ハンニバル(映画)

登録日:2012/10/04(木) 13:02:03
更新日:2016/10/24 Mon 13:17:09
所要時間:約 6 分で読めます






「クラリス、今も羊たちの悲鳴は聞こえるか……?」






■ハンニバル■

『ハンニバル(Hannibal)』は01年の米国映画。
99年に発表されたトマス・ハリスの同名小説の映画化作品で、91年の『羊たちの沈黙』から10年を経ての続編となった。
監督は名匠リドリー・スコット。

主人公ハンニバル・レクター役は前作と同じくアンソニー・ホプキンスが演じたが、FBI捜査官クラリス・スターリングは「二度と同じ役はやらない」主義を持つジョディ・フォスターからジュリアン・ムーアに交代となった。
※フォスターはクラリス役に特別な思い入れがあったが、原作でクラリスがレクターに洗脳されてしまう結末を嫌悪して降板したとの情報もある……。
映画『羊たちの沈黙』を気に入り、完結編を上梓したトマス・ハリス涙目。

全編に渡り、非常に多くの残酷描写が直接的に描かれているのが特徴であり、TV放映の際にはその殆どがカットされていた。



……まあ、放送なんか考える方がおかしいしね。




※以下はネタバレ含む。





【概要】

トマス・ハリスの「サイコ」三部作の完結編『ハンニバル』の映画化作品であり、タイトル通りに小説と映画が生んだシリーズ最大の悪のカリスマ、ハンニバル・レクター博士が初めて主人公に据えられており、超人性も増したその姿は、さながら(手段はともかく)悪に挑むヒーローの様にも見える。

本作でのテーマは、天才的犯罪者であるレクターとFBI捜査官であるクラリスの対立しながらも、惹かれ合う奇妙な関係と愛情その物である。

……事実、原作では両者の関係が一点に帰結するのだが、映画版では全く別の結末を用意しており、両者は最終的には再び道を違える事になった。
日本語版で小説が出ているので興味がある人は読んでみると良いかもしれない。
結末はメリバともとれる。なお、途中の描写はやっぱりグロい。

これは、映画版ではこの時点でもレクター博士の過去が描写されていなかった事が関係しているのかもしれない(※レクターの過去については第4作『ハンニバル・ライジング』にて映像化)。

03年には続編として原作シリーズの第一作である『レッド・ドラゴン』が製作されている。

※本来の時系列は

『レッド・ドラゴン』

『羊たちの沈黙』

『ハンニバル』

尚、これは再映画化作品であり(※以前に『刑事グラハム』の名前で映画化されている)、アンソニー・ホプキンスの演じるハンニバル・レクターによるシリーズの完結を目指した結果である。


【物語】

『羊たちの沈黙』から10年後……ハンニバル・レクターの協力によりバッファロー・ビル事件を解決したクラリス・スターリングは、FBIの腕利き捜査官として順調にキャリアを重ねていたものの、女でありながら高すぎる能力と純粋な正義感を翳す彼女は周囲から煙たがられる存在ともなっていた。
……麻薬組織壊滅の指揮を執っていたクラリスだったが、作戦中に彼女に反感を抱く別組織(市警)の人間が功名を焦り作戦を無視した事から事件は最悪の形で終結。
過去の確執から彼女を疎ましがっていた上級捜査官のクレンドラーの働けかけもあり、クラリスは全ての責任を押し付けられた末に窮地に追い込まれるのだった。

……事件を知った大富豪のメイスン・ヴァージャーはFBIに働きかけ、クラリスを呼び寄せると彼女に失踪中のハンニバル・レクターの探索と逮捕を依頼する。

レクターに個人的な執着と復讐心を抱く彼は、クラリスとレクターの関係を知るが故に、クラリスを餌として利用する事にしたのだ。

……その頃、遠くイタリアはフィレンツェで偽名を使い潜伏していたレクターは、前任のカッポーニ文庫司書の失踪事件について市警のパッツィ刑事の訪問を受けていた。

FBIの自分への捜査態勢の変化とクラリスの窮状から、黒幕の存在を感じ取ったレクターはクラリスならば気付くであろう“ヒント”を込めた手紙を贈るが、僅かな疑念からレクターの正体に気付いたパッツィ刑事は多額の報奨金を目当てにメイスンに情報を流してしまい……。

【登場人物】
※吹替はソフト版


■ハンニバル・レクター
演:アンソニー・ホプキンス
声:石田太郎

本作の主人公。
歴史上に名を残す天才的犯罪者。
前作のラストで失踪した後に、遠くイタリアにてダンテ研究者のフェル博士を名乗り潜伏。
外国人ながら相変わらずの高い能力を発揮し信用を勝ち取っていた。
クラリスの窮地を知り、罠が張られている事を承知でアメリカに戻って来る。
果たして、レクターのクラリスへの執着の正体とは……?


■クラリス・スターリング
演:ジュリアン・ムーア
声:勝生真沙子
前作の主人公で、レクターが唯一の例外として執着する存在。
腕利きの犯罪捜査官だが、その出自や性別に反する高い能力故に“信念の無い連中”には煙たがられている。
レクターとは互いに心の傷となっている存在を現実世界で代替し合っている存在だが、前述の様に映画では結末が違っている為か、そうした部分は描かれていない。

■ポール・クレンドラー
演:レイ・リオッタ
声:大塚芳忠
クラリスの上役で、上級のFBI捜査官。
過去にクラリスに言い寄りながらも冷たく無視された経験があるらしく、魚市場での麻薬組織を巡る事件を利用し、これ幸いとばかりにクラリスを窮地に追い込む。
更にメイスンとも通じており、その愚劣さ故にレクターに生きたまま頭蓋を拓かれ、目前で自分の脳を調理されて食わされる罰を受ける
レクターはちゃっかり手(脳?)料理を飛行機機内に、機内食代わりのお弁当として持ち込み、お弁当に興味をもった子供にもおすそ分けした。


■レオナルド・パッツィ
演:ジャンカルロ・ジャンニーニ
声:菅生隆之
フィレンツェ警察の主任刑事。
爵位を持つ(コンメンダトーレ)名門の出身であり、なかなかに有能だが野心家でもある。
レクターの正体に気づき、彼をメイスンに売ろうとするが……。
祖先は裏切りの罪により腸を引きずり出されて全裸で吊り下げられている。


■アレグラ・パッツィ
演:フランチェスカ・ネリ
声:日野由利加
レオナルドの若くて美人な奥さん。
芸術志向は高いが、その分生活費が……。
レクターに“食材”として興味を持たれる。

■バーニー
演:フランキー・R・フェイソン
声:玄田哲章
収容施設でレクターの世話係をしていた男。
善人ぶっているが、施設が閉鎖された際に持ち出したレクターに関連する物品を好事家(主にメイスン)に売って荒稼ぎしているワル。


■コーデル主治医
演:ジェリコ・イヴァネク
声:星野充昭
メイスンの身の回りの世話も兼任している苦労人。
レクターにけしかけられ……

■メイスン・ヴァージャー
演:ゲイリー・オールドマン
声:中尾隆聖
代々続く大富豪で、多額の献金により議会や司法に多大な影響力を持つ。
性犯罪者としてレクターの治療を受けた末に、薬でハイになったところを彼自身に己の顔面の皮を剥ぎとらせ、犬に顔面の皮を食わせるよう指示された。
レクターに歪んだ執着を抱いており、彼を捕らえて品種改良した獰猛な豚に食わせるのが夢。
原作では妹に殺されるが、映画ではレクターの暗示を受けたコーデルに裏切られ、車椅子から落とされ自らが豚の群れに食い殺された。








……追記修正するんだよ、クラリス

“H”



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