久留間恵(ARMS)

登録日:2020/08/21 Fri 13:42:46
更新日:2025/01/21 Tue 16:09:32
所要時間:約 5 分で読めます





な…なによ…私はそんな右腕、ちっとも怖くないよ。
右腕が暴走したってなによ。
そんなわがままな腕、この私が止めてあげる!!




CV:三浦智子

久留間恵(くるま けい)とは、皆川亮二の漫画「ARMS」に登場する主人公、高槻涼の幼馴染である。



概要

藍空東高校に通う女子高校生。黒髪をロングヘアにしている。
高槻涼とは幼馴染の間柄で、子供の頃からずっとお互いを憎からず思いながら過ごしていた。
新宮隼人により涼を呼び寄せるための人質にされたのをきっかけにして、彼らとエグリゴリの戦いに巻き込まれていく。

人物

涼のことを常に心配しており、性格は涼から「お節介焼きで人懐っこくオバサンじみている」と言われている。


戦闘能力

ただの女子高生であり、特にない。
ただし物語終盤でとある事情からARMSを宿す事になる。
宿されたARMSは涼のジャバウォックそっくりで、地球を滅ぼすだけのポテンシャルを秘めている。




















   *   *
 *   + それは『赤木カツミ』です
   n ∧_∧ n
+  (ヨ(*´∀`)E)
  Y   Y  *









…やれやれ…
私はよっぽどそのカツミって子に似てるのね…
でもこれで、ARMSが4人そろったわけか…

私は4人目のARMS 久留間 恵…
あんた達と同じ"ARMS"の持ち主であり
そして…反エグリゴリ組織 "ブルーメン" の一員よ




久留間恵(くるま けい)とは、皆川亮二の漫画「ARMS」に登場する反エグリゴリ組織「ブルーメン」の工作員。
高槻涼の幼馴染の「赤木カツミ」と瓜二つで、作中最後に現れたオリジナルARMS移植者である。


概要

鐙沢村でカツミを失った涼達の前に現れ、彼らに高慢な態度で接して見下し、自身の所属するブルーメンに引き入れようとした少女。
エグリゴリと戦う戦士としてブルーメンに育てられたおかげでARMSについての見識が深く、登場当初から涼達よりもARMSの制御に秀でていた。
また、自身のARMSが他のオリジナルARMSの発動をある程度なら制御できる唯一無二の能力を持っている為、四人のリーダーとなるべき存在だと自認している。
カツミとの違いは長いロングヘアーとブレザーミニスカの制服にルーズソックス。表情や髪型の違いからか読者視点ではあまり似ていないとたまに言われる。

人物

性格はカツミ同様に勝ち気ではあるものの、それ以上に気が強く高慢でかなりの自信家。自身の能力に自惚れている節があり、一時はブルーメン内部でも孤立していた。
これは幼い頃に友達と共に通り魔に襲われ、冷静さを失った友達が制止も聞かずに飛び出してしまい目の前で惨殺された事が強いトラウマになっている為。
「自分の言う通りにして(させて)いれば、誰も死なずに済んだのに」という自責の念から、強引にでも自分の思う最善を優先するようになった。
尚、その通り魔に結局は自身も見つかって襲われた末に両目の視力を失い、結果ARMSを移植されたという凄惨な過去を持つ。
お世辞にも友好的とは言い難かった出会い方や自信家でプライドの高い性格から、他のオリジナルARMS移植者の三人とは衝突する事が多かった。*1
これは涼、隼人、武士の三人と違って自分にだけ家族という形での「育ての親」がいなかった事に対して、心の奥底でコンプレックスを抱いていたせいでもあった。
それ故に初期はリーダー、司令塔を自称する割りには冷静さを欠く事も多く、そのフォローを涼が担う場面も見られたが、逆にカツミが絡むと冷静さを欠きがちな涼を論理的に制するブレーキ役として持ちつ持たれつな関係でもあった。
涼を体で止めるのが隼人と武士、心で止めるのがユーゴー、そして口で止めるのが恵とアルといったところ。

ギャローズベルでの戦いにおいて、スティンガー率いるハウンド部隊の強襲により武士とユーゴーを拉致される。
自身の慢心がこの状況を招いてしまった事に責任を感じ、自らのリーダーの資質に疑念を抱いた事で自信が揺らぎ始める。
しかしそんな彼女の前に自称“通りすがりのサラリーマン”が現れる。その心の内を打ち明け、彼からリーダーとしての心構えと「一番欠けてはいけないもの」を教えられた。
この出会いをきっかけに一皮剥けた恵は、それからは自分以外の者を認めて信頼し、本当の意味で自信を持ち、名実ともにチームの司令塔、真のリーダーとして立派に成長していく事となる。
尚、隼人とは最初の出会いで衝突して以降、優等生タイプと直情型ながら、気が強く自信家で素直ではない似た者同士な事もありギクシャクしていたが、段々とお互いに惹かれていくようになる。しかし気恥ずかしいのか本人は頑なに否定している。
涼に対しては最初は好意に似たものを抱いていたようだが、カツミ一筋で迷わず死地に飛び込む彼の様子に呆れ返っており、真のリーダーの資質を得てからは頭脳担当として良き参謀役に収まっている。
ユーゴー、アル、恵の三人で戦況を見極めて戦略を練り、涼が打開策を提示し、更に恵がそれを元に全体の指揮をし涼達が前線へ突っ込むといったところ。
隼人が切り込み、武士が撹乱と遊撃、涼が砲撃による遠距離支援をしながら戦場を俯瞰し、アルが豊富な見識からの分析を担い、ユーゴーを通信役とし、そして戦局全体を恵の『目』で把握するというチームプレイが定石となっていく。

大人しい武士や年下のアルの事は弟のような扱いをしており、特に徐々に隼人に感化されていった後半になると、一言多いアルの頭に隼人に代わってゲンコツを食らわせる事すらあった。最早この時点で似た者同士のお似合いカップルである。
ユーゴーとは最初は敵同士だった上、彼女の力で心を読まれた事で険悪な空気になっていたが、『スナーク狩り』の際に体を張って恵を助けてくれた彼女の勇気と優しさを認めて歩み寄り、そして打ち解けてからは親友と呼ぶようになる。
歳の近い同性だった事もあってか、恵にとっては唯一の相談相手であり、気を許せるかけがえのない友人だった。
また、家族がいなかった事と、カツミとは双子の姉妹とも言える関係性から、アメリカから帰って以降はカツミに懐くように親しくなっていった。
名前の由来はゲッターロボのパイロットである車弁慶と、『ゲッターロボ號』に登場した南風渓(みなみかぜ けい)から。


戦闘能力

登場当初は涼達が鐙沢村でブルーメンの犯した人体実験の惨状と、自分達の出生の秘密を知った直後であった為、オリジナルARMSの移植者同士でありながら完全に敵対。
更に「三人をブルーメンの管理下に置く」、「リーダーは自分だが座を賭けて勝負してやる」と完全に上から目線で煽り、逆上した隼人と交戦。
新宮流古武術の使い手で格闘に精通している隼人を歯牙にもかけず得意の合気道でやすやすと投げ飛ばし、その様子に驚く武士の顔をすかさず太ももで挟み込んでフランケンシュタイナーを見舞うという離れ業を披露しその実力を見せつけた。ミニスカの生脚で。我々の業界ではご褒美です。
これは彼女のARMS『ハートの女王(クイーン・オブ・ハート)』の能力により、敵の動きや攻撃を全て見切る事ができる為。
周りの大気の動き、相手の筋肉の収縮、眼球の動きなどの全てをその『目』で捕らえる事ができ、サーモグラフィや透視まで可能だという。
……とはいえ、訓練されてはいても精神面や経験の積み重ねはやはり10代の少女の域を出ず、分析能力こそ並外れているものの、攻撃面においては超人だらけのARMSの世界では明らかに火力不足。
攻撃に参加できるのはせいぜい銃撃戦ぐらいで、重装甲サイボーグ相手では手も足も出ない。更にARMSの形態も他の三人と違い完全体を除くと第一形態から先の進化がない。
しかしその反面、第一形態の段階から他のオリジナルARMSの発動をある程度なら制御できる能力を持ち、戦闘中における指揮力の高さなどもあり、司令塔としての能力はかなり優れている。
だが、やがてこれらの強みと弱みが完全に明るみに出てしまってからは、敵に真っ先に狙われる事が多くなる。それだけ集団戦闘において恵の担う役割とそれが戦局に及ぼす影響が大きいという事でもあるが。
この事から、自ずと戦闘中は女王を護る三人の騎士といったような構図になるケースが多い。もっとも、ピーチ姫的な役回りは概ねユーゴーになりがちだが。
また『共振』を受けると移植部位が「眼球」であるが故に相当痛いのか、或いは耐えようにも自然と流れ出てしまうのか、涙を流しながら目を抑えている場面が多い。
銃の腕前はかなりのもので、ユーゴーに銃の扱い方をレクチャーしたりしていた。基本的にはセミオートのハンドガンを使っている。
ユーゴーは超能力で様々な事ができるのに対し、恵はARMSの能力で敵の強さを明確に伝えて読者に驚愕させるスカウターのような役回りになる事もあった。
ある意味で主要メンバーの『一般人枠』とも言える。*2しかし知識幅こそ超天才のアルや雑学王じみている涼に比べれば狭いが、それでも二人に次いで優れているので状況判断や物事の言語化は得意。




以下ネタバレ








私は"ハートの女王"(クイーン・オブ・ハート)!! あなたの中の強い"思い"が私を呼び覚ました…

覚えておきなさい……強く純粋な"思い"こそがARMSの"鍵"だという事を………

いつかあなたも気づくでしょう…… その"思い"の正体に…

あなたが更に大きな"光"を手に入れ、更に大きな未来の扉を開く時…





(く…なんでよ!? なんで私のARMSには戦う力がないのよ!?
 私は…みんなを守る"力"が欲しかった! 私は…!)



【"(ちから)"が… "(ちから)"が欲しいか!?】



下がるがいい、傲慢なる機械よ!!
我が名は、審判者ハートの女王<クイーン・オブ・ハート>…
断罪の"光"は我が手にあり!!

オリジナルARMS“ハートの女王(クイーン・オブ・ハート)

  • CV:山口奈々

恵の両目に移植された、アリスの『審判』がプログラムされているオリジナルARMS。
空気の流れや相手の熱源反応、筋肉の動きに至るまであらゆる事を見通し、透視能力まで備えている。
1キロメートル先の本が読めたり、飛んでくる弾丸の動きを捉える事さえも可能で、訓練された身体能力も相まって当初は涼達三人を一方的に翻弄した。
しかし「視る」以外の能力は常人とそこまで変わらず、身体能力の向上や再生力も他のARMSと比較すると低い方なので、移動能力特化のホワイトラビット以上に決め手に欠けてしまう。
また、この「視る」能力も無効化されてしまう場合があり*3、特にカリヨンタワーでは一切透視できなかったりと、その強力過ぎる支援能力ゆえにメタられてしまう事も多い。
加えて能力を無効化してこない敵が相手の場合でも、その優れた索敵能力を危険視されて真っ先に狙われ、敵の手中に落ちてしまったりもする。
特にオリジナルARMSの中で、彼女のARMSだけ純粋な攻撃能力を持たない為、敵の標的にされた際の反撃手段は手持ちの武器と通常の体術くらいしかなく、前線で体を張る彼らの後ろで無力感に苛まれてしまう事も多かった。
しかし、後にグランドキャニオンの戦いの中で涼達のARMSが暴走し、仲間同士での殺し合いに発展した地獄のような状況の中で、文字通り身を挺して止めようとしたその時、遂にクイーン・オブ・ハートの『真の力』が発動した。
彼女のARMSだけは完全体になっても肉体が変異せず、恵を包む形で『ハートの女王』のホログラム(正確には力場)が現れる。
この仕様のせいで恵だけ完全体を解いた後にも全裸にならない事に歯ぎしりをした読者が多数いたとか。

オリジナルARMSを鎮静化させる能力の他、能動的な攻撃能力こそ無いものの、ありとあらゆる攻撃を跳ね返す事ができる『アイギスの鏡』という固有能力を持つ。
受けた攻撃は例外なく全て攻撃した相手に跳ね返る為、ひとたび発動すればどんな攻撃でもカウンターで打ち破る事ができる。
その堅牢さたるや絶大の一言であり、全ての黒幕且つ戦闘面でのラスボスであるキース・ホワイトをもってしてもダメージを与えるどころか傷一つ付ける事すら叶わなかった。つまり誇張なく本当の本当に無敵の盾なのである。
完全体の姿はドレスを纏い仮面を被った女性を思わせる姿で、その仮面の下にはアリスの顔がある。
ARMSとアリス自身の人類への疑いが生んだ“審判者”であり、適合者の意思により『全てのARMSを適合者諸共滅ぼす』という禁断のプログラムを備えている。

すなわち恵の一存でARMSをこの世から消滅させる事ができるのだ。*4

仮面の下を見せる前の『女王』の性格は穏やかながらも毅然として厳しい、まさに断罪の審判者の名に相応しい強固な意志を持つ。
ちなみにこの『ハートの女王(クイーン・オブ・ハート)』のみ、オリジナルARMSが真価を発揮する際の台詞が「力が欲しいか」ではなく
「"光"が…"光"が欲しいか!?"光"が欲しいのなら…与えましょう!!」となる。(ただし、振られているルビは「ひかり」の他に「ちから」となっている場合もある

完全体での戦歴は全て圧勝。無敵の盾たる『アイギスの鏡』を破れた者は誰一人としておらず、前述した通り例えラスボスであっても一切手出しができなかった。
ただしそのあまりの強さゆえか完全体を披露する機会自体が少なく、発動したのはグランドキャニオンにおける仲間達の暴走の制止を含めても僅か3回である。
  • グランドキャニオンで初覚醒。味方の暴走を止めて気を失う。
  • カリヨンタワー内部でネクストのリーダー・ヒューイを相手に発動。超振動攻撃を反射して撃退後、暴走したジャバウォックを止めるべく、ナイトの持つARMS殺し(ミストルテイン)の槍が最強の矛であるのに対し、自身は最強の盾として隼人と共に戦った。
  • 最終決戦時、全てのオリジナルARMSが機能を停止していた中、間一髪のところで再覚醒。キース・ホワイトの攻撃をものともせずに吹き飛ばし、停止状態で窮地に立たされていた仲間達のARMSも再覚醒させ、アザゼルとの交信にも成功。 ※余談だが、この際の同時覚醒シーンは必見である。


最後のアザゼルとの共振は、さながら同作者の前作『スプリガン』のラストを彷彿とさせる展開であった。
そして、オリジナルARMS達との最後の別れ以降は視力が落ちたようで、10年後には眼鏡をかけるようになっていた。しかし、これがクイーン・オブ・ハートを失った事によるものなのか、一般的な理由で目が悪くなっただけなのかは不明。ただ前者の理屈でいくと他の三人も腕や脚が悪くなっていないとおかしいので*5、後者の線が濃厚と思われる。或いは伊達眼鏡か。
ソフトウェア開発会社に転身したブルーメンに勤務し、ついでに隼人との関係は流石に公認の仲になっている。しかしお互いの忙しさからプロポーズは先延ばしになっている様子。
はよ結婚しろ。




下がるがいい、傲慢なるアニヲタよ!!
我が名は、Wikiの編集者<エディター・オブ・ウィキ>…
追記修正の"権利"は我が手にあり!!


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最終更新:2025年01月21日 16:09

*1 というか言い争いは主に隼人とし、涼は飄々、武士は喧嘩の仲裁でオロオロといったところ。

*2 兜のオッサンはブルーメンの控えで基本別行動。アルは人類最高の頭脳。ユーゴーは超能力者なので。

*3 高速機動サイボーグの亜音速の動きは速すぎて反応できないなど。キースシリーズが近くにいたり仲間のARMSが暴走すると共振により溢れた涙で視界を遮られてしまったりもする。

*4 ただしもちろん自分も死ぬ。更にそんな重大すぎる責務を背負わされた恵は当然ながら大きなプレッシャーに苛まれる事となった。

*5 涼は普通に生活、隼人は総合格闘家、武士に至ってはイタリアのプロリーグで活躍する現役サッカー選手である。悪くなっているわけがない。