シナンジュ・スタイン SINANJU STEIN |
登場作品 |
機動戦士ガンダムNT |
型式番号 |
MSN-06S-2 |
全高 |
22.6m |
重量 |
23.1t |
所属 |
ジオン共和国軍 |
武装 |
バルカン砲 ビーム・サーベル ハイ・ビーム・ライフル シールド |
搭乗者 |
ゾルタン・アッカネン |
【設定】
ジオン共和国軍の試作型モビルスーツ。
「UC計画」におけるサイコ・フレームの強度・追従性の実験機として開発された機体で、かつてネオ・ジオン残党軍「袖付き」の首魁
フル・フロンタルによって強奪されたもう1機のシナンジュ・スタイン。
外装とカラーリングを大きく変更されたフロンタルの
シナンジュとは異なり、ジオン共和国軍所属の機体である事を隠す為に、胸部と腕部に「袖付き」の特徴であるエングレービングが施されているのみとなっている。
【武装】
バルカン砲
頭部に2門内蔵された60mm口径の機関砲。
ビーム・サーベル
前腕部に装備された格闘用ビーム兵器。
ハイ・ビーム・ライフル
ロングバレルタイプのビーム・ライフルを強奪前のシナンジュ・スタインが運用していたハイ・ビーム・ライフルのジャケット・パーツを取り付けて外見だけ似せたものであり、出力はオリジナルのハイ・ビーム・ライフルより劣る。
銃身下部にグレネード・ランチャーやロケット・バズーカを接続する事が可能。
シールド
グレネード・ランチャーやロケット・バズーカなどのオプション装備を取り付ける事が可能なアタッチメントパーツが備えられている。
【原作の活躍】
【搭乗者】
ゾルタン・アッカネン
CV:梅原 裕一郎
ジオン共和国軍の大尉。
かつては
フル・フロンタルと同様に「シャアの再来」として作られた強化人間であったが、フロンタルが成功体として選ばれた為に「失敗作」の烙印を押された。
強化処理の際に右眼を失明しており、現在はサイコミュを内蔵した義眼となっている。
地球連邦政府に一杯食わせてやろうとする一派に属してはいるが、その経歴から『下らない野望や見栄のために弱者を使い捨て続ける』連中を激しく憎んでいる。
ひねくれ者かつ欲望に忠実な性格もあって、実際に劇中における彼の行動はどれもクレイジーであるが、いずれも自身が『そいつら悪人共の手先』であることを理解した上で執っている節が見受けられる。
製作スタッフからは「小説版では悪役だったフロンタルのCVが池田秀一になったことで路線が変わったため、ゾルタンには『勧善懲悪の悪役』に撤して貰うことになった」と語られている。
結果としてガンダムシリーズでは珍しい純悪役キャラであるが、下記セリフの数々も相まって視聴者からの人気が高い
キャラクターとなった。
【原作名台詞】
- 「人違い…いや、ガンダム違いか!」
- フェネクスを探す中でナラティブガンダムと遭遇した際の台詞。
- 「撃っちゃうんだなぁ、これが!」
- コロニー内での戦闘時にハイ・ビーム・ライフルを発砲する時の台詞。
穴が開いたら大惨事なコロニー内で楽しげに発砲する辺り、彼の狂気が伝わってくる。
- 「おいおい、避けるなよぉ…コロニーに穴が開いちまうだろうが!」
- コロニー内でビームを乱射しながら。
自分で撃っておいてどの口がと言いたくなる物言いである。
- 「有線だと?エセファンネルなどガンダムのやることか!それとも失敗作相手には二流のガンダムで十分だと?」
- インコムを使用したナラティブガンダムに対して怒りを顕わにする。
- なお、過去の時代にもSガンダムやガンダムMk-V、NT-Xなど有線兵器を装備したガンダムはそれなりに存在していた。
- 「切り札ってのは最後に切らないとな!」
- メーティスにIIネオ・ジオングを呼び寄せての台詞だが、この後に思いも寄らぬ事態が発生する。
- 「ネオ・ジオング、俺はここだ!俺を受け入れろ!」
「お前まで俺を見捨てるのかよぉ!」- IIネオ・ジオングがナラティブガンダムを取り込んだ時の叫び。
- 「失敗作だって見捨てられりゃ傷付くし、腹も立つんだがな…」
- 「この光…!人の意思が力に…?」
「…それがどうしたぁ!こんなものが何になる!?誰がこれを理解する!?」
「オールドタイプが理解するのは現象だけだ!奇跡を目にしても、その本質を学ぼうともしない!!」
- 「人は変わらない。これからも、俺やお前らみたいな人間が、奇跡のために切り刻まれる!」
- 「だったら…さっぱりさせようぜ!!」
- 最終決戦にて。アクシズショックやラプラス事変を経て、なお変わらず欲望のままに弱者を使い捨て続ける人類への憎悪をヨナに語る。
- 原作では人類の可能性を否定し続けたフロンタルの思想に近い。
- 「(楽になろうぜ…)」
- 「(死ねば溶け合えるんだろう?)」
- ヨナのフェネクスとの戦いで戦死した今際にて。ミシェルが持っていたサイコフレームの意味合いの逆を突くことでヨナに呪詛を投げ掛けた。
【名台詞(?)】
- 「人類が増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになって半世紀、地球の周りには巨大なスペースコロニーが浮かび、ドカーン!
てなわけで始まっちまった宇宙大戦争、ガンダムの事を話し出すと早口になっちゃうおじさん達が大好きな一年戦争って奴だ。
ちなみに増えすぎた人間を宇宙に追いやって安穏としていたのが勝ち組地球連邦、そんな連邦にふざけんなって噛み付いた負け組代表がジオン公国。
当初はコロニーを地球に叩き落したり、モビルスーツってイケてる新兵器で連邦を『キャン!』言わせてたジオンだが、基本的には金持ち父さんと貧乏父さんの取っ組み合い、『戦いは数だよ兄貴!』って当のジオンのお偉いさんも言っていた通り、貧乏ジオンは敗北、国は解体され、連邦の言う事をハイハイ聞くしか能がないジオン共和国って国が出来上がる。どっかで聞いたような話だろ?これ。」- 公式PV『ゾルタン様の3分でわかる宇宙世紀!』から。一年戦争の始まりから終わりまでをゾルタン流に語っている。
大体あってる
- 「ところがどっこい!実は最初の頃から語られていたトンデモパワー『ニュータイプ』。
宇宙に出た人間は進化して、より優れた新人類になるって説は宇宙移民者の間で大ブーム、おっとそれじゃ地球に残った僕らの立場ないよ!てんで連邦はこれを全否定。
しかし皮肉にもその連邦軍の中からこいつが現れ、こいつも、こいつも、こいつも!って事でニュータイプが戦争の勝ち負けを左右する事もあるってわかると連邦も慌てて研究を開始。
探すと見つからない?じゃあ作ればいいじゃん?ってノリで人工ニュータイプ『強化人間』が爆誕。ニュータイプとは何なのか、よく分かんないで人間の心や体を弄くり回すもんだから事故だって起こる。ほーら、やっちゃった!」
- 「しかもこの暴走事故を起こして行方を眩ませたフェネクス、例のすげー事やらかしたユニコーンガンダムと同型機だったもんだから連邦も我らがネオ・ジオンも俄然注目!
問題の1号機と2号機は解体・封印されたが、こいつを手に入れれば同じ力が手に入るんじゃね?って事で争奪戦が始まった。
フェネクスに秘められた力、それはニュータイプの謎を解き明かし、人間に永遠の命を約束する…って、おい!これやっぱ別のアニメなんじゃないの!?各方面大丈夫!?と実は気にしーの俺様いよいよ登場!ゾルタン・アッカネン、その正体は…って終わりかい!
『機動戦士ガンダムNT』絶賛公開中!見逃すなよ、諸君!年が明けてもロングランヒットしちゃうんだな、これが!」
【ゲーム名台詞】
- 「ご本人様の登場ってか!」
「認めろ! 貴様という存在が生み出した結果が、これだ!」
「フル・フロンタルが生み出したマシン…!この俺の力を合わせて…!貴様と世界に引導を!」- 『スーパーロボット大戦30』から。
クワトロに対する特殊戦闘台詞で、3つめはIIネオ・ジオングのサイコ・シャード使用時限定。
自身が強化人間にされたきっかけの人物である為か、クワトロ(シャア)への憎しみは強い。
- 「女みたいな名前のニュータイプが来たな!」
- 『スーパーロボット大戦30』から。
カミーユに対する特殊戦闘台詞で、知ってか知らずか、カミーユに禁句を放っている。
ちなみに、DLCのシナリオでもこの地雷を踏んだ人がいる。
- 「アムロ・レイは伊達じゃないか…!」
- 『スーパーロボット大戦30』から。
アムロに対する特殊戦闘台詞で、彼がアクシズを押し戻した時の台詞に由来しているが、ゾルタンは知っているのだろうか…
- 「赤い機体は好きじゃないんだよ!」
「その色の機体は俺を馬鹿にしているって事だ!」- 『スーパーロボット大戦30』から。
赤い機体に対する特殊戦闘台詞で、「赤い彗星」に対するコンプレックスが表れている。
なお、自軍で運用できる赤いMSは隠し機体の上に、加入するのはゾルタンと決着を付けた後になる。
更に言うとゾルタンを最初に倒す事もその機体の加入条件に関わっている。
- 「人違い…? いや金ピカ違いか!」
- 『スーパーロボット大戦30』から。
フルアーマー百式改などの金色の機体に対する特殊戦闘台詞で、上記の台詞のアレンジとなっている。
- 「人の生命は、星よりも重いんだろ!?だったら、俺を馬鹿にした報いに星一つを支払ってもらう!」
- 『スーパーロボット大戦30』から。
ザンスカールとの決戦に現れたゾルタンはサイコフレームとエンジェル・ハイロゥを共鳴させて地球という星そのものを消すことで赤い彗星を超えようとするという暴挙に出る。
【VS.シリーズの活躍】
EXVS.2
第15弾追加機体として登場。
コストは2000となる。
射撃武装の豊富な格闘寄り万能機…という過去作(
とくにフルブ経験者)が聞くとろくでもなさそうなカテゴリーの機体。
射撃武装には着弾地点に爆風付きのライフル(N射撃CS、特射、覚醒技最終段)、鈍足付与のアシストなど独自のものが多い。
格闘も判定の横(マスターやアルケーの横格に勝てる)や火力のN、伸びの前などシンプルかつ優秀なものが多いがごり押しできるほどイカれた性能はしていない。
射撃も豊富だが火力が物足りないので射撃戦をしつつも要所で格闘を入れていく…ってこれEXVSFBとかマキシブーストあたりの機体じゃないの!?環境についていける!?と気にしーの諸君、ちゃんと最低限のアメキャンとかフワ格とか光る武装もあるのでけっこうやれちゃうんだなぁ!
同時に1年ほど暴れ続けてきたトップ層も弱体化されたのも追い風になったんじゃないかなぁ!?
覚醒技は乱舞から相手を叩き付け爆風付きライフル連射で追撃する「撃っちゃうんだなぁ、これが!」
上手く位置調整すると敵も味方も巻き込めちゃうんだよなぁ、これが!
ゾルタンがノリノリなのでつい「撃っちゃうんだなぁ、これが!」と射撃を撒きたくなるだろうが地走が味方の場合爆風による誤射に注意したい。
ちなみに、覚醒がMAXまで溜まると「貯まっちまったぞ!」と教えてくれる。
プレイヤーナビでもフル覚についての台詞はなかったのにプレイヤーに覚醒を使う回数の重要性を教えてくれている初のキャラ。
特殊台詞関連も充実しているのも魅力の一つで、大人刹那に対して「対話してくれる」と喜んでいたり。
性能としては可も不可もない普通レベルなのだが、ゾルタンの楽しそうな声も相まって性能のわりに使用率は高かった。
なお、
IIネオ・ジオングとの合体はオミットされている。FORCEでフロンタルが使ってた仕様(弾数性の武装がすべて弾切れ+しばらくリロード停止)のサイコ・シャードくらいないといい的になりそうだが。
EXVS.2 XB
バズーカが弾数が増えてリロードが伸びた以外は据え置きだった。
耐久も据え置きだったので、XBへの移行にあたり殆どの機体が耐久増加する中この機体は580止まりだった。
今作の2000コスト内でのこの数値は防御武装や復活持ち、あるいはお仕置き組の水準と同等だったので特にそのような武装が無いにもかかわらずいくらなんでも低すぎると言われていた。
アプデにより耐久値ちょい増し(それでも600と相変わらず低め)、アシスト時に自動で前を向く、前、横、BD格闘一段目から射撃派生可能になり、格闘射撃格闘派生で最終段で接地できるようになるなどの強化を受けた。
特に機動力強化と振り向きアメキャンが絶妙に噛み合っており、
①回転率が向上した特射による爆撃
②弾数管理こそ必要だが振り向きアメキャンにより小回りが効くフットワーク
③もとより優れた初段性能から接地付きかつ火力効率がいい射撃格闘派生を絡めた格闘戦
…と、誘導弾にやや乏しく耐久も低めだが、それを補う武装が揃った全距離対応型の万能機として胸を張れるまで強化された。
ここまで来ると初心者にも扱いやすくなり、使用率勝率ともに大きく伸びて晴れて環境入り。その上で決してどこぞの
独裁者や
総帥と異なり一方的な殲滅が出来るわけではない。前作で共に苦汁を嘗めたが今作で優れた機体になった
クンタラと合わせて
バンナムにしては珍しいこの絶妙な匙加減を評価する声も多い。
一部ではスパロボ参戦記念のご祝儀という声もあるとか。
初心者から上級者まで好まれる文字通りの環境機として活躍するに至ったが、絶妙な匙加減もあってか勝率的には5割ちょうどをキープする程度に留まった。
しかし、同コスト帯で唯一真面目に後衛が出来る機体であったため、2000コスト内では爆弾格闘機を除くとかなり高いシェアを維持し続けた。
その後も安定して後衛が出来る2000が現れることはなく、次回作が見えてきた23年3月のアプデでアシストの振り向きが没収された。
オバブ試遊会では全ての振り向きアメキャンが没収されていたこともあり、次回作に向けた先取り調整という見方も多い。
結局、ストイック系の格闘寄り機体という元の鞘に戻った訳だが、爆風の大きさは引き継いでいるため使い手の地力次第ではまだまだ戦える。
EXVS.2 OB
サブのバズーカからの派生でミサイル・ランチャーが追加。ブースト消費は重くなるが誘導はほどよく強め。代わりに弾数が1になってしまった。
前作から引き続きアシストの振り向きは帰っておらず、新システムの緑ロック補正により超遠距離からの特射が超低ダメとなってしまったのも痛い。
元の鞘に戻った感はあるが、格闘寄りらしい積極的な機体としてならまだまだ輝ける。
【勝利・敗北ポーズ】
勝利ポーズ
通常時:ビーム・ライフルを構えて決めポーズ。HGUCのパッケージなどでおなじみ。
格闘時:左手にサーベルを持ち、薙ぎ払って決めポーズ。
敗北ポーズ
【その他の活躍】
スーパーロボット大戦
映画の公開中にスマホゲームの『X-Ω』に期間限定でゲスト参戦したのが初登場。
同作ではゾルタンが所有するアビリティ「シャアの再来の一人」が様々な都合上、ほぼ死にスキルとなっており、ある意味、忠実過ぎる原作再現になっている。
ガンダムNTが正式に参戦した『30』の初報PVにてゾルタンも登場していたが、まさかの味方側の立ち位置にいたため話題になったが、発表の際に「敵です」とアナウンスされてしまった。
彼の悲惨な境遇もあり、仲間入りも期待されたがその映像ではシナンジュ・スタインの「ハイ・ビーム・ライフル」の戦闘アニメで味方ユニットの背後に回り込み振り返って左向き(味方ユニットの向き)になり、ライフルを撃つというモーションでこの際、機体の向きに合わせてゾルタンのカットインも左向きで描かれているため、PVにはその戦闘アニメの一部だけを切り取って流れ、味方ユニットと勘違いされただけというオチであった。
こんな紛らわしいアニメになったのも原作で有名な「撃っちゃうんだなぁ、これが!」のシーンでゾルタンが左向きに描かれているのを忠実に再現するためおよび、彼の前髪が右目を覆うような髪型であるために左向きの絵にしないと表情が分かりにくいからである。
仲間にこそならないものの、シナンジュ・スタインの戦闘アニメは非常にデキが良く、ゾルタン自身もクワトロを始め他の
ガンダム作品のキャラとクロスオーバーしまくり、
IIネオ・ジオングを用いての最終決戦時には
ガンダム作品に限らず各ロボット作品の主人公格キャラたちとの特殊台詞がラスボス並みに豊富に用意されており、声優・梅原裕一郎氏の熱演もあり、ゾルタン好きなら買って損はない作品となっている。
なお、プレイヤー部隊の面々もゾルタンに対しての戦闘台詞も用意されているが、そのほとんどがゾルタンを危険人物扱いしている。
扱いとしては同作で他に原作再現をする
ガンダム作品が
Vガンダムしかないため、ガンダム系の大ボス扱いでクロノクルやカテジナが覚えない大ボスお約束の二回行動を習得し、敵限定キャラだけに許される凄まじい効果のエースボーナスを持ちLv9まで上がる強化人間の補正もあり、なかなかの強敵。
IIネオ・ジオング搭乗時は勿論の事、シナンジュ・スタインに乗っている時でも強制出撃で交戦する機会の多い、本物の赤い彗星と言えど気を抜けない相手になる。
また、NPCとして
フェネクスが登場し、
フェネクスが撃破される事も敗北条件のステージで容赦なく
フェネクスを撃破してきてゲームオーバーにしてくる事も。
【その他】
パイロットであるゾルタンについて、そのハイテンションや蛮行はもちろん、それとは反対に旧人類の傲慢さに対して憎悪を抱く全うな一面も持っており、
必然的に出番が短い劇場版限定キャラであるにも関わらず、作中でも屈指の人気キャラとなった。
「撃っちゃうんだなぁ、これが!」は劇中でのクレイジーさだけでなく、セリフの取り回しの良さもあって彼を代表する名台詞となっている。
また、とあるファンアートの影響で「さっぱりさせようぜ!」のセリフとともに夏にうどんにすだちをぶっかけてさっぱりさせるという謎のミームも発生。「食っちゃうんだなぁ、これが!」
都市圏のうどん屋ではすだちうどんだけが売り切れるなど奇妙な現象も起きた。
最終更新:2025年01月07日 09:50