フェン王国の戦い

ふぇんおうこくのたたかい

日本パーパルディア皇国の戦争における最初の本格的な戦闘。
日時
中央暦1640年1月28日 早朝
フェン王国周辺
交戦勢力
日本国海上自衛隊第1護衛隊群
(コミカライズ版では第4護衛隊群)
日本国航空自衛隊
日本国陸上自衛隊フェン王国邦人救出隊第1戦闘団
パーパルディア皇国陸軍及び海軍
指導者/指揮官
海上自衛隊と航空自衛隊は不明
フェン王国邦人救出隊第1戦闘団団長天野二等陸佐
艦隊総司令官シウス将軍
陸戦部隊指揮官ベルトラン陸将
戦力
海上自衛隊第1護衛隊群
こんごう型護衛艦こんごう
あきづき型護衛艦すずつき
他護衛艦 15隻
おおすみ型輸送艦 3隻
エアクッション艇1号型 6隻
航空自衛隊
F-2 10機
F-15J改 8機
E-767 おそらく1機
陸上自衛隊フェン王国邦人救出隊
陸上自衛隊員 330名
90式戦車 10輛
89式装甲戦闘車 2輌
99式自走155mm榴弾砲 5輌
MLRS 10輌
偵察用オートバイ 3台
AH-64D 3機
パーパルディア皇国海軍
超フィシャヌス級戦列艦「パール」
フィシャヌス級戦列艦「フィシャヌス」他戦列艦209隻
竜母「ミール」「ガナム」「マサーラ」他9隻
揚陸艦101隻
ワイバーンロード240騎
パーパルディア皇国陸軍
リントヴルム32頭
移動式魔導砲(数不明)
推定総数19~20万人
損害
90式戦車1輛被弾するもほぼ無傷 パーパルディア皇国海軍
戦列艦及び竜母合計223隻撃沈
ワイバーンロード24騎撃墜
※他のワイバーンロードは竜母と共に水没
パーパルディア皇国陸軍
リントヴルム全頭撃破
戦死者
約18万人(陸戦部隊指揮官ベルトラン含む)
※生存者は全員捕虜(侵攻軍司令官シウス含む)
結果
日本側の圧勝
はじめは海上。築城基地から出撃したF-2による93式空対艦誘導弾の攻撃で、パーパルディア海軍の竜母および護衛の砲艦、計20隻が撃沈。
警戒飛行中のワイバーンロード12騎も、F-15J改の放った99式空対空誘導弾04式空対空誘導弾によりあっという間に撃墜された。

続いて陸上ゴトク平野周辺*1ベルトラン将軍率いる皇国軍陸戦隊3,000名のために偵察に向かったワイバーンロード12騎と支援するはずの戦列艦20隻も「すずつき」によって全て撃墜・撃沈された。(公式によると、マイラスとラッサンに護衛艦の性能を見せるために、特別に実演したような形
この時観戦武官として「すずつき」に乗艦していたマイラスラッサンは、日本の力を再認識する。

支援を失った陸戦隊に90式戦車10輌が襲い掛かり、魔導砲の命中をものともせず最も脅威となるリントヴルム32頭だけを全滅させて後退する。間髪入れずAH-64D 3機が登場。99式自走155mm榴弾砲MLRSでの攻撃のため、皇国軍陸戦隊を一箇所に追い込む。
陸戦隊側は追い込まれたことに気付いて降伏の合図を送るが、自衛隊はこの世界における降伏の合図を知らず、「大規模攻撃魔法の準備かもしれない」と疑った*2。直後、皇国軍陸戦隊は一兵残らず全滅。

日本国外務省は「降伏する時は白旗を上げろ」と事前に伝えていた*3のだが、自軍が敗れるはずがないと信じ切っていたパーパルディア上層部は前線部隊にそれを通達しなかった。それどころか、作中世界における降伏の合図をも意図して日本側に伝えなかった。パーパルディア皇国上層部(実質的にレミール)は、最初から日本軍に対しては『降伏すら許さず、一兵残らず皆殺しにするつもり』だったのである。皮肉極まることに、それが最悪の形で裏目に出たのだった。

この頃、ニシノミヤコ沖合で護衛隊群とパーパルディア艦隊との戦闘が行われていた。護衛隊群側は約10kmの距離から砲撃を開始、パーパルディア側にとって完全なアウトレンジからの攻撃により艦隊全てを撃沈される。この結果、パーパルディア海軍は全戦力の1/3を喪失した。
数時間後、ニシノミヤコに残っていたパーパルディア皇国軍*4は、奪還に来たフェン王国軍に降伏。
これ以降、ニシノミヤコでは自衛隊の活躍を記念し、船の形に組んだ木を焼く『火柱祭り』が毎年開催されることになる。

+ コミカライズ版では流れが若干異なる。
自衛隊がフェン本土・アマノキ西側の入江に上陸した時点では、ベルトランの部隊も山岳部の街道を抜けてきたところで、まだアマノキに迫るまでは間があり、フェン王国軍もまだ余裕があった。ただし、この時点でパーパルディア軍の侵攻経路上の集落で略奪を働いた痕跡を自衛隊に発見されている。

ベルトランは総指揮官のシウスに連絡を取ろうとするが、この時岩礁地帯で停泊中だった竜母艦隊がF-2によって攻撃され壊滅。唯一、敵航空戦力の先制攻撃により制空権を奪取されたと把握したアルモスは乗艦と運命を共にし、シウスがニシノミヤコ駐留部隊から偵察に出したワイバーン部隊もF-15J改によって全滅させられていた。竜母艦隊の停泊地で爆発が起こり、連絡が途絶えたため、シウスは状況確認に忙殺され、ベルトランからの通信を受けることができなかった。
この為、ベルトランはワイバーン部隊が撃墜されるシーンを直接見てはいない。
戦列艦隊は竜母艦隊とは別に、陸上部隊の支援のためにゴトク平野南部沿岸部まで接近していたが、ベルトランの目の前で第4護衛隊群から艦砲射撃を受け、一方的に全滅させられた。

+ なぜ第1護衛隊群から第4護衛隊群に変更されたのか
Web版ではマイラスとラッサンが観戦武官として乗艦した艦は「あきづき型護衛艦」と書かれていて、「すずつき」と明言されていない。第1護衛隊群にいるあきづき型は「あきづき(III)」*5
Web版で「すずつき(II)」が登場するのはずっと後、グラ・バルカス帝国との戦いから。この時点で日本が転移してから時間が経過しているため、配置が変わっていても不思議ではない。
が、書籍版ではこの設定を整えず、第1護衛隊群のまま「すずつき」がいることになってしまった
コミカライズ版では、逆に「すずつき」の存在を重視したことと、Web版が書かれた時点ではまだ竣工していなかった「かが(II)」がロウリア戦から既に登場している為、正式に第4護衛隊群に変更されたものと思われる。この戦いやジン・ハーク攻防戦ではAH-64DAH-1Sは「かが」の甲板を間借りしている。

AH-64Dによる攻撃は、第4護衛隊群によって戦列艦隊が全滅した後に、「かが」の飛行甲板から飛び立ち、南側からベルトランの部隊に襲いかかっている。

ベルトラン達が全滅した後は若干駆け足で内容が進む。シウスはニシノミヤコ港湾内から残存艦隊を出向させるまもなく、第4護衛隊群の艦砲射撃により壊滅。シウスはその直後に、自衛隊とともに反攻してきたフェン軍に降伏した。パーパルディア皇国軍ニシノミヤコ残存兵力の被害は不明だが、揚陸艦や攻城用の曲射砲艦などは無傷とは考えにくい。

この敗北に対してプライドの高いパーパルディア上層部は、文明圏外国(と思い込んでいた)に敗れた屈辱から激昂。
激怒した彼らは、日本の軍事力を確認も再検討もすることなく、日本に対する「殲滅戦」すなわち全国民皆殺しを宣言*6。日本の実態を誤認したまま、日本外務省との外交ルートを自ら閉ざしてしまう*7
(この時が、パーパルディア皇国が敗戦と没落を免れる最後の機会だったのだが、日本を弱小国家と信じるパーパルディア首脳部は、それを知る由もなかった。)

この戦闘後に日本国内でも「パーパルディア皇国の日本に対する宣戦布告と殲滅戦宣言」が国民にも公表され正式に戦時体制に突入。
そして、皇国側が行動を起こす前に自衛隊によるアルタラス王国の解放作戦が実施される。
関連項目
歴史自衛隊パーパルディア皇国

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過去のコメント
  • ごめん、勘違いかもしれん上のは忘れて。 -- 名無しさん (2017-12-31 10:41:09)
  • 確認したが、書籍版ではWeb版からの加筆はあるが削除はない。撃墜シーンは、ワイバンロードが内地方向へ落ちたのを見たベルトランが思わず反対側の海を見たところで、『すずつき』を発見したとなっている。このシーンではF-15J改は登場していない。 -- 名無しさん (2017-12-31 13:32:59)
  • (2017-12-31 13:32:59) 二巻の293ページで「あのワイバーンロードまでも正確に撃ち落としてしまった。」と記述がある。 -- 名無しさん (2017-12-31 13:49:13)
  • 観戦武官の誤認の可能性はあるけど注釈は付けといた方がいいと思う -- 名無しさん (2017-12-31 13:52:13)
  • オートバイは戦力に入るのか? -- 名無しさん (2017-12-31 20:39:30)
  • ↑偵察という作戦行動のために使われるわけだし、戦力扱いしてさほど変ではないかと。まあ、バイクに乗りながら銃ぶっ放すわけではないけども。 -- 名無しさん (2017-12-31 20:42:43)
  • それならおおすみ型輸送艦やE-767も入れないといけない。あと『すずつき』はワイバーンロードと地上支援の砲艦を殲滅した後、速やかに戦場を離脱したとされている。他の護衛艦と合流して海戦に参戦したという記述は書籍にはない。護衛艦の数が『すずつき』も入れて16隻とする根拠はどこにあるのだろうか? -- 名無しさん (2017-12-31 23:18:05)
  • ↑おおすみ型とエアクッション艇、E-767を入れといた。電子書籍だとエアクッション艇の数え方が「機」になってたけど、艦艇なので一応「隻」表記にした。不味かったら修正頼む。 -- 名無しさん (2017-12-31 23:42:21)
  • 魔信があるから距離的な問題はないだろうし、「白旗を上げる前に殺ってやる!」なんて発言があってもおかしくなかった -- 名無しさん (2018-01-01 12:51:45)
  • ↑問題は白旗云々をレミールが連絡しなかったことだね。朝田もどうせ連絡しないだろって確信してたと思うし。 -- 名無しさん (2018-01-01 13:02:09)
  • ニシノミヤコ守備隊が交戦しなかったのは『奇跡的』じゃない。日本側が民間人の巻き添えを恐れて、ニシノミヤコへの空爆を控えたからだよ。 -- 名無しさん (2018-01-02 15:42:47)
  • これはすずつき含めて17隻です。https://twitter.com/jp_summons/status/948560475289108480 -- 名無しさん (2018-01-03 23:33:48)
  • 白旗関連ですが、「そもそも第三文明圏で降伏合図が統一されて居らず、事前調査にも限度があった」可能性が公式ツイで示唆されました。す……救えねぇ……https://twitter.com/jp_summons/status/948798048943026176 -- Jゴロー (2018-01-04 21:28:59)
  • この戦いからアルタラス島の戦いまで4か月の間がある。外征に不慣れな日本国だから戦争が長引いたんだろうか - 名無しさん (2018-10-09 18:55:58)
    • シオス王国に航空機の基地造ったりとか、準備に時間がかかったんでしょう。 - 名無しさん (2018-10-23 17:43:16)
    • いや、フィン王国での戦闘自体は速攻で終わってるじゃん。上の人も言ってるけど準備の問題だろ。 - 名無しさん (2019-04-06 16:28:03)
  • なんで自衛隊は90式を投入したのかね。性能は同等以上で軽くて派遣しやすい10式を派遣した方が良かったと思うんだが‥ - 名無しさん (2019-04-09 01:13:19)
    • 本Wikiの作中歴史年表を見ると分かるけれど、フェン王国の戦いの当時(中央暦1639年=西暦2015年)、第7師団には10式戦車が配備されていなかったからだよ(第7師団に10式の配備が始まったのは2017年初め頃)。また10式は数が少ないと言う事情もある。 - 名無しさん (2019-04-23 20:45:28)
      • ↑ゴメン。対ロウリア戦の時の話と誤解した。訂正すると本当の回答は「10式はこの当時配備数が少ない(2014年度までの調達数が66輌)」から。 - 名無しさん (2019-04-23 20:49:30)
        • なるほど。確かに絶対数少なかったらそうそう投入できないだろうね。ありがとう。 - 名無しさん (2019-04-24 17:21:23)
  • レーミル - 名無しさん (2022-02-16 19:27:54)
  • レーミル - 名無しさん (2022-02-16 19:28:22)
  • レーミル伏許さん発言問題 - 名無しさん (2022-02-16 19:35:07)
  • ついに漫画でも描かれたな。うまくアレンジして辻褄合わせてくれた感。 - 名無しさん (2023-01-13 14:27:49)
  • マンガ版の転移時期が書籍版と同じなら「かが」の就役時期と合わなくね - 名無しさん (2023-04-01 20:52:05)
    • それどころか2015年1月だと「いずも」の1護群配置もまだだよ。完成はしてたけど。 - 名無しさん (2023-09-28 23:49:27)

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〔最終更新日:2023年09月25日〕
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最終更新:2023年09月25日 07:25

*1 Web版ではコウテ平野

*2 この場面を読む限り、虐殺事件の遺族だった指揮官はこれが降伏の合図であると分かっていて恣意的に攻撃の準備と解釈した疑いが強い。

*3 「それ以外の方法は降伏の合図として認めない」という意味も含まれており、首相が防衛省で邦人救出作戦について説明を受けた際のやり取り(web版では、報復前提の作戦であることがほぼ明確であった)と併せて考えると、事前通達自体が日本側の正当性を立証するためだけの、茶番だった可能性もある。

*4 ニシノミヤコ守備隊と揚陸艦隊。いずれも奇跡的に自衛隊と交戦しなかったため、人的被害はほとんど無く、揚陸艦101隻も被害を被らなかった。

*5 戦前の大日本帝国陸軍を徹底的に否定した陸上自衛隊、そもそも戦前は独立した空軍がなかった航空自衛隊とは異なり、海上自衛隊は大日本帝国海軍と掃海艇数隻と駆逐艦1隻(駆逐艦「梨」→DE-261「わかば(III)」)ながら継承しており、旧海軍の正統な後継者という意識がある。艦名も命名の段階で旧海軍艦の襲名を強く意識している為、艦名の代は旧軍から通しとするべきである。現在の「こんごう」は3代目(初代は1878年竣工のコルベット、2代目は高名な1913年竣工の巡洋戦艦→戦艦である)。

*6 最初の報告を受けたのがレミールと軍司令官アルデ、第1外務局長エルトだったため、敗北を聞いたレミールが激怒し、そのまま皇帝ルディアスの殲滅戦宣言まで一気に繋がってしまった。ただし、直後にアルタラス王女ルミエスの属領への蜂起呼びかけに日本が関わっており、外務局の職員が「皇帝は殲滅戦を選択する」と話していたため、彼女の進言が無くても結局は殲滅戦に踏み切っていたと思われる

*7 日本との外交ルートは第3外務局長のカイオスが皇国政府とは極秘で外交官の朝田と交渉し、通信機と発電機を設置したことで辛うじて維持された。