ある日のガスペリ家本邸。
家に持ち込んでの仕事をやっつけて、書斎の椅子にもたれかかるリリアーナに向けて、扉がノックされてから声が響く。
家に持ち込んでの仕事をやっつけて、書斎の椅子にもたれかかるリリアーナに向けて、扉がノックされてから声が響く。
「お嬢様!」
その声は若く元気で、かといって落ち着いたような響きも持ち合わせていた。何よりリリアーナには幼少期から聞き覚えがあるメイドのものであり――
「……ジュリエッタね。何の用かしら」
「お疲れだと思いましたので、コーヒーとケーキをお持ちしました!」
「あらそう。入りなさい」
「はい!」
「お疲れだと思いましたので、コーヒーとケーキをお持ちしました!」
「あらそう。入りなさい」
「はい!」
そう言って入ってくるジュリエッタ。振り向いたリリアーナが見たのは――
「私はもっと背丈も体型も優れていた筈だけれど……まあ、任せると言ったもの」
「私はお嬢様の体型、好きですが」
「褒めても何も出ないわよ。強いて言えば、姉妹三人揃っての温泉旅行くらいかしら」
「それは色々と出てますよ?」
「私はお嬢様の体型、好きですが」
「褒めても何も出ないわよ。強いて言えば、姉妹三人揃っての温泉旅行くらいかしら」
「それは色々と出てますよ?」
等と話しながら、主従は共に間食を楽しむ。
まあこの後、綺麗に全部姉二人にバレて色々問題となったのはここだけの話なのだが。
まあこの後、綺麗に全部姉二人にバレて色々問題となったのはここだけの話なのだが。