仮面ライダーX

登録日:2011/08/24 (水) 06:07:17
更新日:2020/02/02 Sun 06:26:09
所要時間:約 7 分で読めます








「GODある限り私は死なん!!




【作品解説】


『仮面ライダーX』とは『仮面ライダー』シリーズ第3作で、仮面ライダーのイメージを一新させた作品。
これまでは敵から奪った武器を使っての戦闘が多かったが、本作で正式な手持ち武器を持ったライダーとなった。
他にも…

  • アイテムを用いて変身する(セタップ)
  • 銀色を用いた全体的にメカニカルなデザイン
  • 手持ち武器をベルトに常時携行している
  • 複数話を通して登場するライバルキャラ

などの様々な新しい要素が生み出された。
後の仮面ライダーシリーズ(特に平成ライダー)はこの要素を多く取り入れている。


当初の予定ではライダーマンは夏までに復活してXライダーのサポートとして準レギュラーとなる予定だった。
しかし、演ずる山口暁ピープロの『電人ザボーガー』の主役・大門豊となり、撮影のスケジュールがどうしても調整出来ず、やむを得ず、準レギュラーの話は流れ、ライダーマンが登場する予定だった脚本には仮面ライダーV3こと風見志郎が登場している。
Xライダーにマーキュリー回路を装着させるのも本来なら科学者の結城が行う筈だったのだろう。
ライダーマンのテーマソング「ぼくのライダーマン」が『X』のミニアルバム(コロムビア、KKS-4090)に収録されているのは、単に『V3』のアルバムにテーマソングが間に合わなかったというだけではなく、『X』にも登場する含みがあったためである。

また、メカニカルな姿や基地持ち(僅か2話で失われたが)という設定は、当時のロボットアニメブームの影響と思われる。
しかし、そのロボットアニメブームに飲まれてか視聴率は下降傾向で、その点において制作側は満足しなかった模様(関西方面では善戦したが)。
その結果、テコ入れ策としての路線変更や番組話数の短縮の煽りを受けてストーリー展開が弄られてしまい、その面を残念がる声や批判する声も少なくない。

製作が見切り発車気味だったのか何なのか、テロップの表記と実際の内容が違うということが妙に多かった作品でもあり、EDで紹介されている主題歌の曲名がオープニング・エンディング共に両方とも間違っているほか、次回予告のナレーションで「怖い!ゴッドの化け猫作戦だ!」というサブタイトルを「怖い!ゴッドの化け猫作戦!」と読み上げていたり、「ゆうれい館で死人(しびと)が呼ぶ!」とフリガナが振ってあるにも関わらず「死人(しにん)が呼ぶ」と読み上げていたり*1、挙句の果てには最終回で主人公が残した置き手紙で自分の名前の漢字が間違っているという有り様であり、特にこの最終回の表記ミスは伝説としてファンの間でたびたびネタにされる。


【あらすじ】


科学者である神啓太郎教授は、謎の組織GOD機関より組織への加入を迫られていた。
拒否した神教授をGODは報復として襲撃し、父親を助けようとした息子の神敬介は殺害されてしまう。
自らも瀕死の重傷を負い死を目前とするが、最愛の息子・敬介を深海開発用改造人間(カイゾーグ)技術を施し「仮面ライダーX」として復活させた。
そして敬介は父の意志を継ぎ、日本全滅を図るGODとの戦いを決意する。


【登場人物】


◎神 敬介(演:速水亮)
主人公で海を心から愛する好青年。母は彼を産んだすぐ後に亡くなった為、厳格な父・神啓太郎の手で育てられた。
文武両道な父から直々に指導を受け、空手や柔道や剣道に長けた有段者であり、また、バイクの運転技術もプロ級(とあるエピソードでは、立花藤兵衛から「適切な訓練を施せば、あの本郷猛や風見志郎を上回る可能性すらある」とすら評されていたほど)と何気に相当なハイスペック。
また、鋭い洞察力で敵の計略を見抜き、逆に罠を仕掛けるなど頭脳戦にも長ける。
舌戦も割と強いほうで、圧倒的な気迫で敵を黙らせることが多かった風見志郎らに対し、小粋なセリフ回しで相手に切り返すといった煽りテクを得意とし、主に対アポロガイスト戦でその能力を発揮した。
父、恋人、そしてその妹を失い苦悩する日々もあったが、仲間の支えもありGODと戦い抜く。
なお、V3=風見志郎とは同世代なのか、タッグを組んだ時には、割と頼りにしていたりする。



◎仮面ライダーX


神敬介が変身した姿で「Xライダー」とも呼ばれる。
「仮面ライダーX」の名は父から贈られた。

最大の特徴は、なんといっても中盤を境に変身のシステムが大きく変わるということ。

当初はベルト・レッドアイザー・パーフェクターという三つのアイテムを用いて「セタップ!」のかけ声で変身する仕様だったが、
28話でクモナポレオンの特殊能力の餌食となってエネルギーを吸い尽くされてしまい、彼を助け出した風見志郎によって、新必殺技・真空地獄車の発動を実現するための「マーキュリー・パワー」を発生させる装置・マーキュリー回路を手術で取り付けられ、以降はレッドアイザーやパーフェクターを用いない、従来のライダーに近い「大変身!」のかけ声&ポーズで変身するようになった。

なお、出自上、これまでの仮面ライダーと直接的に関係がないはずの彼が普通に「仮面ライダー」と呼ばれ、見た目も仮面ライダーと似た姿をしている理由は、
設定上「改造者の啓太郎博士が仮面ライダーの緑川博士と城南大学で同僚であり、彼から技術を提供されたから」とされている。
また、長谷川裕一氏も自身の著書で独自の考察を述べたりしている。

身体の特徴としては、深海開発用改造人間カイゾーグゆえに深海で自由自在に活動可能。
この為、海中の神ステーションにも自由に行き来できる。
当然ながら、水中戦にも秀でるのだが、劇中での水中戦はヒトデヒットラーとの戦いのみだった。
水中戦は現在よりも撮影が大変だったとはいえ、少なさが惜しまれる*2
ぶっちゃけ、前任のV3の方が水中・水上で戦う場面は多かった。

深海活動以外の身体能力は、V3以前では2つの装置に分けられていた疲労軽減装置が一つの装置に統合・小型化され、
思考速度向上のため、脳髄に人工頭脳を接続させる!という、かなり、アバウトな方法が取られている、
突撃銃の接射でも弾き返す強度の装甲とフレームを有するなどの特徴があり、改造初期の時点でも身体の基礎性能面は、あの風見志郎/仮面ライダーV3を上回る。

彼の武器はベルトに収納されている「ライドル」というマルチウェポン
グリップ部分にあるスイッチを操作してライドルホイップやライドロープ、ライドルスティックにして使用し敵と戦う。
初の武器持ちライダーの名は伊達ではなく、ライドルスティックを用いた棒捌きはお見事。
後半はキックを多用し真空地獄車を始めとした体術を用いるようになったが、最終決戦と客演時はちゃんとライドルを使用している。

ゲストとしての客演では、昭和時代は本編でのマーキュリー回路の設定を反映し、後期の『大変身』で変身する事が常態であったが、
平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』にて、数十年ぶりに『セタップ』を見せてくれた。
その事から、『仮面ライダーSPIRITS』のように現在では『Xライダーは両方の方法で変身可能』*3とする作品も出てきている。

「X」の名は、ライダーマンに続く仮面ライダー5号であることから、ローマ数字の「Ⅴ」と、VictoryのVを上下に重ねて「X」としたもの。

▽主な技
  • Xキック
  • X二段キック
  • X必殺キック
  • Xパンチ
  • X斬り
  • ライダーショック
  • ライドル脳天割り
  • ライドル風車(風車火炎返しなどの派生あり)
  • 吸着マグネット
  • ライドルバリヤー
  • ライダー電気ショック
  • ライダーハンマーシュート
  • ライドルバリア
  • 真空地獄車(空中地獄車)※マーキュリー回路内蔵後


▽クルーザー

神啓太郎が開発した、カイゾーグ用の海底開発用バイク。ベース車はスズキ・ハスラー。
自由に海の中を走り、2つのプロペラで空を飛ぶこともできる。

必殺技は「クルーザーアタック」


□協力者


○神 啓太郎(演:田崎潤)
敬介の父で城北大学の教授にして、海洋科学と人間工学の世界的権威。
頑固な性格で敬介とは親子喧嘩が絶えなかったが、その心には息子への大きな愛情を宿していた。

……一方で息子に対するあまりのスパルタぶり(詳しくは1、2話参照)は特撮ファンの間で長らくツッコミ所となっており、アメトーーク!でもネタにされた。

雑誌設定では第1作の『仮面ライダー』に登場する緑川博士と交友関係があったとされている。
とすると、「仮面ライダー」の名を知っていたのはルリ子から本郷の話を聞いたためだろうか。


○水城涼子(演:美山尚子)
敬介の婚約者で神啓太郎の助手を務めていたがGODの一員となり、その際サイボーグ手術を受けている。
実はインターポールの秘密調査員で潜入捜査を行っていたが、GOD総司令による体内の自爆スイッチで死亡した。
最期まで敬介に想いを寄せていた。
中の人は降板後、本当に敬介の中の人と結婚した。


○水城霧子(演:美山尚子)
涼子にそっくりな謎の美女。
実は涼子の双子の妹でGODに潜入した姉に変わって敬介を影からサポートした。
8話でアトラスの矢から敬介を庇って絶命する。
中の人は姉の涼子と二役演じた。


○立花藤兵衛(演:小林昭二)
前作から引き続き登場。
デストロン壊滅後、元々の稼業の一つである喫茶店「COL」を新たに開業。
本人としては、デストロンが滅びた時点で既に戦いは終わったものだとすっかり思い込んでいたようで、そのせいか前作「V3」の頃よりもだいぶ呑気な性格になっていた。
敬介と出会った当初は彼をデストロンの残党ではないかと訝しんでいたが、彼の事情を知ったあとは自分の過去の遍歴を話し意気投合。彼の良き理解者となり、再び頼もしい“おやっさん”へと戻ってゆく。


○チコ&マコ(演:早田みゆき/小坂チサ子)
今作の仮面ライダーガール。
城北大学の女子大生だったが、15話でGODの指令テープを誤って聞いてしまい命を狙われた。
危ない所を敬介に救われ二人揃って喫茶店「COL」のウェイトレスとなる。


□歴代ライダー


本編や劇場版に登場しXライダーと共闘した。
事前の児童誌などでは終盤で過去作ライダーが全員集結すると大々的に宣伝されていたのだが、藤岡弘、と山口氏のスケジュールの都合で結局本編にはV3と二号のみ登場。
V3はXの強化手術を施し、2号はRS装置の阻止に駆けつける等の活躍を見せる。
だが、最終回では直前に登場した2号とV3の姿はなく、Xライダーが単独で戦うことになった。
生田撮影所初代所長・内田有作によると、営業としては5人ライダー集結を示唆したかもしれないが、「最後は孤高のヒーローらしく終わらせないと」という苦悩や葛藤があったためではないかと語っている。秋田書店の『冒険王』の記事でのみ、5人ライダーが集結してキングダークと最後の決戦を繰り広げている。

ちなみに、タイ版ではあのハヌマーンと共演した。
※リンク先参照。



GOD機関


デストロン壊滅後に現れた、世界の対立している某大国が水面下で手を握って組織した秘密結社
その目的は高度経済成長を遂げる日本が両大国の脅威となる前に潰すことであり、総司令の下で改造人間達が日本全滅を狙う。
詳しくは上記項目参照。


【主題歌】


どちらも水木一郎が初めてライダーの主題歌を歌い、後の仮面ライダーシリーズの主題歌を担当するようになった。


OP『セタップ!仮面ライダーX』

ED『俺はXカイゾーグ』


【劇場版】


『五人ライダー対キングダーク』


【最近の客演】


海東によって語られたXライダーとGOD機関との回想シーンに登場。新デザインのアポロガイストとの戦闘場面が観られた。


ライダートーナメントに参加し小野寺クウガと対戦。
最初こそライドルスティックで優位に戦いを進めるが、同じ棒術が得意なクウガ・ドラゴンフォームに超変身し、一気に形成逆転され敗北した。
その後の決戦にも歴代ライダー達と共に駆けつけ大ショッカーの野望を打ち砕いた。

この時のXライダーの声は、特撮好きの鈴村健一である。


仮面ライダーの歴史が消され消滅したと思われたが、人々のライダーへの思いによって復活。
歴代ライダーと共にショッカー首領に立ち向かい岩石大首領戦ではクルーザーに乗りオールライダーブレイクで撃破した。


伝説の7人ライダーとして登場。
ライドルを駆使して戦う。最新技術で再現されたXキックは必見。
声は千葉一伸が担当。
※リンク先参照。


昭和ライダーの一人として登場。速水亮氏が34年ぶりに神敬介を演じる。
変身の掛け声は前期のセタップ、更に変身バンクではない新規エフェクトでの変身となっている。
実質昭和ライダー側の主役ポジションで、仮面ライダーファイズに変身する乾巧との絡みが多く、巧の良き先輩のような立ち位置。
巧、仮面ライダーウィザード操真晴人との三人同時変身シーンもある。

普段は港町の町医者を務めているらしく、住民からは頼りにされている様子。現在は親の帰りを待つ少女マリを一人娘のように扱い、診療所で暮らしている。
医療の腕前はかなりの物で、大抵の傷ならば飄然とした態度を崩さずに治療を終える程。
また自分が治すと決めた相手が強盗犯であろうとも手を抜かずに治療をし、その真っ直ぐな目と心で相手の歪んだ心をも解きほぐす等、まさに海のように大らかな心の持ち主。
既に老年の身ながら、改造人間としての肉体と膨大な戦闘経験もあり、生身でも戦闘力は極めて高く、
前述の治療中の強盗犯を取り押さえようとした警官隊を苦も無く無力化し、マリを連れ去ろうとしたコンバットロイドもバイクと素手で蹴散らす程。

巧とは強盗犯が襲った食堂で対面。その後、敬介の人柄に興味を持った巧が診療所まで付いてきたのでなし崩し的に彼を招き入れる。
巧の大まかな悩み……「いけ好かないヤツとはいえ守る者のいた仲間が死に、空っぽな死ぬべきだった自分が生き残った」に対し、
「お前が自分で答えを見つけるしかない」と突き放しながらも、「飯さえ食えば道は開ける」と温かく迎え入れるおやっさん的な面も見せた。
その後、巧とマリがタイガーロイドとコンバットロイドに襲われる場面で颯爽とバイクで登場。
その戦いの中、巧が平成ライダーのファイズと知り、本作の両陣営が争う理由もあり、自身もXへと変身。
ライドルを使った巧みな剣術と棒術で戦う意思を持たなかったとはいえファイズを圧倒し、Xキックで変身解除にまで追い込む。
しかしトドメを刺さずに立ち去るという不可解なことをしており、特に説明はないが、平成や昭和云々ではなく、
同じライダーとして過去を振り返ったまま現在を見ない巧に彼なりの活を入れたのかもしれない。

その後、本郷猛/仮面ライダー1号と合流し、ディケイドやファイズら平成軍団と対峙。
再びファイズと戦い相打ちになった…かに思えたが、ヘルヘイムの森に飛ばされただけであり、ZXと鎧武により救出された。
本性を現したバダンとの最終決戦では操真晴人/仮面ライダーウィザードと共にバダンに立ち向かい、草加の甘言に騙され寝返ろうとした巧を叱責。
久々にセタップ変身でウィザード&ファイズと共にメガ・リバースマシンに乗り込み、最後はX字斬とファイズブラスター、ドラゴンシャイニングの同時攻撃で
メガリバースマシンを完全破壊に追い込んだ。


ショッカーにより世界征服が完了した並行世界ではショッカーライダーにされてしまい、同じく洗脳されたアマゾンやストロンガーと共に暴れ回るも、
最終的に歴史が修復され正気を取り戻した。


【ネット配信】

2012/1/30~5/27、2015/5/30~10/3に、2019/9/28〜にyoutubeの東映特撮公式チャンネルで配信。


また、2017/1/29よりニコニコ動画の東映特撮(ryで配信開始。本放送同様『V3』から引き続きの形となる。
毎週日曜10:00に最新話配信。例によって配信から72時間(この場合直後の水曜の9:59まで)のみ無料、それ以降は有料となる。  


【余談】

速水亮は元女優の美山尚子と交際が始まったのは共演中ではなく仮面ライダーXの終了後だと語っている。

ガンバライド、ガンバライジングでは必殺技時のXの回転が凄まじい。

2話のパニック戦、EDは当時建設途中だった武蔵野線の貨物支線、武蔵野南線の第一稲城トンネルと第二稲城トンネルの間の工事現場で撮影された*4





巨大な悪の組織GODに父と共に殺された神敬介は瀕死の父の手によって仮面ライダーXとして蘇った。その使命は世界の平和と正義を守るため敢然と謎のGOD機関を相手に戦うのである。






強くなれ敬介―…




「親父、見ていてくれ!」


大変身!!






「マーキュリー回路が作動しない!?」


「さすがに戦いが長引きすぎたか…」


「だが…俺にはまだ…」


「親父にもらったダイナモがある!」


セタップ!!







敬介
「望みとあれば、追記・修正しよう!」

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