巴武士(ARMS)

登録日:2020/07/28 Tue 15:25:18
更新日:2025/01/21 Tue 15:28:45
所要時間:約 8 分で読めます




この子達も人間に触れたことがないんだ!!

人間とちゃんと接するのが怖かっただけなんだよ!!




巴武士(ともえたけし)とは、皆川亮二の漫画「ARMS」に登場する主人公、高槻涼の友人であり、作中三人目のARMS移植者である。


概要

藍空東高校に新宮隼人に続いて現れた転校生。
登場当初はいわゆるいじめられっ子であり、気弱でいつもビクビクと怯えた様子を見せていた。
幼い頃に妹の麻耶をかばって交通事故に遭い、両脚を失うほどの大怪我をした事でARMSを移植された。
移植されたのはオリジナルARMS『白兎(ホワイトラビット)』で、涼とは違い一応ARMSの事を自覚している。
気弱で華奢だった事に加え、自身の出生についての悩みや家族との不和によるストレスが要因で捻くれた性格となり、いじめのターゲットにされる。そして、その憂さ晴らしにいじめっ子にARMSで反撃して暴力沙汰を起こしていた。
涼達の高校に来た時点で既に数々の暴力沙汰を起こしては転校を繰り返しているという噂が立っており、その噂を聞きつけた不良連中に絡まれ、かばってくれた妹が殴られた事に激昂してARMSを発動。
その場にいた不良連中を文字通り“蹴散らし”、あやうく殺しそうになったところを涼が飛び出して何とか凶行を止めた。
この際に涼よりもARMSを扱えている武士の攻撃を防ぐ事で、涼自身もほんの少しだがARMSを制御できるようになる。

その後、高校でのエグリゴリ襲撃による戦いの中で際に改心するに至り、襲撃犯だったアル・ボーエンを身を挺して守った。そして自身の秘密を解き明かす為、涼達と行動を共にするようになる。

人物

登場当初のいじめられっ子だった時期には、内向的で心に闇を抱えた捻くれ者の一面を見せていた。
しかし恐怖に震えながらも妹の危機に駆け付け、キース・レッドからアルを身を挺して助けてからは、見違えるほど心優しい少年になっていく。
もっとも初登場の時点で妹が殴られた事に激昂したり、そもそも移植の理由も妹を助けた際の事故だったりと、元来から人を助けるためなら自身を犠牲にする事も厭わない、優しく高潔な心の持ち主である。変わったと言うよりは、涼達との触れ合いを経て本来の優しさを取り戻したと表現する方が近いのかもしれない。
また、妹に対して強く当たっていたのも、決して恨みや八つ当たりなどではなく、本当は自分のために犠牲になっている妹を見ていられず、わざと遠ざけていたのだという事を涼には見抜かれていた。
両親や妹と血が繋がっていない事を始めとする自分の境遇に絶望し、周囲を恨みながら過ごしていたが、後に両親とも和解する事ができ、帰る場所を得た。



最初は自身の不幸に不貞腐れ異形の足に怯えるだけだったが、同じ境遇の涼や隼人に出会い、戦いを通して成長していく。
ブルーメンからの「何故エグリゴリを追うのか」という問いに、涼は「カツミを助け出すため」、隼人は「仇を討つため」と答えたのに対し、武士は「その二人をサポートしたいから」だと答えた。
そして四人目のオリジナルARMS移植者である久留間恵はもともとブルーメンに育てられたエージェントであり、言ってしまえば彼だけが命を懸けてまで戦う理由を持たないのである。
しかしこの彼の持つ生粋の優しさや献身がたびたび奇跡を起こし、世界を救うキーパーソンとなる。
また、元は気が弱かった彼だからこそ、仲間達が挫けそうな時に自分の経験や思いを語り叱咤激励をして奮い立たせる事もあった。隼人「キャラが違うぞ」

ちなみに全ての戦いを終えてから10年後の彼は、イタリアのプロリーグ・セリエAで活躍するプロサッカー選手である。(隼人曰く「日本一有名な日本人」)
つまり武士の並外れた動体視力や運動・反射神経がARMS由来ではなく彼自身の資質であった事に他ならない。これは最終戦以前にも一度ARMSを失った際に、登場時の暗さが嘘だったかのように学友達とサッカーに興じている武士の姿を見た涼も言及していた。
また、サッカー部にスカウトされているらしいという話もあった為、その頃からサッカーに楽しみを見出していた様子。


戦闘能力

初期は内向的でネガティブな面が目立ち、自分に自信がなく、涼や隼人のような格闘技術もなければ、ARMSの能力も高機動なだけで『魔獣』や『騎士』のような強力な武器もない。
その為、二人と比較して自分は何もできない、弱い存在だと思い込んでおり、相対する敵達からも見くびられる場面が多かった。
しかし戦いを重ねる中で、実は生来より運動神経が良く、動体視力にも長けていた事が徐々に明るみに出始める。そもそも『白兎』の音速を優に超える移動速度に対応できる反射神経は常人のそれを遥かに凌駕している。
その能力の高さたるや、音速で移動するサイボーグの動きを目視で見切り、回転するヘリのローターをすり抜ける事ができるレベル。そして超人的脚力から放たれる蹴りの一撃はまさに必殺の威力。
涼の養母で伝説的な傭兵たる美沙ママをもってして、
「戦闘ヘリが優れているのは、その小回りの利く機動性…
 だけど、ヘリが開発されてから誰も想定しなかったのが… ヘリ以上に小回りと速度に優れた相手との戦闘…!!」と評する程である。
初期の頃こそせいぜい『異常に速く走れる程度の能力』でしかなかったが、度重なる戦いによって何度も進化していった。
その速さ一つ取っても進化の度に文字通り加速度的に飛躍し、複雑な戦況を覆す替えの効かない重要なピースとしての活躍も少なくない。
しかし単純な攻撃力の面では涼や隼人には一歩譲るようで、一般的な強化サイボーグくらいの相手なら一撃で仕留められるが、コウ・カルナギには通用しなかった。(ただし、これは直前の不意打ちで既に致命傷を負わされていた事も要因と思われる。また、そもそもカルナギはこの時点で作中最強クラスの規格外な強敵であり、物語全体を通しても屈指の実力者である)

名前の由来はゲッターロボのパイロットである巴武蔵から。その由来故か、犠牲になったり重傷を負ったりする事が多かった。

劇中での活躍

最初は気弱で繊細な性格が前面に出ており、ARMSの攻撃が通用しないボーエン兄弟のサイボーグに隼人が痛めつけられている時にも恐怖で震えている事しかできなかった。
しかしそんな自分の弱さを強く嫌悪しており、何とか涼や隼人の役に立ち大切な人達を守りたいと奮起していく。
序盤こそ機動力を生かしての囮役程度の働きが主だったが、鐙沢村の戦いの中でホワイトラビットが第二形態に進化し、ここから本格的に戦闘に参加するようになる。
ブースターによる超加速と短時間の飛行能力を得てからは戦略の幅が広がり、美沙ママの教えもあってかブービートラップとの連携や敵の包囲網を無視しての強行突破など、目立った活躍も増えていく。
重装甲サイボーグ相手では流石にやや威力不足だった蹴りも、不死身のレッドキャップス達の脳を揺さぶって無力化するには十分すぎる威力だった。*1
『スナーク狩り』作戦ではカール・ヒギンズが中性子爆弾を起動させた際、自分の命と引き換えにしてでも皆を守りたいと心から願った事で遂にARMSが完全体へと覚醒し、中性子爆弾の爆発から街を守り通した。
また『目』としての能力がある恵のARMSですら見切れなかった高速機動サイボーグの動きを、素の動体視力と反射神経だけで見切るという離れ業も見せている。

涼と隼人のARMSの能力が戦闘特化なのに対し、武士のARMSは戦闘から支援、救助など様々な局面に対応でき、実際にこれが多くの人々を救っている。
単純なスピードや移動能力に特化しているが故に応用性が広い、言わば万能型ARMSとも言える反面、純粋な戦闘型ではないぶん防御力や耐久性の面では涼と隼人に比べてやや頼りなく、ARMSが全壊する事も少なくなかった。(ただし、これは武士が「中性子爆弾の爆発を身一つで受ける」、「圧倒的物量で迫る完全体ARMSの大軍勢の相手をたった一人で受け持つ」などかなり無茶な事をしている為でもある)
再生力も、完全支援型かつ第一形態と完全体の間の進化がない恵のARMSよりは早いものの純粋な戦闘型の涼達と比べると時間が掛かっている。
攻撃面でも爪やブレード等を持たない為、打撃に耐性のある相手にはほぼ無力と、やや決め手に欠ける面も。





以下ネタバレ









物語の中盤にて、コウ・カルナギと交戦……というより、カルナギの不意打ちによる蹴りの直撃を脇腹に受けて致命傷を負わされる。
続いて隼人が殴り飛ばされたのを見て、彼を庇うように瀕死の状態のまま果敢に捨て身の突撃を試みるも、カルナギのカウンターをもろに喰らい昏倒。
更にここで何故かARMSの自己修復機能が止まってしまい、心臓も停止。辛うじて命こそ繋ぎ止められたものの、脳に致命的な損傷を負ってしまっていた。
これにより意識を回復する事なく、植物人間状態となって旅を離脱する事になる。
ちなみにこの戦いの際、隼人のARMSも機能不全に陥ってしまった。
これらは直前に起きていた「高槻涼(ジャバウォック)を抹殺する為に宿主の意思を無視して発動した」という出来事に起因するARMSへの不信感によって同調が崩れていた為と思われる。
恵の呼び掛けにすら応じなかった事から、『ハートの女王(クイーン・オブ・ハート)』によるARMSの強制発動さえも権限外だったらしい。

ここからしばらく何の反応も見せないままだったが、カルナギによる二度目の襲撃の中で再び目覚めた隼人のARMSに共鳴する形で武士のARMSも発動。
全身からナノマシンによる触手のようなものが伸びて部屋と一体化し、巨大なアザゼルの繭のようになってしまった。
(X線検査の写真によると、この際の武士の肉体はARMSに完全に吸収され分解されてしまっていた)


しかしそのおかげで武士は精神世界で『白兎』の導きによりアリスと出会い、そしてアリスの世界の中で、現実の世界で戦う仲間達の為に行動を起こす。
精神世界でドラゴンや騎士、涼の姿をしたジャバウォックに出会ったり、アリスの過去を垣間見たりしていたが、現実側での仲間達の戦いの中でカリヨンタワーが崩れ落ち、遂に武士も現実に戻る時がくる。
精神世界から現実へ戻る際、『戦う力』を持たない白兎の為に、アリスは様々な超兵器となる武器を武士の前に並べ、「ここにある中からどれか一つだけ」を外へ持ち出す事ができるから選ぶようにと言う。
しかし武士の選んだものは、武器ではなく『白のアリス』自身だった。
この時、自分が身をもって学び涼達のおかげで立ち直れた経験から、アリスを説得。

「わかったんだ…人間は一人でいることは良くないことだって…
 人間は…他の人と出会うことで変わることが出来るんだって!!
 だから…一緒に行こう!!外の世界へ!!

 …うん…思い出したよ。“アリス”を異世界に導くのは…“白兎”の役目だった!!」

これにより、繭から「アリスと融合しアリスを伴った完全体」という例外的な姿で復活を遂げる。
自身の選択により偶発的に『白のアリス』と融合した事で全身が眩いほどに光り輝き、空間の断裂すら砕く『ARMS殺し』の能力を得た。
その威力は凄まじく、空間の断裂を砕きながら一撃のもとにキース・ホワイトを撃沈させたほど。*2
この『ARMS殺し』の能力はアリスが去った後も健在で、物語終盤には完全体と化したモデュレイテッドARMS部隊との決戦でもその強大な威力を惜しみなく発揮。一帯を無数の完全体ARMSに包囲された誰から見ても絶望的に不利な状況にもかかわらず、一歩も退く事なく、たった一人でこれを全滅に追いやってみせた。
ただし流石にこの数の完全体を相手に無傷とまではいかなかったようで、決着後は修復のために休息を要し、そして回復後は高槻崖との死闘を制し負傷した高槻巌を支え、労った。

作中で最も人間的に大きな成長を果たしたキャラであり、他のオリジナルARMS移植者三名が巌から助言を受けて成長したのに対し、彼だけはその巌に言葉を贈ってみせている。



「武士君…私は今、考えている…
 人は、どれだけあがいても、決して過去を償う事は出来ないんじゃないかと…」

武士
「……………僕は…そうは思いません
 僕は…生き延びるためにたくさんのエグリゴリの命を奪ってしまった…
 殺したいと思ったことなど一度もないのに…
 僕が償えるたった一つの方法は、彼らの目指した未来よりも良い未来を勝ち取る事だけ… そう信じています
 過去は変えられなくても… 現在を命がけで戦うことで未来は勝ち取れる…
 これが高槻君達とつかみ取った僕の命がけの信念です!」


「……涼は…最高の友達を得たようだな 武士君… 一緒に見届けに行こうじゃないか… 我らが勝ち取る未来の姿をね!!」


あの武士があの巌をして「最高の友達」と言わしめた事がどんなに凄い事なのか、ここに至るまでの物語を目の当たりにしてきた読者諸兄ならばきっとよく分かるだろう。




オリジナルARMS“白兎”『ホワイトラビット』



我が名は白兎(ホワイトラビット) 我が移植者の足となり翼となりて導く者…
おまえは我が力を手にする資格を得た… 自分の命を捨てても、仲間を守る道を選択した…
それこそが我が力を発動させる真の"勇気"だ さあ…我が力をどう使うか、我に示せ!我はそれに従う!!



.      ∨ ∨ \ ヽ                  /   ./  ./   /ニニニニニ,/   _ニ/二二二
       }i / ∨   \人                 /    /_,/-‐   ̄     ̄ `/    _ニ ' 二二二ニ
.     ∨  i!  /   ` 、          ./   /´ ニ              /    _ニ/二二二二ニ
.        }i / i  /      ` ‐- _   /    ./ニ二            ./    _ニ/_',  `ヽ二二ニ
      ∨ ∧ {            `ヽ{i     'ニ=           ./    _ニ/ =ニ    、二ニ
.        ∨ `{                  7ヽ/二           '   _ニ/   二ハ    ',二ニ
        \ 人              /              /  二/      }'∧   i二ニ
          /  \            ∧              〈   くニ       }'/∧   i|二ニ
        {i / ,  \         ./  }               `,ニ二        ノ///〉  iニ二
        ∨ /    ` ‐-=二_∧                   /          /'////  ニ二
            ∨           l ヽ                         /}'//,/   ニ二
.           \          l                        /ニ///∧   /ヽ=ニ
           ` <         |                    _ _>´=ニ/i////{   } i/
                  / ` <__|                 , ⌒ヽ/   ,/ i'/ ∨  / i/
                 ハ         |                    人  ノ  =二/  i   ∨/ i/
.             / ヽ __   |                // ´  =ニニ/   i   }' /   ノ
.            /        `ヽi|              /       二ニ/     i} / /{ /
         '            |               /     _ニニ- '      / / //
.        /             , ´i!           /     _  <二ニ=   / / //
       /            ./   .|         /   _,, <     `ヽニ__,,./イ /
.      /            /    .i     _ - ´ _ <    \   /‐-  __,,.. イ
      '        _/      ゝ -‐ ´  ̄ \ \      ` <}              /
    /      ,. ´                 \ \       `ヽ __       _,,.. イ

  • CV:中田浩二
武士に移植されたARMSで「人を愛する白のアリスの勇気」がプログラムされている。
圧縮空気の噴出により、全ARMS中最高最速のスピードで移動できる。ただし純粋な武器は持っていない
序盤はスピードを活かした囮作戦や咄嗟の救助などで活躍するも戦う事は少なく、常人相手なら脚力による蹴りも通用したが強化サイボーグ相手では決め手に欠ける。
更に涼と隼人がそれぞれ攻撃能力に長けたARMSに加えて本人達自身が格闘技術を身につけていた事もあって、当初は自分に自信が持てなかった。
実際、エグリゴリ側の兵士の多くもホワイトラビットは戦闘力に劣りカモだと侮っており、脅威とみなしていない節が見受けられた。
キース・ホワイトもオリジナルARMSの中で唯一注視せず、「飛ぶだけの無能」と評しており、実際に装甲や耐久性も低めで再生速度もやや遅い。(そのホワイト含め、ホワイトラビットを甘く見た者はほぼ例外なく痛い目を見ていたが)

そして鐙沢村にて、同じスピード特化のサイボーグ戦士・クリムゾントライアッドの「ビイ」との戦闘で初めて自分の速さに対応できる相手と戦う事となり苦戦を強いられる。
亜音速の飛行能力を持つビイに上空から落とされ、あわや落下死させられそうになった時、死にたくない一心で第二形態への進化に至る。
この進化によりARMSの形状が一回り大きくなり、大型のスラスターとブースターが増設され、出力が大幅に向上。圧縮空気を一気に噴出させ、三百メートル以上の跳躍が可能となった。
更にこれに伴って蹴りの威力も上がり、上空にいるビイの羽根を一蹴のもとに破壊してみせた。
ブースターによる超高速移動・超跳躍を得た事で他の仲間達にはできない空中戦をこなせるようになり、更に市街戦で涼の母・美沙の助言によって自身の強みを知り、無自覚だった潜在能力を引き出す事に成功。
そしてレッドキャップスが仕掛けた中性子爆弾からみんなを守りたいという強い想いから、遂に覚醒して『完全体』への進化を果たした。

なお、完全体となるとウサギと言うよりはガーゴイルのような、蝙蝠翼の生えた亜人形態に変化する。(耳はウサギっぽく長く上に伸びている)
この最終形態は主君である武士が、真の勇気の心に目覚めた時に覚醒するようになっている。
この完全体、実は非常に多彩な変形機構を持っており、状況に応じて最も有効な形状に変形する事が可能で、特に飛行形態は多岐にわたる。
更にはその移動速度から巻き起こるソニックブームは、サイボーグ程度ならば紙切れ同然に引き裂き、ジャバウォックをも吹き飛ばすほどの威力。
ただし高速移動による衝撃波を生み出していない状態ではやはり脆く、不意打ちとはいえ前述のモデュレイテッドARMSの遠距離砲撃で砕ける場面もあった。(ただしモデュレイテッドとは言えあちらも完全体であり、決して侮れない威力を有していたものと思われる)
しかし、中盤の始めから暫くのあいだ植物人間になって戦線から離脱してしまっていたが故に、基本形態は第二形態止まりである。*3
加えて離脱期間が長かった為、実は完全体になって活躍したのはたったの3回だったりする。(恵も同様だが彼女は完全体への覚醒自体が遅かった事も要因)

上述のように終盤で偶発的に『白のアリス』と融合した事で、全身が光り輝き空間の断裂すら砕く『ARMS殺し』の能力を得た。
これは厳密には武器ではなく、高速移動時に全身が発光し、その最中にARMS殺しの能力を発揮できるというもの。攻撃時はそのまま体当たりで全身をぶつける。
その威力は凄まじいの一言で、攻撃時は光の一閃となり一瞬で空間の断裂を砕きながら一撃のもとにキース・ホワイトを撃沈させたほど。
更にはなんと飛行中に巻き起こすソニックブームに至るまでこの効果が付与されるようで、近くを横切っただけでモデュレイテッドARMS達はバラバラに砕け散っている。
本来の持ち味である高速移動能力にこの力も併さった事で、最早「極超音速で即時性のソニックブームを撒き散らしながら動き回る『ARMS殺し』の塊」である。決め手に欠けるとはなんだったのか。

なお『白兎』自身の性格は温厚で柔らかな物言いの紳士。そして精神世界では眼鏡をかけベストを着た二足歩行の兎の姿。
ただし人の死に対しては淡々としたシビアな一面もあり、アリスの身に起きた過去の悲劇を客観視したり、武士に覚悟を求めるなど、見た目よりハードな価値観を持つ。
特にアリスの回想を解説する際のあまりに客観的で無情な台詞回しは、武士の気持ちを追い詰めていたようにも見える。

余談

文庫版に追加された巻末の原作者のインタビューによれば、武士は元々お調子者になる予定だった。
更にアルもジェフと同様に体育館でレッドに殺されるはずであったのだが、キャラが作者の手から離れ、武士はアルを助けた。
これがきっかけで武士は真面目で正義感の強い少年になり、アルは協力者となったらしい。
まさに、人の意思が運命を変えた瞬間である。



(ちがう、ちがうんだ!! 僕は… ………僕は…怖いんだ…
 人間も… 愛情も… ありとあらゆる全てのものが… なにもかもが……信じられない……)



「自分の命すら大切に出来ないからたやすく他人を巻き添えにできるんだ…
 そんな奴が勇者でも超人でもあるわけがない……あるわけがないんだ!!」



(高槻君達に会うまで僕は…なんで生きているのかわからなかったんだ…
 いっその事死んでしまおうかと思った事が何度もあった… ………でも…
 そんな僕をみんなが救ってくれた… みんなには生きていてもらいたい…)

(たとえ僕の命と引き換えにしても… 僕の愛する人を守るんだ!!)



「君達は僕ら自身の鏡像だ…力に縛られ、自分を見失ってしまった哀れな人間だ…
 君達は…自分達の人生を自分で選択する勇気がなかったんだ…
 君が今考えている事がぼくにはよくわかる…せめて…人間の姿のまま死にたかっただろう…」




この子達もWikiに触れたことがないんだ!!
追記とちゃんと修正するのが怖かっただけなんだよ!!



この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ARMS
  • うえだゆうじ
  • 巴武士
  • 巴武蔵
  • ゲッターロボ
  • 皆川亮二
  • 白兎
  • ホワイトラビット
  • いじめられっ子
  • 超スピード
  • スピードキャラ
  • スピード
  • 超高速
  • 変身
  • 音速
  • ポップ
  • 立体機動
  • スピードスター
  • 最速
  • 加速
  • 俊足
  • 神速
  • 元いじめられっ子
  • お人好し
  • 誰よりも優しい男
  • 進むたびに失って尚も進む事を選んだ男
  • 極超音速
最終更新:2025年01月21日 15:28

*1 この戦闘は美沙ママが援護するつもりだったのだが、援護する隙も無く瞬く間に文字通り蹴散らしてしまい美沙ママを驚愕させていた。

*2 ただしARMS殺し自体は『神の卵』の能力で受け流したのか、身体を破壊された様子はなかった。とはいえ戦場復帰がままならない程のダメージは受けていたようで、撤退させる事には成功している。

*3 もっともその後は復活時にニューヨークで完全体、日本でARMS冬眠からのラストでの復活でまた完全体なので、そもそも登場する機会がないのだが。