伝承によればエルフの大国(エルニア帝国のことと推測されている)から脱出した人族奴隷の一団が、荒波を越え魔物を撃ち破りザウロール王国を突破してたどり着いた地に建国したという。ザウロール王国側の史料によれば、マジョリア大陸から漂着してきた人族の一団に忠誠を誓わせて沼地の開拓団として送り出したが開拓団は裏切り独自の王国を名乗ったのだという。真実は闇の中で、気にする者も今や少ない。
国号は特に決まっておらず単に「王国」「沼地の国」と呼ばれていた。クライア王国とは王族の姓から便宜的に付いた名。
国力は七王国内では可もなく不可もなくといったものだった。ただしその立地から四方八方と外交したり戦争したりと忙しかったらしい。
イーヴァル一世がトロールラント諸島に上陸、帰順させたザウロール王国のトロール軍団を率いて進軍してくると、クライア王国は沼地を防衛線にして地帯戦術に務めつつ他の諸王国に増援を求めて兵を集め決戦を挑んだ。結果は巨人族たるイーヴァル一世に容易く蹴散らされて慌てて降伏、神聖イルニクス帝国に帰順したクライア王領となった。
クライア王国が諸王国の兵を一ヶ所に集めまとめて粉砕されたことは、結果的にはイーヴァル一世によるトロールラント諸島征服を深める結果となった。
現在のクライア王領は、沼地で狩猟採集された魚やベリーを食べつつ、保存食に加工してトロールラント諸島の北部に輸出することで生計を立てている。
周辺との出し抜き合い・殴り合いから解放されたことで領民の生活は安定、また沼地に点在する居住地を襲わんとする魔物たちは泥まみれになりのたくりながら遅々として進むしか無いので、かなり平和な方の領邦となった。
だからこそ、平和過ぎる生き方はつまらないと他の地方に冒険に出る住民もかなりいるようだ。
周辺との出し抜き合い・殴り合いから解放されたことで領民の生活は安定、また沼地に点在する居住地を襲わんとする魔物たちは泥まみれになりのたくりながら遅々として進むしか無いので、かなり平和な方の領邦となった。
だからこそ、平和過ぎる生き方はつまらないと他の地方に冒険に出る住民もかなりいるようだ。