ウェルフィン(HUNTER×HUNTER)

登録日:2012/10/03 Wed 05:32:17
更新日:2025/02/01 Sat 18:50:31
所要時間:約 4 分で読めます





オレが…今やるべき事は 本当にビゼフを探す事か…!?


漫画『HUNTER×HUNTERキメラアント編に登場するキャラクター。

CV:中村大樹

■概要

容姿は他の(キメラアント)達と同様、甲虫の様な四肢と人間の肉体を合わせ持つ狼。
優れた嗅覚を持つ。
王誕生前は女王軍師団長を勤めており、女王亡き後は主に宮殿の警護等を勤めた。

■人物

師団長一の懐疑主義者で、性格はとても疑り深く且つ嘘つきでずる賢い。
その疑り深さは筋金入りで一度彼に疑われたら最後その者をウェルフィンは死ぬまで信用することはないとされ、己の念能力すら信用せず疑念を向けている。

一方でその疑り深さから目まぐるしく変化し錯綜する情報・可能性に翻弄されやすく、疑念の余り勝手にありもしない可能性すら考えて自分で自分を追い込んでしまう癖がある。

同時に地位欲が強く、国を裏から支配する「影の王」になろうと画策し東ゴルトー共和国の裏の総帥ビゼフに取り入ろうとしている。
この影の王という目的も、「自身が王になったら疑うべき人物の数が増え自身のキャパをオーバーしてしまう」という理由から。


■念能力

卵男(ミサイルマン)

ウェルフィンの性格を色濃く投影した「疑り深く狡猾な力」。謂わば拷問器具的嘘発見器。
背中に人体を模した醜悪な砲台とキラー大砲の様な4発の小型ミサイルを具現化させる。
攻撃手順としては、
①:「対象者(ねらい)」を定める
②:「質問・命令(たま)」を込める
③:「質問・命令」に偽った・逆らった対象目がけてミサイルが発射される
と言った手順。
なお、対象者というのは「そこに誰かがいる」という認識があれば細かく指定する必要はない。
ウェルフィンの推測や使用場面から察するに、このミサイルを単純な手段で回避することは結構な困難だと思われる。
「卵男」のミサイルは命中するまで対象者を追い続け、ミサイルが対象者に命中すると、その体内に「黒百足」なる念獣を産み付ける。
ただミサイル自体に破壊力は無く(音と光だけのハッタリ)、本人も「卵男」を交渉手段のひとつとして捉えており、能力自体は戦闘には不向き。
実際、能力の性質上術者はどうしても行動が後手に回ってしまう上、
相手が痛みや死を覚悟したり、耳を傾けずに攻撃された場合には自身を危険にさらしかねない。


黒百足(クロムカデ)

「卵男」のミサイルが命中した対象の体内に植え付けられる念生物。
寄生した対象が抱く「ウェルフィンへの反抗心」を糧に成長する性質を持ち、
ウェルフィンの命令に背いたり危害を加えようとすればするほど対象者に激痛を与えながら成長し、
最大まで成長すると術者の肉体を食い破って死に至らしめる。
内部からの攻撃なので殺傷力は相当なものと思われる。
最高の反抗心は「殺意」であり、ウェルフィンに殺意を抱いた場合一気に最大まで成長するという。
その代わり、全く殺意のない状態で足止めや威力交渉目的による発砲の様なかなり過激な抵抗をされても即死まではしない。
(この場合もあくまでも殺害を忌避していただけなので反抗心はあり、撃つたびに急成長していた)

ちなみに本人は黒百足の解除方法を設定していなかったが、
ウェルフィンが弱気になったり本音を語れば語るほど弱っていき最終的に死滅する。なお、弱っているかどうかは痛みの強さである程度把握可能。
即ち、嘘発見器であるはずのこの能力は、その痛みを耐えられてしまうとウェルフィン自身の嘘発見器と化してしまうという本末転倒な弱点を持っている。
加えて言うと、要求に応えても解除してもらえないということがばれると相手に一切交渉するメリットがなくなってしまうため、相手が複数いたら交渉・尋問にすら使えないというかなりどうしようもない能力。
卵男を食らった人間が抵抗を放棄し、それ以外の人間が自分への攻撃に回られると最悪で、自分の本音は読まれるわ抑止力にならないわと散々な状況になる。
少なくとも相手の前に姿を現して使うべき能力ではない。


■活躍

劇中では王やゴン達と直接関わる事はなかった。

その嗅覚と推理力により、“出口”を設置しに来たノヴの痕跡からその賊(侵入者)の存在に気付く。
目的までは知り得なかったが、ビゼフが探していたパームをダシにして賊による宮殿爆破計画をでっち上げ、裏の王の地位を狙い画策する。
ゴン達の突入とネテロ&ゼノの強襲後は、ゼノの龍星群による宮殿破壊でビゼフの安否が気になり彼を探す内、
メレオロンやフラッタを演じるイカルゴに遭遇。
自分達蟻の中に侵入者に組する裏切り者がいるのでは?と疑いを深めていく。

そしてストーリー後半、ブロヴーダにトドメを刺さなかったイカルゴに与し易しと思い近付く。
最初は卵男により優位に立っていたが、自らの命を掛ける覚悟を決したイカルゴに圧倒されてしまう。*1

そして卵男の解除。
本人はそんなものは無いと言っていたが、相手がどうなろうと構わなかったために解除条件を作らなかったので知らないと言う方が正しい。
しかし、ウェルフィンが嘘や隠し事をせず正直になるにつれ、黒百足は苦しみだし遂には消滅する。

作中、隠し事や嘘を並べ何事も疑ってばかりの彼だったが、イカルゴの尋問により前世の記憶の事や本音を吐露した後は、笑ってこう言った。


正直に話すって…楽だな~~って思ってよ…


イカルゴのパシり…メッセンジャーとなった後は、図らずも王に重要な変化を与えた。














以下、キメラアント編終盤のネタバレ












実はイカルゴ同様にNGLの一員でジャイロを知る人物。
人間だったときの名前はザイカハル
イカルゴと話したことで蟻を敵と見なすようになり、ユピーに対してメッセンジャーの務めを果たした直後、そのままユピーを殺そうとする(が、直後ユピーは貧者の薔薇の毒で命を落とした)。
ユピーの死後、今度はメルエム・プフと遭遇。
メルエムはその害意を読み取りながらも発言を許そうとするが、事情を知るウェルフィンの口を絶対に封じたいプフの横槍によって流れが変わる。
1秒後にはメルエムに喰われて死ぬと直感し、恐怖のあまり一瞬で百余年が過ぎたほどの老いた姿と成り果てる。
そして一瞬の猶予、たった一言喋る時間しか無い生死の際で混乱する思考の中から漏れ出した、通常なら選択し得ない「コムギ…?」の一言が、プフが必死に塞ごうとしてきたメルエムの記憶を決定的に呼び覚ました。
ちなみにプフが分身の顔をコムギに変化させてピトーに声真似で伝える場面に立ち会っており(ウェルフィンがコムギを助けたという体で電話させていた)、ウェルフィン視点では答えは出せないが相当印象的だったという材料はあった。*2

結果、メルエムに感謝され、本来伝えるはずだったコムギの居場所だけ聞き出された後、見逃される。
にもかかわらず「オレの王はジャイロ唯一人!! 貴様はッ!! 貴様等はッ!! 敵だ!! オレ達の!!!」と捨て台詞まで残すが、
既にコムギのことしか頭に無かったメルエムには、今後の幸運を祈る暖かい言葉をかけられるのみだった。

キメラアント編終結後はレイナが住んでいた村まで彼女とブロウーダを送り、ヒナ、ビゼフと共にジャイロを探す旅に出た。
この時も老けた容姿のままだったが仲間内には付き合いやすい性格になったらしく、NGLに残るブロウーダにいいのか?と念押ししたり、ビゼフを励ましていた。


■人間だった時の記憶について

キメラアントにされる前まではNGLの本当の仕事である麻薬製作工場に勤めていた。
人間だったときの事を思いだし、一番鮮明に覚えていた記憶は実の父親に首を絞められ、
その横で見ず知らずの女がタバコを吸いながら見ていたというトラウマに等しい光景だった。
幸いにも血の繋がっていなかった弟に助けられ、NGLに逃げた。
同じような境遇であるジャイロとは気が合い、よくお互いの不幸話もしていた。
ウェルフィンの本名であるザイカハルの名前を知っているのは極僅かしかいないらしいのだが、イカルゴが血の繋がっていない弟なのではないかと考えられる。
(イカルゴは人間だった時の名前や記憶は殆ど思い出せないらしいが)

また、イカルゴとは能力の傾向も酷似する。
どちらも「身体の一部を銃身にし、そこから虫を弾丸や砲弾として撃ち出す攻撃*3」と「人体に寄生する力*4」を持っている。
そういう意味でも、彼らは「似た者同士」で「前世から繋がりがあった者」なのかもしれない。


追記・修正しろ! さもなくば3つ数えた後に攻撃する!!

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最終更新:2025年02月01日 18:50

*1 卵男の黒百足は、対象者のウェルフィンへの反抗心により激痛を与え殺意があれば死にも至らせるが、イカルゴには殺す気が無かった為死なずにすんだ

*2 これらはプフ自身も自覚ないが秘密を知る者と言及していてしっかり把握していたのだが、結局自分の暗躍が巡り巡って自身の首を絞めたという皮肉なこととなった

*3 ライフル化した片腕・相手を食い破るノミの弾丸と、ミサイルランチャー化した背中・ムカデの卵の砲弾

*4 死体に侵入し着ぐるみのように動かす、体内で暴れる大ムカデ