キャロル(ARMS)

登録日:2010/03/09(火) 01:51:28
更新日:2025/07/13 Sun 21:09:54
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ARMSに登場するキャラクター。

超能力部隊X-ARMY(エグザミィ)に所属する。

ベレー帽を被り傘を持った小悪魔的な少女。

通称“螺旋”(ツイスター)のキャロル。

念動力によりあらゆる物、人体を曲げる事ができる。

その力はエグリゴリのサイボーグ部隊をたった一人で圧倒できるほど。


先天的な超能力者だが、その力を恐れた肉親から『エグリゴリ』に引き渡され、X-ARMYに所属する事となった。

作戦においては手始めにサイコキネシスの衝撃波で巴武士とその家族を気絶させ、武士を拉致。

そしてオープン前の遊園地内で、ヴォルフ、キクロプスに次ぐ第三の刺客として高槻涼の前に立ちはだかる。


以下ネタバレ





クリフ
「…しかし私は、高槻涼を見くびっていたようだ。
 まさかジャバウォックになる前に、キクロプスまで倒されてしまうとは…
 …だが…もうお遊びは終わりだ。こっちもとっておきの切り札を使うことにしよう」



クリフ・ギルバートの命令で久留間恵をサイコキネシスで空中に浮かばせたキャロルが現れる。

「ウフフ、あなたも大変ね…でもね…残念ながら、愛しの彼女を助けるにはこの私と戦わなければいけないの。
 自己紹介しとくね…私の名は、キャロル。みんなからは"螺旋"(ツイスター)って呼ばれてるわわ。
 なんで私がそう呼ばれているか知りたい!?」


「……おいおい、冗談じゃねえぞ…クリフの奴、こんな子供と戦わせようっていうのか!?
 おいクリフ、お前こそ隠れてないで出てきやがれ!いい加減きさまが相手に…」

次の瞬間、サイコキネシスにより涼の足が圧し折られる。


「人の話はちゃんと聞くものよ、お兄ちゃん…子供だと思ってバカにしないで…。
 私はね…どんな相手でも好きなように曲げられるの!!気にいらなければ壊す事だってできちゃう!!
 さーて、ジャバウォックさん…次はどこを壊して欲しいのかしら?」


移植者の生命の危機を察知したジャバウォックは、移植者が拒もうとも強制的に発動・暴走を始める。
クリフはその事を知りながらジャバウォックを発現させる為に、キャロルに涼の体を徹底的に破壊させた。

しかし涼はそれでも精神力だけでジャバウォックを抑え続ける。

「…オレはこの子を殺さないよ。何故なら……『このオレ』が殺したくないからだ!!
 …オレは戦士の道を選んだんだ… 自分の意志を自分で決めるためにな!!」

そして更に自分のサイコキネシスに対し、ARMSが耐性を獲得し始めた事に恐怖するキャロル。


キャロル
「…そ、そんなバカな事があるわけないわ…
 …この私の力が通用しないなんて………
 いつだってこの能力のおかげで、なんでもしてきたのよ!」



「…もうやめよう、キャロル…お前だって気づいているはずだ…
 力を振るうことに喜びを感じたら、その力に自分が食われるぞ…
 力は、恐怖や憎しみを生んだだけだっただろ!?
 力で自分の心まで閉じ込めちゃだめだよ…」

こうして涼の真心に触れたキャロルは泣き崩れ、負けを認めた。

だが、それを許さないクリフにより、キャロルは救ってくれた涼もろとも殺されかける。

その後の激闘によりクリフまでが敗北した後は涼達と和解。
ひとまず新宮流道場にて匿われるが、エグリゴリに囚われている他のX-ARMYの仲間達を助けるべく出立した。


……が、直後にそれを見越していたレッドキャップス部隊の襲撃に遭う。


ヴォルフ、キクロプスが惨殺され、クリフがキース・レッドと命がけの戦いに挑む間にユーゴーと共に難を逃れるが、本国に残っていた他のX-ARMY達も既に一人残らず廃棄処分され全滅していた事を知らされ、帰る場所を失ってしまう。

そして続けざまに襲い来るレッドキャップス部隊とキース・レッドに対抗する為、涼達と行動を共にした。


その後、キース・レッドの攻撃から身を挺して庇ってくれた新宮十三と新宮隼人の姿に心を打たれ、騒動後は新宮家の養子となった。
そして涼達がアメリカに旅立つ際には日本に残る事となる。

もうこれからは超能力を使わずに生きていく事をユーゴーと約束し、クリフ達の墓を守っていく役目を託された。
また、これを機に十三から新宮流古武術を習い始める。
その筋はなかなか良いようで、男子であるアルとの立ち合いを軽く制している場面もあった。
新宮流古武術をマスターしたサイコキネシストとか、もはやルーク・スカイウォーカーばりの化け物じゃないだろうか。

尚、クリフは自分達の事を「能力を搾り取られるだけの使い捨てのティーバッグ」という風に自嘲していた。しかしテレパシーと眼力、不死身の肉体はレッドキャップスに流用されたが、クリフとキャロルと同様のサイコキネシスを使える者は彼ら以外に誰一人としていなかったりする。
(強いて似た能力を挙げるなら、ホワンの空間干渉能力くらい)



そして物語のクライマックスの10年後には、どこかユーゴーに似た見目麗しい美女へと成長し、大学に通う傍ら新宮家の家事一切を切り盛りしつつ義兄妹の隼人にお小言を言う、慌ただしくも充実した毎日を過ごしている。

彼女はこれから普通の人生を歩み、普通の幸せを掴むのだろう。



ちなみに『スナーク狩り』での流れから旅の仲間になりそうだったが結局ならなかったのは、能力が強すぎたためではないか、とファンの間で言われていたりもした。
尤も、生身の少女の身では後に現れる高機動サイボーグなどが相手となると、強力な超能力の持ち主と言えど流石に分が悪かったかも知れないが。

実際、彼女を上回る同系統の力の持ち主であるクリフでさえキース・レッドには敵わなかった為、この後どんどん出てくるレッドよりも格上のキースシリーズと相見える事を考えると、日本に残って正解だったと言える。

それ以外にも戦いの規模や敵の強さは増すばかりなので、仮にアメリカ以降も同行していたら、例えばグランドキャニオンの大虐殺で他の子供達のような目に遭っていたという最悪の可能性もある。
恵、アル、ユーゴーらは後方支援担当ゆえに助かっていただけで、もし敵から戦力と見做されれば真っ先に狙われてしまうだろう。
ユーゴーのようなテレパシーでの先読は出来ず、クリフのようなサイコシールドを張る力もなければ、ヴォルフのような不死身の体もキクロプスのような優れた目も持たない為、狙撃でもされようものなら成す術もない。

そして何よりも、涼が身を挺して伝えた「超能力で人を傷つけてはいけない。小さな子供に残虐な事をさせない」という教えに矛盾が生じてくるので、彼女が同行しなかったのは必然と言える。

名前が『不思議の国のアリス』の原作者であるルイス・キャロルを思わせ、容姿もいかにも『アリス』然としていた点もいろいろと読者の深読みを誘発していたようだ。


尚、後に刊行された文庫版に収録されている対談において作者直々に「キャロルは能力が強すぎるので置いてきた」とはっきり述懐されているので、見解としてはこれが公式となる




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最終更新:2025年07月13日 21:09