注意:これ以降は、『魔法少女ノ魔女裁判』の根幹に携わるネタバレを含みます。もしあなたが本作を未クリアの場合、正しいゲーム体験を得ることが出来なくなる可能性があります。ご注意ください。
牢屋敷での最後の裁判が終わった。
最後まで生き残ったエマは、黒幕であった氷上メルルに追い詰められる。その中で見せられた、彼女が探しつづけていた「大魔女」の写真。その写真を見たことで、エマは無意識の記憶改変によって忘却していた、いじめられているのを傍観した少女──月代ユキのことを思い出してしまう。
ユキの記憶という禁忌に触れたエマは一気に魔女に変貌。ユキ、即ち大魔女から直接継承された力──「魔女を殺す魔法」を以て看守とゴクチョーを機能停止させ、メルルも魔術を打ち込んだうえで処刑台の炉に突き落として殺害した。
ひとりぼっちになった彼女。
思考が思い出の代わりに衝動で塗りつぶされていく中で、エマは牢屋敷で出会った少女たちとの思い出を振り返っていた。
忘れたくないと願う中には、この惨劇の最初の犠牲者であった彼女の記憶もある。そんな中、1つの疑問が思い浮かんだ。
ヒロちゃんの魔法は、なんだったのだろう。
彼女の思いも虚しく、記憶は消え失せていった。
真の元凶である月代ユキ──大魔女の筋書きのもと、史上最悪の殺人事件は成就する。誰よりも優しく純粋なエマが、これから全ての人間を殺していくのだ。
惨劇を振り返るように、エンドロールが流れ始める……
蓮見レイアが見られないことに絶望しながら鉄の処女で処刑された。
夏目アンアンが幸せを壊したことを悔いながら自刎で処刑された。
橘シェリーが友情を確かめながら火あぶりで処刑された。
宝生マーゴが魔女になった沢渡ココに爪で刺し殺された。
沢渡ココが氷上メルルにトレデキムを投与され殺された。
氷上メルルが魔女になった桜羽エマに処刑台へと突き落とされ殺された。
。たれさ殺れさと落き突とへ台刑処にマエ羽桜たっなに女魔がルルメ上氷
。たれさ殺れさ与投をムキデレトにルルメ上氷がココ渡沢
。たれさ殺し刺で爪にココ渡沢たっなに女魔がゴーマ生宝
。たれさ刑処でりぶあ火らがなめか確を情友がーリェシ橘
。たれさ刑処で刎自らがない悔をとこたし壊をせ幸がンアンア目夏
。たれさ刑処で女処の鉄らがなし望絶にとこいなれら見がアイレ見蓮
エンドロールの終わり際、突如としてそれは巻き戻る。
砂嵐を超えてそこにあったのは、最初に死んだ彼女の姿だった。
二階堂ヒロ
登録日:2026/07/12 Sun 18:38:29
更新日:2026/08/01 Sat 19:09:48
正しい所要時間:約 30 分で読めます
二階堂ヒロ(ニカイドウ ヒロ)は、ゲームブランド「Acacia」の作品群で登場するキャラクター。
『魔法少女ノ魔女裁判』における、後半の主人公である。
「死に戻った」彼女の存在を基に物語には少しずつずれが生じ、新しい牢屋敷での物語が始まることになる。
【プロフィール】
CV:東雲はる
囚人番号:659
魔法:死に戻り
トラウマ:自殺
誕生日:1月10日
身長:157cm
体重:50kg
原罪:正義の執行者
彼女が歩んできた道には一点の汚れもなかった。
その独善という理想郷の中に、絞首台という異物は受け入れられなかった。
【容姿】
魔女化が進行しないうちは1週目と変化なし。
出番が増えたこともあり、1週目にはなかった笑顔、驚き、動揺など多彩な表情を見せる。
本編ではエマが持っていた万年筆は今回は彼女が持っており、冷静さを保つための日課である日記執筆に使用する。
後半になるにつれ爪が長く伸びるなど魔女化が進行。2度目の死に戻り直後にはいったん姿がリセットされたが、既に魔女化しないギリギリのラインまで来ていたこともあり、すぐに異形の姿に変貌した。
魔女特有の鋭い爪・ひび割れ黒ずんだ肌・濁った瞳に加え、本来の眼の下に2つの右目と1つの右目、角が生え髪の一部が蛇型になるという、悪魔のような姿。角や複数の目から
兄上を連想した共犯者も多いかも。
天使のように羽をあしらったエマの魔女化とは相変わらず対になるデザインとなっている。立ち絵ポーズでは袖が余って萌え袖型になっていることから、背が多少縮んだ模様。
魔女特有の不死性や身体能力の向上ももちろん得られるが、暴力衝動も増加するので抑え込むには理性が必要。
【人物】
清らかな湖にひとつの毒を混ぜれば、生き物は死滅する。
精緻な絵画にひとつの傷を加えれば、芸術の価値は失われる。
完璧なハーモニーにひとつの間違った音が在れば、不協和音になる。
正しいを願う脳に、1匹の害虫が棲み着いていたならば──世界が崩壊する。
1周目では早期に退場してしまったがため十分に見えなかった人物像が、主役となる2週目では具体的に見えてくる。
正義感の強さは前週でのイメージ通りであり、正しい存在として「正しくない」魔女を裁くことを決意。日常でも食事時間での管理、独房の見回りなど積極的に場を仕切って秩序を維持しようとする。
その正しさの追求で重視されるのは過程ではなく、正しい結果。正しさに至るためには手段を選ばない。
「嘘も貫き通せば真実」と考え、状況において必要であれば嘘や精神面の揺さぶりを平然と使う。魔女化の進行による凶暴化も込みとはいえ、場合によっては殺人すら辞さなかった。このせいで裁判パートでは主人公らしからぬBGMが定期的に流れる
その言動から「なにか事件を起こしかねない」と見なされる気性は他のメンバーにも強く印象付けられているのか、状況による不運の要素が大きいとはいえ、毎回事前投票による犯人候補として拘束の憂き目にあっている。
エマの他、アンアンに迷惑をかけたノアに対する対応を見るに「過去の正しくない行為は何をしても取り返せない」と考えている節がある。これもあって当のノアとアンアンの関係が寧ろ改善してもノアとは距離のあるままだった。持ち前の責任感ゆえ、自分もまたこの対象のようだと分かる行動を最終盤で取っている。
敢えて言うなら、彼女の持っているのは単に強い正義感というより、自己の正義を社会的な「正しさ」として振りかざす、強い独善性といった方が正確であろうか。いくら精神年齢や知性の高さをのぞかせたとて、まだ15歳。持ち前の正義感や責任感に、若さゆえの純粋さや身勝手さ、そして実際に優秀でもあるがゆえの全能感が結びついた状態と見ることもできよう。
一方で、その苛烈な正義感と同時に、優しさや面倒見の良さも見せるようになる。
小学校の時はエマのことを心配して親しくし、中学校では浮き気味でいじめられていたユキを守ろうとしていた。
牢屋敷の中で出会ったノアとはユキに似たものを感じて気に掛け、食堂に連れ出したり一緒にアトリエを探したりするなどしばらく面倒を見ていた。ストレスを避けるために
レイアが主導した劇づくりにも協力的な姿勢を見せ、脚本に悩むアンアンを手助けし励ました。糖分不足を嘆いた時にナノカのお菓子作りに関心を示したり、シェリーの腕相撲に巻き込まれて審判役をしていたり、ミリアたちと川で遊んだりと、年齢相応に娯楽へは関心を見せる一面も。
実際のところ「元から正しい者は自分が何かしてやる必要はない」と考えている節があり、仲良くなる相手は「正しくない」側の人間の方が圧倒的に多かったりする。
言うなればデスゲームの中にいる状態なので、本人としては情や信頼を捨てて動こうとはしている。が、裁判を通してこの世の悪である魔女を裁くと意気込んでいたものの、事件の原因は単純な身勝手さではなく犯人のトラウマと魔女化による殺人衝動が結びついているということもあり、実際には処刑の前後で苦悩の表情を浮かべている。
憎悪を見せていたエマに対しても、殺意を向けられつつも依然として自分を守ろうとした彼女に触れ、徐々に彼女への態度に迷いを見せるように。
総じて、手段を選ばず独善的ですらある正義感の一方で、他者への思いやりや情も兼ね備える、どちらかの側面では括れない人物。
過酷な環境の中で「正しいか、正しくないか」だけでは割り切れない他者に触れたことで、やがて本当に「正しい」道、みんなを受け入れて救うという方向へ進んでいく。
「困難な状況でも真実を知り、前に進む勇気を持ち続ける」という王道の主人公像を示すエマに対し、ヒロの方は「優秀ながら難を抱えた人物が、他者との交わりの中で変化していく」という流れが見て取れる。この点はエマとはまた違った方向性の王道な主人公と言えるだろうか。
精神的に動揺している時には掃除をする癖がある。
処刑寸前にまで追い込まれてやっと爪が伸びるなど魔女化兆候が出てきたエマと違い、1週目での看守への衝動的な攻撃に加え、エマの殺害計画による変調や身体変化など、割と早めに魔女化が進行している描写がある。性分的にストレスがたまりやすいのか、それともストレスが溜まって魔女化が進んでいるがゆえの性分と見るべきか?
【能力】
「正しい話をしよう……」
明かされた魔法は「死に戻り」。
死亡時、記憶を引き継いだ状態でその日に目覚めた時間に戻ることが可能な魔法である。幼少期に水難事故で死亡した際に発動し、死を回避してから自覚した。
別の世界を観測できるココの魔法との兼ね合いや暴発・干渉時などの各種描写も鑑みると、より厳密には「死亡時に記憶を保持した状態で並行世界に移動(転生?)する」というのが正しいのだろうか。
死というリスクを半ば無効化し、情報アドバンテージを持った上でやり直すことができる非常に強力な魔法といえる。
……なのだが、このような超常・異常な力はヒロにとって「正しくない」忌々しいものとして受け取られているので、基本的に使う事には抵抗感がある。加えて彼女自身の自殺へのトラウマから「自ら命を絶った上でやり直し、事件を未然に防ぐ」という選択肢は原則的に取らない(取れない)。
穴や適用されない状況もあり
- 情報があっても戻れる限界のタイミングでは既に致命的な事態を収拾できなくなっている場合、絶望的なループに巻き込まれてしまう
- 牢屋敷に残留する魔法・トラップなどにより、水底や異世界などに死なないままに封じられる
- 処刑に使われる魔女の能力を無効化する紐、そしてトレデキムや「魔女殺し」による死の場合には発動せずそのまま死んでしまう
といった具合に、バッドエンドではバリエーション豊かなひどい目に合っている。
魔女化によって魔法が強まった場合は、死亡日の朝よりさらに長い時間の遡行が可能となる。最大限に行使できる状態であれば、数十日単位での移動が可能である。ただし魔女因子も引継ぎ対象であり、ギリギリの状態で遡行すれば、戻ったとたんに魔女化が一気に進行する苦痛を味わう羽目になる。
魔法自体は非常用の力ともいえるので、真の武器は非常に優れた頭脳面にある。
前半の主人公であるエマも推理力は優れていたが、基本的に論理や証拠を用いて地道かつ確実に真実を追い求めるエマと比べ、ヒロは魔女裁判の「物的証拠や複数審からなる厳密な刑事裁判ではなく、時間内の心証・印象によって結果が決まるもの」という性質を最大限に利用する。
このため、彼女の裁判パートでは嘘が下手なエマには出来ない「偽証」のコマンドを使うことが可能となる。これによる詭弁・扇動すら駆使して状況をかき乱して疑いの目を逸らしつつ、情報を集めて矛盾を指摘、最終的には真実に迫っていく……という形で裁判を進めていく。
……結果のためには過程が多少歪んでもいいというのが正しいかどうかは意見が分かれるだろうが、4度の裁判全てにおいて疑われる状態にありながら、その追及をかわしたうえで真実にたどり着くために必要だったのは確かか。
その結果、4件中3件の決め手が偽証からの犯人の心理的屈服といういっそ潔いまである戦績になったのはご愛敬。
その他にも、ナノカがミリアへの幻視で読み取った内容による推察を彼女が黒幕だと速攻で信じた本人と違ってすぐには信用しなかったり、牢屋敷の「魔女候補を集め魔女化を促すことで大魔女を探す」という真相に近い推理を序盤でしていたりと、頭脳を感じさせる場面が多い。
学級委員長・生徒会長などを務めた経験から、リーダーシップもある。彼女が冒頭でメンバーをある程度まとめたことで、冒頭部では1周目と違いエマ・レイアによる派閥が形成されず、連絡や魔法の共有も早期から行われた。ヒロが周囲と距離を置いた後も、カリスマ性のあるレイアや協調性の高いミリアが生存していたこともあって、1週目と比べれば一応の連帯感が保たれた状態を維持していた。
スポーツでも一流のようで身体能力も高く、火かき棒を自在に振り回し、ナノカの奇襲をとっさに回避。バッドエンドではレイアやアリサ、魔女化後は看守相手にも立ち回りを演じている。
【人物関係】
首吊り輪の先に見えたのは、私にとって正しくない世界を作った存在。桜羽エマ。
(これがエマの本性だ もうその手には乗らない)
「何を勘違いしたのか知らないが。私は、君が、嫌いだ」
強烈な憎悪の対象。同室で過ごし、多少の会話だけでもストレスで魔女化が進行するほどに嫌っており、一挙手一投足にいちいち反感を示す。一週目で冷静さを失って凶行に出て死んだのは、エマと再会したストレスによる魔女因子の強烈な増幅だったと彼女は結論付けた。
幼なじみで親しくしていたものの、当時から上履きを隠されたフリなどをして気を引こうとしていたエマに対して感じるところはあった模様。中学生になってからは別のクラスになったためやや疎遠になっていたが、ユキと親しくなった彼女に招かれて改めて3人で過ごすようになる。
だがヒロが短期留学で離れている間、ヒロはいじめを受けていたユキのことを任せたのだが、結局ユキはエスカレートしたいじめを苦にして自殺。彼女を守れなかったエマはそのトラウマにより、彼女を忘却して自分がいじめを受けていたという形に記憶を無意識に改竄。
そんな事情は分からないヒロからすれば「親友へのいじめを傍観して死に追いやった挙句、自分はそのことを忘れきって自分が被害を受けたかのように言う」ように見えてしまい、当然嫌悪するようになる。クラスメイトも中心人物だったヒロに倣った結果、エマはクラスから無視されるような形になってしまった。
2週目では、裁判で事実を隠したり処刑後にふと笑みを浮かべたりしていた彼女を本格的に魔女と決めつけ、2話ではその殺害計画が話の軸に。
「そう……ヒロちゃんはすごいんだ。」
一方、エマの方はそれでも関係を修復したいと考えており、ヒロの優秀さをたびたび他のメンバーに話していた。
希望が見えた機会が不発かつヒロから殺人の疑いをかけられた際は流石に憤慨し疑ったとはいえ、裁判が進むと「殺すとすればボク」と、意図せずヒロの本来の予定に近づきつつも疑いを逸らすように発言。さらにヒロが事故で殺人を犯してしまった時はその場で咄嗟に隠蔽しようとし、裁判では自分の犯行だと示唆するなど変わらず献身的に行動。
ヒロの方もそんなエマの姿に接し続けたことで、彼女が本当に悪、魔女なのか迷い始め……
1周目では最初の事件の犠牲者になった彼女だが、2週目ではヒロとの接触などで独房から出て周囲と関わる機会が多かったことも幸いしたか生存。裁判ではヒロの嘘を見抜くなど、1週目では見せることのなかった鋭さも垣間見れる。
彼女のマイペースさにユキに似たものを感じたためか、食事に連れ出したり、迷惑がかからないように絵を描ける場所を探すことに協力したりシャワーに付き合ったりと気にかけ、ノアの方も懐くそぶりを見せていた。だが、ノアがアンアンのいる部屋の中でスプレーを撒いて絵を描き、彼女に迷惑をかけたことに怒ったヒロが手を上げてしまう。さらにその後もヒロが許す姿勢を見せなかったことで、ノアの側もヒロを避けるようになってしまった。
結局当のアンアンとの関係こそ改善できたものの、ヒロとの関係は明確に悪くも良くもないと言った微妙な関係になってしまう。
決定的な断絶が起きた後、やっと本音が言いあえた。
──大嫌いなんて、本心じゃなかったんだよ。
「今更だ……!そんなこと、とっくにもうわかっている……!」
「さあヒロくん!共に真犯人を追い詰めようじゃないか!」
(……探偵役を諦めて、【相棒役】になろうとしてる……!!)
1周目では最初の事件の加害者になった彼女だが、2週目冒頭ではヒロが実質的なリーダー役を勤めており、プレッシャーが少なかった事も幸いしたか事件を起こすことはなかった。
裁判中でも目立ちたいムーブを止めないレイアに振り回されつつ、一方では状況打開のため協力し、利用もする。日常で見せる彼女のリーダーシップは確かなもので、彼女が計画した劇の開催には当初から割と好印象で、後に協力する姿勢も示していた。何かと張りつめ、孤立しがちなヒロに対し、シナリオ内での清涼剤的な役割を果たすことになる。
日常・裁判共にボケ役の印象が強いのだが、検死や音響知識などのスキルを見せて感心させることも。1週目でもなかなか複雑なトリックを用いただけあって頭脳自体は優秀であり、ヒロの魔法にも薄々気づいていたと思わせる場面もある。
とある分岐では、共に時間を過ごしているうち、互いにある思いに目覚め始め……?
今ならわかる。あれはきっと、自分の半身となる存在との出会いを悟った瞬間だったんだ。
1週目同様単独での行動が多いが、エマと比べると序盤から絡みは多め。
自己紹介時に各自の名前や時間などを把握していたヒロを怪しむが、ノアに懐かれている彼女を見てすぐに「悪い人ではない」と考えを改めた。ヒロの方も彼女が落としたリボンを一緒に探すなど面倒見の良さを見せ、ナノカも無理に過去を知ろうとするのを控え、お菓子作りを提案するなど信用するそぶりを見せた。
本来冷静な彼女が魔女の衝動とヒロがダストシュートの蓋を緩めていたせいで事件を起こしたことは、魔女因子の強烈さを示しつつ、エマへの殺意を高めていたヒロを多少冷静にさせた。以前の周回でシェリーがエマに託したように彼女の遺言じみたメッセージはヒロに送られ、真実に向かうヒントとなった。
「もう誰も、犠牲になってほしくないから。……よろしくね、二階堂ヒロ。」
「……勝手な遺言だ。」
1周目では事件を起こさず最終局面まで生き残った彼女だが、2週目ではヒロの存在によるバタフライエフェクト、さらにココによる情報の引継ぎが相まって犯人となる。裁判では彼女の仕掛けた入念なトリックにレイアを焚きつけつつヒロが挑む、頭脳戦・騙し合いに。結果的にみんなを信じることを選んだヒロが勝り、最初にその手で裁いた「魔女」となったのだが、それでもどこか釈然としない気持ちを彼女には残した。
裁判の終局、そして最後へと向かう裁判の一局面という2場面において、彼女の発言に対してヒロは全く同じ発言で返す。
嘘つきな少女に向けた言葉の使い方の対比は、彼女が牢屋敷の中で共に過ごした時間が嘘ではなかったと改めて伝えてくれるだろう。
「……最初からこうやって、苦しめるつもりだったのね?」
「……そうだ。私は君に、嘘はつかない。」
「……そう。ありがとう。……嘘ついたら、殺しちゃうところだったわ。」
中学校で出会った親友。いじめを受けていた彼女を積極的に守ろうとしていた。ヒロがエマとクラスが分かれて一旦疎遠になっていた時期にエマと友人になり、そこにヒロも入るようになった。3人は仲良く時間を過ごすようになった。
だが自身の短期留学中、エマに任せていた彼女は、結局いじめを苦にして首吊り自殺。友人が命を絶ったことはヒロにとってトラウマとなり、彼女にとって自殺が禁忌となり、その原因を作ったエマを憎悪する理由となる。
生前にエマのことを「いずれ禍をもたらす魔女になる」と語っており、魔女が実在する疑心暗鬼の環境下でヒロはエマに対する疑念をさらに強める格好となった。
1周目でエマがヒロの遺体から拾った万年筆は本来ヒロが彼女に送ったもので、2週目ではそのままヒロが所有している。
ちなみにユキの方はというとエマに対する歪んだ情愛に対して、ヒロに対する感情はやや不明瞭である。どちらかと言えば悪意の側に寄っている節すらあり、1周目地の文で「エマの中学生活を暗黒に~」と表現したり、真実を知ったヒロを露骨に嘲笑するなどの行動が見られた。
【『魔法少女ノ魔女裁判』での活躍(2週目以降)】
死に戻りによって目覚めた後は、ストレスによる魔女化を避けることを目指し、リーダー的に場の秩序を保とうと活動。しかし最初の裁判後に笑みを見せたり何かを隠したりする素振りをしたエマを、ユキのかつての言葉と連想させて「魔女」だと断定、殺害を決意。隙を無くそうと意図して孤独に振舞おうとするように。
ダストシュートに落とすことで事故死に見せかけるという計画は、諸々のアクシデントとさらなる事件の発生から断念。状況と魔女因子の進行による一種の妄執もあってエマを犯人と疑ったが、逆に当初はヒロを疑っていた彼女の側から途中寧ろ擁護され、犯人を共に見つけることになる。
その気がなくても魔女因子がもたらす衝動と偶然がいずれ殺人を引き起こす、不可避の構造。事件の後はエマもまた牢屋敷に捕らえられた被害者と見なし、事態打開のために牢屋敷の探索を進めつつ、進行を抑えるためにもレイアの劇に協力姿勢を見せる。その後の事件ではあれだけ忌み嫌ってもなお自分を守ろうとするエマを前にし、明らかに意思は揺らぐ。
高熱を出したエマの看病中には彼女を排除するチャンスが訪れつつも、その時には既に「私はエマを殺せない」と自覚していた。
エマのうわ言から感づいて行った地下探索の末、メルルの遺体から見つけた写真により、牢屋敷の真実──全ての元凶は大魔女、月代ユキである──という事実をついに発見。全ての元凶はユキであり、エマもヒロも利用されていただけで、にもかかわらず自分はエマを追い込み続けた……という事実にようやく至る。
一刻も早くエマにこのことを伝え、謝罪しようと地上へのエレベーターを待つ。許されるか不安に思い、しかし彼女なら受け入れてくれるとも信じる心境の中、降りてきたエレベーターにあったものは──
すでに生命活動を停止させた、彼女の遺体だった。
追い打ちをかけるように、エレベーターの天井で相方役を勤めることが多かったレイアの遺体まで発見。
裁判で2人を殺した犯人こそ見つけた。が、死に戻ったとしても事件の原因が根深いので発生は避けられず、ならば事件を避けるために犯人を殺す……ということも今の彼女には出来なくなっていた。
弱り目に祟り目、追い打ちとばかりに、万年筆に宿っていた大魔女からも、自分が正しくなかったことについて嘲りを喰らう。
──最初にユキに出会った時、ヒロは彼女を守ろうとしていた。だがユキはかえってヒロを避け、逆にエマと接していた。
彼女がエマと親しくなった時も、そこに加わって3人で過ごすようになった時も、決して「良い子」ではないエマがユキから好かれることに、少しだけ嫉妬し続けていた。やがてユキの意図的な死をきっかけに、彼女は持ち前の正義感と嫉妬心を大きく増幅させた。ユキはヒロの心境を利用して、エマとヒロ、双方にトラウマを植え付けたのである。
私は【正しさ】を何より好んでいた。
世界には、ひとつの間違いもあってはならない。
清らかな湖にひとつの毒を混ぜれば、生き物は死滅する。
精緻な絵画にひとつの傷を加えれば、芸術の価値は失われる。
完璧なハーモニーにひとつの間違った音が在れば、不協和音になる。
正しいを願う脳に、1匹の害虫が棲み着いていたならば──
完全に黒幕の手の上で踊らされていた。
あのかけがえのない時間は嘘で、自分の行動には正義もなく、罪のないエマを追い詰めるという間違いを犯し、そこから誰も、何も救えなかったことを号哭する。
長い長い嗚咽の末に涙も枯れはて、次に顔を上げた時──最後まで生き残ったミリアとアリサの姿がそこにあった。
招かれた図書室で、何かの助けに……と二人から渡されたのは、エマの発案で全員が協力して解読していた魔術の本。
そこから13人の魔女を集めれば大魔女を呼び出せること、魔女化が進行して魔法が強化された今なら限界まで「死に戻り」が可能なことを悟る。
同時に書き込まれた言葉の数々は、彼女たちと過ごした時間を思い出させる。末尾にはエマの言葉も残されていた。
彼女は一人などではない、みんな足掻き、戦っていたのだ。
二階堂ヒロはやっと正しいエマを、本当の正しい道を見つけることが出来た。
覚悟は決まった。
彼女は自らの禁忌を踏み越え、また出会うために、用意した縄で首をくくる。
みんなを救うために。
二階堂ヒロは最初の日へ再び降り立った。
戻った直後に魔女化しつつも、抱えていた決意を胸に決断する。13人の魔女によって魔女因子への対応を行うために、その根源である大魔女を呼び出すサバトの儀式を行うことを。
これまでに犠牲になった者、これから犠牲になる者を救うために、魔女を集めて元凶を呼び出し、真犯人を裁く、「魔女裁判」を開廷させる……
成功が不確実なサバト以外の道を取った場合。
彼女たちを救うために、
彼女たちを殺すことで魔女因子から解放することを決意。目覚めた直後に儀礼剣とトレデキムを回収し、手始めに看守とゴクチョーを始末。その後夜の自由時間に乗じて少女たちを
惨殺救済していく。圧倒的な暴力で見知った命を奪っていくことに
愉悦苦悶しながら。
最後に残るエマを追い詰めるも、
たぶん大魔女が急ぎで思い出させたことでユキのことを思い出したエマが魔女化。彼女を貫くと同時に「魔女殺し」が発動、二人は折り重なるように相打ちとなった。
ヒロが次に目覚めた時、そこにはエマも、みんなの姿もあった。ここと向かう先がどこでも、エマが一緒ならばもうそれでよかった。
独り善がりな正しい道を選べた彼女は、その先に向かっていく──
……挿入歌「愛の残滓」やスチルを交えた演出面の残酷な美しさはともかくとして、メンバーは全滅、「魔女殺し」の特性を考えると人類も恐らく……と、れっきとしたバッドエンドである。最後のヒロのイメージにしても、ハイライトが無く都合よいセリフを語るエマの姿を見ると妄想の類と見なすのが自然であろうか。
全員を救う正しい道のためには、一見すれば確実で簡単な道を用いるのではなく、どんなに不確実で複雑でも時間をかけて議論し、現実と向き合ったうえで、答えを導き出すことが必要となる。
過去の記憶や他メンバーの協力による魔法も駆使しながら、全員のトラウマと向き合わせることで12人全員を魔女化させることに成功。13人の魔女と儀礼の剣というサバトの条件をそろえ、姿を現した大魔女──月代ユキとの論戦に入る。
魔女因子の根源である彼女を受肉させ裁判の場へと引きずり出したとはいえ、人間への強烈な憎悪に裏付けされた彼女の意思を覆すことは不可能であった。
強大な彼女への切り札かと思われたエマの「魔女殺し」も、一度発動すれば止まらず蔓延し、結局魔女因子の行き渡った人類を滅ぼしてしまうという事実が判明。
大魔女が殺すか、エマが殺すか──八方ふさがりに追い込まれたヒロたちに対し、大魔女はここでエマを殺せば魔女殺しを発動しないという誘いを持ちかける。
大魔女に抗するすべは見当たらない。だがエマを殺せば、人類が延命されるという結果は得られる。
2つの選択肢の狭間で葛藤する彼女だが……初めから結論は決まっていた。
何度責めても、何度突き放しても、エマはヒロを守ろうとした。
そんなエマを犠牲には出来ない。世界を敵に回したとしても、エマを必ず守る。
ここでカットインと共にエマが入り込み、ユキの発言の違和感を指摘。これ以降の裁判パートはエマと交代し、彼女の奥底にある矛盾を突きつけていく。
最後はエマと共に、復讐心に凝り固まりながら走り続け、しかし自ら手を下せなくなるほどには人を思うようになっていたユキを、計画を断念させるという形で救い出した。
まいた呪いの連鎖を終わらせるための魔女因子の引き取り、「魔女を殺さない魔法」を行う直前。
正しくないことをし、その償いを成そうとしてここから消えることも正しくないと、涙を流しながら見送るヒロ。
これまでヒロを避け、或いは嘲るような態度を取ってきたユキではあるが、実は自分を尊重し、守ってくれたことに対して感謝していた。エマが手を取って笑顔を見せた時と同様、ヒロが自分の万年筆を渡した時に、彼女の心は救われていたのだ。
魔女のいなくなった世界。
手続き上の問題もあって、牢屋敷からの帰還は時間をかけて小出しに行われることに。その最初の帰還者はヒロだった。
暫くこの地に残る少女たちとの会話の後、かけがえのない友人たちとの離れがたい思いを振り切るためか、さらりとその場を離れるヒロ。
そこにみんなに背中を押され駆けだしたエマが、このままお別れは嫌だと追い付く。
ヒロにあったのは、嫉妬と思い違いからエマに酷い事をしたことへの後悔と贖罪の念。ユキに利用されていたというのは言い訳でしかなく、彼女に与えた傷のことを考えれば、到底元には戻れないし、自分から戻ろうとすることも出来ない──だから頑なに、全てが終わった後でも、彼女とは距離を取っていたのだ。
頑ななヒロに、それでもエマは語りかけた。
昔からわざと失敗をしてヒロの気を引いていた、そうして先にヒロの心を縛ったのは自分だから「おあいこ」だと。
腹が立ったり許せないことがあったとしても、ヒロのことが大好きなのだと。
顔をくしゃくしゃにして振りむいたヒロに向けて、エマは大地を蹴った。
「君がわんわん泣くからな……仕方ないから、そばにいてやる……!」
【他作品にて】
SNSの闇が具現化した異界【裏U】の案内人。かつてとても恐ろしい事件に巻き込まれたという。
正義、自殺、いじめなどのワードに反応し、時々苦々し気にする。
髪型はストレートからリボン付きの三つ編みに変更、衣装は斜め帽子などが加わって軍服を思わせるものに。
プロデューサーの畑氏いわく、『まのさば』本編でとある結末を迎えた後のヒロだという。登場するワードは本編を、服装は牢屋敷の魔女候補たちを彷彿とさせるが……?
【正しさ】を追い求める村の外からやってきた少女で、村のことを調べているという。
友人思いでどんな状況でも落ち着いており頼りになる一方、非常に苛烈な面があり、【正しくない】と認定したものには容赦しない。
対応する花はヒガンバナ。魔法は明かされていないが恐らくは……?
髪型はポニーテールとカチューシャ型の三つ編み、蝶とヒガンバナの意匠が施された白と黒の和服を着用。
実に3作目の登場。2026年7月時点のAcaciaブランドゲーム皆勤賞達成である。三階堂ヒロ
まのさば本編との関係は不明。PVには『あの子への贖罪』なるワードがあり考察を集めている。
【余談・小ネタ】
声を担当したのはAcacia所属かつフリーランスの声優東雲はる氏。フリーランス時代に
仮面ライダーガッチャードにて
アルケミスドライバーの音声を担当している。
もとは声真似系の配信・実況者として活動を開始した。現在は声優、舞台俳優、ストリーマー、コスプレイヤーなどを兼ねるマルチな人物で、特にコスプレに関してはHoYoverseの公式クリエイターとしての活動もしている。
東雲氏本人はオーディション時はシェリー役へのキャスティングを予想しており、ちょうど逆にシェリー役の柊優花氏の方はヒロ役になると考えていたらしい。
2024年6月に公式Xにて公開されていたプロフィールの時点での二人称は「あなた」であった。
彼女に限らず初投稿時のプロフィールは現行のものから微妙に削除されているものが複数ある。開発期間中にそれなりの部分が変更されたのだろう。
でもハンナさんが言わなさそうな悪役令嬢っぽいサンプルセリフは今でも同じですね!
2章1話の裁判で、エマに対して怒りを見せる情感のこもったセリフ。
……が、ファンコミュニティや二次創作では、エマの衣装に見られる太ももガーターリング、或いは公式・コラボイラストなどでエマのあざとく正しくない姿が見られた際の共犯者の発情代弁として主に使用される。大抵は怒りマークの絵文字がセット。
中の人の東雲氏が使用することも。
追記修正は本当の正しさを見つけた方からお願いします。