ったある事件がきっかけで学問を嫌い距離を置こうとしており、大学への進学にも乗り気では無い。
多くの人間が血を流しながら『地動説』を残そうとする中で、最終章の主人公である彼が受け取った物とは…?
この項目の追記・修正により利益が生じた場合、その一割をポトツキに贈与すること。
- この作品の嘘は地動説が迫害されているのほかにもう一つって -- 名無しさん (2026-07-05 13:00:28)
- 「地動説自体は教会で研究されていて精度の問題で疑問視されていた」があるのよね。そこについての誤魔化し方が「そもそも登場人物の研究結果が表に出ない」は結構際どいけど上手いと思った -- 名無しさん (2026-07-05 13:02:20)
- この漫画の「何これ?」のシーンが実は死ぬほど恐ろしいシーンと聞いたけどどういうこと? -- 名無しさん (2026-07-05 13:17:04)
- ↑ノヴァクが淡々と証拠を突きつけて追い詰めてくるシーンだからという話ではなく? -- 名無しさん (2026-07-05 13:35:33)
- 何があったか忍たま並に女子にも人気が出てしまった作品 -- 名無しさん (2026-07-05 13:45:32)
- フィクションの後にノンフィクション(らしきもの)お出しされて「よくわからないけど作者は天才なんだ」って無理矢理納得した。そうしないと話が飲み込めなかった。 -- 名無しさん (2026-07-05 14:54:16)
- よくわからないから考えるってのがテーマよ -- 名無しさん (2026-07-05 15:03:58)
- どハマりして、以来あちこちで「◯。ー◯◯のXXについてー」とコメントするのが癖になってしまった。 -- 名無しさん (2026-07-05 18:34:04)
- 2章のオクジーとバデーニのバディが一番好きだなぁ。結末が悲しくも熱い -- 名無しさん (2026-07-05 19:20:31)
- ノヴァクさんの結末は自業自得ではあるんだが、それにしたってあまりにも可哀そうすぎた -- 名無しさん (2026-07-05 21:07:47)
- アニメが面白すぎて一気見するぐらいの素晴らしい作品やった! -- 名無しさん (2026-07-05 21:51:19)
- アニメ化したときかな、CMで怪獣ばっかり聞いてた気がする。 -- 名無しさん (2026-07-06 07:31:25)
- 実際当時の人たちって、地動説天動説にそこまで強い弾圧とかやってたんかな? NHK的には「思想弾圧はやめましょう」的なニュアンスでアニメ放送したと思うんだが -- 名無しさん (2026-07-06 08:12:10)
- ↑そんな単純な物語ではないよ -- 名無しさん (2026-07-06 08:21:50)
- 「異端が処刑されてた」「地動説が異端だった」というのは史実だけど「地動説が異端だという理由で処刑された」史実はあまり見当たらないんだよね そしてその点をメタ的な伏線にしてるという凄い作品 -- 名無しさん (2026-07-06 15:15:35)
- 強いて言うなら漫画は絵の迫力は凄いけど若干読みづらかったから、アニメでかなり見やすくなったのがありがたかった 印象的な一枚絵は漫画にも結構あるんだけども -- 名無しさん (2026-07-06 15:22:04)
- 最終章が始まった時の困惑が最後の最後で納得に変わっていく感覚、本当にすごかったな… -- 名無しさん (2026-07-06 19:03:27)
- アニメ版はかのお禿を「原作あんなに凄いんだからアニメはもっとやれただろ!通り一遍で満足してんじゃねぇ!(意訳)」とキレさせた。 -- 名無しさん (2026-07-12 23:02:54)
- 「異端かどうかは解釈次第なデリケートな問題。宗教の公式見解って訳ではなく、限定された時間や場所での独断など歴史の記録上には残されずに迫害された作中キャラのような人間が存在したことが、民衆には勘違いを引き起こした」と史実性も踏まえた上で一つの仮説は提示されてたと思う。これに対しても異論は必至だろうが、あくまで歴史漫画としては水準に達してるのではと思うし、多くの読者感想が歴史の影にはこんな人達が居て、現在に繋がっているものなんだねとなっている辺り成功したと言えそう。 -- 名無しさん (2026-07-18 23:54:15)
最終更新:2026年07月18日 23:54