概要/世界設定
正統教会連合(エクレシア・リソナ…「響き合う教え」の意)と『戦争』について
この世界を牛耳る巨大宗教連合組織。大聖王国ディルレ・ファナとその国教会である神聖護王教会を中心として様々な国家と国教会らが名を連ねており、「正教連に在らざるは人に在らず」の風潮が極自然に人々の意識に芽生えているほどの勢力を持つ。
一般の民衆には意図的に隠されているが、『究極目的』として悪魔の殲滅を掲げている。現在は偶発的に誕生する悪魔を滅ぼして回れば済んでいるが、かつて何度か起きた突然の大発生の折には大規模討伐(レコンキスタ)を余儀なくされ、悪魔の存在を知らぬ、もしくは信じていない諸王や民衆の間では不信感も高まっている。
多くの因縁を孕む『戦争』の最中にもレコンキスタは行われていたのだが、それは戦争途中で悪魔の大量発生、後の世で言う『万魔行(パンデモニック)』が起きたゆえの措置であり、その発端は少々事情が異なる。
一般の民衆には意図的に隠されているが、『究極目的』として悪魔の殲滅を掲げている。現在は偶発的に誕生する悪魔を滅ぼして回れば済んでいるが、かつて何度か起きた突然の大発生の折には大規模討伐(レコンキスタ)を余儀なくされ、悪魔の存在を知らぬ、もしくは信じていない諸王や民衆の間では不信感も高まっている。
多くの因縁を孕む『戦争』の最中にもレコンキスタは行われていたのだが、それは戦争途中で悪魔の大量発生、後の世で言う『万魔行(パンデモニック)』が起きたゆえの措置であり、その発端は少々事情が異なる。
十年前、悪魔の発生が人類全体の信仰心の揺らぎにあると主張した一部強硬派宗教学者の主張に賛同した重聖帝国シルファラント――正教連の熱心な出資者の一角である――は早々に兵を集め、近隣諸王と共に正教連非加盟国家との国境を封鎖した。
「誤った信仰は捨てよ。ただちに正教連に加盟し、正しき信仰を持って統一神メグジス=マグスの下に仕えよ」……それがシルファラントら強硬派の要求だった。この時、第二十三代シルファラント帝王グランカールは正教連が掲げる統一信仰主義(ネビリズム)に心酔しており、その要求が呑まれないとなれば迷わず武力侵攻を開始することは火を見るより明らかであった。
それを受け、正教連非加盟国家を中心とした『異端』勢力、ドワーフ族を中心とした『鋼鉄山』勢力、エルフ族を中心とした『森の一族』ら各勢力は団結しこれに対応。それまで歴史上タブーとされてきた人間同士の戦争がついに開戦したのだった。
「誤った信仰は捨てよ。ただちに正教連に加盟し、正しき信仰を持って統一神メグジス=マグスの下に仕えよ」……それがシルファラントら強硬派の要求だった。この時、第二十三代シルファラント帝王グランカールは正教連が掲げる統一信仰主義(ネビリズム)に心酔しており、その要求が呑まれないとなれば迷わず武力侵攻を開始することは火を見るより明らかであった。
それを受け、正教連非加盟国家を中心とした『異端』勢力、ドワーフ族を中心とした『鋼鉄山』勢力、エルフ族を中心とした『森の一族』ら各勢力は団結しこれに対応。それまで歴史上タブーとされてきた人間同士の戦争がついに開戦したのだった。
戦いは続き、人類は疲弊した。
そして五年前。人類に追い打ちをかけるように、かつて無い規模の悪魔の大量発生、『万魔行』として後に語り継がれる事件が発生する。
この頃既に強硬派勢力の中核シルファラントはかつての勢いを忘れるほどに疲弊していたのだが、人間軍の中核として自らを成り立てるために行った人類と悪魔の二正面作戦により完全に力尽きてしまった。
代わりに台頭したのが本来正教連の中心として位置していた大聖王国ディルレ・ファナである。穏健派として支持を集めていた聖王セル・セタが呼びかけた『大反撃(ノイエ・レコンキスタ)』はそれまで争っていた人類全てが団結し悪魔の脅威に立ち向かう計画で、どこまでも虚しい戦いに飽いていた人類のほとんどはこれに賛成した。
しかし、聖王のこの計画はどこまでも悪魔に非情になるプランでもあった。
人類全体に悪魔の存在を隠しつつ、悪魔だけを滅ぼす戦い。この戦いの成就にあたり、正教連らは多くの陰謀を張り巡らす必要があった。
和解した国同士が手を結び、叛乱分子・異端者をを粛清するという名目で行う悪魔狩り(ディアボリア・ハント)。一説には、国丸ごとを悪魔狩りの標的に定めたこともあったという。無論、『大反撃』に納得のいかない国もあった。このような経緯があり、『戦争』そのものはまだしばらく継続することとなる……。
結果として『大反撃』の開始から三年、現在から二年前に『万魔行』は完全鎮圧に至った。しかし、この計画には今なお明らかにされぬたくさんの矛盾がある。まず、何故そこまでして人類から悪魔の存在を隠蔽せねばならないのか? 歴史的、宗教的な問題から民草に混乱を与えるのを避けるため、とはされているが、このことについて今なお疑問の声は絶えない。
他にも存在する数々の疑問は、物語の中で徐々に明かされていくことになる。
そして五年前。人類に追い打ちをかけるように、かつて無い規模の悪魔の大量発生、『万魔行』として後に語り継がれる事件が発生する。
この頃既に強硬派勢力の中核シルファラントはかつての勢いを忘れるほどに疲弊していたのだが、人間軍の中核として自らを成り立てるために行った人類と悪魔の二正面作戦により完全に力尽きてしまった。
代わりに台頭したのが本来正教連の中心として位置していた大聖王国ディルレ・ファナである。穏健派として支持を集めていた聖王セル・セタが呼びかけた『大反撃(ノイエ・レコンキスタ)』はそれまで争っていた人類全てが団結し悪魔の脅威に立ち向かう計画で、どこまでも虚しい戦いに飽いていた人類のほとんどはこれに賛成した。
しかし、聖王のこの計画はどこまでも悪魔に非情になるプランでもあった。
人類全体に悪魔の存在を隠しつつ、悪魔だけを滅ぼす戦い。この戦いの成就にあたり、正教連らは多くの陰謀を張り巡らす必要があった。
和解した国同士が手を結び、叛乱分子・異端者をを粛清するという名目で行う悪魔狩り(ディアボリア・ハント)。一説には、国丸ごとを悪魔狩りの標的に定めたこともあったという。無論、『大反撃』に納得のいかない国もあった。このような経緯があり、『戦争』そのものはまだしばらく継続することとなる……。
結果として『大反撃』の開始から三年、現在から二年前に『万魔行』は完全鎮圧に至った。しかし、この計画には今なお明らかにされぬたくさんの矛盾がある。まず、何故そこまでして人類から悪魔の存在を隠蔽せねばならないのか? 歴史的、宗教的な問題から民草に混乱を与えるのを避けるため、とはされているが、このことについて今なお疑問の声は絶えない。
他にも存在する数々の疑問は、物語の中で徐々に明かされていくことになる。
本編に登場する人物のほとんどはこれらの出来事に浅からぬ因縁がある。
クイーンズブレイド復活の経緯について
長きに渡り四年に一度行われてきたクイーンズブレイドであるが、『戦争』の開戦とともにその開催は見送られていた。
しかし『戦争』の終結から二年、ようやく訪れた平穏を祝い、ついにクイーンズブレイドの復活が宣言された。かつて優勝者は「最も強い女性がこの国を支配出来る」という伝統に則り一国の支配権を与えられていたが、今大会の優勝者に与えられるのは「世界王アルウィンとの謁見の権利」。これがどれほどの価値のある褒章なのか、それは参加者それぞれにとって違う意味を持つ。
ただ、参加者の全てが全て世界王に会うことを望んでいるわけではない。むしろ、ただ単に戦いたいがためだけにやってきた者も多い。
ヘリオンとは「暴れん坊」を意味する。物語の登場人物にウォージャンキーが多いのはそのため……なのかもしれない。
しかし『戦争』の終結から二年、ようやく訪れた平穏を祝い、ついにクイーンズブレイドの復活が宣言された。かつて優勝者は「最も強い女性がこの国を支配出来る」という伝統に則り一国の支配権を与えられていたが、今大会の優勝者に与えられるのは「世界王アルウィンとの謁見の権利」。これがどれほどの価値のある褒章なのか、それは参加者それぞれにとって違う意味を持つ。
ただ、参加者の全てが全て世界王に会うことを望んでいるわけではない。むしろ、ただ単に戦いたいがためだけにやってきた者も多い。
ヘリオンとは「暴れん坊」を意味する。物語の登場人物にウォージャンキーが多いのはそのため……なのかもしれない。
また、大会開催に際してその復活を熱心に支持し、多くの資金を出資したのが正教連だった。「世界王との謁見」を優勝賞品に設定したのも正教連であり、その裏には何らかの陰謀があるのは間違いない(#まだ考えてないけど)。
概要/世界設定・裏
この世界の謎についての前置き
まず始めに、この世界には女しかいないということを知らなくてはならない。
「父」「母」の概念はあるが、彼女達は生物学的にはどちらも女性である。子供を作ろうと思ったならば、まずは出生管理局に届を出し、そののちに規定の手続きを踏みホムンクルス技術によって子供を得るのだ。
この世界から「男性」の存在が消えたのには理由がある。クイーンズブレイド第一回大会の開催はその「理由」に深く関わっているが、その経緯を知るものはいまやほとんどいない。
そもそも、「男性」というものが自分たち「女性」とは別に存在した、ということすらあまり知られていないのだから。
「父」「母」の概念はあるが、彼女達は生物学的にはどちらも女性である。子供を作ろうと思ったならば、まずは出生管理局に届を出し、そののちに規定の手続きを踏みホムンクルス技術によって子供を得るのだ。
この世界から「男性」の存在が消えたのには理由がある。クイーンズブレイド第一回大会の開催はその「理由」に深く関わっているが、その経緯を知るものはいまやほとんどいない。
そもそも、「男性」というものが自分たち「女性」とは別に存在した、ということすらあまり知られていないのだから。
正教連が錬金術を奨励し、国家規模で研究に取り組んでいるのにも理由がある。それもまたこの世界の謎に大きく関わるもので、その本当の理由も知らないままに『究極の魂』の生成を目指し今日も研究が進められている。
悪魔について
『原罪』によって生まれた者たちである。
人類に害なす存在として正教連に狩り立てられているが、実際には彼らは害悪などではなく、むしろ被害者とも言える。
その発生源は異世界、というよりも平行世界といったほうが正しい場所。「裏返り」によって平行世界と現行世界の人間が入れ替わるのがその本当の発生理由である。
『万魔行』によってその発生が活発化したが、現在は収束。
詳しくは下記の項目を参照。
人類に害なす存在として正教連に狩り立てられているが、実際には彼らは害悪などではなく、むしろ被害者とも言える。
その発生源は異世界、というよりも平行世界といったほうが正しい場所。「裏返り」によって平行世界と現行世界の人間が入れ替わるのがその本当の発生理由である。
『万魔行』によってその発生が活発化したが、現在は収束。
詳しくは下記の項目を参照。
『簒奪者』の正体について
#7の物語においてヴェルローズに語りかけてきた存在。
その正体は「プレイヤー」という呼び名そのものである。メタ次元に存在する、作中世界の構造を超越した何か。
詳しくは以下の項目を参照。
その正体は「プレイヤー」という呼び名そのものである。メタ次元に存在する、作中世界の構造を超越した何か。
詳しくは以下の項目を参照。
『原罪』について
遥か昔に起きた、「はじまり」ともされる事件。これによって様々な副産物が生じた。「閉じられた輪」や悪魔もその一つ。
一般的には当時の人間たちの愚行を指すとされる(ここでは便宜的に一般的と言っているが、そのことを知るのは正教連の一部高位司祭、および真実を知りながら異教に走った者だけ)。
一般的には当時の人間たちの愚行を指すとされる(ここでは便宜的に一般的と言っているが、そのことを知るのは正教連の一部高位司祭、および真実を知りながら異教に走った者だけ)。
「閉じられた輪(ウロボロス)」について
作中世界は第一回クイーンズブレイドを起点にしてループしている。今回の第四十二回大会がループの終点となっており、ループを解く鍵は物語の開始時には判明していない。
例によってこの世界がループ構造にあるということを知る者はほとんどいない。ヴェルローズは正教連外の人間にしてそのことを知る唯一の存在であり、また人間の身で『簒奪者』と対話した数少ない例の一人でもある。
例によってこの世界がループ構造にあるということを知る者はほとんどいない。ヴェルローズは正教連外の人間にしてそのことを知る唯一の存在であり、また人間の身で『簒奪者』と対話した数少ない例の一人でもある。
「プレイヤー」について
『簒奪者』は作中世界の人間にとっては神そのものである。見えざる手によって人々の命運を操り、意のままに世界を動かす存在。
その正体は作中世界が持つ人格であり、読み手たる貴方自身でもある。
目的は、ループの終焉。ループを終わらせ、物語の結末を見届けること。それが読み手の使命なのだから。
その正体は作中世界が持つ人格であり、読み手たる貴方自身でもある。
目的は、ループの終焉。ループを終わらせ、物語の結末を見届けること。それが読み手の使命なのだから。
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