アットウィキロゴ

コムギ(HUNTER×HUNTER)

登録日:2012/02/04 Sat 23:17:24
更新日:2026/09/04 Fri 17:04:47
所要時間ワダすの項目は、約 7 分で読めます





メルエム様

ワダす…今…とっても幸せです

不束者ですが お供させてください


コムギとは、『HUNTER×HUNTER』の登場人物である。

CV:遠藤綾

+ 目次

×人物×

出身地である東ゴルトー発祥の盤上遊戯『軍儀(グンギ)』の世界チャンピオンに君臨する盲目*1の少女。チャンピオンとしては3代目であり、現在5連覇中。
なお、発祥地である東ゴルトーの代表選手は過去15年から続く世界大会において一度も敗北したことが無く、現役における絶対の最強選手である。

ボサボサ頭に太眉毛、常に鼻水が垂れている*2というお世辞にも美少女とはいえない容姿で訛りのあるしゃべり方をする。
学は無いが、軍儀に関してのみ類まれなる頭脳と記憶力・集中力を発揮する*3
設定資料では「強化系」となっているが無意識に念を操りその能力を軍儀に用いているのか、あくまで資質が強化系というだけで念に目覚めていないのかは不明である。

そしてキメラアント編における、誰も予想もできなかった完全なる異分子(イレギュラー)であった。


×作中での動向×

キメラアント編

キメラ=アントの王、メルエムが選別まで暇をつぶすために招かれた。
他にも将棋チェス囲碁などのプロも招かれていたが、メルエムは数えるほどの敗北で急速に学習し直ぐに実力を圧倒。次々と打ち負かしていってしまう。

しかし、東ゴルトー発祥のゲーム「軍儀」だけはそうは行かなかった。
当代チャンピオンとして招かれたコムギの実力は全くの底なしであり、何局打っても一向に勝ち筋が見えてこない。
軍儀に至るまでの他ゲームの対戦の中、メルエムは既に「相手の癖を読み取り、敵の嫌がる手を狙い続ける」というある種の本質的な嗅覚までものにしていたが、コムギ相手には嫌がる手以前に癖を見つけることすら出来なかったのである。

停滞した状況にメルエムは2つのオリジナル戦法を編み出し、「互いの選択肢を大幅に増やして強引に癖を引き出す」という作戦で勝利を掴もうとするが、つかの間の動揺を引き出しただけでこちらも失敗。
この互いの選択肢を増やす独特の展開は、彼女が10年程前に既に編み出しており、「互いの実力が試される」ということで大流行までしているのだが、その1年後に考案者である彼女自身が完全な攻略法を見つけ出してしまった「死路*4」の戦法であった。

「死路」であることを知っていたにもかかわらず動揺を見せたコムギにメルエムは憤慨する。
そして、その奇跡的な偶然を即白紙へ戻すことへの葛藤が迷いを生んだと語るコムギにメルエムは閉口するしかなく、同時にコムギは「メルエムを憤慨させても殺害されなかった初めての人間」となる。

過去彼女が「孤孤狸固(ココリコ)」として生み出し、今対局でメルエムが「離隠(ハナレガクシ)」として復活させた盤面。
そしてそこから繋がる「中中将(ナカチュウジョウ)」の流れは2人の物語において再び重要な役目を果たす事になる。


幾度目かの勝負時、メルエムはコムギの呼吸と癖を引き出すべく、1つの賭けを提案する。

次の対局で勝てば望む褒美を与えるが、負けた場合は左腕を貰う

欲と恐怖の2方向から精神的な揺さぶりをかけるのが狙いである。

しかし、絶対者から提案された不条理極まりない条件に対し彼女の反応はあまりにも薄くズレており、それどころか敗北時の対象を左腕から「自身がいつも賭けているもの」への変更を要求するという動揺の無さを見せ付ける。
コムギの提示する条件…即ち「いつも賭けているもの」とは他でもない「コムギ自身の命」であった。

盲目の枷を負って貧困層に生まれた彼女が稼ぎ頭として家族を養っていけるのは「軍儀のプロ棋士としての地位があるから」だが…
国内のプロ収入は極めて少なく、世界王者になって初めて多額の報奨金を得られる都合上「不敗」が前提にして絶対の条件であり、軍儀の敗北はそのまま彼女が家族最大の負債になることを意味している。
盲目の身には軍儀以外の選択肢が存在せず、軍儀こそが自身の存在価値そのものであるが故、プロを目指したそのときから「負けたら死ぬ」と既に誓っていたのである。

負けたらゴミになる自分の命を総帥様に渡すのは大変な失礼なのでは?などと見当違いのところで悩むコムギは勝利時の褒美の希望も特に無く、メルエムの目論見は完全に崩れ去った。
最初から命を天秤にかけていた相手に対して、覚悟の足りなさを恥じたメルエムは賭けを取り下げ、その詫びに自らの左手を引き千切る。

何が起こったのか分からず困惑するコムギだったが、治療のために慌てて駆け寄ってきたシャウアプフの言動でメルエムが何か大怪我をしたのだと言う事を理解する。
中断を宣言する側近のプフを殴り飛ばし、なおも食い下がるプフをその場で処刑してでも対局を続けようとするメルエムであるが、コムギは治るまで打たないと対局を拒否。
コムギにも殺すと脅しをかけるが全く動じず、「わだすを殺すならどうか軍儀で」という言葉にメルエムはついに折れ、治療のためにネフェルピトーを呼び寄せた。

また、全くの偶然ではあるが、ちょうどこの時キメラアント討伐軍のノヴが自身の念能力の「ドア」を設置するために単身潜入を試みていた。
いつもなら宮殿を覆い隠すように展開されているピトーの「円」がメルエムの治療をしていたからか、この時に限って消えていたからである。
これにより、討伐軍は奇襲をかけるための条件のうち最も難度が高いと思われていた「入口の設置」をクリアする事ができたのだが、当然ながらピトーの円が何故あの時に限って消えていたのか?という疑問が持ち上がる。

この時点で討伐軍メンバーはピトーの能力の「玩具修理者(ドクターブライス)」の事を知っていたため、メルエムが何らかのダメージを受けたと言う所までは推測がついたが、「誰がメルエムを傷つけたのか」はいくら考えても検討がつかない。
残る可能性は「メルエムが何か許せない事があって自ら傷つけた」のみだが、そうなると、メルエムの人物像が当初予定していたものと大きく異なることになる。
いずれにせよ「予想もできないイレギュラーがある」という予感をぬぐい切る事ができないまま討伐決行の時刻が迫り、それは最大のイレギュラーとして討伐軍の前にも姿を現す事になるのだった。



ある日、いつものように軍儀を終え、自室に戻ろうとするコムギをメルエムが呼び止め、名前を訪ねた。
コムギは自分の名前を告げると共に、逆にメルエムの名前を問うて来た。
しかし、ここでメルエムは自身に名前が無い事に気づき、自分は何のために生まれてきたのか?と疑問を抱くようになる。

日が変わり選別の直前、宮殿内にあるコムギの部屋にカラスが侵入し、彼女を激しくつつきまわる。
しかし、目の見えない彼女には避けることができず、早朝なので迷惑をかけてはいけないとじっと堪えていた。

そこにメルエムがやってきて、カラスを駆除する。
実はこの時、メルエムはコムギを用済み*5と思い、殺そうとしていたのだが、襲われている彼女を見て助けてしまう。
そして傷だらけの彼女の手を握り、大事な客人だから困ったときはすぐに話せと言ってしまう。
ついさっきまで殺そうとしていた人間に対し、真逆の対応をとってしまった自分にメルエムは戸惑う。
そんなことを知らないコムギは、その言葉に号泣する。
軍儀のためだけに生き、家族には「負ければゴミ」と言われ続けた彼女にとって、そんなに優しい言葉をかけてもらったのは生まれて初めてだった…

しかし、そんなコムギに悲劇が訪れる。
メルエムを討伐するためにネテロと共にやって来たゼノの「龍星群(ドラゴンダイブ)」による無差別攻撃の巻き添えを喰らい、腹を貫かれる重傷を負ってしまうのだ。
ここに至り、メルエムはもはや迷いも無く、ピトーを呼び寄せてコムギの治療を命じる。
ネテロとゼノもその後現場に到着したが、コムギという人間に対する慈愛溢れる扱いに、本来ならば隙あらば襲い掛からねばならなかった立場の2人も思わず手を止めて成り行きを見守るほどだった。

なお、コムギの存在は直属護衛軍のピトーとプフにも変化を与えている。
ピトーはコムギを通じて他者への慈愛に目覚めていくメルエムの事を嬉しく思い、王命であるからと言う理由だけでなく自身の考えでコムギを命を賭して守る様子を見せたのに対し、プフは変わっていくメルエムを好ましく思わず、コムギを邪魔な存在として隙あらば排除しようと考えるようになる。
ただ、そのまま殺してしまうとコムギがメルエムの中で「終ぞ勝てなかった絶対的存在」として神格化されてしまう恐れがあり、機をうかがうしかなかった。

そうしてピトーの「玩具修理者(ドクターブライス)」により一命を取り留めるが、討伐隊に人質にされ、討伐隊がキメラアントに捕らえられてしまった際の交換材料にされてしまう。
一方でシャウアプフからは「貧者の薔薇(ミニチュア・ローズ)」の衝撃で記憶喪失になり冷酷無比な性格に戻ったメルエムが以前の状態に戻るのを良しとせず、またコムギに関する記憶が失われているのを好機と見て、彼女を殺すべく命を狙われる事になる。


宮殿に戻ったメルエムは、進化した「光の円」で宮殿内の様子を一瞬で把握。
即座に捕縛した2人の賊はコムギを連れていなかったが、このままではメルエムがコムギを見つけてしまうのは時間の問題であると考えたプフは、賊を探しだす事をゲームに見立てた「勝負」を提案。
プフの能力を取り込み昇華させていたメルエムは、先ほどの「光の円」でプフの感情をも把握。
プフが自身に対して何らかの隠しごとをしていること、しかしそれが絶対的な忠誠心によるものであること、死も厭わない尋常ならぬ覚悟を見て取った。
メルエムは勝ったら秘密を全て話せと言う条件でこれを承諾、プフは先んじてコムギを探す猶予を得たのだった。
そしてコムギを連れた賊のキルアを発見するが、分身体ではキルアに敵わず、時間だけが過ぎていく。

一方でメルエムは別の者を見つけていた。かつてキメラアント女王の部下であったウェルフィンだった。
ウェルフィンに尋問しようとするメルエムをプフは必死に止める。
しかし、プフの妨害もむなしく、絶対的な捕食者の前で死を覚悟しオーバーヒートしたウェルフィンの脳は、本来なら絶対にあり得ない一言を捻りだした。

コムギ……?

その名を聞いてメルエムは全てを思い出した。
宮殿に戻ってからずっと、何か大事なものを忘れているような気がしてならなかった違和感の答えが出た。プフはその様子を見て自身の計画の瓦解を悟り、涙する。


そうしてメルエムは自身でコムギを探すために腰を上げ、ほどなくしてキルアから人質を引き継いで隠したパームを発見する。
ここまでで他人の感情を読み取る中で、薔薇の毒に自身が侵され既にもう長くない事を悟っていたメルエムは、残された時間をコムギと過ごして終える事を決めていた。もう他には何もいらない。

地下倉庫にパームを追い詰めたメルエムは、自分が薔薇の毒で既に余命いくばくもない事、人類とキメラアントの戦争は既に人類の勝ちで終わっている事を明かし、パームに対してコムギの居場所を教えてくれと言う*6
パームはすぐにはそれら全てを信じられず抵抗するが、メルエムが暴力ではなく土下座による懇願を選んだのを見て意思の強さを思い知り、コムギの居場所を教える。

コムギが隠されている荷物コンテナを見つけたメルエムは、コムギをたたき起こす。
久しぶりにメルエムとの軍儀を楽しむコムギだったが、彼から残酷な真実を告げられる。
死ぬ前の時間をコムギと過ごすことを望んだメルエムだが、自分の受けた毒は周りにも伝染してしまうため、彼女に逃げるように促す―

しかし彼女は逃げなかった。
最期の瞬間まで彼のそばに居ることを望んだのだった。
そこでメルエムは悟った。
自分の生まれてきた意味を。彼女に出逢うこと―それこそ彼の生まれた理由だったと。

そして彼女もまた...

ワダすは きっと この日のために生まれて来ますた…!

徐々に衰弱していくメルエムは、何度もコムギが目の前にいるかを問い続ける。
彼女は、もう目も見えなくなった彼の手を握りながら最期を看取る。
疲れたメルエムは少しだけ眠ると言い、自ら軍議を中断するが、最期の願いとして「名前を呼んでくれないか」と乞われ、それまで一貫して「総帥様」と呼んでいたコムギだったが、お互いに最期の言葉だと悟った。


おやすみなさい… メルエム…


こうしてメルエムはコムギに抱かれて死んだ。
明確な死亡描写は無いが、恐らく彼女も直後に死亡したと思われる。

なお、この時コムギは初めてメルエムの身体に触れ、彼が異形の者であることに気づいているはずだが、最後まで彼の傍に居続けた。

軍儀を打つ中で王の内面を激しく揺さぶり、彼を変え、護衛軍を変え、最後には物語の結末を誰も予想しなかったものに変えてしまった。
彼女との対戦によって、王はただでさえ高かった読み合いのレベルを更なる次元に引き上げてしまい、ネテロが繰り出す百式観音の無限に等しい攻撃の組み合わせから正解を導き出してしまった。
もしも彼女が存在しなければ、ネテロはメルエムを完封し続けて持久戦で勝利するといったifもあり得たかも知れない*7


×余談×

メルエムとの軍儀の最中、コムギが念に覚醒したような描写がある。
連載時点では明言されていなかったものの、後の設定でコムギは念能力者になっていたと明かされた。

系統は強化系。
描写から察するに、軍儀における思考能力の強化なのだと思われる。
「何かを極めた者は念能力に目覚める事がある」という設定があるため、コムギもその例にあたるのだろう。





何をおっしゃいますやら!!

追記・修正はこれからですよ!!

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2026年09月04日 17:04

*1 盤上が分からないので読み駒をして貰う必要がある。普段は眼を閉じていて対局中のみ開眼するが、これは視力には関係ないただの癖。

*2 重篤で口を閉じると息が出来なくて失神してしまう。王との初対面で黙れと言われていきなりやらかした。またこれにより視覚に加えて嗅覚も不完全なので目の前の人物が人間でないことに気付くことはできない。

*3 軍儀の実力は今なお成長途中である。更に作中では「覚醒」とも評される、限定的ながら念能力に目覚めているような描写もある。

*4 中国語で行き止まりの意。ここでは完全な攻略法により一切の勝ちが無くなった戦法という軍儀用語。

*5 そもそもコムギを呼んだのは選別までの暇つぶしだった。

*6 コムギは荷物コンテナに押し込められる形で隠され眠らされていたため、感情を読み取るメルエムの円でも識別が困難で、非常に時間がかかることが予想できた。

*7 コムギとの出会いがなければメルエムは人間を見下した暴虐の王のままなので、その下等生物に羽虫が叩き潰されるようにやられるといった状況が続いたのならば、怒りでオーラの流れが乱れ、その瞬間に致命打を受けて敗北する結末も絶対にないとは言えないだろう。