ふぇんおうこくのたたかい
フェン王国に地上侵攻したパーパルディア皇国との一連の戦闘の仮称。
日本と
パーパルディア皇国の戦争における最初の本格的な戦闘。本記事では、戦闘までの経緯と戦闘中に起きた主な出来事にも記述していく。
開戦経緯
フェン沖海戦における敗北で、躍起になったパーパルディア皇国は皇帝ルディアスの指示で、フェン王国に対して主力艦隊による侵攻を開始。その一方で敗北の要因となった日本国に対しても強硬路線を取ることを指示して、日本国との外交を担当していた第三外務局を解任し外務局監査室所属の
レミール主導で恫喝外交に切り替えた。
一方日本国はフェン王国との国交を締結した後に、観光客が大挙してフェン王国の押し寄せインフラが殆どないにも関わらず、中央歴1639年12月12日の時点で4000人ほどの邦人が滞在していた。しかし国交締結から二カ月しか経っていないため、通信インフラがないのと外務省が深刻な人手不足で対応が後手に回ったことから観光客は、フェン王国が戦場になることも認識しておらず、退避も一切間に合わない状態だった。
コミカライズ版は少し経緯が違い国交が結ばれてないのにも関わらず観光ツアーブームで観光客が大挙しており、より人手不足の外務省では対処困難な状態であった。
開戦、上陸戦
中央歴1640年1月07日、アルタラス島から北東500km地点に皇国艦隊324隻がフェン王国に向けて進軍を開始した。そして中央歴1640年1月18日に皇国艦隊がニシノミヤコ沖にまで進出し艦砲射撃を開始、砂浜の防壁とニシノミヤコの詰所を破壊して約1000人の部隊が上陸した。しかし日本の戦術を学んだフェン王国の武士200人が、砂浜に穴を掘り潜伏していたため、皇国陸軍は接近戦に持ち込まれ物量差で勝利するも部隊の4割に当たる400人が死亡する大損害を受けた。しかしその後は後続の部隊が加わり2600人に増員した皇国軍が装備の差で圧倒し、同日中に僅か20人の死者を出すだけでニシノミヤコを制圧。防衛に当たっていたフェン王国武士団は2000人中1500人の犠牲を出し壊滅した。
コミカライズ版では、大まかな流れは同じだが浜辺で奇襲した武士の戦闘能力が原作よりも高くなっており、圧倒的な実力差で皇国兵を次々と切り捨てて行ったが、描写されている範囲では原作よりも遥かに規模が少なかったため、攻めきれず距離を取った皇国軍の銃撃によって全滅している。
日本人観光客処刑、そして決裂へ
同日レミールは第一外務局に皇国と交渉していた日本国の外交官である
朝田と
篠原を呼び出し、属国になるよう脅迫した。これを日本側に拒否されたことで、激怒したレミールはニシノミヤコ内で捕えていた日本人観光客203名全員を斬首刑にして再度脅迫、これに激怒した日本側は交渉を打ち切り、強行姿勢を表明し両国の関係は完全に決裂した。
コミカライズ版では流れは同じだが、レミールが朝田が全権大使ではないことに腹を立て、処刑命令を出している。また処刑方法が変更されており、
マスケット銃を使用した銃殺刑とより見せしめの側面が強くなっている。
+
|
観光客の大半は事前に退避していた? |
上述の通り、12月時点のフェン王国の滞在客は4000人なのだが、内ニシノミヤコに滞在していたのは1000人と処刑された観光客の五倍の数が滞在していたと本文には書かれている。これは侵攻の1カ月前の数値なのだが、侵攻時もアマノキには12月時点と同じ3000人滞在していることが、明らかになっている。そうなると処刑された観光客以外の観光客の動向が気になるが、少なくとも皇国軍によって殺害されたわけではないと思われる。可能性としてあるのは、ニシノミヤコの観光客の大半が帰国したか、アマノキに元から滞在していた日本人は12月より減少しており、ニシノミヤコから避難した観光客が合流した可能性も考えられる。
|
日本国の参戦
中央歴1640年1月21日、日本国は内閣総理大臣の会見により、軍事行動に移ることを宣言。フェン王国及び王国の首都アマノキに滞在する日本人観光客への救助部隊を派遣を決定した。一方で皇国軍はニシノミヤコでの被害の補充をしたため、進軍速度が遅く各地の集落への略奪もしていたため、アマノキまでの到達には時間がかかる状況だった。
そして中央歴1640年1月28日に救助部隊と皇国軍との戦闘が勃発した。
はじめは海上。築城基地から出撃した
F-2による
93式空対艦誘導弾の攻撃で、パーパルディア海軍の
竜母および護衛の砲艦、計20隻が撃沈。
警戒飛行中の
ワイバーンロード12騎も、
F-15J改の放った
99式空対空誘導弾と
04式空対空誘導弾によりあっという間に撃墜された。
支援を失った陸戦隊に
90式戦車10輌が襲い掛かり、
魔導砲の命中をものともせず最も脅威となる
リントヴルム32頭だけを全滅させて後退する。間髪入れず
AH-64D 3機が登場。
99式自走155mm榴弾砲と
MLRSでの攻撃のため、皇国軍陸戦隊を一箇所に追い込む。
陸戦隊側は追い込まれたことに気付いて降伏の合図を送るが、
自衛隊はこの世界における降伏の合図を知らず、「大規模攻撃魔法の準備かもしれない」と疑った。直後、皇国軍陸戦隊は一兵残らず全滅。
日本国外務省は「降伏する時は白旗を上げろ」と事前に伝えていたのだが、自軍が敗れるはずがないと信じ切っていたパーパルディア上層部は前線部隊にそれを通達しなかった。それどころか、作中世界における降伏の合図をも意図して日本側に伝えなかった。パーパルディア皇国上層部(実質的に
レミール)は、最初から日本軍に対しては『
降伏すら許さず、一兵残らず皆殺しにするつもり』だったのである。皮肉極まることに、それが
最悪の形で裏目に出たのだった。
この頃、ニシノミヤコ沖合で護衛隊群とパーパルディア艦隊との戦闘が行われていた。護衛隊群側は約10kmの距離から砲撃を開始、パーパルディア側にとって完全なアウト
レンジからの攻撃により艦隊全てを撃沈される。この結果、パーパルディア海軍は全戦力の1/3を喪失した。
数時間後、ニシノミヤコに残っていたパーパルディア皇国軍は、奪還に来たフェン王国軍に降伏。
これ以降、ニシノミヤコでは自衛隊の活躍を記念し、船の形に組んだ木を焼く『火柱祭り』が毎年開催されることになる。
+
|
コミカライズ版では流れが若干異なる。 |
自衛隊がフェン本土・アマノキ西側の入江に上陸した時点では、ベルトランの部隊も山岳部の街道を抜けてきたところで、まだアマノキに迫るまでは間があり、フェン王国軍もまだ余裕があった。ただし、この時点でパーパルディア軍の侵攻経路上の集落で略奪を働いた痕跡を自衛隊に発見されている。
ベルトランは総指揮官のシウスに連絡を取ろうとするが、この時岩礁地帯で停泊中だった 竜母艦隊が F-2によって攻撃され壊滅。唯一、敵航空戦力の先制攻撃により制空権を奪取されたと把握した アルモスは乗艦と運命を共にし、シウスがニシノミヤコ駐留部隊から偵察に出した ワイバーン部隊も F-15J改によって全滅させられていた。竜母艦隊の停泊地で爆発が起こり、連絡が途絶えたため、シウスは状況確認に忙殺され、ベルトランからの通信を受けることができなかった。
この為、ベルトランはワイバーン部隊が撃墜されるシーンを直接見てはいない。
戦列艦隊は竜母艦隊とは別に、陸上部隊の支援のためにゴトク平野南部沿岸部まで接近していたが、ベルトランの目の前で 第4護衛隊群から艦砲射撃を受け、一方的に全滅させられた。
+
|
なぜ第1護衛隊群から第4護衛隊群に変更されたのか。 |
Web版ではマイラスとラッサンが観戦武官として乗艦した艦は「あきづき型護衛艦」と書かれていて、「すずつき」と明言されていない。第1護衛隊群にいるあきづき型は「あきづき(III)」。
Web版で「すずつき(II)」が登場するのはずっと後、 グラ・バルカス帝国との戦いから。この時点で日本が転移してから時間が経過しているため、配置が変わっていても不思議ではない。
が、書籍版ではこの設定を整えず、 第1護衛隊群のまま「すずつき」がいることになってしまった。
コミカライズ版では、逆に「すずつき」の存在を重視したことと、Web版が書かれた時点ではまだ竣工していなかった「かが(II)」がロウリア戦から既に登場している為、正式に第4護衛隊群に変更されたものと思われる。この戦いや ジン・ハーク攻防戦では AH-64D・ AH-1Sは「かが」の甲板を間借りしている。
|
AH-64Dによる攻撃は、第4護衛隊群によって戦列艦隊が全滅した後に、「かが」の飛行甲板から飛び立ち、南側から ベルトランの部隊に襲いかかっている。
ベルトラン達が全滅した後は若干駆け足で内容が進む。 シウスはニシノミヤコ港湾内から残存艦隊を出向させるまもなく、第4護衛隊群の艦砲射撃により壊滅。シウスはその直後に、自衛隊とともに反攻してきたフェン軍に降伏した。パーパルディア皇国軍ニシノミヤコ残存兵力の被害は不明だが、揚陸艦や攻城用の曲射砲艦などは無傷とは考えにくい。
|
この敗北に対してプライドの高いパーパルディア上層部は、
文明圏外国(と思い込んでいた)に敗れた屈辱から激昂。
激怒した彼らは、
日本の軍事力を確認も再検討もすることなく、日本に対する「殲滅戦」すなわち全国民皆殺しを宣言。日本の実態を誤認したまま、
日本外務省との外交ルートを自ら閉ざしてしまう。
(この時が、
パーパルディア皇国が敗戦と没落を免れる最後の機会だったのだが、日本を弱小国家と信じるパーパルディア首脳部は、それを知る由もなかった。)
この戦闘後に日本国内でも「パーパルディア皇国の日本に対する宣戦布告と殲滅戦宣言」が国民にも公表され正式に戦時体制に突入。
そして、皇国側が行動を起こす前に自衛隊による
アルタラス王国の解放作戦が実施される。
※既存の[[コメント]]に返信する場合、返信したいコメントの左側にチェックを入れて下さい。
過去のコメント
ここを編集
〔最終更新日:2025年08月07日〕
最終更新:2025年08月07日 04:31