だらす
作中ではグラ・バルカス側の外交官として度々登場しており、同じく外交官の
シエリアの部下となっている。
他のグラ・バルカス人と同様に、異世界の国家と人々(
日本国を含む)に対する差別意識を持ち、その軍事力も軽視しているためか、自国の軍事力を背景とした脅迫外交を旨とする国の方針に沿った対応を取る。
また、主君である皇帝
グラルークスに崇拝に近い忠誠心を抱いており、
「帝王の言葉が果たされないことは悪である」とまで考え、主君や自身の意に沿わない人間に対して、思考が硬直しがちな欠点を持つ。
しかし、性格上の欠点と差別意識が合わさった結果、外交の場では嘲笑や恫喝する場面ばかりで、柔軟に交渉して相手に要求を呑ませる描写は乏しく、シエリアから「挑発だけでは何も引き出せないから
下がっていてくれ」と
交渉から締め出された事すらある。
さらに軍事力を脅しに使う割に、軍部に対する理解は乏しく、無茶な要求をしてトラブルを起こす事もしばしば。
イルネティア王国との交渉決裂に伴う戦争では、味方である戦艦
グレードアトラスターの乗組員からも危険視された末、艦長の
ラクスタルからは半ば面従腹背で応じられ、後に陸軍大佐の
ランボールと揉めた際には上司であるシエリアが非を認めて代わりに謝罪するなど、同じグラ・バルカス人でも彼の思考や言動に辟易している人間は少なくない模様。
Web版と書籍版での違い
ダラスの人物設定は、Web版(なろう版及びブログ版)と刊行された書籍版では、次のような違いがある。
・Web版
Web版では推定30代始めの人物として描かれている。
「上に対しては卑屈で下に対しては尊大で高圧的」という小役人のステレオタイプのような男。
また、20代後半のシエリアよりも年上にもかかわらず、彼女の部下である事に不満を抱いている節がある。
理想論には否定的であり、かつて理想に燃える頃があったが、現実との狭間でその気持ちを失い、その反動で現在のようになったらしい。
また後述の通り身体能力と生命力が異様に高い。
・書籍版
書籍版では
20代半ばと若くなっている。
シエリアに対しては年下となったからか、Web版と違って
彼女を尊敬している。
下に高圧的なのは変わらないが、6巻以降は性格が多少丸くなっており、例えば
ギーニ・マリクスの殲滅主義的な主張は「将来に禍根を残す」という観点から支持していない、汚職官僚による不正や軍人の快楽目的の殺人を嫌うなど、若干穏健かつ意外にも官僚としては潔癖な人物として描かれるなど、自分なりの秩序を持っていることが明かされている。
また、普段は無感情な言動らしく、本編のように激高するのは珍しいらしい。実際に5巻まではWeb版と比べると淡々とした喋りをしており、特に4巻では後の巻と比べても非常に無機質で冷徹な振る舞いをしている。
作中での動向
世界連合との
バルチスタ沖大海戦後に、
朝田から最後通牒を突き付けられた際にも個人的な興味から同席したシエリアと共に対応。会談で日本の戦乱の歴史や技術力の一端を見せられるも、警戒心を抱いたシエリアとは異なり、技術に関する知識に疎い彼はその意義に気づけず、しかも欺瞞情報と判断してしまった。
彼の解釈としては、「映像の通りに敗戦を経験したならば、戦勝国によって軍備と軍事技術を取り上げられているはずである。それでもなお日本国の軍事力が帝国を上回るというならば、
バルチスタ沖大海戦に不参戦だった理由が説明できない。」というもの。しかし、これらは欺瞞等ではなく紛れもない事実だった。
そして、
ムーへの侵攻後に日本国の参戦が本格化すると、そこで本当に軍が
惨敗する事態が起きてしまう。敗北の説明と皇太子
グラ・カバルの視察中止の要請で訪れた
ランボールとは、敗北の動揺と苛立ちで口論となり、上述の通りシエリアが謝罪を入れている。
その衝撃の冷めやらぬ中で今度は
イシュタム壊滅のニュースが届き、愕然。中央歴1643年1月、偶然ダラスは外務大臣に「
次の戦いと同時に別働隊を派遣して、ムーの首都
オタハイトと商業都市
マイカルを攻撃させる」という作戦を個人的に提案していた。これが上層部に承認され実行されていたのだが、
結果は大失敗。派遣された「本国艦隊第52地方艦隊(通称
イシュタム隊)」24隻は、日本国海上
自衛隊第4護衛隊群とムーの戦艦
ラ・カサミ改及び航空隊によって全滅。ムーのニュースを見るまで作戦の実行を知らなかった彼は、自分の放言が原因で取り返しのつかない結果が起きていた事に動揺する。
この後も戦況は悪化の一途を辿り、遂には視察を強行した
グラ・カバルが
日本の捕虜にされる事件が発生してしまう。これにより「日本懲罰作戦」が発動され、
グラ・バルカス帝国連合艦隊を
日本国に差し向けることが決定される。
ダラスは敗北続きから内心不安を感じるが、これまでの敗北は油断や慢心による戦略ミスの所為だと考え、本作戦の成功を信じていたが、結果は
大敗北。
ムーのニュースと軍部からの連絡で、信じられない様な一方的惨敗の報告とその内容に大きな衝撃を受ける。
ここに至ってようやく朝田の話が真実であり、日本の軍事技術が帝国のそれをはるかに凌駕している事実と、祖国に迫る亡国の危機を悟って戦慄。今まで相手を「蛮族」として滅ぼしてきた自分達が、より強大な相手に追い詰められている状況に激しい焦りと恐怖を感じつつ、国の未来を守ろうと力を注ぐ決意をする。
しかし、まだ勝利を諦めておらず、書籍版の彼だと嫌いそうな同化政策も視野に入れて行動する等悪い方向へエスカレートさせ始める。
ヒノマワリ王国の首都ハルナガ京に所用で訪れた際、同国第3王女
フレイアの陳情に対応するが、恫喝に加えて、属領とはいえ仮にも王族相手に暴力まで振るって一蹴したばかりか、彼女を危険だと見なし、独断で部下に
フレイアの暗殺を指示し特殊部隊を動かす明らかな越権行為を起こし始める。
ところが暗殺計画が事前に露見していたため、暗殺は失敗し、これまでハルナガ京の奪還に消極的だったムーや日本国、
第二文明圏連合軍が駐留する
バルクルスへの逃走を許してしまう。
しかもこの時、
フレイアの顔は知っていても姉妹である他の王女達と見分ける事が出来ない
暗殺の実行部隊は、ダラスの「確実に暗殺せよ」という指令を守る為に
フレイア襲撃と同時に彼女達の屋敷も襲撃して暗殺。更に
征統府は反乱を避けるべく、王家とヒノマワリ王国軍の連絡を遮断するため、すぐに王と王子達を幽閉する暴挙に出ていた。
第二文明圏連合軍に保護されていたフレイアがこの事態を知ると、非常時国家保護法により
ヒノマワリ王国の実質的権限が自身に移行されたとして、
ヒノマワリ王国内の
グラ・バルカス帝国勢力の排除の協力をムー及び日本に要請した事で、攻撃の大義名分を与えて
ヒノマワリ王国奪還作戦を招く大失策となってしまう。
そして、
征統府から宿泊先のホテルへ向かう途中でヒノマワリ王国奪還作戦が始まり、『帝国支配の象徴』と誇り直前まで仕事をしていた征統府が
F-2の
LJDAMによる精密爆撃により眼前で破壊され、重要施設への的確な攻撃など、日本側の兵器の性能と威力を直に目の当たりにして狼狽。
かつての会談で否定した朝田からの警告を思い出し、彼の言葉通りの状況になってしまった屈辱と迫る死の恐怖に心を乱しながら、必死で何の装備も持たないまま単身、250km先の帝国支配圏への脱出を試みる。
そして驚異の身体能力とサバイバル能力で、250kmを踏破し、帝国が支配しているはずの地域にたどりついた時には、既に
レイフォルの帝国軍は壊滅。グラ・バルカス帝国そのものが
ムー大陸から叩き出された後だった。
自分が致命的なミスを犯し、その所為で帝国が大敗北を喫した事も何も知らず、門番に素性を名乗った事が仇となり、
ヒノマワリ王国の女騎士
コウに散々痛めつけられた末に捕らえられ、
ヒノマワリ王国へと引き渡されることになる。ただし日本懲罰作戦が失敗した後の行動は書籍版の彼だと禍根が残るとして嫌いそうなやり方なので、書籍版はまた別の展開を迎えるかもしれない。
容姿
容姿の初出は書籍版第6巻表紙。
均整の取れた体格の無精ひげを生やした蓬髪の男性として描かれており、年齢に比して老け顔ないしはやつれ気味な印象を与える。
ちなみに、なろう版初登場(2016年)から容姿の公開まで4年近くかかっていたためか、官僚としてのイメージや普段の言動からは、やや意外めな姿をしてたのと、表紙の背景から、発売前の大半の読者は
6巻表紙の人物をグラ・カバルと勘違いしており、初見でダラスだと分かった人がほぼいなかった。
第6巻の表紙。手前に大きく映っている男性がダラス。
最終更新:2026年01月24日 18:09