カナタ

かなた

クワ・トイネ公国の首相。
異世界からの転移国家と称する日本国との国交締結を全面的に取り仕切った人物である。

公国領空への未確認騎の侵入を議題とした政治部会の最中、公国北方海上に現れた超大型船に乗っていた日本国の外交官から会談を申し込まれ、彼は急遽その対応に当たった。

首相官邸における首相カナタと外務卿リンスイ、日本国側の外交官田中たちの会談では、日本人から自分たちが転移国家であるという話を聞かされる。
外務卿は一国の転移など非現実的で人を喰った話だと考え彼らに疑いの目を向けた。しかしカナタは日本人の礼節を知った態度、彼らが乗ってきた大型船や快速の飛行機械を有する技術から、日本国が相応の実力を持つ国だと考え、日本国への使節団の派遣を承諾した。

日本国は公国に食糧の輸出を求め、農業の盛んな公国はこの要望の大部分に応じることができた。
その見返りとして日本国は道路、鉄道、港湾、水道、電気、プロパンガスなど近代的なインフラ設備を輸出し、公国民の生活水準は目に見えて向上し始めた。
武器の輸出は彼らの国内法により禁じられていたため断られたが、自分の首相任期中に国が劇的に発展するという出来事は、彼の心を躍らせるに十分だった。
一方でこれほどの技術を持つ国家が拡張主義を取らず、防衛上最低限の軍事力しか有していないという事実に、彼はそっと胸を撫で下ろすのだった。

クワ・トイネ公国と隣国のロウリア王国が開戦し、国境の町ギムが陥落したとき、日本国は公国に援軍の派遣を提案した。
憲法で戦争を禁じている彼らは遠回しな表現を用いたが、事情が何であれこの国難を打開する助力が得られるならと、カナタは日本軍に公国領域往来の自由を認め、公国全軍に日本軍への協力を惜しまぬよう各方面に命令を発した。

戦争に介入した日本軍の軍船8隻がロデニウス沖大海戦でロウリア王国の大船団を蹴散らし敗走させた。ロウリア王国が軍船1,400隻とワイバーン200騎以上を失ったのに対して日本側はほぼ無傷。
政治部会で行われた観戦武官ブルーアイの報告に外務卿や軍務卿は頭を捻らせた。
一方でカナタは慎重に事態を把握しようと努め、軍務卿からもたらされた日本軍による城塞都市エジェイ東側の土地3km四方の貸し出し申請に承諾した。外国勢力に領土を利用させることに反発する声もわずかにあったが、これにより日本国はこの土地を無期限で軍事目的で利用できることとなった。

城塞都市エジェイの攻防戦において、日本軍がロウリア王国軍の先遣隊を大規模爆裂魔法のような攻撃で殲滅したとの報告が緊急政治部会で行われたときは、日本側からロウリア首都鎮圧計画の実施について提案があったことを参加者に伝えた。それは公国内から発進した鉄竜を用いてロウリア王国首都ジン・ハークに強襲降下を行い国王ハーク・ロウリア34世を捕縛するというものだった。
思わぬ議題の飛躍に参加者たちは顔を見合わせるが、日本軍が勝手にやってくれるなら問題ない、そもそも日本軍がいなければ戦争にならなかったという理由から、政治部会は全会一致でロウリア王国領内での日本軍の自由行動を許可することとなった。

その後、日本軍はこの強襲作戦を成功させ、王を失ったロウリア王国は継戦能力を喪失し国家体制そのものが動揺する状況に陥った。
終戦の報告が行われた政治部会でカナタは「我が国が助かったのは喜ばしいことだ。日本国とは今後も友好を維持しなくてはならない」という言葉を残している。

コミカライズ版では第1話から登場。
外見は尖った耳(いわゆるエルフ耳)をした細身で長身の若い男性として描かれているあたり、種族はエルフ*1なのかもしれない。


関連項目
登場人物クワ・トイネ公国蓮の庭園

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過去のコメント
  • 日本の恩人です。 -- 名無しさん (2017-12-19 20:23:38)
  • 最初に会見した日本人たちが、カナタの外見について違和感を感じていなかったので、亜人や混血ではなくヒト族と思われる。 - 名無しさん (2018-04-25 03:42:28)
    • コミカライズ版ではエルフ(おそらく)でしたね - 名無しさん (2018-06-24 16:13:43)

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〔最終更新日:2023年07月30日〕

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最終更新:2023年07月30日 14:46

*1 クワ・トイネの人口の役三割はエルフや獣人などの亜人である。