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ゴーゴー仮面ライダー(ブローアップ版)

登録日:2026/07/18 Sat 19:30:00
更新日:2026/08/19 Wed 01:39:22
所要時間:約 6 分で読めます





恐怖の大軍団ショッカーの総攻撃が始まった

あぶないッ仮面ライダー地球の危機だ




ゴー
ゴー
()(めん)ライダー


カラー作品




7月18日から 始まります






『ゴーゴー仮面ライダー』とは
1971年7月18日公開の夏の東映まんがまつりで上映された特撮ヒーロー作品『仮面ライダー』の1作である。
映画作品ではあるがテレビシリーズ13話のいわゆるブローアップ版であり、劇場用新作ではない。
しかしながら仮面ライダーが映画という舞台に初めて躍り出た記念すべき作品であり、ライダー史のターニングポイントの一つである。



同時上映に『宇宙猿人ゴリVSスペクトルマン』『アンデルセン物語 おやゆび姫』『魔法のマコちゃん』(いずれもブローアップ版)
そして興行のメインである『アリババと40匹の盗賊』(劇場新作)の5本立て。






【ブローアップ版って?】


当時のブラウン管のテレビの画面比率『横4:縦3』で制作された作品を
劇場スクリーンの『横16:縦9』にブローアップ(膨らませて)上映すること。
といってもワイドサイズに強引に引き伸ばすだけなので、横はともかく枠に収まらない上下は容赦なく断ち切られる。
このせいで画質が上がる代わりに登場人物が首チョンパ状態になりやすい。

スクリーンにかけながらテレビ映像の再利用というこの試みは矜持ある映画関係者の中では「禁じ手」とする風潮もあったが
ビデオソフトがなく再視聴が難しい当時は「楽しいものは何度でも観たい」という観客の声は強く、好意的に受け入れられた。
子供向けジャンルも例外ではなく、そうして生まれたのが劇場用新作をメインに脇をブローアップ版で固める興行形態の『東映まんがまつり』である。
新作枠に選ばれることは即ち華型スターの証であり、コンテンツ人気の分かりやすいバロメーターだったのだ。

入場券を1枚買えば閉館まで1日中ずっと劇場にいる事ができた時代柄、当時のちびっ子は夢中でこのお祭りにかぶりつき、保護者のみなさまは目を回していたという。



【前回までのあらすじ(舞台裏)】


そして『仮面ライダー』は同年4月に始まったばかりのニューフェイスであり、そんな立ち位置にはまだまだ…どころか、主役の負傷降板という未曾有の危機に喘いでいた混迷の時代であった。
第2の仮面ライダー・一文字隼人が7月頭からテレビで活躍を始めて間もない時柄、しかし番組の視聴率自体は好調だったので「試しに」と一枠を都合された、まさに阿弥陀如来の蜘蛛の糸。

起死回生の好機に我らが仮面ライダーの制作本部が劇場興行に送り出した第一の使者は『トカゲロンと怪人大軍団』

負傷降板の煽りを受け本郷猛の出番が極端に少ないという泣き所はあるが、旧1号編のラストを飾る節目の話にして11人の怪人軍団が画面狭しと暴れ回る、極めて映画適性の高い一編であった。


【内容】



トカゲロン、さそり(おとこ)、こうもり(おとこ)

くも(おとこ)、サラセニアン、カメレオン、

かまきり(おとこ)、コブラ(おとこ)、ヤモラー、

ゲバコンドル、蜂女(はちおんな)、あわせて十一怪人(かいじん)

悪魔(あくま)軍団(ぐんだん)ショッカーの総攻撃(そうこうげき)(はじ)まった。

()べ、(はし)れ、仮面(かめん)ライダー。



以上がパンフレットに書かれた内容であり、一部怪人は台本段階での名称になっている(ヤモラーとか)
まぁ要するに13話なのでトカゲロンの項目でも見るか、もう直接本編を観てください。

【反響】


そんなこんなで上映された本作は、観客へのアンケート調査で見事1位の座に輝く。
そしてテレビでは一文字隼人の2号編が熱狂的ブームを引き起こし、次回興行72年3月での劇場用新作が決定した。

テレビシリーズ1話につき400万の制作費だった仮面ライダーは、劇場作品に際して2000万の特別予算を獲得。
それでも映画というカテゴリーとしては心許ない額だったので、シリーズ成立の立役者である平山亨プロデューサーは「テレビの手法」を用いる事にした。

番組制作を通して生田スタジオの着ぐるみ倉庫に蓄積されていく怪人達。
1週1体。 トカゲロンのエピソードでは、1クールの11体。
そして1年やれば52体。


倉庫の前を通りがかった平山Pは、ふとした思いつきを口にした。


「ぬいぐるみ、何体残ってんだ

「全部で50体くらいあるよ」

「使えるか

「使える」

「じゃあ、これ、全部出そう。再生軍団だ」






映画には金がかかる。怪人も新しく作れば当然ロハではない。
ならば過去の蓄積を活かせばよいのだ。

「オールスター映画の感じで怪人を出そう」
「次から次に出て出て名乗ってずらーッと並んで数十体」


その時歴史は動いた。
テレビシリーズとしての積み重ねを活かし、そして映画的な発想と撮影形式で臨む『劇場用映画』
興奮して自らのアイディアを山田稔監督に伝えた平山Pは「そんな長い尺とったらダレちゃうよ」と一度は反対されるも「子供は怪人が大好きなんだ!絶対ダレないよ!」と少年のような輝きを武器に押し通す。

そうして公開された劇場用新作「仮面ライダー対ショッカー」では
三英土木によって山を切り崩し都市建設の最中であった山あり谷ありの造成地という天運も味方し、切り立つ横長の崖という圧倒的なロケーションを得て再生怪人軍団の名乗りが盛り込まれた。
結果として劇場の子供達は画面に合わせて総立ちで怪人の名前を大声で叫ぶ興奮の坩堝となり、それを制するダブルライダーの活躍にまた歓喜し、オープニングとエンディングの主題歌を大合唱。
山田監督は「こんなに好評なら名乗りをもっと長く撮ればよかった」と少しだけ後悔し、平山Pは『仮面ライダー』というコンテンツの成功を確信した。

仮面ライダーシリーズが劇場スクリーンでも大成功を果たした影には、1本のブローアップ作品があったのである。




おわり




【余談】


  • タイトルの「ゴーゴー」はその後もシリーズで度々使われるフレーズとなり、5(ゴー)5(ゴー)で55周年みたいな語呂合わせにも用いられる。恐らくは「ゴーゴーレッツゴー」からの引用。


  • ブローアップ版ではあるが歴とした劇場作品であり、映画を対象とした映像ソフトには基本的に収録される。結果的に旧1号編→2号編(及び桜島1号)→新1号編の3シリーズ全てを劇場作品で網羅する事になった。




  • 上映された話こそ旧1号編(13話)だが、上記した通り既にテレビは2号編に突入した後。なのでポスターやパンフレットは旧1号と旧2号が並び立つ混沌とした状態になっている。放映(上映)時期の都合ではあるが、ある意味では本編で果たせなかった夢の共演と言えるかもしれない。





※追記・修正はアンケート1位を獲得して劇場用新作を確約されてからお願いします


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最終更新:2026年08月19日 01:39