90式戦車

きゅうまるしきせんしゃ

日本国陸上自衛隊所属の戦車。実在する。


全長 9.80m
車体長 7.55m
全幅 3.40m
全高 2.30m
重量 50.2t
懸架方式 ハイブリッド式
(油気圧・トーションバー併用)
速度 70km/h
(加速性能0-200mまで20秒)
行動距離 350km
主砲 44口径120mm滑腔砲Rh120
副武装 74式車載7.62mm機関銃
(主砲同軸)
12.7mm重機関銃M2
(砲塔上面)
装甲 複合装甲
(砲塔前面 及び 車体前面)
エンジン 三菱10ZG32WT
水冷2ストロークV型10気筒ターボチャージド・ディーゼル
1,500ps/2,400rpm(15分間定格出力)
最大トルク4,410N・m(450kgf・m)
排気量21,500cc
乗員 3名
単価 約8億円(平成13年度)

陸上自衛隊公式紹介動画


概要


軍隊の顔である戦車、その主力である第三世代の戦車である。
読み :きゅうまるしきせんしゃ
英名 :Type 90
開発名 :TK-X

名前の通り1990年度に正式化された戦車。
陸上自衛隊の国産戦車の三代目。世界的基準における第3世代の戦車である。

まず、本項には先代の74式との比較を多用している。だがあちらも一々書いてるので安心してほしい。10式はそのうち書き直す。74式と比べてどう進化したのか。

まず電子技術や工業技術を多用したのが90式である。
10式が制式化されてる現在においても、その能力は一線級と言って問題はない。

先代同様、ライセンス生産の主砲を除けばほぼ国産である。
ちなみに2019年現在、戦車を国産出来るのは、アメリカ、ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、ロシア、そして我らが日本の七カ国である。

エンジンやトランスミッションと言った駆動系と、現代戦で必須な火器管制装置の根幹となるような電子機器類とかの、自国で開発できない部分を海外から購入なりライセンス生産して組み上げた『準』国産戦車を作れる国ならもっと増える。

今、画面の前の人は「さっき90式の主砲がライセンス生産とか書いたやん」とか思ってるだろう。準国産を含めた第3世代戦車ではドイツのラインメタル社製120mmL44滑腔砲をライセンス生産して使用してる例が多い。さすがの陸軍国である。だから主砲だけ国産じゃないという例はかなりある。

もっとも、製造元のドイツでは砲身長の長いものが使用されてる。このことについてはのちに詳しく解説する。

研究開発の開始は74式戦車が制式化されて間もない1977年。当時は冷戦真っ定中。
この頃はベレンコ中尉亡命事件など自衛隊の見直しが図られた時期である。

当時の最大の仮想敵であるソビエト連邦の主力戦車のT-64、T-72、T-80に対抗できる戦車を目指して開発されたのが90式である。

1970年台後半から80年台辺りにかけて、戦車の代名詞とも言えるM1エイブラムスとかレオパルト2が制式化され、時代の趨勢が第3世代戦車に向かっていたことも開発を急がれた理由の一つである。

エイブラムスは完成急いだ結果、主砲が間に合わなくて配備当初は51口径105mmライフル砲搭載だったのは有名。え?最初からライフル砲乗せている第3世代戦車が居るって?HAHAHA、そんなまさか…ほんまや!(ティータイム《茶番》)

そんな中、1980年には仕様要求がまとまって、それに基づいて120mm滑腔砲やら自動装填装置、あと複合装甲なんかの研究と試作が行われ、段階的に車体や砲塔と言った部分の一時試作が進められた。

その試験結果を基に制作された二次試作車輌を使ったより実践的な各試験を経て、1990年8月に90式戦車として正式化された。よくネタで、防衛庁の技官だか官僚だかが、当時の技術研究本部の担当者にレオパルト2の写真見せて、「こんな戦車欲しい」とか言ったなんて話がある。

真偽不明だが、実際の所、複合装甲の採用により直線的なデザインが多い第3世代の戦車は、砲塔正面に避弾経始を施したエイブラムス型か、垂直なレオパルト型のどっちかになるもんだから、コレはしょうがなかったりする。

ちなみに仮想敵であるロシアは、投影面積と複合装甲の量をへらすために砲塔が平べったい。画像を貼れないので、例として出すならば本邦の74式戦車みたいなお椀型の形である。

これは第2世代主力戦車(MBT)の特徴である「被弾経始」を取り入れた結果である。被弾経始とは装甲を傾斜させる事により、砲弾の運動エネルギーを分散させ、逸らして弾くという概念である。

装甲厚や重量は同一のままでも、装甲を傾斜させることで垂直の装甲より高い防御力を得ることができる。簡単に説明するとお椀をひっくり返して横から勢いよく指でお椀を突くと上に逸れる。それが被弾経始である。

閑話休題。当時、西側戦車として初の自動装填装置や、多分世界初の攻撃目標の自動追尾機能などを備えた強力な戦車であった。自動追尾機能は戦車では世界初である。


大きさ

全長主砲込みで9.8m、全幅サイドスカート込みで3.4m。標準姿勢で全高2.3m。
74式にも採用されている姿勢制御で、前後に±5度、車高は標準から+17cm-25cmの範囲で可動する。

違いとしては、74式は完全な油気圧サスペンションだったんだけど、90式はこれにトーンショバーのハイブリットだから。トーションバーとは簡単に解説するとバネの一種。ただしコイルバネと違って、見た目はただの鋼鉄の棒。それをねじることで、バネとしての効果を発揮させる。コイルバネに比べて、軽くて省スペースなのがメリット。我々の乗用車にも使われている。全部では無いが。

この違いがあるので、74式で出来た左右の姿勢制御はオミット。前後にしか上下動しない。コレは一見退化のように見えるがそれは違う。74式はレーザー測距儀とアナログ式弾道計算コンピューターで照準を付けていた。今から見ると限定的な性能しか持たない火器管制装置である。

だから、なるべく車体を水平に保つ必要があったのだ。じゃあ90式はというと、レーザー測距の他に砲耳軸傾斜計と環境センサーと、その他色々の情報を利用してコンピューターが正確に照準できるだけの性能持たせることが出来た。だから、暴露面積を減らすための前後姿勢制御だけで良かったのだ。ちなみに10式は全輪油気圧式だから、左右の姿勢制御が復活してる。

こんな90式だが、車重は74式と比べて10t以上重くなって50.2t。でも複合装甲に120mm滑腔砲と自動装填装置他色々が採用していて、これは相当軽量な方である。考えてみてほしい。90式が通行不可能な場所は侵攻して来た敵の戦車も通行可能。
逆に90式が通行可能なのに、侵攻して来た敵の戦車が通行不可能な場所もありえる。

T-72やT-90なんかは90式よりデカい125mm滑腔砲で、自動装填装置と複合砲と……これで50t切っているのだからかなり凄い。もっとも、装甲はそこまで厚くはないし、複合装甲も限定的だし、砲塔のすぐ下が弾倉だしですごい危険である。「被弾するとどうなるのか」とかは後ほど解説する。


駆動系

エンジンは戦前から続いた空冷式は辞めて三菱重工の10ZG32WTの水冷2ストロークV型10気筒ターボディーゼルエンジンを搭載。戦前は満州での運用が前提で、水が確保できない場合を考慮せざるを得なかったのだ。こちらは本土での運用が前提なので、そんな配慮は必要無い。排気量自体は74式と同じ21,500ccである。

V型エンジンの片バンクごとにターボチャージャーがついてるツインターボ。決して競走馬では無い低速域用にスーパーチャージャーもついてるエンジンである。ターボは日本国召喚の読者的には過給器と日本語表記したほうが馴染みが深いのでは無いだろうか。ムーが熱心な奴である。

このエンジン出力は結構なもので、74式と排気量は同じであってもあっちは720馬力でこちらは1500馬力も叩き出す。
諸外国の第3世代と比べたら小型だけど、その割には高出力なエンジンとよく言われている。レオパルト2戦車も90式戦車と同じ出力1,500hpの液冷ディーゼルエンジンだが、あっちのMB873Ka-501エンジンは排気量が47.6リットルと90式戦車の2倍以上。90式戦車のエンジンがコンパクトな設計であることがよく解ると思う。

これも74式から引き続き採用されている2ストロークエンジンだからこそである。4ストロークよりも構造はシンプル。出力も大きいのである。ただしデメリットも有る。2ストがどんなものか知っている方は分かるだろうが、わからない人は、レシプロエンジンについて調べていただきたい。

で、それが4ストと比べて環境や燃費で劣るんだな―ぐらいに思っていただければ良いと思う。排気ガスがかなり黒い
ちなみに6ストもあるが一般的ではない。主に競技用。じゃあどす黒いから燃費悪いのかと言うと、公開されてる情報が少ないから海外と比較できる基準もないわけで、良いんだか悪いんだかは不明である。だいたい1リットル当たり250mぐらいが90式の燃費である。でも燃料タンクがデカい為に、高速道路に沿って行けば東京から名古屋あたりまで無補給で行ける。

変速機も74式の頃は開発が難しかったオートマチック・トランスミッション(Automatic Transmission)つまりAT、オートマになっている。前進4段・後進2段で下がるのも早い。変速機はエンジンと一体化してるパワーパック……つまりは動力部分がモジュール化されてるんだと思えば良い。だから故障しても短時間で交換できる。

最高速度約70km/h。これは他国戦車と比べて速いのかと言うとそうでもない。ただし、0-200mの加速、ようはスタートダッシュ能力に関しては、61式や74式も同じくかなりの高さを誇る。止まるのも速い。時速50kmから2mで急停止出来る。通称殺人ブレーキ。車体から上半身を出してる車長が胸とか強打するからこの名前がついた。車に普段乗ってる人は、どれだけすごい勢いで止まるのか分かるかと思われる。でも公道で試しちゃ駄目です。だが、平成19年度富士総合火力演習で車長が砲塔の上に立って踊っている姿が発見された

自殺志願者かな? ちなみに島松演習場での実験では、75km/h以上の速度を記録してたりする。


攻撃力

乗員は車長、操縦士、砲手の三名。自動装填装置が採用されたので装填手はいない。次はこの自動装填装置も含めた攻撃力についての説明をする。自動装填装置は読んで時の如くである。ベルトマガジン式を採用してて、機関銃のベルトリンクのように数珠繋ぎに砲塔後部の弾倉内に砲弾を保持。

この自動装填装置、初期の頃は不良装填率が2割弱とかなり高かったとされる。これは精度不良というよりも、少しの埃でもセンサーが作動して装填できないようにという安全装置が過大に作動したためとされ、自動装填装置そのものの不良ではなかったらしい。今では5%以下。ちなみに自動で押し込めない時は戦車長が手で押し込める。

ここに砲弾を搭載する時、一発ごとに弾種を記録しておける。ちなみに、レオパルト2やM1エイブラムスやメルカヴァなんかは装填手が人力で装填する。90式は4秒以内。射撃速度はこちらの方が速いのである。だが、実戦経験の豊富なイスラエル軍なんかは「戦車の乗員は掩体構築や車輌整備、周辺警戒などで最低4名必要であり、自動装填装置を搭載して乗員を3名に減らすのは好ましくない。熟練した装填手なら自動装填装置と変わらない速度で装填を行える」なんて主張してたりする。

自動装填装置のありなしが戦場で影響するかは、湾岸戦争で確かめられた。手動装填式のM1エイブラムスと自動装填式のT-72戦車が撃ち合ったわけだが、いくら士気や練度の違いがひどかったとはいえ、T-72は一方的に負けている。自動だから有利とは言いきれない面もある。でも120mm砲弾はかなり重い。狭い車内での装填を考えれば、日本人の体格的にも自動装填式の方が良いんじゃないかと考えられる。

自動装填装置がある最大の欠点は、乗員が減ると例えばキャタピラ交換の際に1人1人の負担が増えると言われてる。確かに砲弾や燃料の補給・陣地構築なんかは乗員が行うしかないのだから、その人手が足りないのは痛手だとも言える。射撃時は上記の装填記録を元にして、砲手が指定した弾種が装填される。

搭載された弾薬がくるくる回転する。どこにAPFSDS弾が、どこにHE弾(榴弾)があるかは自動認識されており、戦車長が例えば榴弾装填を命じると装填場所の近くにある榴弾がガチャガチャ回転して即装填される。この技術は、日本がもっとも得意とするマシニングセンタの技術の応用である。ちなみに、この装置を制御するサーボドライバは三菱重工業の系列企業である三菱電機でも生産されているが、90式戦車に搭載されているのは同社ではなくライバル会社の安川電機社製のものが使われている。三菱重工業は戦時中に零戦のエンジンにライバルの中島製のを使ったいきさつがあるのでコレの再来なのでは無いかと言われている。

で、装填時は砲が自動的に水辺となって、装填終了後にすぐに照準時の角度へ復帰。この動作はかなり素早い。どのくらい素早いかと言うと、装填・射撃・排莢のサイクルが大体4秒。最大毎分15発の射撃が出来る。主砲は前述したが、ラインメタル社のL44滑腔砲のライセンス生産である。結局、国産砲の製造コストがラインメタル社製砲をライセンス生産した場合よりも高くなってしまうという理由で、最終的にラインメタル社製120mm滑腔砲のライセンス生産を行うことが決定したが、結論が出るまでにかかった時間が長い長い……第2次試作が予定より大幅に遅れてしまい、それに伴って90式戦車の制式化も当初の予定より数年遅れる結果となった。もしかしたら名前は89式とかになってたかも知れない。

結局の所、90式戦車では国産砲の採用は実現しなかったが、その後90式戦車用の120mm滑腔砲のライセンス生産を一貫して手掛けた日本製鋼所はこの経験と持ち前の高い技術力を活かし、陸上自衛隊の最新鋭MBTである10式戦車用にラインメタル社製砲を上回る高性能120mm滑腔砲を開発することに成功している。あっちは完全に国産なのである。90式の試作とこのライセンス生産、無駄ではなかった。

ここまでこの頁見てくれた方はよく分かると思うが、他国製より精度とか何かしらで国産が上回ってもコストの問題で見送られるというのはよくある話である。もう何回書いているのだろうか見送ると。だがそれでもしっかり生かすことには成功しているのだから良いとしよう。多分今後も国産砲が採用されるだろう。

一応、44口径120mm滑腔砲は当時世界最強の砲である。これにわずかながら勝てる砲が作れたという辺りは誇っても良いと思われる。値段で負けたけど。それが自衛隊で1番無いとは言ってはいけない。ただでさえ陸自は予算が厳しいのである 今ではドイツのレオパルト2A6やフランスのルクレールなどが、50口径以上の砲を採用しているために、攻撃力はこれらより劣ると言われている。ただ日本は起伏が多い地形なので、55口径の120mm砲を搭載するとつっかえてしまうというのが懸念されており、44口径がちょうどいいという意見もある。用途や運用が違うからこのあたりはしようがない。ただ米軍が試験してみた結果55口径にしても、必ずしも火力の優位性にはならないって話もある。

さて、有志がQ&Aに書いてくれているがここでも滑腔砲について簡単に解説しよう。いつか書こうと思ってたら先を越されてしまって悔しいということはないぞ。せっかく書いたからね、うん。61式や74式だと砲内部に溝が切られたライフル砲を使用してたのだが、90式だとエアガンのバレルのように溝は無い。これは装弾筒付翼安定徹甲弾……APFSDSと呼ばれている徹甲弾を使用することを前提とした砲である。今までの徹甲弾と比べて弾体が極端に細いのがよく分かると思う。


※出典:ウィキメディア・コモンズ 90式戦車に使用されるAPFSDS弾 陸上自衛隊広報館にて (https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Japanese_APFSDS.jpg?uselang=ja


※出典:アメリカ合衆国陸軍公式HP パブリックドメイン(http://www.dtc.army.mil/tts/1997/proceed/walton/walton.html


{1.装弾筒 2.弾体 3.スリッピング・バンド
※出典:ウィキメディア・コモンズ パブリックドメイン (https://ja.wikipedia.org/wiki/ファイル:SubCalibreGrenade.png

アスペクト比……つまり長さ÷直径が6を越えるから回転での安定が得にくいのである。ちなみにコレは20~30程。長さが直径の6倍を超えると、ライフリングで安定を得にくい。なぜそうなるかというと……ライフリングによる安定は、砲弾がその長軸を軸として回転することで得られるのだが、砲弾が細長すぎる場合、回転軸が安定しないのである。発車直後に回転軸がずれてしまうのである。最終的には、棒の中心を持ってプロペラのように回す、ちょうどバトンを回すような回転になってしまうのである。それでは貫通力も何もあったものじゃない。

で、仕方がないから、砲弾を回転させず、代わりにダーツのように安定翼がついている。もう一つ、APFSDSは砲口初速が約毎秒1,600m、マッハ5に近い運動エネルギーで目標を貫通するのが目的なので、砲内部が平滑でないと初速が低下してしまう、という理由もあるのだが…。そんなわけで、74式で使用されてる93式105mm装弾筒付翼安定徹甲弾には、スリップリングという回転を抑制するパーツが付いてたりする。他国の第二世代戦車も同様である。

再度上三枚の内一枚目を見て欲しいのだが、手前がJM33装弾筒付翼安定徹甲弾(APFSDS)で、奥がJM12多目的対戦車榴弾(HEAT-MP)。この二種類を使用する。こっちもライセンス生産品である。特徴としては薬莢が装薬と一緒に燃える焼尽薬莢というので、底部以外は残らないから空薬莢を車外に捨てる手間が減る。有効射程は概ね3kmを超える程度と言われてる。
短い?艦砲と比べるのは間違ってるからね。

砲弾の威力としては、APFSDSはゼロ距離で540mm、1kmで500mm、2kmで460mmの均質圧延鉄鋼版を貫通できます。
HEAT-MPの方は射距離に関係なく600mm~700mm程度と言われてて、破片効果もあるから対人対物用の榴弾としても使用可能。砲の仰俯角は+10度~-7度と他国戦車と比べたら狭い。でも姿勢制御を加えると+15度~-12度になって逆にかなり広くなる。

更に、74式にはなかった車長用の独立した照準潜望鏡があり、砲手用とは別に索敵・照準が可能となっている。コレがあるから砲手が目標を照準中に車長が別の目標の索敵を行えるハンターキラー能力がある。もし車長が発見した目標の砲が脅威度が高いと判断された場合は、射撃操作に割り込んで車長が直接射撃出来たりする。ただし、こっちは暗視機能が無いし、索敵範囲も主砲を中心に前方と左右90度しか索敵できないという限定的な能力ではある。つまり砲塔前面180度。ちなみに10式では全周旋回式に強化されてる。

次、その命中精度の一翼、自動追尾装置についても簡単な解説をする。


自動追尾

74式では暗視装置として赤外線で相手を照らすアクティブ式赤外線暗視装置が採用されていたのに対して、90式ではパッシブ式熱線映像装置……所謂、熱赤外線暗視装置とか、サーマルイメージャーなどと呼ばれるものが採用されてる。これは日中でも夜間でも関係なく目標の発する熱を可視化する装置で、74式のように照射した赤外線を探知されることが無い。それを利用したのが自動追尾装置である。

つまり、対象物と背景の温度差によるコントラストを検出して処理して、目標をロックオンすれば自動的に補足・追尾し続けるという恐ろしいものである。更に、目標が一時的に遮蔽物の裏に回ったとしても、それまでの移動方向やら速度やらから未来位置を予測して照準し続けける。更にロックした目標と照準がずれているタイミングでトリガーを引いても発射されない。再び照準が合うまで遅延させるシステムが搭載されてる。移動目標は当然のこと、特に行進間射撃において高い威力を発揮する。

この能力はアメリカのヤキマ演習場に持っていった時に示された。行進間射撃、つまり動きながら的に当てる訓練で3km先の目標に初弾で命中させて米軍関係者を驚かせ、最終日には見学者が詰めかけたという逸話が残っている。ちなみに国内だと最大射程での行進間射撃は無理であったのだが、2000年代に入ってからは演習用徹甲弾という一定距離飛ぶと勝手に壊れる奴が配備され、総火演でも行進間射撃が見られる。実弾は変わらず。

どんな感じかと言われるとこんな感じである。こっちみんな

こういうこともあり、上記の通り配備当初は酷評散々だったのだが、徐々に変わっていった。一部にね、国産大嫌いな評論家というのがいる。そいつらが根強く言ってた「弱い、高い、重い」の三拍子はどんどんトーンダウンである。想像した「弱い」より実績である。ただいなくなったわけではないのは、たまに出没する荒らしなんか見てれば分かると思う。まぁ理由もあるにはあるのだが。90式の主砲には長らく空砲がなく、駐屯地祭の模擬戦では同軸機銃しか射撃しなかったのである。今は10式戦車用に120ミリ空砲が開発されたことでなんとかなっている。


副武装

こっちはおなじみの12.7mm重機関銃M2と、主砲と同軸74式車載7.62mm機関銃がともに一基。
これは74式から変わってない。ただし近年発覚した住友重機械工業による機関銃強度偽装事件により不安ががが……
だからか朝霞駐屯地展示の試作車からは、当初は搭載されていたM2重機関銃が今は撤去されている。他の展示車は不明。


防御力1

肝心の防御力である。今更説明するまでもないが、それでもあえて説明する。90式は自衛隊で初めて車体、砲塔共に全溶接構造を取り入れ、複合装甲を車体前面及び砲塔前面に初採用された戦車である。逆に戦車砲の発達に伴い、避弾経始は製造工程簡略化も兼ねて考慮してない。複合装甲というのはそれまでの一枚物の均質厚延鋼板とは違って、二枚の装甲の間にセラミック等の複数の素材をサンドイッチ状態にした装甲と『言われている』。

なんで『言われている』なのかは、詳細はどの国でも機密だからである。その割には概要が有名なのだが。それは置いといて、90式は開発段階でイギリスの軍用車輌技術研究所から売り込みがあったらしい。所謂「チョバム・アーマー」である。イギリスで開発されてるのに英国面の要素がない珍しいやつである。まあ、世界で初めて戦車を開発した国である為に戦車開発では誇りを持っているのかもしれない。え?ライフル砲?……何の事かな?(震え)

複合装甲と「チョバム・アーマー」を一緒にしてるのよく見るのだが、製造国ごとに内容物は違うと思うから一緒にするのは間違いである。機密明かして実は同じでしたなんてことがない限りは。まぁ固有名詞の一般名詞化なんてよくあることである。キャタピラとかバルカンとか。ただし、M1エイブラムスは劣化ウラン装甲だからコレは根本的に違う。チョバムとの合体かもしれないが。あっちの劣化ウラン複合装甲は、成形炸薬弾に対して1,300mm厚RHA相当の防御力と放射線も遮れるんだという。搭乗員の健康被害?……知らない子ですね(目逸らし)

で、90式はというと、拘束セラミック型と呼ばれる複合装甲を装備。旧世代のセラミック装甲は「セラミックの硬さを活かし、敵弾を貫通させつつ摩耗させて貫通を防ぐ」というものだった。 では90式はと言うと違う。「ガチガチに固めて敵弾を粉砕する」という真逆の設計思想で造られた。簡単に言うと「どうせ貫通されるのならガッチガチに固めて砲弾ぶち壊したろ!」と言う感じである。具体的に言うと、高強度の合金で出来た箱で高密度のセラミックをぎゅうぎゅうに密閉したものをタイル状に並べた構造になっているらしい。コレ機密じゃないの?

砲弾が命中したら格納容器とセラミックを侵撤していくわけだが、容器の強度で容積が変化し辛いから侵撤した分だけ内圧が上がるわけで、その圧力が侵撤を阻害するとともに、砲弾自体を破壊する威力を持っているとかなんとか。し・か・も・だ。
その内圧上昇に伴う高温でセラミックが再焼結。100%は流石に無理だが、それでも装甲防御力が保たれると解説されてる資料有り。自己再生である。簡単にいうと「何度でも甦るさ!」という事である。まあ、完全に回復するわけではないが

その装備方法は、装甲として直接溶接するのではなく、外壁と車体の間に内蔵する内装式モジュラー装甲と呼ばれおり、被弾した時に迅速な交換や新装甲を開発した時の更新楽々となっている。この防御性能は開発当時としてはかなりのものであり、同じ90式戦車の主砲を最低でも5発、内訳としてはHEAT-MP3発にAPFSDS2発を正面に撃ちこまれても自走可能だったという結果を叩き出している*1

M1エイブラムスで落伍車の鹵獲を防ぐために戦車砲を撃ったけど破壊できなくて、結局回収車を何輌も使って回収したというエピソードがあるが、これより硬いとされてる。コレくらいないと乗員は守れない。ちなみに他国戦車だとレオパルト2あたりが採用している。ただしこっちのほうが分厚い。具体的には、90式が80cmに対してレオパルト2は60cm。コレでなお防御批判があったのである90式は……実戦で世界最強を示さないと駄目なのかね。

この硬い硬いと評判のM1と同等の防御性能を持つのが90式なのである。こっちのほうが軽いのにである。なお、世の中には弾丸が貫徹すると砲塔が吹っ飛んで、結果「びっくり箱」なんていうあだ名が付いた戦車がある。おまたせしました。T-72です。覚えてたかな?この戦車では西側戦車と違い、砲塔の真下に弾薬を兼ね備えている。そんなところに砲弾置いたら当然爆発する。西側戦車もブローオフパネルがあるが弾薬庫に被弾したら当然爆散の危険性があるのはヒミツだ!

成形炸薬弾、つまりHEAT弾。所謂榴弾。砲弾そのものを貫通させるのじゃなく、爆発の威力を一方向に集中させることで装甲を破ろうという、そんなものだと思っておけば良い。化学エネルギー弾とも言う。で、コレに対しては発生したメタルジェットがセラミックを穿孔する際に、剥離したセラミック片がメタルジェットを側方から押し包んで流れを妨害するため、通常の防弾鋼板に比べて圧倒的に高い防御力を発揮。一説によると、90式戦車の複合装甲は成形炸薬弾に対して1,500mm厚のRHAに相当する防御力を備えているんだという。

あとサイドスカートを装備。これは61式にも74式にもなかった。74式戦車G型、所謂(改)ではつけられたが。これで車体側面の防御力向上を施している。例によって圧延防弾甲鈑製である。場所が場所なんで厚さ8mmとうっすいが。運動エネルギー弾には効果ないと思われる。だが、形成炸薬弾とかなら十分。

とは言え、これは開発当時の話である。現在ドイツで運用されているDM53APFSDSは、レオパルト2A6の55口径の滑腔砲との組み合わせの場合、距離2kmで650mmの装甲貫徹力がある。90式戦車のDM33、APFSDSの種類と思ってもらえれば良い。それと44口径砲の組み合わせの場合より40%も貫徹能力が高い。ロシアもロシアで125mm滑腔砲用の3BM-42Mでも距離2kmで600mm程度の装甲貫徹力を持ってるっぽく、こちらも30%も貫徹能力が高い。90式戦車は優れた防御力を有しているが、そろそろ安心できなくなりつつある。


防御力2

装甲以外だとレーザー検知装置と発煙弾発射機がある。87式対戦車誘導弾みたいなセミアクティブ・レーザー誘導の対戦車ミサイルに対抗するための装置である。勿論その他の、照準や誘導にレーザーを使用する銃火器やら火砲やらに照準されても、警報してくれる。検知部分は3つあり、これで正面180度をカバー可能。10式は全周警戒出来る。

レーザーの照射を検知すると、砲塔左右側面に4期ずつ設置された発煙弾が自動的に発射される。もちろんレーザー照射だけを警報する、という使い方もできる。発煙弾は赤燐が主となるもので、赤外線を吸収する能力がとても高い。赤外線誘導弾に対する防御手段としても機能する。白燐から置き換え中。

加えて第三世代戦車の標準装備といえる弾薬庫上面のブロウオフ(ブローオフ)パネル。弾薬庫が被弾誘爆してもパネルが吹き飛び、上部へ爆風を逃して、極力戦闘室へ被害が及ばない配慮が為されている。


C4I

ぶっちゃけよう。90式の弱点である。流石に配備から20年以上たってるのである。だって大規模な改修してないのである。当然他国戦車にどんどん遅れを取っている。基本的に無線通信しか連携手段がない為、有視界外や部隊間での綿密な連携には限界があるわけである。


そこで開発されたのが戦車連隊式統制システム、通称T-ReCsである。Tank-Regiment Command Control Systemの略。
これは戦車同士や普通科などの他部隊と、専用端末による位置情報やメールを使った敵情報の共有が可能であり、第七師団第2戦車連隊の90式には搭載されてる。

推測だが、米軍でかなり近い内容のシステムが運用されてるらしいので、それを参考にしたのではないかと思われる。だが、コンパクトが売りの90式はコレより大きな機器を載せる余裕はない。更にその性能も通信速度の遅さとかから期待されたほどではない。更に更に余剰電力に余裕がないもんだから、機器の冷却にも無視できない問題がががが……エンジン熱利用の温水式の暖房ぐらいしかついてないのである。コイツは。

因みに冷房はない。冷房はない。大事なことなので二度書きました。本当にエアコンはコレである。一般の自動車のような冷暖房装置があるわけではなく、エンジンの余熱を乗員室に引き入れて加温したり、空気清浄装置を通した冷たい空気をホースで乗員の戦闘服の中に送り込んで熱を冷ますという方法を採っている。これはNBC対策を施された現代の戦車ではむしろ当然で、劣ってるというわけではないのでそこんとこ勘違いしないでほしい。

話を戻して、現在のM1やらレオパルト2やらで運用されている、C4Iシステムと同等以上となる新システムの搭載運用は10式に託された。90式はコレ以上は無理である。そんな事もあって配備当初はともかく現在は差が開きつつあるが……なんでも手足が三本いると言われるほど使用性の劣悪さが指摘されていて、後付でのC4I実装は90式と同じく容易ではないらしい。

現在では第7師団第2戦車連隊のみで運用されていたT-ReCsを汎用化、能力強化したような新システムが2014年頃から整備され始めており、その「野外通信システム」が今後の汎用的なC4Iシステムの中核を成す「らしい」。「らしい」である。2007年度から試作開始して2009年度に技術試験開始してる。


※出典:防衛装備庁HP(http://www.mod.go.jp/atla/soubi_riku.html


※出典:防衛装備庁HP(http://www.mod.go.jp/atla/soubi_riku.html

コレは何なのかと言うと、HF(短波)、VHF(超短波)、UHF(極超短波)に対応した広帯域多目的無線機、通称「広多無」と呼ばれる端末と、アクセスノード装置という携帯電話の車載型基地局みたいな装置を軸に形成される通信システムで、特に初動対応では民間の通信事業者や衛星通信の回線を利用することで、広域かつ高速なネットワークをすばやく構築できるそう。


部隊の展開規模に応じて、さらに指揮所用のネットワーク装置とノード中継装置にバックボーンノード装置、アクセスノード装置、運用管理装置、セキュリティ装置、整備支援装置と言った多数の機材が投入されまして、民間回線から自衛隊独自のネットワークへと切り替え、通信網を構築する。民間と言う辺り、本土防衛用の側面が強いのがよく分かる。海外侵攻の予定がないんだから、当然といえば当然であるのだが。


更に普通科、野戦特科、高射特科、機甲科、航空科等で相互連携可能なシステムとして統合を行うものとされており、ヘリコプターなんかに搭載する機上用と戦車に装甲車、その他ソフトスキン車輌に搭載する車輌用、背負型無線機に近い形態の携帯用Ⅰ型、米軍のAN/PRC-152のような外見の携帯用Ⅱ型が開発されてるという。


※出典:アメリカ合衆国国防総省HP(https://www.defense.gov/Photos/Photo-Gallery/igsearch/PRC-152/

相互データ通信によって、暗号化された音声通信は当然として、自分と味方の位置情報やメール機能、緊急時の警告警報等に無線機として動作する専用アプリケーションをインストールすることで、例えば普通科の野外無線、機甲科の車輌無線、航空科の航空無線……陸上自衛隊に留まらず海上自衛隊と航空自衛隊、更には警察や消防が使用する防災無線にまで相互通信が可能となる。これは広多無を装備してない部隊や組織も含むということである。この一文に込められた汎用性の高さはご理解いただけただろうか。


対空戦塔指揮統合システム(ADCCS)に火力戦闘指揮統制システム(FCCS)といった従来のC4Iシステムとも連接一体化が可能、情報共有に関しては問題ないのである。一応書いておくが、様々な媒体でC4Iシステムと簡略化して呼ばれているが、正確には「C Quadruple I system」である。そもそも4が小さい。数学で階乗について習ったと思うが、あんな感じの表記をする。小さく上に書くやつ。パソコン表記的には恐らくC^4Iとなる。表示上の都合この項は全部C4Iとする。

で、何の略かというと

Command
Control
Communication
Computer
Intelligence system

の略。読みの都合でC4Iとなる。自衛隊ではC4I2システムになっている。

Command
Control
Communication
Computer
Intelligence
Interoperability system

相互運用性というのが追加されてる。かなり長い。お役所がやることなのでしょうがないと言えばしょうがないのだが、自分は好きである。ちなみに昔はC3やらC3Iやらと呼ばれていた。

Command
Control
Communication
Intelligence system
の略

派生型


※出典:陸自調査団HP(https://rikuzi-chousadan.com/soubihin/kaisyuu/type90kai.html
最初に書いておくが、92式地雷原処理ローラ装備型は派生とは言わないんじゃないかなーと思う。もし登場したらここに改めて書き足すが……恐らく出番は無い。というわけで、90式戦車回収車について触れよう。多分出てこないと思うが。


略称 90TKR
広報向け愛称 リカバリー
全長 約9.20m
全幅 約3.40m
全高 約2.70m
重量 約50.0t
乗員数 4名
主武装 12.7mm重機関銃M2
牽引力 50t
吊り上げ能力 約25t
速度 約70km/h
エンジン 三菱10ZG32WT
2ストロークV型10気筒液冷ターボチャージド・ディーゼル
1,500hp/2,400rpm
行動距離 500km

車体右側にブームクレーン。車体全面にウインチと駐鋤となるドーザーブレードを備えた戦車回収車である。クレーンは25tの釣り上げ、ウインチは50tの牽引能力を持つ。車体後部上面は予備もしくは故障車輌から取り外したエンジンなどを乗せておける架台になってる。また、砲身用の架台もあるようで、90式戦車の予備砲身を載せておき、損傷した砲と交換可能。

自衛用としてM2 12.7mm機関銃と発煙弾発射機を備える。あとサスペンションは90式戦車とは異なり全て油気圧式サスペンションである。平成22年度までの間に約30輌が調達された。

調達コスト

ついにやってまいりました残念な所その2。良いところしか無かったら良いのだが、そうも行かない国産装備である。
調達コストは配備当初は約11億円。最終的に量産効果もありまして約8億円まで下がった。ちなみに74式は約3.5~4億円ぐらいだったので、当時高い高いと言われ*2、外国の第3世代を購入したほうが安上がりだーっていう意見がたくさんありったが、主だった国のだとアメリカのM1とドイツのレオパルト2は1輌あたり10億円以上、イギリスのチャレンジャー2は11億5千万ぐらいでフランスのルクレールだと十億円ぐらいするなど殆ど変わらない。

しかも他の外国装備を見れば分かるけど、購入もしくはライセンス生産するとなるとどうしても高くなるのは避けられないわけであり、トータルコストを計算すると、結局の所90式と大差は無いということになる。それだったら、技術蓄積とかパーツ供給とかの整備維持の面とかから国産のほうがメリットあるだろうと判断したのである。生産は平成年度までに341輌。富士教導団とかの一部を除けばほとんど北海道に配備されている。その重量から本州の橋梁通過には難があるとされるなんて言われてるけど、実際には65%を通行可能である。

ほとんどの国道では最大積載量40~50トン+自重十数トンの大型トレーラーが通過しても大丈夫なために北海道以外でも運用可能である。北海道では時々駐屯地の周辺で行動を走っている90式の姿が見られる。また、重量も他国の戦車などと比べたらそんなでも無い。(比較:フランスのルクレールが約56.5 t、イギリスのチャレンジャー2が約62.5 t、アメリカのM1A2 SEPV2が約63.28 t、ドイツのレオパルド2A7が約67 tである)

とは言ったものの、移動の際に戦車輸送車に積むと重量が重くなりすぎるもんだから橋げた1つあたり1台しか乗らないように注意する必要がある。隊列を組んで橋を渡る事ができなくなる。また、73式特大型セミトレーラではそのままの状態では最大積載量をオーバーしてしまうため、車体と砲塔を分離して運ぶ。でも何で北海道なのかというと、あそこは車が主な移動手段なもんだから、他と比べて自動車道の整備が十分されてて、主要道路の橋梁ならほぼ問題なく通過出来るからである。

前述の通り、履帯にゴムパッドを付けて公道を走ることだってある。北千歳駐屯地から東千歳駐屯地間で、C経路と言われる経路を10km/h以下で町の中を走行しているけどあれは特例である。その為に安全装置が取り付け可能となっている。安全装置というのはサイドミラーとか方向指示器とか。そんなわけで、海外の主だった第3世代と違って大掛かりな改修はしてないが、後発の第3世代であることと、野外通信システムの搭載等を含め戦闘能力の強化を見込めるため、将来的に問題はないのでは無いか、と筆者としては思いたいところである。

現在は北海道だけではなく、協同転地演習にて九州に初上陸した。 これは年々増す中国や北朝鮮の脅威に対抗するため、従来の北方重視から島嶼防衛を含めた西方重視に自衛隊のドクトリンが変化している為である。小規模ではあるが89式装甲戦闘車なども加えた中隊戦闘群編成であり、民間輸送力活用も含めて南西への抑止力向上が期待される。


作中での活躍


ロウリア王国戦「王都ジン・ハーク攻防戦」にて、ハーク・ロウリア34世逮捕の為、陽動任務に出撃。王都を囲む城壁から4kmほどの位置に布陣する。直後、交戦規定クリアのため、1輌が突出、わざと矢を受ける。しかし当然ながら無傷。
その後は車載機関銃にて、まず威力偵察に出て来た騎兵400騎を殲滅。続いて出撃して来た重装歩兵大隊も、スワウロ一人を残して全滅させた。その夜、主砲にてジン・ハークを囲む三重の城壁、その北側城門を一撃ですべて破壊した上、道路に大穴を開けている。

パーパルディア皇国戦「フェン王国の戦い」において、フェン王国首都のアマノキ東海岸におおすみ型輸送艦からエアクッション艇1号型にて上陸。本戦には10輌が投入された。
同国コウテ平野においてパーパルディア皇国軍のリントヴルム(地竜)32頭を主砲にて一掃する。この時、敵の牽引式魔導砲に撃たれ、2発を被弾するも、損傷に関して一切記載が無い。塗装が多少焦げたかもしれないくらいである。いずれにせよ行動に一切の支障は無かった。

……活躍の詳細は任せた。
関連項目
兵器自衛隊日本国

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過去のコメント
  • 自己再生機能もちの超装甲を中世時代の大砲で破れるはずがないからなw - 名無しさん (2018-05-20 17:53:56)
  • 10式は魔王戦で活躍していたがそれ以外の戦場では90式の方が出番多いようだ。GATEと違って74式は出てこない。 - 名無しさん (2018-05-20 18:51:09)
    • 74式が出てこないのは年が年だし日本から離れた所で故障されたら困るからかな - 名無しさん (2019-03-18 01:01:58)
    • 某門は、もし乗り捨てるようなことになっても向こうの連中にはどうにも使えない(燃料も弾も無いし構造も理論も理解出来ない)から、と言う前提がある。こっちのグ帝相手とかで同じ事やったらえらい事になる可能性充分にあるだろ? そう言う事じゃね? - 名無しさん (2019-03-18 21:04:26)
    • 74式は数は多いから各地の駐屯地とかに配備する分には良いかもね。性能面では対愚帝でも充分オーバーキルだし。 - 名無しさん (2019-04-09 01:14:29)
  • ムーでの陸戦 - 名無しさん (2018-05-20 18:56:54)
    • (対グ帝)もたぶん90式が活躍する気がする - 名無しさん (2018-05-20 18:58:12)
  • 側面の防御力も書いた方が良いかと - 名無しさん (2018-05-23 19:04:10)
    • そう思った人が書けばいいんじゃない? - 名無しさん (2018-07-07 17:37:55)
  • 90式によるグ帝チハもどきの蹂躙劇始まるよ〜 - 名無しさん (2018-07-07 17:10:14)
  • 些末かもしれないけど、駆動系の欄、エンジンはレオパルドより最大出力可能時間が上回った代わりにサイズはレオパルドより大きかった気がするけど - 名無しさん (2018-07-18 13:40:45)
    • 逆にレオパルドがA6系統になった際にユーロパックで無理に小型化したんだよ - 名無しさん (2018-07-21 12:50:54)
  • 歩兵師団より戦闘能力の高い(俗に三倍と言われている)機甲師団を派兵するのが、コスパが高いので基本的に第七機甲師団が多くなると思われる。 - 名無し (2018-10-06 15:34:54)
  • あんまり長い上主観の入った不自然な文体を削除しました。というか兵器関連書いてるやつここを私物化してないか? - 名無しさん (2022-09-07 20:39:58)

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〔最終更新日:2022年11月24日〕

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最終更新:2022年11月24日 17:49

*1 車体正面にHEAT-MP3発とAPFSDS1発、砲塔正面にAPFSDS1発でいずれも距離250mからの砲撃

*2 某嵐を呼ぶ5歳児の映画でもネタにされた。